RECOMMENDED SEASONAL MENU SEPTEMBER 2022
コラム『味と技』第115回
秋の色と香り
今年の夏は短く、9月は早くも秋の気配。そんな季節に美味しく感じるメニューを13品おすすめします。
監修/料理長・井上裕基
写真・文/ライター 織田城司
Supervised by Yuuki Inoue
Photo・Text by George Oda
⚫︎前菜
1.生ハムとメロン
生ハムとメロン
メニューについて
生ハムと合わせて味わう、季節の食材シリーズです。
9月の一品目は、イタリア産の赤肉メロンを合わせておすすめします。
メニュー提案・撮影調理 料理長・井上裕基
メロンは赤肉で糖度が高いイタリア産ジョリーメロンを使用。イタリア北部ロンバルディア州のメロンの特産地マントヴァで1960年代よりメロンをつくり続けるゼルビナッティ社製
お召し上がり
生ハムとメロン
◆とろける甘みと塩気
メロンのジューシーな果肉は、生ハムのとろける柔らかさとよくなじみます。
メロンのフルーティな香りと甘み、生ハムの熟成香と塩気がそれぞれ引き立て合います。
生ハムとメロン
生ハムとメロン
ラ・ビスボッチャ店内
2.生ハムと黒イチジク
生ハムと黒イチジク
メニューについて
生ハムと合わせて味わう、季節の食材シリーズです。
9月の二品目は、黒イチジクを合わせておすすめします。
メニュー提案・撮影調理 料理長・井上裕基
黒イチジクはカリフォルニア産を使用
お召し上がり
生ハムと黒イチジク
◆きわだつ深い甘み
黒イチジクの皮は、舌に感じないほどの極薄で、なかの赤褐色の果肉はジャムのように柔らかく、深い甘みとコクがあります。
生ハムの熟成香と塩気が黒イチジクの美味しさを引き立て、果肉のなかの小さな実のプチプチした食感がアクセントになります。
生ハムと黒イチジク
生ハムと黒イチジク
ラ・ビスボッチャ店内
3.ブラータチーズと黒イチジクのサラダ
ブラータチーズと黒イチジクのサラダ
メニューについて
ブラータチーズのサラダで味わう、季節の食材シリーズです。
9月の一品目は、黒イチジクを合わせておすすめします。
メニュー提案・撮影調理 料理人・高部孝太
ブラータチーズは、イタリア南部プーリア州のチーズ職人が、アメリカ・カリフォルニア州でつくる「ディ・ステファノ」社製を使用。放牧牛のミルクを使い、とろりとした食感で、ミルキーな風味と甘み、旨みが濃厚
お召し上がり
ブラータチーズと黒イチジクのサラダ
◆甘みを繊細に味わう
ブラータチーズのミルキーな風味は、黒イチジクの深い甘みとコクを引き立てます。
ブラータチーズの上品な旨みが、サラダをお酒に合う味に仕上げます。
ブラータチーズと黒イチジクのサラダ
ブラータチーズと黒イチジクのサラダ
ラ・ビスボッチャ店内
4.ブラータチーズと梨のサラダ
ブラータチーズと梨のサラダ
メニューについて
ブラータチーズのサラダで味わう、季節の食材シリーズです。
9月の二品目は、梨を合わせておすすめします。
メニュー提案・撮影調理 料理人・高部孝太
梨は生産量日本一の千葉県産を使用
お召し上がり
ブラータチーズと梨のサラダ
◆心地よい食感とさっぱりした甘み
梨の果肉はシャリシャリして食感が心地よく、みずみずしい果汁はサラッとして、さっぱりした甘みがあります。
ブラータチーズの甘みや旨みが、梨の爽やかな味わいを引き立てます。
ブラータチーズと梨のサラダ
ブラータチーズと梨のサラダ
ラ・ビスボッチャ店内
5.マダコとししとうの赤ワイン煮込み
マダコとししとうの赤ワイン煮込み
メニューについて
