テイクアウト・フード2020年6月限定メニュー

TAKE OUT FOOD MONTHLY MENU 2020 JUNE

コラム『味と技』第66回

料理の下ごしらえをする料理長・井上裕基(左)と副料理長・露詰まみ

初夏の旬菜を集めて

初夏に美味しくなる食材を集め、6月限定メニューを7品ご用意しました。

爽やかな季節に、ぜひご利用ください。

監修/料理長・井上裕基 副料理長・露詰まみ 

写真・文/ライター 織田城司
Food Direction by Yuuki Inoue & Mami Tsuyuzume 
Photo・Text  by George Oda

1.ブラータチーズのサラダ、季節のグリル野菜添え

BURRATA CHEESE SALAD WITH SEASONAL GRILLED VEGETABLES ¥2,400

ブラータチーズのサラダ、季節のグリル野菜添え

ブラータチーズのサラダ、季節のグリル野菜添え

メニューについて

サラダに使う野菜

◆ミルキーなチーズを初夏の旬菜と

「ブラータ」とはイタリア語で「バターのような」という意味。

袋状にしたモッツアレッラの中に、砕いたモッツアレッラや生クリームが入り、柔らかくてミルクの風味や甘味が濃厚なチーズです。

季節のグリル野菜の香ばしさや新鮮さが、チーズの味を引き立てます。

ブラータチーズはアメリカの「ディ・ステファノ」社製を使用。イタリア南部プーリア州出身のチーズ職人が、カリフォルニア酪農協会が認めた良質なミルクを使ってつくるチーズ

調理

◆野菜の下ごしらえ

野菜を食べやすい大きさにカットする

カットした野菜に塩をふり、下味をつける

野菜にオリーブオイルをふりかけ、香りと脂分を加える

◆野菜をグリルパンで焼く

グリルパンで野菜を焼く

焼け具合を見て、野菜を反転させる

◆仕上げ

ルッコラを中心に盛り付け、その上にブッラータチーズを置き、グリル野菜で周りを囲む

野菜に自家製ドレッシング(赤ワイン酢、エキストラヴァージン・オリーブオイル、塩)をふりかける

ブラータチーズにエキストラヴァージン・オリーブオイルをふりかける

ブラーチーズに黒コショウをふりかけて出来上がり

お召し上がり

ブラータチーズのサラダ、季節のグリル野菜添え

◆トロリとしたチーズが、グリル野菜と絶妙に絡む

真っ白なブラータチーズは、ナイフで切ると、中からクリーム状になったチーズがトロリと流れ出し、ミルクの風味や甘み、コクを濃厚に感じます。

ブラータチーズにトッピングされた、エキストラヴァージン・オリーブオイルと黒コショウは、美味しさを引き立てます。

ブラータチーズのサラダ、季節のグリル野菜添え

ブラータチーズのトロリとした質感は、グリル野菜とよく絡みます。

フルーツトマトの甘酢っぱさやズッキーニの苦み、ヤングコーンの香ばしさ、ナスの旨み、カボチャの甘み、ルッコラの辛みなどの合わせが楽しめ、初夏のフレッシュな気分を盛り上げます。

