RECOMMENDED SEASONAL MENU JANUARY 2026
コラム『味と技』第160回
春のあけぼの
1月は、寒さは続くけれど、陽ざしは明るく、日は長くなり、春の気配を感じます。
そんな季節の美味しさをあつめて、14品おすすめします。
2025年の営業は12月30日(火)までです。今年もたくさんのご利用、ありがとうございました。
2026年は1月5日(月)から営業をはじめます。引き続きご愛顧のほど、よろしくお願いします。
監修/料理長・井上裕基
写真・文/ライター 織田城司
Supervised by Yuuki Inoue
Photo・Text by George Oda
◆前菜
1.ブラータチーズと甘平

ブラータチーズと甘平
メニューについて
ブラータチーズと味わう季節の食材シリーズです。
1月は、愛媛県の高級みかん「甘平」をおすすめします。

メニュー提案・撮影調理 料理人 島田晃汰(しまだ こうた)

甘平(かんぺい)は愛媛県で西の香(にしのかおり)とポンカンを交配して生まれ、2007年に登録された新品種

ブラータチーズは、イタリア南部プーリア州出身のチーズ職人が、アメリカ・カリフォルニア州でつくる「ディ・ステファノ」社製を使用。放牧牛のミルクを使い、とろりとした食感で、ミルキーな風味と甘み、旨みが濃厚
お召し上がり

ブラータチーズと甘平
甘平の大粒の果肉は弾力ある食感。果汁はジューシーで、爽やかな香りがあり、甘みが強く、酸味は少なめです。
その美味しさを、ブラータチーズのミルキーな風味が引き立てます。

ブラータチーズと甘平

ブラータチーズと甘平

ラ・ビスボッチャ店内
2.寒ブリのカルパッチョ 柚子ドレッシング

寒ブリのカルパッチョ 柚子ドレッシング
メニューについて
1月のカルパッチョは、冬に美味しくなる寒ブリをおすすめします。
冬に最盛期をむかえる柚子でドレッシングをつくり、合わせました。
調理

メニュー提案・撮影調理 料理人 戸子臺麻衣香(とこだい まいか)

寒ブリは富山県産。一尾で仕入れ、自店でさばく

柚子は高知県産

柚子ドレッシングは柚子の果汁とエキストラヴァージン・オリーブオイル、白ワイン酢、塩を混ぜてつくる。ラディッシュやマイクロハーブ、柚子の皮とともに盛り付ける
お召し上がり

寒ブリのカルパッチョ 柚子ドレッシング
寒ブリの赤身は脂がのり、食感はしっかりして食べごたえがあり、旨みは濃厚です。
その美味しさを柚子の爽やかな香りが引き立てます。

寒ブリのカルパッチョ 柚子ドレッシング

寒ブリのカルパッチョ 柚子ドレッシング

ラ・ビスボッチャ店内
3.ヴィテッロ・トンナート

ヴィテッロ・トンナート
メニューについて
ヴィテッロ・トンナートは、イタリア語で「仔牛肉とツナソース」という意味で、イタリア北部ピエモンテ州の郷土料理がルーツです。
お肉と魚のソースの意外な合わせが、好相性から評判になり、伝統の料理になったメニューで、新春の前菜におすすめします。
調理

メニュー提案・撮影調理 料理人 田和偉織(たわ いおり)

仔牛の肉はオーストラリア産のモモ肉
◆仔牛のモモ肉を低温調理する
◎低温調理とは
肉を構成するタンパク質の要素のひとつ「アクチン」は、66℃より高温になると変容し、肉汁が流失し、肉質が硬くなることが、1980年頃に発見されました。
このため、肉を66℃以下の低温で長時間加熱すると、ジューシーで柔らかい仕上がりになることがわかりました。
また、肉をビニールパックに入れて加熱すると、旨みや栄養の流失を軽減することができます。さらに、調味料や食材を入れると、味の浸透が高まります。
こうした低温調理は、それまでの焼く、蒸す、煮る、漬けるに次ぐ、新しい調理法として注目され、1990年代からホテルやレストランで導入がはじまりました。

