私とビスボッチャ:新原凪紗さん

Episode 16 : Nagisa Niihara

ビスボッチャに来店されるお客さまのインタビューで綴る連載コラム。今回はチーズケーキ愛好家の新原凪紗(にいはら なぎさ)さんに登場いただき、チーズケーキへの思いを語っていただきました。

ビスボッチャの店内で語る新原凪紗さん

新原凪紗(にいはら なぎさ)プロフィール

2002年 兵庫県西宮市生まれ。

2008年 両親とともに関東に引っ越し

2015年4月 女子学院中学校入学

2021年3月 女子学院高等学校卒

2021年4月 慶應義塾大学 法学部政治学科入学

2023年10月 在学中にTBSテレビ「マツコの知らない世界 チーズケーキ」に出演

2025年3月 慶應義塾大学 法学部政治学科卒

2025年4月 あべのハルカス近鉄本店「チーズケーキ博覧会」主催

15歳の頃よりチーズケーキの魅力に惹かれ、8年間で食した数は2000個以上。大学生の頃より、チーズケーキやスイーツの食レポを自身のインスタグラム・アカウント、通称「なぎレポ」で発信。

大学卒業後はフリーランス・ライターとして「なぎレポ」を継続。それに加えて「ウメダチーズラボ」のアンバサダーや「yahoo!」のエキスパートライターを務めながら、スイーツの商品監修や、催事のプロデュースを手掛けている。

新原凪紗さんのインスタグラム「なぎレポ」@NA.CHEESE_SWEETS

1.チーズケーキ博覧会

私は、デパートの催事が好きで、フランス展やイタリア展、北海道展などが開かれると、必ず行っていました。

でも、チーズケーキが流行しているのに、なぜチーズケーキを集めた催事がないのか、不思議に思っていました。

一ヶ所で、たくさんのチーズケーキが食べられたら、これほど幸せなことはありません。どこかで開催してくれないかと思っていたら、あべのハルカス近鉄本店から「チーズケーキ博覧会」のプランがあり、そのプロデュースをお願いしたい、というオファーがあり、「私の出番だ!」と思ってよろこびました。

しかし、当初のプランは地下で開催する小規模な内容でした。

私は憧れの催会場で、大規模に展開したかったため、「私が出店業者を集めます!少し待ってください」と説得し、全力でたくさんの業者に連絡して、出店を募りました。

やがて、ビスボッチャを含めた20店の業者を集めると、9階の催会場での展開が決まり、2025年の430日から56日まで開催する運びとなりました。

大学を卒業し、社会人になって初の大規模なイベントでしたが、出店のセレクトをすべてお任せいただき、私が食べ、好きなチーズケーキを、多くのお客さまにお買い上げいただいたことは、うれしかったです。

会期中は連日多くの来客があり、ほとんどのお店が、用意したチーズケーキを完売できたことも、よかったと思います。

ほとんどのお客さまは、チーズケーキを1個のみでなく、何個もまとめ買いされていました。会場内で食べ比べのイートインができるサービスも当たり、5個くらい食べ比べるお客さまが多かったです。

私は会期中、会場で販売のサポートをしていました。接客のなかで、お客さまは近隣のみならず、福岡や愛知など、遠方から来店する方もいることを知り、感謝の思いでいっぱいです。

その一方で、「関西まで行けない、東京でも開催してほしい」という声も、たくさんいただきました。

このため、東京での、チーズケーキの催事を計画中です

ビスボッチャの店内で語る新原凪紗さん

2.チーズケーキへの思い

私は、幼い頃から、ショートケーキよりも、チーズケーキが好きな子でした。

中学2年の頃、パンケーキにハマり、友だちとひたすら食べ歩き、都内のパンケーキをほとんど食べ尽くした頃、パンケーキブームが来ました。

すると、それまで30分並んでいたお店が3時間待ちになり、興味が薄れていきました。

中学3年の頃、「ウメダチーズラボ」のゴルゴンゾーラのチーズケーキをはじめて食べると、「何だこれは!」と衝撃を受け、「めちゃくちゃ美味しい、自分は好き!」と感じてハマりました。

そのとき、私はゴルゴンゾーラチーズの存在を知りませんでした。最近でこそ、ゴルゴンゾーラのチーズケーキはメジャーになったけれども、当時はカフェで提供するお店はなく、チーズを販売するお店も、ほとんどありませんでした。