ブラータチーズのサラダ、季節のグリル野菜添え

2.ハマグリ、アサリ、アーティチョークの白ワイン蒸し、レモン風味

STEAMED CLAMS(HAMAGURI,ASARI) AND ARTICHOKE WITH WHITE WINE, LEMON FLAVOR ¥2,400

ハマグリ、アサリ、アーティチョークの白ワイン蒸し、レモン風味

ハマグリ、アサリ、アーティチョークの白ワイン蒸し、レモン風味

メニューについて

調理に使う国産のハマグリとアサリ

◆旬の食材を蒸して合わせ

初夏が旬になるハマグリとアサリ、アーティチョークをワインで蒸して合わせます。

海と山の幸の相性がよく、あっさりした口あたりの中に、奥深さを感じる味わいです。

調理に使うイタリア産アーティチョーク

調理

アーティチョークを食べやすい大きさにカットする

ニンニクの香りをつけたオリーブオイルでアーティチョークを炒める

開くのに時間がかかるハマグリを先にフライパンに投入

白ワインを加え、アルコールを飛ばす

パイ皿でふたをして蒸し焼きにする

自家製野菜のダシ汁を加える

自家製野菜のダシ汁。ニンジンやセロリ、タマネギ、ズッキーニ、エリンギ、イタリアンパセリの茎などを煮込んだもの

再びふたをして蒸し焼きにする

ハマグリが開いてからアサリを入れ、レモンを絞る

イタリアンパセリのみじん切りをふりかける

仕上げにエキストラヴァージン・オリーブオイルをふりかけて香りをつける

具材とスープを盛り付けて出来上がり

お召し上がり

ハマグリ、アサリ、アーティチョークの白ワイン蒸し、レモン風味

◆海と山の旨みが凝縮したスープ

旬のハマグリとアサリが、アーティチョークやイタリアンパセリ、白ワインなど、山の幸と交わることで、まろやかな旨みになっています。

そのベースとなるスープは、貝のエキスをたっぷり感じながら、繊細な味わいで、パンにしみさせて残らず食べたくなります。

ハマグリ、アサリ、アーティチョークの白ワイン蒸し、レモン風味

煮込まれたアーティチョークは、ホクホクとした食感で、ほのかな甘みを感じます。

イタリアで親しまれている味わいを堪能します。

ハマグリ、アサリ、アーティチョークの白ワイン蒸し、レモン風味

 

3.ジェノベーゼソースのリングイーネ

LINGUINE WITH POTATO, PINE NUTS, PESTO GENOVESE ¥2,000

ジェノベーゼソースのリングイーネ

ジェノベーゼソースのリングイーネ

メニューについて

バジルの葉

イタリア最大の港街ジェノバ。

古くから地中海貿易の要所として栄え、大航海時代には帆船が行き交い、街は貿易商や船乗りであふれ、エキゾチックなにぎわいを見せていました。

そんな荒くれ者たちが闊歩する街で、バジルや松の実、ジャガイモ、インゲンなど、野原でとれる素朴な野菜を使ったパスタが郷土料理になったことを意外に思います。

松の実

でも、港街ゆえに流れ者が多く、土着の庶民は質素なパスタを食べていたのかもしれません。

潮の香りの中で、魚料理ばかり食べていたので、爽やかな香りのパスタが新鮮に感じられたことも考えられます。

いずれにせよ、多くの人びとに愛され、親から子へ伝えられてきたパスタです。貴族が気取って食べる料理とちがい、シンプルで力強く、ソウルフードの魅力があります。

ソウルフードには、それなりに完成されたバランスと、味のポイントがあります。それを外さないように再現しています。

ニンニク、インゲン、ジャガイモ(有機アンデスレッド)