夏野菜のししとうとマダコを合わせ、赤ワインで煮込みました。
ピリ辛味と醸造味の合わせが、夏から秋に移り変わる季節に美味しく感じます。
調理
メニュー提案・撮影調理 料理人・高部孝太
◆マダコの下茹で
鍋でオリーブオイルとニンニクを加熱し、オイルに香りをつける
マダコを入れ、表面を炒める。マダコは茨城県産
赤ワインを入れる
スパイスとハーブを入れる
フタをして煮込む
◆仕上げる
煮込んだマダコを鍋からまな板の上に取り出す
マダコを食べやすい大きさにカットする
鍋にオリーブオイルとニンニク、赤唐辛子を入れ、加熱し、オイルに味と香りをつける
赤唐辛子はイタリア北部エミリア・ロマーニャ州のボローニャで1956年に創業したスパイス専業メーカー「カンナメーラ」社製を使用。すっきりした辛みが特徴
カットしたマダコを入れる
自家製トマトソースを加える
ししとうを炒める。ししとうは高知県産を使用
焼き色をしっかりつけて香ばしさを強める
鍋にししとうと、炒めて香りがついたオリーブオイルを入れ、煮込んで完成
お召し上がり
マダコとししとうの赤ワイン煮込み
◆まろやかな辛み
赤ワインやトマトを効かせて煮込んだマダコはサクッと柔らかく、旨みやコクがしっかり染みています。
煮込んだししとうは、くたくたに柔らかくなり、まろやかな辛みがほどよいアクセントで食前酒がすすみます。
マダコとししとうの赤ワイン煮込み
マダコとししとうの赤ワイン煮込み
ラ・ビスボッチャ店内
6.白トリュフとパルミジャーノエッグ
白トリュフとパルミジャーノエッグ
メニューについて
トリュフの最高峰、イタリア産白トリュフ。
出はじめの香りを、相性のいい卵と乳製品でシンプルに高めました。
調理
メニュー提案・撮影調理 料理長・井上裕基
ボウルに全卵と卵黄を入れる
卵は神奈川県産の「長寿卵」。卵黄がオレンジ色で味に深みとコクがあり、イタリアの卵の質に似ていることから使用
塩を加えて混ぜる
塩は、シチリア産を使用。昔ながらの塩田で、天日干しによる自然海塩の生産を続けるシチリア島トラパニの街で、ソサルト社が手がける「エガディ」ブランドの細粒。辛みはまろやかで、ミネラルの旨みが豊富
パルミジャーノ・レッジャーノを加えて混ぜる
パルミジャーノ・レッジャーノは、1877年に創業したイタリアの乳製品メーカーの老舗「アウリッキオ」社製。一年中干草のみを与えた牛の濃いミルクからつくるチーズは甘みと熟成感のバランスがよい。塊で仕入れ、自店で粉に挽く
フライパンを加熱する
バターを塊からカットしてフライパンで加熱する。バターはイタリア北部ピエモンテ州産「ベッピーノ・オッチェリ」ブランドの発酵無塩バターを使用
バターの溶け具合を見ながら卵を投入するタイミングを計る
フライパンに卵を投入
ゴムベラを使って卵に火を通す
卵にとろみが残る加減で火から外し、余熱で加熱し、皿に盛る
パルミジャーノ・レッジャーノを振りかける
スライスしたての白トリュフを振りかけて完成
白トリュフはイタリア北部ピエモンテ州の特産地アルバ産を使用
お召し上がり
白トリュフとパルミジャーノエッグ
◆濃厚な香りと深い旨み
見た目は軽そうだけれど、濃厚な香りと深い旨み、コクに驚きます。
卵、バター、チーズだけなのに、深く広がる味に、白トリュフの不思議な力を感じます。
白トリュフとパルミジャーノエッグ
白トリュフとパルミジャーノエッグ
ラ・ビスボッチャ店内
⚫︎パスタ&リゾット
7.水ダコの冷製パスタ ジェノヴェーゼソース
水ダコの冷製パスタ ジェノヴェーゼソース
メニューについて