塩で下味をつけた仔牛のモモ肉をビニール袋に入れ、自家製野菜の出汁にローリエや白コショウ、黒コショウ、白ワインで味と香りをつけた汁を入れる

袋と水を鍋に入れ、低温調理器を差し込み、60℃で約3時間加熱する。低温調理器はアメリカの「アノーバ」ブランドを使用。

袋から取り出した仔牛肉を冷ました後、食べやすい大きさにカットし、皿に盛り付け、ツナソースや仔牛ソース、オリーブドレッシングをトッピングする
◆ツナソースをつくる

ツナのオイル漬けやタマネギ、ケッパー、アンチョビなどを白ワインを入れて加熱する

ツナのオリーブオイル漬けはイタリア南部カラブリア州で1913年に創業した食品加工メーカーの老舗、カッリポ社製を使用。大西洋やインド洋で獲れたキハダマグロを洋上で急速冷凍。カラブリアの工場に持ち帰り、新鮮なうちに加工、製缶している

加熱したツナ類をフードプロセッサーで撹拌する

撹拌したツナ類をマヨネーズと混ぜ合わせてツナソースの出来上がり
◆仔牛のソースをつくる

自家製仔牛のブイヨンを自家製鶏の出汁と合わせて仔牛のソースの出来上がり
◆オリーブのドレッシングをつくる

みじん切りにしたオリーブの塩水漬けやイタリアンパセリ、エシャレット、タラゴンなどをワインビネガーとエキストラヴァージン・オリーブオイルと合わせてオリーブドレッシングの出来上がり
お召し上がり

ヴィテッロ・トンナート
仔牛の肉は、低温調理の効果で柔らかい肉質が生き、ジューシーな肉汁には煮汁の味と香りが染みて、まろやかな旨みが広がります。
合わせるツナソースは、ツナの旨みと酢の酸味、ケッパーの塩気が効いて、仔牛のソースはコク深く、オリーブドレッシングは爽やか。多彩な味で仔牛の美味しさを引き立てます。

ヴィテッロ・トンナート

ヴィテッロ・トンナート

ラ・ビスボッチャ店内
4.コウイカとちぢみほうれん草の墨煮

コウイカとちぢみほうれん草の墨煮
メニューについて
コウイカの美味しさをたっぷり堪能する煮込みです。
冬野菜のちぢみほうれん草が、絶妙なアクセントです。
調理

メニュー提案・撮影調理 料理人 石川凌(いしかわ りょう)

コウイカは高知県産

コウイカから殻と内臓を取り除く

コウイカを食べやすい大きさにカットし、オリーブオイルで炒める

白ワインを入れ、味と香りをつける

鍋にオリーブオイル、アンチョビ、ニンニク、タマネギ、ニンジン、セロリを入れ加熱する

自家製トマトソースを入れる

炒めたコウイカを入れる

コウイカの墨と自家製魚介の出汁を入れ、煮込む

ちぢみほうれん草は群馬県産。霜に何度も当たり、甘みや旨みが濃いのが特徴

茹でたちぢみほうれん草を合わせ、黒コショウを振りかけて仕上げる
お召し上がり

コウイカとちぢみほうれん草の墨煮
煮汁はイカ墨の効果で、コウイカの香ばしさが濃厚に漂います。味わいは野菜の旨みが程よく効いて、コクはまろやかです。
コウイカの身は食感がしっかりして、香ばしい旨みが広がります。
ちぢみほうれん草の旨みや甘みがアクセントになります。

コウイカとちぢみほうれん草の墨煮

コウイカとちぢみほうれん草の墨煮

ラ・ビスボッチャ店内
5.ロマネスコとスカモルツァのスフォルマティーノ パルミジャーノソース

ロマネスコとスカモルツァのスフォルマティーノ パルミジャーノソース
メニューについて
スフォルマティーノは、甘くないスフレのような料理です。
1月は、冬野菜のロマネスコを、スカモルツァチーズや卵と合わせ、ふんわり焼き上げました。
調理

メニュー提案・撮影調理 料理人 老田裕樹(おいた ゆうき)

ロマネスコは埼玉県産。ブロッコリーと同じアブラナ科アブラナ属に分類され、11月から2月にかけて美味しくなる。外観はフラクタル構造と呼ばれる同じ形の集積が特徴

鍋底でオリーブオイルとニンニクのみじん切り、アンチョビを加熱。下茹でしたロマネスコと牛乳、バター、小麦粉を入れ、煮込む

溶き卵を入れ、ナツメグで香りをつける

スカモルツァチーズのみじん切りを入れる

スカモルツァチーズは保存用に水分を少なくして燻製にしたチーズ。加熱すると、もっちりした食感になることから、加熱して食べることが人気になったチーズ。イタリア北部トレンティーノ・アルト・アディジェ州で1957年に創業した「アバシャーノ」社製を使用