調理

◆ジェノバ風ペーストを作る

ジェノバ風ペーストに入れる松の実をオーブンで160℃約15分かけてローストする

ローストした松の実。香ばしさとコクが増す

ジェノバ風ペーストはバジルの葉のみを使うため、茎を取り除く

バジルの新芽はフレッシュな味と香りがあるため、茎に残さず、しっかり取って葉の仲間に入れる

ジェノバ風ペーストに入れるニンニクの皮をむく。ニンニクは香りがマイルドなスペイン産を使用

ニンニクはミキサーに入れる前に、細かく切っておく

ミキサー作動時の加熱でバジルの色が黒っぽく変色するため、あらかじめミキサーを冷蔵庫で冷やしておく

ミキサーにブレンドオイル(ヒマワリ油とオリーブオイル)を入れる

ミキサーにニンニクと松の実を入れる

ミキサーをまわす

再びミキサーをまわし、大きなボウル一杯のバジルの葉をつぎ足しながらペーストにする

出来上がったジェノバ風ペーストを保存用容器に入れる

ジェノバ風ペーストは空気に触れると黒っぽく変色するため、表面をブレンドオイルで覆い、空気を遮断する

容器とフタの間から空気がわずかに入るため、ラップをはさんで密閉度を高くする

フタをして冷蔵庫で保存

◆具材の下ごしらえ

ジャガイモを洗う

ジャガイモを茹でるナベに岩塩を入れる

ジャガイモの茹で具合を串でチェック

茹であがったジャガイモの皮をむき、食べやすい大きさにカットする

インゲンの先の硬い部分を取り除く

インゲンをゆで麺機で茹でる

インゲンを食べやすい大きさに切ってから茹でると、断面から旨味が流出するため、長いまま茹でる

茹で上がったインゲンを食べやすい大きさにカットする

具材の出来上がり

◆リングイーネを茹でる

リングイーネをパッケージから取り出す。リングイーネは平たく、厚いパスタで、ジェノバ風ペーストと相性がよい

リングイーネはパスタの特産地、イタリア南部カンパニア州で1812年に創業したパスティフィーチョ・ヴィチドーミニ社のものを使用

原料は無農薬有機栽培したイタリア産のデュラム・セモリナ粉を100%使い、昔ながらの竿を使った低温長時間乾燥で風味を凝縮。表面はソースがよく絡むようにザラザラした仕上げになっている

パッケージから出したリングイーネは長すぎるため、茹でる直前にU字の折り返し点で半分に割る

さらに中心で半分に割り、30㎝ほどの長さにする

リングイーネを計量するためグラスに入れる

リングイーネを計量。一人前80g

リングイーネを茹で麺機に投入

約13分かけて茹でる

時々リングイーネを取り出し、茹で具合をチェック

仕上げ

フライパンにパスタの茹で汁を入れる

具材を入れる

茹であがったリングイーネを入れる

混ぜ合わせる

ジェノバ風ペーストを加える

ペーストを混ぜ合わせる

パルメザンチーズを加える

パルメザンチーズは希少な赤牛のミルクを長期熟成させたもの。香りが高く、濃厚な味わいの最高級パルメザンチーズ

パルメザンチーズを混ぜ合わせる

皿に盛り付ける

松の実をふりかける

ペコリーノ・ロマーノチーズをすりおろして、香りと塩味を加える

ペコリーノ・ロマーノチーズは羊のミルクから作るチーズで、約2000年前のローマ帝国の時代から食べられていたイタリア最古のチーズ。パルメザンチーズよりも風味と塩気が強い。ペコリーノ・ボニー社のものを使用

お召し上がり

ジェノベーゼソースのリングイーネ

◆大地の恵みを、たっぷり味わう

バジルの爽やかで青々しい芳香はペーストにしたことで落ち着いた印象になっています。この料理のバジルはアクセントではなく、ソースの主役なので、香りが控えめなぐらいが丁度よいと感じます。

フォークでリングイーネを持ち上げると、引き戻されるような強い感触に驚きます。ペーストの細かい粒子がソースにコッテリしたトロみを加えています。

フォークに力を入れ直すと、リングイーネの束がゆっくりと回りだし、ズルリとすり抜けた数本のリングイーネにソースがしっかり絡んできます。

ジェノベーゼソースのリングイーネ

リングイーネを口に含むと、甘味が口いっぱいに広がります。それぞれの野菜が持つ自然の甘味が混じり合い、まろやかで豊かな甘味になっています。後味に、すりつぶした松の実やニンニクから抽出された旨味とコクを感じます。

具材のジャガイモのさらなる甘味、インゲンの旨味、松の実の香ばしさが、味に深みを加えています。

リングイーネはモッチリした弾力と強いコシがあり、小麦の風味をダイナミックに感じます。ジェノバ風ペーストの素材感に不思議とよく馴染みます。

畑の作物だけでつくる、素朴でヘルシーな料理ながら、ペーストの調理法を生かして濃厚に仕上げることが、イタリアらしい味のポイントです。

ジェノベーゼソースのリングイーネ

エッセイ

食のこぼれ話『バジルのときめき』

バジル

第二次大戦直後、イタリアで職にあぶれた兄弟はアメリカに渡り、レストランを開きました。映画『リストランテの夜』(1997年作)のはじまりです。

兄のシェフはもうすぐ50歳。料理の才能はあるけれど、頑固で内気。商売はうまくいきません。そこで、弟のホールマネージャーが町の人びとを招くパーティーを企画しました。