それからチーズのことをいろいろ調べ、チーズケーキを食べ歩くようになり、自分はチーズの味と香りが濃厚に出ているタイプが好きなことが、わかってきました。

2020年頃から、バスクチーズケーキがコンビニで出回るようになると、人々はチーズケーキを、バスクやベイクド、レア、スフレなど、タイプ別に意識するようになり、種類が増えると、いろんなチーズケーキが食べたい気持ちが高まりました。

生活の基本は、ほぼ毎日、カフェを2〜3店舗ハシゴしたり、takeoutしたケーキやお取り寄せしたチーズケーキを自宅で楽しんでいます。チーズは料理としてよりも単品でいただくことの方が多いです。

お酒は、チーズとのペアリングが楽しみたいから、今のところワインにしか興味がありません。強めのチーズを甘口のワインと合わせるのが好きで、デザートワインも好きです。

2023年9月、家族でヨーロッパ旅行に行く計画が持ち上がりました、すると、私は「バスクチーズケーキ発祥の地、スペインのバスク地方の美食の街、サン・セバスティアンだけは絶対行きたい!そのほかの国は、どこでもついていきます」と懇願。

結局、念願のスペインのサン・セバスティアンと、フランスのパリに行くことになりました。

サン・セバスティアンでは、およそ10店舗でバスクチーズケーキを食べ歩きました。

すると、日本でよく見かける、表面が真っ黒に焦がされたものは、1個もありませんでした。

現地のバスクチーズケーキは、茶色い焼き色がついた、スプーンとともに提供されるほどとろとろした質感です。意外にも甘さは控えめで食後でも食べやすい味わいでした。

ですが日本で「本場の」と認識されているバスクチーズケーキと言えば、表面が真っ黒に焦がされたものなので、本場とは異なる別物がメジャーになっていることを知り、かなり衝撃を受けました。

サン・セバスティアンやパリの食品売場は、チーズのコーナーが広く、種類が豊富。楽しすぎて、1時間くらいかけて選んでいました。

見たことのないチーズや、知らないチーズがたくさんあり、品書きにスマートフォンの翻訳機をかざしたり、店員に質問したりして購入。ホテルで食べたり、真空パックにしてもらい、日本に持ち帰って食べたりしました。

イタリアやスイスも、チーズの質が高いと聞くので、ぜひ、行ってみたいです。

ビスボッチャの店内で語る新原凪紗さん

3.なぎレポの発信

インスタグラムで、なぎレポをはじめたのは、大学生になってからです。

高校を卒業すると、それまでの友だちと頻繁に会えなくなるので、インスタグラムでつながることにしました。

当初のアカウントは非公開にして、私のフォロワーだけが、投稿を見られる設定にしました。

もともと好きだったスイーツの食べ歩きを、インスタグラムで投稿し、友だちに紹介しながら、お店や味の記録として、蓄積していくことにしました。

私が中学生の頃から好きだった「ウメダチーズラボ」のチーズケーキを食べるたびに投稿していると、同店の公式インスタグラムから、お礼の返信をいただくようになりました。

でも、同店は当時テイクアウト専門で、カフェがないから拡散力が少なく、いいものをつくっているのに、もったいないと思っていました。

そこで、大学2年のときに、「ウメダチーズラボ」に連絡し、アンバサダーの取り組みについて打診しました。

すると、社長から、SNSの効果は期待しているけれど、社員は仕事が忙しく、なかなか投稿できない。アンバサダーをお願いしたい、とご依頼がありました。

ただし、アカウントの公開が条件になり、それを機に、アカウントを公開しました。

公開すると、友だちのみではなく、多くの方々が閲覧するので、アカウントの体裁や、投稿内容を整えていきました。

投稿の頻度は、特に意識していません。大学時代は、授業と授業の間に空き時間ができると、駆け足で都内のスイーツを食べ歩いていました。休日も食べ歩き、結果的に、投稿ネタがどんどんたまり、それを順次投稿しているイメージです。

食べ歩くお店の情報収集は、ほとんどインスタグラムです。よく見るジャンルの広告が入るらしく、スイーツの店舗情報がどんどん流れてくるので、気になるお店をチェックしています。

そのお店を、街でまとめ、3〜4店食べ歩くコースを決めます。店舗間の移動は、健康のために、なるべく歩くようにしています。移動の途中で、偶然気になるお店を見るけることもあり、チェックして、再訪しています。

私のスイーツの好みは、インスタ映えより、圧倒的に味重視なので、美味しいと感じたら、見た目がシンプルなケーキも投稿します。特に、食べていない方にもそのスイーツの魅力が伝わるように、味の感想をこと細かに書くことを意識しています。

