イベントレポート:メーカーズディナー「ガリアッソ・マリオ」2026

ワインや食材の生産者さんをお招きして、ディナーに来店されるお客さまと交流していただくイベント、メーカーズディナー。

2026年3月6日(金)は、イタリア北部ピエモンテ州のワインメーカー「ガリアッソ・マリオ」社4代目当主、ルカ・ガリアッソさんをお招きしました。イベントの模様とインタビューをお伝えします。

監修/料理長・井上裕基 写真・文/ライター 織田城司
Supervised by Yuuki Inoue    
Photo・Text  by George Oda

1.イベントの概要

ビスボッチャの店内で語るルカ・ガリアッソ氏

ビスボッチャの通常営業のなかで、各テーブルに提供するグラス、ボトルのワインを、ガリアッソ・マリオ社のワインに特化しておすすめし、ワイナリーを知っていただく機会を強化。

ルカさんは通訳とともに、ボトルワインを注文したテーブルをまわり、ご挨拶やワインの解説、記念撮影などを通してお客さまと交流し、ワイナリーの認知度を高める。

ルカさんは接客しながら、アテンドした日本の輸入代理店、株式会社MONACA取締役・バイヤーの青山倫子さんと関係者、筆者を含めた計5名でテーブルを囲み、自社ワインとビスボッチャの料理とのマリアージュを楽しみました。

2.ガリアッソ・マリオ社の歴史

ガリアッソ・マリオ社のワイナリーとブドウ畑(公式写真より)

1900年代初頭、初代がイタリア北部ピエモンテ州のバローロ生産地域の中心部モッラ市で、中世が起源とされる村、トリリオーニで創業。

1980年代、3代目のマリオ・ガリアッソ氏が会社を進化させ、現在の基盤を築く。

2000年代、4代目のルカ・ガリアッソ氏と妹のニコレッタ女史が、会社の事業に加わる。

2006年、ワイナリーの敷地内にレストラン「イル・トリリオーニ」を開業。

ブドウ畑の真ん中で、土着の家庭料理とワイナリーのワインを提供し、ワインを深く知ることに理想的な体験を実現している。

ガリアッソ・マリオ社のワイナリーとブドウ畑(公式写真より)

ブドウ畑で収穫する3代目マリオ・ガリアッソ氏(左)とルカ・ガリアッソ氏(右・公式写真より)

ワイナリー(公式写真より)

ワイナリー(公式写真より)

ワイナリー(公式写真より)

レストラン「イル・トリリオーネ」(公式写真より)

レストラン「イル・トリリオーネ」(公式写真より)

レストラン「イル・トリリオーネ」(公式写真より)

3.ルカさんのマリアージュ

ビスボッチャのソムリエ酒見喜亮(左)と記念撮影するルカ・ガリアッソ氏

お料理

◆冷前菜

炙りサワラのカルパッチョ トマトとポロネギの焦がしソース 紫蘇パープルのせ

◆温前菜

ワカサギの青のり衣のフリットとヤリイカのフリット

◆パスタ&リゾット

和牛とセリのパッパルデッレ

モリーユ茸のリゾット

◆メイン

和牛フィレ肉の炭火焼き150g

ドルチェなし

ワイン

白ワイン「ランゲ シャルドネ “ウティノット”」2023

白ワイン「ランゲ シャルドネ “ウティノット”」2023

ブドウ種:シャルドネ100%

ワインになりかけを抜き出し、古樽内に移して醸造を完成させ、期間は32日間程。艶やかな、麦わら色。黄色い花や、パイナップル、ほのかにバニラの香り、心地よい酸味と、ミネラル感、まろやかなアルコール感、ブドウのうまみを彷彿とさせる余韻の長さが特徴。

ルカ・ガリアッソ氏談

「このシャルドネは、20年ほど前に、私が家業に入ってから、私の考えで生み、育て、自分の子どものように思っています。シャルドネといえば、この味というイメージがあり、その味の実現のために試行錯誤を繰り返し、この味にたどり着くまで約20年かかりました。今は飲むたびに、この味に落ち着いて良かったと感じています」

赤ワイン「ランゲ・ロッソ “トゥッリオン」2018

赤ワイン「ランゲ・ロッソ “トゥッリオン」2018

ブドウ種:ネッビオーロ50%、バルベーラ40%、アルバロッサ10%

24ヶ月フランス小樽熟成。12〜18ヶ月間の瓶内熟成。

濃いルビー色。黒い実のベリーや桃など甘酸っぱい香り。またスパイスや土の香りもする。果実味が口の中に広がり、シルクのようなタンニン、上質な酸のバランスが素晴らしい。デリケートで長い余韻が印象的。

赤ワイン「バローロ “トリリオーネ”」2019

赤ワイン「バローロ “トリリオーネ”」2019

ブドウ種:ネッビオーロ100%

6ヶ月フレンチバリック(10%は新樽)へ。その後一緒にして22〜24ヶ月間大樽熟成。10〜12ヶ月間瓶内熟成後に出荷。

濃いルビー色。熟したブドウの香りがグラスいっぱいに広がり、ネッビオーロ特有のしっかりした果実味。あふれる香りを飲むごとに感じられる重厚なタンニン、アルコール感、果実味はバローロの威厳を感じる深い味わい。