イタリア最大の港町ジェノヴァで、魚介に合わせるさっぱりソースとして生まれたジェノヴェーゼソース。
冷製パスタにもよく合い、9月は水ダコをアクセントに仕立てました。
調理
メニュー提案・撮影調理 料理人・老田裕樹
フェデリーニを茹でる。茹で時間7分30秒
パスタはスパゲッティよりやや細いフェデリーニ。イタリア中部アブルッツォ州で1886年に創業した老舗「ディ・チェコ」社の直径1.4㎜タイプを使用
下茹でした水ダコを食べやすい大きさにカットする。水ダコは北海道産を使用
冷製パスタとソースを和えるボウルに、カットしたマダコとマダコの茹で汁、エキストラヴァージン・オリーブオイルを入れ、混ぜ合わせる
茹で上がったパスタを冷やす氷水に塩を入れ、味をつける
茹で上がったパスタを氷水で冷やし、水をよく切る
パスタをソースのボウルに入れ、自家製ジェノヴェーゼソースを加える
冷製パスタをソースと和え、皿に盛り付け、まわりにエキストラヴァージン・オリーブオイルを振りかけて仕上げる
お召し上がり
水ダコの冷製パスタ ジェノヴェーゼソース
◆さっぱり、爽やか
バジルが効いたジェノヴェーゼソースのさっぱりして爽やかな味わいは、ひんやりしたパスタで一段ときわだちます。
水ダコの弾力ある歯ごたえと旨みがアクセントになり、パスタを引き立てます。
水ダコの冷製パスタ ジェノヴェーゼソース
水ダコの冷製パスタ ジェノヴェーゼソース
ラ・ビスボッチャ店内
8.スルメイカとフルーツトマトのフェットチーネ
スルメイカとフルーツトマトのフェットチーネ
メニューについて
夏から秋にかけて美味しくなるスルメイカを使ったパスタです。
フルーツトマトと平麺フェットチーネを合わせ、あっさりした味に仕上げました。
調理
メニュー提案・撮影調理 料理人・老田裕樹
◆ソースをつくる
スルメイカをさばき、部位ごとに分け、食べやすい大きさにカットする
スルメイカは青森県産を使用
フライパンにニンニク、赤唐辛子、オリーブオイル、スルメイカの肝を入れ、加熱。肝をゴムベラでつぶしながら味と香りをオイルになじませる
ヤリイカを入れ、炒める
白ワインを入れ、アルコールをとばし、味と香りをつける
フルーツトマト、自家製魚の出汁を加える
煮詰めてソースの出来上がり
◆仕上げる
フェットチーネを自家製生パスタでつくる。全卵と卵黄、強力粉、セモリナ粉、オリーブオイル、塩を混ぜる
フェットチーネを茹でる。茹で時間4分
茹で上がったフェットチーネをソースのフライパンに投入
フェットチーネをソースと和える
エキストラヴァージンオリーブオイルを加え、味と香りをつける
エキストラヴァージン・オリーブオイルを材料と混ぜ、皿に盛り付け、イタリアンパセリのみじん切りを振りかけて仕上げる
お召し上がり
スルメイカとフルーツトマトのフェットチーネ
◆軽やかな酸味が美味しい
スルメイカの香ばしさや旨みが、フルーツトマトの甘みと酸味でシンプルに引き立てられています。
ヒラヒラしたフェットチーネの軽やかさと絶妙に合い、あっさりした後味です。
スルメイカとフルーツトマトのフェットチーネ
スルメイカとフルーツトマトのフェットチーネ
ラ・ビスボッチャ店内
9.和牛のピリ辛スパイシーラグーのパッパルデッレ
和牛のピリ辛スパイシーラグーのパッパルデッレ
メニューについて
残暑の季節に食べたいピリ辛料理。
和牛と太麺パッパルデッレを合わせ、ごろごろ具材の迫力で仕立てました。
調理
メニュー提案・撮影調理 料理長・井上裕基
◆ラグーソースのベースをつくる
香味野菜(ニンジン、タマネギ、セロリ)を細かく切り、鍋にオリーブオイルを広げて炒める