スイーツの撮影と記録、発信はスマートフォン1台のみです。その記録をもとにした、情報の整理と分類は、頭の中でやっています。

なぎレポを見て、お店が気になり、実際に行って、すごく美味しかった、というコメントをいただくと、書いた甲斐があります。自分の記録が目的ですが、それを読んで、行こうと思う人がいることは、うれしいです。

私は、兵庫県の西宮市で生まれ、6歳の頃、関東に引っ越して来ました。

両親の実家が大阪にあるため、年に数回大阪に行きます。行くと連泊して、大阪市内はもちろん、足をのばして神戸や京都のスイーツも開拓しています。

このため、関西旅行に行く人から、おすすめの店舗情報を教えてほしい、という要望もあります。

ビスボッチャの店内で語る新原凪紗さん

4.ライフスタイル

私の両親は、テレビドラマが大好きでした。私も幼いころから一緒に観て好きになり、今でも欠かさず観ています。

そんな家庭環境で、私は小学生の頃、将来はテレビのニュースキャスターになろうと決めました。

そのためには、一流大学の学歴が必要と考え、中学受験をして、女子学院中学校・高等学校に入学しました。

部活は、アナウンサーのスキルに生かせると思い、演劇部で活動しました。

女子学院の文化祭は、約1万人来校する人気の行事です。このため、演劇部の文化祭公演も、年間の一大イベントでした。

高校2年の卒業公演では、時代劇の女剣士を演じました。そのために、殺陣を専門家に教わりました。足にアザをいくつもつくるハードな役作りでしたが、いい思い出になりました。

大学は、ニュースキャスターに必要な知識が幅広く学べるように、慶應義塾大学の法学部政治学科に入学しました。しかし、大学に入るとすぐ、ニュースキャスターは、自分が思い描いていた道ではないと知り、その道に進むべきではないと決断しました。

というのも、そもそもニュースキャスターになりたいと考えていた理由は、自分の言葉で正しい情報を発信することでした。

しかし実際は、テレビ局が用意した原稿をただ読むだけで、それもたとえば真実とは違うことであっても報道しなくてはいけません。それではきっと、自分が苦しむことになり、ニュースキャスターは自分がやりたかったことを叶える手段ではなかったんだなと思うようになりました。

自分の言葉で情報を発信するには、何ができるのだろうと考えたときに、好きだったチーズケーキのことが思い浮かび、それに関係した仕事が何かできないか、ぼんやり考えるようになり、スイーツの情報発信やプロデュースの仕事をしようと決めました。

世間では、大卒後、就職して、数年間経験を積んでから独立する人もいます。でも、その時間は、私には長いと思い、大卒後、すぐにフリーランスライターになりました。

今は、自分の言葉で情報発信する一方で、人と話すことは好きなため、プロデュースや商品監修のために、関係者と打ち合わせをすることは苦にならず、仕事環境に満足しています。

ビスボッチャの店内で語る新原凪紗さん

5.私とビスボッチャ

ビスボッチャは、インスタグラムで知り、ホームページの季節のおすすめメニューをチェックしながら、いつかは行きたいレストランだと思っていました。

2023年4月、日本橋三越でイタリア展が開催されると、サンヨーエンタープライズのコーナーで、同社が輸入するイタリア産パルミジャーノ・レッジャーノチーズを使い、ビスボッチャが手がけたチーズケーキが販売されることを知りました。

私はすぐイタリア展に行き、ビスボッチャのチーズケーキを購入し、家に持ち帰って食べました。

高級なパルミジャーノ・レッジャーノを使用したチーズケーキは珍しく、チーズのコクと旨みが凝縮された濃厚な味わいは、とても私好みの一品でした。

同年10月、TBSテレビから「マツコの知らない世界 チーズケーキ」の出演依頼があると、番組で紹介するチーズケーキのひとつに、ビスボッチャのパルミジャーノ・レッジャーノのチーズケーキを選びました。

番組で実食したマツコさんから「これ、かなりパンチ効いてる。ワインにも合いそう」というコメントをいただきました。

そのご協力の縁で、同年11月、はじめてビスボッチャを訪問しました。そのときの印象は「ウワーッ 広!」。

それまで、カフェやビストロなど、小さな飲食店を訪ねたことしかなく、特別な空間が新鮮な驚きでした。

ドルチェはもちろん、チーズを使用した前菜やゴルゴンゾーラのニョッキ、火入れにとことんこだわったお肉料理まで、どれも絶品でした。

これからも、チーズケーキの催事などで、お世話になることもあると思いますので、よろしくお願いします。

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(取材/2025年6月 写真・文/ライター 織田城司)