パーティーの当日、兄は花屋に行って、店に飾る花の配達を依頼しました。兄は自分と同じ歳ぐらいの花屋の女性に、ひそかな恋心を抱いていました。

兄は勇気をふりしぼって女性をパーティーに誘おうと、「今夜、何かあるのかい?」と声をかけると、「新しい本を読み始めたの。家に帰って読むわ」と言われました。

兄は「ああ、そうか」と言って、それ以上会話が続かず、花屋を出てしまいました。

その夜、兄が厨房でパーティーの準備をしていると、友人が入ってきて「おい!花屋の女が来たぞ」と声をかけました。

兄は「なに!」と驚きました。弟が兄のことを思って誘っておいたのです。

すると、兄は調理台の上に置いてあったバジルの葉を口に含んで、噛みしめました。

かつてイタリアでは、デートやダンスパーティーの前に、バジルの葉をかじって口臭を整える習慣がありました。

兄がホールに出て行くと、ドレスアップした花屋の女性は、裏口から花を納品する姿とは別人のように輝いていました。

もはや、人生の折り返し地点をとっくに過ぎてしまった男と女。でも、いくつになっても、ときめきはあります。その喜びを、バジルの葉を使って、見事に描きました。

ラ ・ビスボッチャ店内

4.ニョッキ・ソレンティーナ

HOMEMADE POTATO GNOCCHI WITH TOMATO, MOZZARELLA AND BASIL ¥2,000

ニョッキ・ソレンティーナ

ニョッキ・ソレンティーナ

メニューについて

ソレント風ソースに使う野菜

◆爽やかなソレント風

「ソレンティーナ」とは、ソレント風のこと。

イタリア南部ナポリ湾にあるマリン・リゾート「ソレント」が発祥とされるソースのことも表します。

トマト、バジル、モッツアレッラチーズという、イタリアの三色旗を思わせる食材でつくるソースです。

本来はオーブン焼きにすることが多いメニューですが、初夏をイメージして、あえて軽く、フレッシュに仕上げるため、フライパンでサッと和えます。

見た目、味わいとともに、これぞイタリアを実感する一皿です。

調理

◆ジャガイモのニョッキをつくる

ジャガイモのニョッキの食材

茹でたジャガイモの皮をむく

ポテトマッシャーで茹でたジャガイモをつぶす

つぶしたジャガイモをオーブンで加熱し、余分な水分を飛ばす

オーブンで加熱したジャガイモをボウルに移す

薄力粉を加える

卵を加える

ナツメグのパウダーを加える

パルメザンチーズを加える

混ぜ合わせる

混ぜ合わせたニョッキの生地を小分けにする

生地を棒状に伸ばす

棒状に伸ばした生地を親指大にカットする

カットしたニョッキにくっつき防止の強力粉を打ち粉としてつける

◆ソースをつくる

トマトを茹で、皮を湯むきする

トマトの種を取り除く

トマト類をザク切りに、タマネギはみじん切りにする

モッツアレッラチーズは小さくカットする

モッツァレラチーズは特産地の南イタリア・カンパーニャ州で昔ながらの製法を続ける「ポンティコルボ」社の水牛乳を100%使った濃厚なタイプを使用

フライパンでタマネギのみじん切りを炒める

皮がついて硬いプチトマトから先に炒める

トマトとフルーツトマトを加える

トマトの果肉がサラッとしてきたら火を止める

バジルをちぎって加える

◆仕上げる

ニョッキを茹でる

茹で時間3分

タイマーが鳴り、止める

ソースの入ったフライパンにニョッキを投入

ソースとニョッキを和える

モッツアレッラチーズとパルメザンチーズを加え、加熱しながらサッと和え、出来上がり

お召し上がり

ニョッキ・ソレンティーナ

◆爽やかで奥深いトマトの恵み

3種のトマトを使ったソースが味の決め手です。

サラサラとした果肉のトマトがベースになり、味の濃いプチトマトやフルーツトマトをまとめ、甘酸っぱさや旨み、コクの幅を奥深く感じます。

ニョッキは柔らかい歯ごたえで、舌先でサッととろけ、ジャガイモの風味を豊かに感じます。

シンプルなようで、味の奥が深いのは、絶妙の火加減の技。後味はあくまでも爽やかで、初夏にふさわしいパスタです。

ニョッキ・ソレンティーナ

 