和牛を細かくカットする。和牛は鹿児島県産「薩摩牛」や三重県産「美熊野牛」のヒモ肉を使う
フライパンにオリーブオイルを広げる
和牛を炒め、表面に焼き色をつけて旨みを封じ込める
炒めた和牛をザルに入れ、余分な脂を落とし、味を凝縮する
香味野菜を炒めた鍋に和牛を投入
和牛を炒めたフライパンに赤ワインを入れて加熱
フライパンの底についた肉汁を混ぜた赤ワインを鍋に入れる
自家製トマトソースを加える
ソースに加えるニンニク、ローズマリー、スパイスを細かくカットする
スパイスはフランスの「テール・エクゾチック」社のスパイスセットから3種をセレクト。左から「タスマニアペッパー」(原産国オーストラリア)ブラックベリーやローズマリーのような華やかな香り。「パッションペッパー」(原産国エチオピア)パッションフルーツのような香り。「バタックペッパー」レモンやピンクグレープフルーツのような柑橘系の香り
刻んだニンニク、ローズマリー、スパイスとチョコレートを鍋に入れ、味と香りをつける
チョコレートは、カカオの特産地コロンビアで1906年に創業した製菓用チョコレートのトップメーカー、カサルカ社のカカオ分61%のタイプを使用
材料を混ぜ合わせ、煮込んでラグーソースのベースの出来上がり
◆仕上げる
パッパルデッレを自家製生パスタでつくる。全卵と卵黄、強力粉、セモリナ粉、オリーブオイル、塩を混ぜる
パッパルデッレを茹でる。茹で時間4分
ズッキーニを薄く切って炒める
反対側からも加熱し、柔らかくする
フライパンにラグーソースのベースを一人前取り分けて加熱
ハラペーニョと炒めたズッキーニをカットして加える
ハラペーニョは三重県産「熊野唐辛子」のドライタイプを使用
茹で上がったパッパルデッレをソースのフライパンに投入
自家製トマトソースを加える
材料を混ぜ合わせ、味を整えて完成
お召し上がり
和牛のピリ辛スパイシーラグーのパッパルデッレ
◆ごろごろ和牛の迫力
ごろごろした和牛は、濃厚な旨みをエキゾチックな香りとピリ辛の刺激が引き立て、食欲がすすみます。
パッパルデッレの小麦の風味や、柔らかく焼いたズッキーニの甘みがアクセントになります。
和牛のピリ辛スパイシーラグーのパッパルデッレ
和牛のピリ辛スパイシーラグーのパッパルデッレ
ラ・ビスボッチャ店内
10.白トリュフのタヤリン
白トリュフのタヤリン
メニューについて
出はじめのイタリア産白トリュフの香りを楽しむパスタです。
相性のいい卵やバターをたっぷり使った極細麺、タヤリンで香りを高めました。
調理
メニュー提案・撮影調理 料理長・井上裕基
タヤリンを自家製生パスタでつくる。卵黄と小麦粉、セモリナ粉、オリーブオイル、塩を混ぜる
タヤリンを茹でる。茹で時間1分30秒
フライパンにバターを入れ、加熱する
パスタの茹で汁を加え、煮詰めてソースの出来上がり
茹で上がったタヤリンをソースのフライパンに投入
タヤリンをソースと和え、皿に盛り付ける
スライスしたての白トリュフを振りかけて完成
お召し上がり
白トリュフのタヤリン
◆とろみに感じる濃厚な香り
極細のタヤリンはしなやかで、バターソースと一体になり、とろりとした質感が白トリュフの香りを高めます。
さらに、バターや卵の風味が重なることで、白トリュフの香りが濃厚に極まります。
白トリュフのタヤリン
白トリュフのタヤリン
ラ・ビスボッチャ店内
11.太刀魚のコンフィとキノコのリゾット
太刀魚のコンフィとキノコのリゾット
メニューについて
舞茸とポルチーニ茸を入れてつくる、秋味のリゾットです。
秋にかけて脂がのってくる太刀魚をコンフィで仕立てて合わせました。