カップの内側に焦げつきを防ぐバターとパン粉をつける

混ぜ合わせた生地をカップに入れ、オーブンで湯煎焼き

焼いたロマネスコの生地をカップから皿に盛り付け、パルミジャーノソースと黒コショウを振りかけて仕上げる。パルミジャーノソースはパルミジャーノ・レッジャーノと牛乳、生クリームを混ぜてつくる
お召し上がり

ロマネスコとスカモルツァのスフォルマティーノ パルミジャーノソース
スフォルマティーノはふんわりした食感で、クリーミーな味わいの生地のなかに、ロマネスコのほくほくした食感と、ほのかな旨みや甘みを感じます。
スカモルツァチーズの燻製香や、パルミジャーノソースの熟成香がアクセントです。

ロマネスコとスカモルツァのスフォルマティーノ パルミジャーノソース

ロマネスコとスカモルツァのスフォルマティーノ パルミジャーノソース

ラ・ビスボッチャ店内
6.ホタテ、ハマグリ、ホッキ貝のオーブン焼き

ホタテ、ハマグリ、ホッキ貝のオーブン焼き
メニューについて
冬に美味しくなる貝を集め、シンプルにバターで焼きます。
香草やパン粉を加え、香り豊かに仕上げました。
調理

メニュー提案・撮影調理 副料理長 高部孝太(たかべ こうた)

香草バターをつくる。イタリアンパセリ、エシャレット、ニンニクのみじん切りをバターと混ぜる

蒸して開いたホタテとハマグリ、ホッキ貝に塩で下味をつける

ホタテの殻に貝類を盛り付け、黒オリーブのみじん切りを重ねる

黒オリーブはイタリア北部リグーリア州で1870年に創業した老舗オリーブ製品メーカー「アルドイーノ」社のオリーブオイル漬けを使用

香草バターとパン粉を重ねる

オーブンで焼く
お召し上がり

ホタテ、ハマグリ、ホッキ貝のオーブン焼き
バターのなかに、3種の貝の味が合わさり、凝縮しています。
香草や黒オリーブ、パン粉のアクセントを感じながら、それぞれの貝の食感のちがいを楽しみます。

ホタテ、ハマグリ、ホッキ貝のオーブン焼き

ホタテ、ハマグリ、ホッキ貝のオーブン焼き

ラ・ビスボッチャ店内
7.白子のフリット カリフラワーソース 白トリュフかけ

白子のフリット カリフラワーソース 白トリュフかけ
メニューについて
1月のフリットは、冬の味覚、白子をふんわり揚げておすすめします。
白トリュフとカリフラワーソースで、味と香り豊かに仕上げました。
調理

メニュー提案・撮影調理 料理人 村澤大(むらさわ だい)
◆白子を揚げる

白子は北海道産

香味野菜を煮込んだ煮汁にレモンと白ワインを入れる

白子を入れ、茹でる

茹でた白子を冷やす

白子を小麦粉にまぶし、衣をつける。衣は小麦粉、炭酸水、白ワイン酢、塩を混ぜてつくる

サラダ油で揚げる

カリフラワーのソースと盛り付ける。カリフラワーのソースはカリフラワーを牛乳とバターで煮込み、ミキサーで撹拌してつくる

スライスしたての白トリュフを振りかけて仕上げる
お召し上がり

白子のフリット カリフラワーソース 白トリュフかけ
揚げた白子は香ばしさがきわだちます。中身はとろりとした食感が濃厚です。
白子の旨みは繊細で、カリフラワーのソースや白トリュフが、味と香りを引き締めます。

白子のフリット カリフラワーソース 白トリュフかけ

白子のフリット カリフラワーソース 白トリュフかけ

ラ・ビスボッチャ店内
◆パスタ&リゾット
8.百合根とリコッタのラビオリ 白トリュフかけ

百合根とリコッタのラビオリ 白トリュフかけ
メニューについて
白トリュフの香りを楽しむ料理のひとつとして、おすすめするラビオリです。
白トリュフと好相性の根菜や乳製品、卵をラビオリに凝縮。やさしく繊細な味わいで白トリュフの香りを引き立てます。
調理