5.カジキマグロのアーモンドと香草のパン粉焼き

BREADED SWORDFISH WITH ALMONDS AND HERBS ¥2,600

カジキマグロのアーモンドと香草のパン粉焼き

カジキマグロのアーモンドと香草のパン粉焼き

メニューについて

調理に使うカジキマグロ

◆海の幸が豊富なシチリア料理

魚の香草パン粉焼きは、海に囲まれたシチリア島の郷土料理です。

サクサクとした衣は、夏が近づくと食べたくなる味わいです。

調理

◆カジキマグロの下ごしらえ

カジキマグロを一人前切り出す

皮を取り除く

塩コショウで下味をつける

しばらく置いて味をなじませる

◆香草パン粉をつける

パン粉と香草をフードプロセッサーに入れる

パン粉と混ぜる食材

フードプロセッサーでパン粉と香草、食材を混ぜ合わせる

カジキマグロに強力粉をつける

余分な強力粉をはたいて落とす

溶き卵をつける

香草を混ぜたパン粉をつける

◆カジキマグロを焼く

フライパンにピュアオリーブオイルを敷く

パン粉をつけたカジキマグロを投入

カジキマグロを反転させる

バターを入れ、香りをつける

バターをすくって上からかけ、表面をカリッと焼き上げる

焼き上がったらキッチンペーパーで余分な脂を吸収する

塩で味をつける

お召し上がり

カジキマグロのアーモンドと香草のパン粉焼き

◆香ばしい衣が魚の旨みを引き立てる

こんがり焼けた衣の中のカジキマグロは、脂がのり、ヌメリとした舌ざわりとともに、柔らかく口どけします。

心地よく感じる旨みや塩味は、いかにもフルーティな白ワインと合いそうな味わいです。

カジキマグロのアーモンドと香草のパン粉焼き

香草やナッツを混ぜたパン粉の衣は香ばしく、味わい豊かで、単品でも食べても美味しくいただけます。

淡白な魚料理を、美味しくしようとした、イタリア人の暮らしの知恵が凝縮しています。

カジキマグロのアーモンドと香草のパン粉焼き

6.熊野地鶏のピリ辛オーブン焼き、ンドゥイヤ風

SPICY OVEN BAKED KUMANO LOCAL CHIKEN NDUJA STYLE ¥2,600

熊野地鶏のピリ辛オーブン焼き、ンドゥイヤ風

熊野地鶏のピリ辛オーブン焼き、ンドゥイヤ風

メニューについて

三重県熊野市の丸山千枚田と熊野地鶏(公式写真より)