調理
メニュー提案・撮影調理 料理人・横田達也
◆太刀魚のコンフィをつくる
太刀魚をカットする。太刀魚は神奈川県産を使用
太刀魚をバットに入れ、塩コショウで下味をつける
バットにオリーブオイル、ニンニク、タイムを入れる
バットをオーブンに入れ、低温長時間加熱で太刀魚のコンフィをつくる
◆キノコ2種を炒める
まいたけをフライパンで炒める。オイルを使わず、焼き色を強めにつけて香ばしさを増す
まいたけは新潟県産の「雪国まいたけ」を使用
ポルチーニ茸をオリーブオイルで炒める
ポルチーニ茸はイタリア産のフレッシュタイプを使用
◆仕上げる
炒めたポルチーニ茸を鍋でさらに炒める
太刀魚からつくる出汁を入れる
リゾット米と炒めたまいたけを入れ、煮込む
リゾット米は、煮崩れしにくいイタリア産のリゾット用品種を使用。イタリア北部ピエモンテ州の米処ヴェルチェッリ県で1935年からリゾット用の米をつくり続ける「ロンドリーノ」社のブランド米「アクエレッロ」
塩を入れ、味をつける
フライパンにオリーブオイルを広げ、太刀魚のコンフィの表面に焼き色をつける
鍋に無塩バターを入れ、味と香り、とろみをつける
パルミジャーノ・レッジャーノとエキストラヴァージン・オリーブオイル、イタリアンパセリのみじん切りを入れ る
余熱で材料を混ぜ合わせ、皿に盛り付け、太刀魚のコンフィをのせて仕上げる
お召し上がり
太刀魚のコンフィとキノコのリゾット
◆秋味のリゾット
炒めたキノコは香ばしく、旨みも深まり、リゾット米やバター、チーズとよく合います。
コンフィで柔らかくなった太刀魚の繊細な旨みがおかずの役割になり、秋味のリゾットを堪能します。
太刀魚のコンフィとキノコのリゾット
太刀魚のコンフィとキノコのリゾット
ラ・ビスボッチャ店内
⚫︎メイン
12.イタリア産乳飲み仔牛の骨付きロースの香草パン粉カツレツ
イタリア産乳飲み仔牛の骨付きロースの香草パン粉カツレツ
メニューについて
秋に移りかわる季節の肉料理は、若々しい旨みの乳飲み仔牛をおすすめします。
厚切りにした骨付きロースに香草パン粉をつけ、バターで揚げ焼きにして、美味しさを引き立てました。
調理
メニュー提案・撮影調理 料理人・江川智香
◆肉の下ごしらえ
イタリア産乳飲み仔牛の骨付きロースは塊肉で仕入れ、自店でさばく
塊肉から骨一本分のロースを切り出す
肉や骨の周りから余分な材料を取り除く
ミートハンマーで肉を均一な厚さに広げる
塩コショウで下味をつける
◆香草パン粉をつくる
フードプロセッサーにパン粉を入れ、イタリアンパセリやローズマリー、タイムなどの香草をちぎって入れる
パン粉は、イタリア風の細かいパン粉の美味しさにこだわり、自家製でつくる。毎日焼いてテーブルに提供するパンのなかから、パーネトスカーナとチャバッタの2種を、さらにオーブンで焼き、水分をとばし、ミンチマシーンで細粒に挽いてブレンドする
材料をフードプロセッサーで細かくしながら混ぜ合わせる
出来上がった香草パン粉をバットに移す
◆カツレツを揚げ焼く
肉にパン粉をつける
溶き卵にくぐらせる。パン粉をつけることで卵がよくつく
肉の両面に香草パン粉をつける
包丁で格子をつける。パン粉がしっかりつき、火の通りがよくなる
フライパンでオリーブオイルとバターを加熱し、カツレツを投入
スプーンでバターを回しがけしながら加熱する
ひっくり返す
反対側もバターを回しがけして加熱し、キッチンペーパーで余分な油を吸収して仕上げる
お召し上がり
イタリア産乳飲み仔牛の骨付きロースの香草パン粉カツレツ
◆ミルキーな風味と若々しい旨み