メニュー提案・撮影調理 料理人 勝又脩(かつまた しゅう)
◆ラビオリをつくる

百合根は北海道産

百合根をほぐして茹でる

百合根を潰す

潰した百合根をリコッタチーズ、塩と合わせ、ペーストをつくる

リコッタはチーズの生成過程で生じた乳清を再加熱してつくる食品。低脂肪でさっぱりして、ソフトな食感とミルクの自然な甘みが特徴。イタリア北部ピエモンテ州で1934年に創業した乳製品メーカー「ビラーギ」社製を使用

生地の上に百合根のペーストを絞り出す

生地を重ね、金型でくり抜く

セモリナ粉をつけ、くっつきを防ぐ打ち粉にする
◆仕上げる

フライパンでバターとパスタの茹で汁を加熱し、下茹でした百合根を入れ、ソースにする

茹で上げたラビオリをソースのフライパンに投入

ラビオリをソースと和え、スライスしたての白トリュフを振りかけて仕上げる
お召し上がり

百合根とリコッタのラビオリ 白トリュフかけ
百合根とリコッタチーズは軽めの質感が似ていて、ラビオリの中で一体になり、根菜の風味とチーズのミルキーな風味を繊細に感じ、白トリュフの香を高めます。
百合根そのものもソースに入り、うれしい展開です。
百合根とリコッタのラビオリ 白トリュフかけ

百合根とリコッタのラビオリ 白トリュフかけ

ラ・ビスボッチャ店内
9.焦がし小麦のオレキエッテ ウニとチーマディラーパソース

焦がし小麦のオレキエッテ ウニとチーマディラーパソース
メニューについて
イタリアの冬野菜、チーマディラーパ。
イタリア南部では、オレキエッテと合わせることが多いことをイメージしながら、焦がし小麦とウニを合わせ、味わい濃く仕上げました。
調理

メニュー提案・撮影調理 料理人 老田裕樹(おいた ゆうき)
◆オレキエッテをつくる

オレキエッテの生地を練る。生地は焦がし小麦粉、小麦粉、セモリナ粉、卵白、水、オリーブオイル、塩を混ぜてつくる

焦がし小麦はイタリア産。小麦の収穫後、畑の掃除のために野焼きした後に残る小麦を拾い集めて粉に挽いたもの

生地を細長く伸ばし、短く切り出す

ナイフで生地を手前に引く

生地を親指にかぶせる

ナイフで広げる

セモリナ粉をつけ、くっつきを防ぐ打ち粉にする
◆仕上げる

フライパンでオリーブオイル、ニンニクのみじん切り、赤唐辛子、自家製魚の出汁、魚醤を入れ、加熱し、下茹でしたチーマディラーパを入れる

ウニを合わせてソースにする

ウニは北海道産の塩水ウニを使用

茹で上げたオレキエッテをソースと和える

エキストラヴァージン・オリーブオイルとイタリアンパセリを混ぜて仕上げる
お召し上がり

焦がし小麦のオレキエッテ ウニとチーマディラーパソース
オレキエッテは、焦がし小麦の効果で味が濃く、くぼみに絡むウニのソースも旨みとコクが濃厚で、インパクトが強い味わいです。
チーマディラーパの青々しさや、ほろ苦さがアクセントになります。

焦がし小麦のオレキエッテ ウニとチーマディラーパソース

焦がし小麦のオレキエッテ ウニとチーマディラーパソース

ラ・ビスボッチャ店内
10.和牛とラディッキオ・タルディーボのパッパルデッレ

和牛とラディッキオ・タルディーボのパッパルデッレ
メニューについて
肉料理が盛んなイタリア中部トスカーナ地方で生まれた幅広パスタ、パッパルデッレ。
1月は、和牛のラグーに、イタリアの冬野菜、ラディッキオ・タルディーボを合わせておすすめします。
調理