◆三重県の「熊野地鶏」をイタリアンで食す

紀伊半島南部は、古くから熊野と呼ばれ、豊かな自然に神々が宿るといわれてきました。多くの巡礼者が歩いた「熊野古道」は、世界遺産に登録されています。

そんな土壌を背景に、三重県が生み出した高級ブランド地鶏が「熊野地鶏」です。

のびのびとした環境で、健やかに育てられた地鶏の肉質は、

赤みが強く、弾力性に富み、旨み成分を多く含み、鶏肉本来のコクと風味があります。

イタリアの辛味ペースト「ンドゥイヤ」との出会いを、ご堪能ください。

調理に使う熊野地鶏

調理

熊野地鶏をさばき、モモ肉を切り出す

モモ肉をコンフィにするため、バットに入れ、オリーブオイル、ローズマリー、ニンニクを加える

コンフィはオイルで肉を煮て柔らかくする調理法で、オーブンで100℃ 約2時間かける

コンフィで柔らかくしたモモ肉をフライパンで焼く

側面も焼く

反転させて焼く

重りを乗せ、皮をフライパンの底にしっかりつけて焼く

焼き上がったモモ肉に「ンドゥイヤ」のペーストを塗る

ンドゥイヤはイタリア南部カラブリア州が発祥。豚肉と唐辛子でつくる辛味ペースト。MADEO社のものを使用

オーブンで3分ほど加熱する

焼き上がった状態

盛り付けたモモ肉に溶けたンドゥイヤの汁をふりかけて仕上げる

お召し上がり

熊野地鶏のピリ辛オーブン焼き、ンドゥイヤ風

◆豪快な歯ごたえとマイルドな辛さ

長時間かけてあらゆる角度から火入れした熊野地鶏は柔らかく、ブルンとした弾力に富み、程よい噛みごたえに迫力があります。

味わいは旨みや甘み、コクを豊かに感じます。

熊野地鶏のピリ辛オーブン焼き、ンドゥイヤ風

トッピングされたイタリアの辛味ペースト「ンドゥイヤ」は、マイルドな辛さ。

激辛ではなく、鶏肉の美味しさを促進する程よい辛さです。

その下から出てくる、鶏皮の香ばしさが特に美味しく感じます。

辛いものが美味しく感じる夏場におすすめの鶏料理です。

熊野地鶏のピリ辛オーブン焼き、ンドゥイヤ風

7.ピスタチオのティラミス

PISTACHIO TIRAMISU ¥700

ピスタチオのティラミス

ピスタチオのティラミス

メニューについて

ミキサーで混ぜるクリームの食材

◆新緑の季節に美味しいグリーンのお菓子

ピスタチオグリーンという色の名があるように、色が美味しさのアイコンになっているナッツ、ピスタチオ。

イタリアでも親しまれているナッツで、アイスクリームに混ぜたものも人気メニューです。

そんなピスタチオを使ってクリームをつくり、ティラミスに仕立てました。

ピスタチオ独特の、ベージュっぽい黄緑色のケーキは、新緑の季節により美味しく感じます。

調理

◆ピスタチオのクリームをつくる

ミキサーにクリームの食材を入れる

クリームの食材をミキサーで混ぜる

ボウルにピスタチオペーストを入れる。粘性が硬いため、ミキサーで混ぜた柔らかいクリームと手動で混ぜる

ピスタチオのペーストは、イタリアのBABBI社製。同社はイタリア北部エミリア・ロマーニャ州で1952年にジェラート用コーンのメーカーとして創業。現在はスイーツや製菓材料も手がける

ミキサーで混ぜたクリームと、ピスタチオペーストを手動で混ぜ合わせる

出来上がったピスタチオのクリーム

◆ビスケットを焼く

ボウルで混ぜ合わせたビスケットの生地を絞り袋に入れる

ビスケットの生地の食材

クリームと交互に重ねるビスケットを焼きます。

ビスケットは、英語でフィンガービスケットと呼ばれる細長いタイプです。

イタリア語では「ビスコッティ・サヴォイアルディ」。イタリアの名家、サヴォイア家で親しまれたことが由来です。

ビスケットの生地をオーブンの天板の上に絞る

オーブンで焼き上がったビスケット

◆ティラミスを組み立てる

牛乳にアマレットを入れ、香りをつける

アマレットはビターアーモンドとバニラビーンズから抽出したエッセンスを使用したイタリアン・リキュール。1525年に創業した「ディサローノ」社のものを使用

ビスケットをアマレット入り牛乳に浸し、絞る

アマレット入り牛乳に浸したビスケットをバットの底に並べる

ビスケットの上にピスタチオクリームをのせる

ゴムベラでピスタチオクリームを敷き詰める

2階層目のビスケットを並べる

2階層目のピスタチオクリームを敷き詰める

頂上にドーム状突起を装飾する

完成した装飾

◆仕上げのトッピング

トッピングに使う食材

チョコレートとピスタチオペーストを溶かして混ぜ、刷毛で装飾

アクションペインティングのようなチョコレートの装飾

カットしたピスタチオをふりかけて出来上がり

お召し上がり

ピスタチオのティラミス

◆香ばしく、そして爽やか

ピスタチオグリーンのケーキは、見るからに香ばしくて美味しそう。

よく見ると、本物のピスタチオもトッピングされ、うれしさが増します。

チョコレートのトッピングも、ナッツ系の親戚として、ピスタチオを引き立てます。

ピスタチオのティラミス

クリームとともにいただくピスタチオは、香ばしさや甘み、コクを幅広く感じます。

後味は爽やかで、色の印象とともに記憶に残ります。

ピスタチオのティラミス

爽やかな季節のディナーは、

「ラ・ビスボッチャ」の6月限定メニューでお楽しみください。