乳飲み仔牛のロースは淡いピンク色で柔らかく、ジューシー肉汁はミルキーな風味で、若々しい旨みがあります。
香草パン粉のバターとハーブの香ばしさがロースの美味しさを引き立てます。
イタリア産乳飲み仔牛の骨付きロースの香草パン粉カツレツ
イタリア産乳飲み仔牛の骨付きロースの香草パン粉カツレツ
おすすめのワイン
白ワイン「アルテニ・ディ・ブラッシカ」
◆フルーティでしっかりした白ワイン
銘柄/アルテニ・ディ・ブラッシカ
ワイナリー/ガヤ
生産地/イタリア北部ピエモンテ州
ぶどう種/ソーヴィニヨン・ブラン100%
生産年/2019年
香りは、トロピカルフルーツのような甘い香りに、ハーブやスパイス、オークなどのニュアンスが加わり、香草パン粉の香ばしさを引き立てます。
味わいは、しっかりして、果実味と酸味とコクのバランスがよく、乳飲み仔牛の若々しい旨みとよく合います。
白ワイン「アルテニ・ディ・ブラッシカ」を「イタリア産乳飲み仔牛の骨付きロースの香草パン粉カツレツ」に合わせて
ラ・ビスボッチャ店内
⚫︎ドルチェ
13.栗とアーモンドのタルト モンテビアンコ風
栗とアーモンドのタルト モンテビアンコ風
メニューについて
イタリアとフランスの国境にまたがるアルプス山脈の最高峰は「白い山」の名で親しまれ、イタリア語では「モンテビアンコ」、フランス語では「モンブラン」とよばれ、山の形をした栗のお菓子の名にも転用されてきました。
9月は、タルトのホールケーキを白い山に見立て、クリームを重ね、栗とアーモンドを合わせて仕立てました。
調理
メニュー提案・撮影調理 料理人・水谷結
◆タルトを焼く
タルト生地にアーモンドクリーム(アーモンドパウダー、バター、卵、グラニュー糖を混ぜたもの)を敷く
栗の甘露煮を細かくカットしてのせる
栗の甘露煮は栗の生育に適した気候風土で生産量世界一の中国産を使用。茶色い渋皮をつけて甘く煮たタイプで、柔らかくなった渋皮が甘みをたっぷり含む
オーブンで焼く
◆タルトを組み立てる
栗のクリームの材料にする栗ペースト、ホイップクリーム、ラム酒をボウルに入れる
栗ペーストはイタリア北部ピエモンテ州で1972年に創業したアグリモンタナ社製。100%天然の原材料で生産することにこだわりを持つ製菓食材の専業メーカー。ピエモンテ州特産の大粒の栗のシロップ漬けを材料にバニラ風味をつけたタイプ
ラム酒は、フランスのリモージュで1857年に創業したバーディネー社の「ネグリタ」ブランドを使用。西インド諸島でサトウキビを原料に蒸留した原酒を、フランスのボルドーでブレンド、熟成させたもの
栗のクリームの材料を混ぜ合わせる
焼き上げたタルト生地の上に栗のクリームを重ねる
栗の甘露煮を半分にカットしてのせる
ホイップクリームを重ねる
スプーンで白いクリームをモンテビアンコ風の山型に盛り上げる
ローストしたイタリア産アーモンドスライスをまわりに飾り、山の麓の森に見立て、仕上げる
お召し上がり
栗とアーモンドのタルト モンテビアンコ風
◆栗の甘香ばしさが濃厚
栗の甘露煮は、ねっとりした食感で甘香ばしさが濃厚です。
分厚い白いクリームや栗のクリーム、アーモンドクリーム、タルト生地との合わせが絶妙で、重ねて味わうと美味しさがきわだちます。
タルト生地と一緒に焼いた栗の甘露煮は、カリッとした食感で甘香ばしさが凝縮して、栗好きにはうれしいアクセントです。
栗とアーモンドのタルト モンテビアンコ風
栗とアーモンドのタルト モンテビアンコ風
秋の風を感じたら、
ラ・ビスボッチャの、
季節のおすすめメニューでお楽しみください。