メニュー提案・撮影調理 料理人 迫田温人(さこた はると)
◆和牛ラグーをつくる

和牛は鹿児島県産「薩摩牛」を使用。部位は赤身のヒモ肉

カットしたヒモ肉をオリーブオイルで炒め、表面に焼き色をつけ、旨みを封じ込める

鍋に和牛と自家製トマトソース、赤ワイン、炒めた香味野菜のみじん切りを入れ、煮込んで和牛ラグーの出来上がり
◆ラディッキオ・タルディーボを炭火で焼く

ラディッキョ・タルディーヴォは、イタリア北部ヴェネト州トレヴィーゾ県特産の冬野菜。鮮やかな紫と白のコントラストが美しく、イタリアでは「冬の花」とよばれている

ラディッキオ・タルディーボをカットし、オリーブオイルを振りかけて炭火で焼く

ひっくり返し、反対側も焼く
◆仕上げる

フライパンで自家製和牛ラグー、自家製アラビアータソース、オーストラリア産辛みソースを加熱する。辛みソースはオーストラリアのジギーズ・ワイルド・フーズ社製「グリーンアント&グリーンアップル発酵ホットソース」を使用

炭火で焼き、食べやすい大きさにカットしたラディッキオ・タルディーボを入れ、ソースにする

茹で上げたパッパルデッレをソースと和える

パルミジャーノ・レッジャーノ、イタリアンパセリのみじん切りを混ぜ合わせて仕上げる
お召し上がり

和牛とラディッキオ・タルディーボのパッパルデッレ
ソースにごろっと入る大粒の和牛は、ほろっと崩れる柔らかさで旨みが濃厚です。
炭火で焼いたラディッキオ・タルディーボは、先端がサクサクして香ばしく、白い部分は食感がしっかりして旨みを感じ、パッパルデッレの小麦の風味とともに、アクセントになります。

和牛とラディッキオ・タルディーボのパッパルデッレ

和牛とラディッキオ・タルディーボのパッパルデッレ

ラ・ビスボッチャ店内
11.アイルランド産牡蠣とトピナンブールのリゾット 卵黄のせ 白トリュフかけ

アイルランド産牡蠣とトピナンブールのリゾット 卵黄のせ 白トリュフかけ
メニューについて
リゾット米と牡蠣は相性抜群です。
1月は、リゾット米にフランスの冬の根菜、トピナンブールのみじん切りを混ぜ、卵黄や白トリュフをトッピングして、味と香り豊かに仕上げました。
調理

メニュー提案・撮影調理 料理長 井上裕基(いのうえ ゆうき)
◆牡蠣のムニエルをつくる

ヨーロッパ有数の牡蠣の産地、アイルランドでは、干潟の干満差を利用して養殖している。干潮時は海水に触れないことから、殻の中に海水をたっぷり蓄えることで味が濃くなる。海水を蓄えるために、殻は涙型で、上は平らで密封度を高め、下はお椀型になっている。他の産地の牡蠣とちがう、独特の形が味の濃さを物語る

牡蠣を蒸して開き、中身を取り出す

フライパンでバターを加熱し、小麦粉をつけた牡蠣を入れる

牡蠣の向きを変え、加熱する
◆リゾットを仕上げる

トピナンブールはフランス産。キク科の植物の根の部分で和名は菊芋と呼ばれる冬野菜

トピナンブールの皮をむき、小さくカットしてバターで炒める

トピナンブールを炒めたフライパンにリゾット米と自家製鶏の出汁を入れる

リゾット米は、大粒で煮崩れしにくいイタリア産のリゾット用品種カルナローリを使用。イタリア北部ピエモンテ州の米処ヴェルチェッリ県で1935年からリゾット用の米をつくり続ける「ロンドリーノ」社のブランド米「アクエレッロ」

牡蠣を蒸した時にできた汁を入れる

バターとパルミジャーノ・レッジャーノを混ぜ合わせて皿に盛り付ける

リゾットの上に牡蠣のムニエルと卵黄をのせ、スライスしたての白トリュフを振りかけて仕上げる
お召し上がり

アイルランド産牡蠣とトピナンブールのリゾット 卵黄のせ 白トリュフかけ
牡蠣はバターと小麦粉でムニエルにすることで香ばしさと旨みがきわだちます。
牡蠣の濃い味に対して、リゾット米が程よいコントラストになり、トピナンブールのサクサクした食感がアクセントです。
さらに、卵黄を介して白トリュフの香りとつながる、贅沢な展開を堪能します。

アイルランド産牡蠣とトピナンブールのリゾット 卵黄のせ 白トリュフかけ

アイルランド産牡蠣とトピナンブールのリゾット 卵黄のせ 白トリュフかけ

ラ・ビスボッチャ店内
◆メイン
12.伊勢えびのハリーズバー風

伊勢えびのハリーズバー風
メニューについて
イタリア、ヴェニスの老舗レストラン、ハリーズバーで、魚介に焦がしバターソースを合わせる料理があります。
そんな料理をイメージして、1月は、伊勢えびをハリーズバー風に仕立てておすすめします。
調理