赤ワイン「バローロ リゼルヴァ」2017

赤ワイン「バローロ リゼルヴァ」2017

ブドウ種:ネッビオーロ100%

6ヶ月フレンチバリック(10%は新樽)へ。その後一緒にして22〜24ヶ月間大樽熟成。10〜12ヶ月間瓶内熟成後に出荷。

濃いルビー色からレンガ色。香りはアメリカンチェリー、カシス、花のブーケ、甘草、スパイス、カカオ、バニラなど。芳醇で魅惑的な果実味と、しっかりかつシルキーなタンニン。濃厚で円熟、華やかさが口の中で広がる味わい。

4.ルカさんへのインタビュー

ビスボッチャの店内で語るルカ・ガリアッソ氏

ビスボッチャ 今回の来日は何泊ですか?

ルカさん 東京と名古屋のプロモーションで、品川のホテルに6泊。その後、シンガポールのプロモーションを経て帰国します。

最初に来日したのは2010年代はじめ頃だったと思う。今回で4回目の来日。

ビスボッチャ 日本の印象は?

ルカさん すべてきちんとしている。人も、物事もきちんとしています。

ビスボッチャ 家業に入ったのはいつ

ルカさん 2001年に醸造学校を出て、さまざまなワイナリーの現場でパートタイマーとして働いて修行し、2004年から家業に入りました。

現在45歳。醸造業の家に生まれたので、将来は家業を継ぐ人生だと思っていました。

ビスボッチャ ワインづくりで大切なことは

ルカさん 畑です。

ビスボッチャ ワインの供給のイタリア国内と輸出の比率は?

ルカさん 輸出が70%です。その半分はヨーロッパ国内、半分はアメリカ、カナダ、オーストラリア、日本、シンガポール、中国などです。

ビスボッチャ ビジネスの伸び率は?

ルカさん 毎年伸びています。

ビスボッチャ ピンク色のリストバンドのこだわりは?

ルカさん アイアンマンです。

注)アイアンマン

ワールド・トライアスロン・コーポレーションが主催するアイアンマン世界選手権大会の一種。水泳3.8㎞、自転車180.2km、マラソン42.2kmの順で競技を行い、時間内に完走した選手をアイアンマンとして認定する。大会は世界各国で行われている。ルカさんが身につけていたピンク色のリストバンドは、アイアンマンのオフィシャルロゴ入り認定証。

ビスボッチャ アイアンマンはどこで認定されたのですか?

ルカさん 過去4回認定されています。2回はドイツ、あとはスイスとオーストリアです。

ビスボッチャ イタリアの大会には参加しないのですか?

ルカさん イタリアの大会は、いつもブドウの収穫期と重なるので、他の国大会に参加しています。

ビスボッチャ 自転車はイタリア製ですか?

ルカさん ドイツ製です。競技用自転車の生産テクノロジーは、イタリアよりドイツの方が優れていると感じています。

スマフォの写真で競技用の愛車を説明するルカ・ガリアッソ氏

ビスボッチャ トレーニングは?

ルカさん アイアンマンの大会準備のトレーニングは、月曜日は、3km泳ぎます。火曜日は、運動場のトラックを12km走り、タイムを計測します。水曜日は、3km泳ぎます。木曜日は、ジムの自転車マシーンを2時間こぎます。金曜日は、50分間走ります。土曜日は自転車で公道に出て5時間かけて180km走ります。日曜日は公道マラソンを30km走ります。

残りの時間は、ブドウ畑にいます。でも7時間はきちんと寝ています。以前は当地で盛んなスキーやスノーボードもやったけれども、今はアイアンマンに集中しています。

ビスボッチャ ビスボッチャの印象は?

ルカさん ビスボッチャに来たのは、はじめてだけれども、印象は良かった。

料理はどれも「モルト ボーノ!(とても美味しい!)」特に和牛のフィレ肉の炭火焼きは、イタリアにない美味しさで、印象に残りました。

お客さまは、みな真面目でフレンドリー。

厨房の中でたくさんの料理人が黙々と仕事をしている。ホールスタッフもきちんとサービスしている。クオリティが高いと感じました。

5.まとめ

ルカ・ガリアッソ氏に挨拶する料理長井上裕基(左)

ルカさんは、イタリア人に多い陽気さは控えめで、トライアスロンのアイアンマンに象徴されるような、ストイックで実直な印象。

ワインにもその味が反映されているようで、ボトルラベルのデザインはシンプルでクラシック。

味わいは、クセや複雑さが前面に出ることなく、スムーズで飲みやすく、ふくらみ感があり、まろやかで、なおかつ味わい深いワインが多かった。

自転車好きの井上料理長は、厨房から、ルカさんがスマフォで自転車の写真を同席者に見せながら、熱心に自転車談義をしている姿を見ながら「早くご挨拶したいな…」と思っていたそうです。

会食の最後に、井上料理長をお呼びして、ルカさんに挨拶してもらうと、通常は、料理の感想の話から入ることが多い場面だけれども、今回は、いきなり二人で自転車談義をはじめて終了。

その後、ルカさんは「スポーツは万国共通。はじめて会った人でも、すぐに心が通うから良い」と語りました。