メニュー提案・撮影調理 料理人 田和偉織(たわ いおり)

伊勢えびは三重県産

フライパンでバターを加熱。半分にカットし、小麦粉をつけた伊勢えびを入れ、殻から加熱する

スプーンでバターを伊勢えびに回しかける

伊勢えびをひっくり返して加熱する

再び伊勢えびをひっくり返し、焼き加減を調節する

伊勢えびを皿に盛り付け、自家製トマトソース、コルニッションのみじん切り、ケッパー、ウスターソースをトッピングし、焦がしバターソースを振りかけて仕上げる
お召し上がり

伊勢えびのハリーズバー風
伊勢えびはバターの効果で、香ばしさや旨みがきわだちます。
そこに、トマトソースの酸味や、ウスターソースのスパイシーな味が次々と現れ、飽きない味わいです。

伊勢えびのハリーズバー風

伊勢えびのハリーズバー風

ラ・ビスボッチャ店内
◆付け合わせ
13.ラディッキオ・タルディーボのサラダ アンチョビドレッシング

ラディッキオ・タルディーヴォのサラダ アンチョビドレッシング
メニューについて
メインの料理の付け合わせに、1月は、イタリアの冬野菜ラディッキオ・タルディーヴォを使ったサラダをおすすめします。
調理

メニュー提案・撮影調理 料理人 戸子臺麻衣香(とこだい まいか)

ラディッキオ・タルディーヴォを食べやすい大きさにカットする

カットしたラディッキオ・タルディーヴォを水に漬け、アクを取りながらシャキッとさせる

アク抜きしたラディッキオ・タルディーヴォを野菜水切り器に入れ、余分な水分をとばす

ラディッキオ・タルディーヴォをアンチョビ・ドレッシングと和えて完成。アンチョビ・ドレッシングはアンチョビペースト、ニンニクオイル、赤ワイン酢、エキストラヴァージン・オリーブオイル、塩を混ぜてつくる
お召し上がり

ラディッキオ・タルディーヴォのサラダ アンチョビドレッシング
ラディッキオ・タルディーヴォの紫の部分は可憐で薄く、食感はサクサクして、白い部分はシャキシャキしています。
味わいはさっぱりして、青々しさや旨みが繊細に広がります。
肉料理の付け合わせにおすすめします。

ラディッキオ・タルディーヴォのサラダ アンチョビドレッシング

ラディッキオ・タルディーヴォのサラダ アンチョビドレッシング

ラ・ビスボッチャ店内
◆ドルチェ
14.チョコレートのテリーヌ 金柑のマーマレード添え

チョコレートのテリーヌ 金柑のマーマレード添え
メニューについて
チョコレートと柑橘類は相性抜群です。
1月のドルチェは、冬に美味しくなる金柑と、チョコレートのテリーヌを合わせておすすめします。
調理

メニュー提案・撮影調理 副料理長 高部孝太(たかべ こうた)

ボウルにチョコレート、バター、金柑の皮、オレンジリキュールを入れ、湯煎で加熱し、混ぜ合わせる

金柑は宮城県産

オレンジリキュールは1880年にフランスで生まれた「グラン・マル二エ・コルドン・ルージュ」を使用。コニャックにビターオレンジの蒸留エキス分を加え、オーク樽で熟成させてつくられる

チョコレートの液に卵と砂糖を混ぜた液を合わせ、テリーヌの生地にする

テリーヌの生地を型に流し込み、冷やし固める

テリーヌを型から取り出す

テリーヌを切り分け、金柑を砂糖水で煮たマーマーレードを添えて仕上げる
お召し上がり

チョコレートのテリーヌ 金柑のマーマレード添え
金柑は皮が厚く、マーマレードにすると甘酸っぱさと爽やかな香りがきわだちます。
チョコレートのテリーヌとの相性もよく、テリーヌの中からも、金柑が香る相乗効果で、美味しさがきわだちます。

チョコレートのテリーヌ 金柑のマーマレード添え

チョコレートのテリーヌ 金柑のマーマレード添え
新春のディナーは、
ラ・ビスボッチャの季節のおすすめメニューで、
お楽しみください。