RECOMMENDED SEASONAL MENU NOVEMBER 2024
コラム『味と技』第144回
晩秋のぬくもり
11月は、紅葉で色づく街に、深まる秋を感じ、冬の支度をはじめます。
そんな季節の美味しさをあつめて、15メニューおすすめします。
監修/料理長・井上裕基
写真・文/ライター 織田城司
Supervised by Yuuki Inoue
Photo・Text by George Oda
⚫︎前菜
1.ブラータチーズと焼きリンゴ
ブラータチーズと焼きリンゴ
メニューについて
ブラータチーズと味わう、季節の食材シリーズです。
11月の一品目は、焼きリンゴを合わせておすすめします。
メニュー提案 撮影調理 料理人・村澤大
リンゴは青森県産の「紅玉」を使用
ブラータチーズは、イタリア南部プーリア州出身のチーズ職人が、アメリカ・カリフォルニア州でつくる「ディ・ステファノ」社製を使用。放牧牛のミルクを使い、とろりとした食感で、ミルキーな風味と甘み、旨みが濃厚
お召し上がり
ブラータチーズと焼きリンゴ
焼きリンゴの果肉はサクッと柔らかく、皮まで食べられ、しっとりした果汁はフルーティな香りと甘酸っぱさが凝縮しています。
その美味しさを、ブラータチーズのミルキーな風味が引き立てます。
ブラータチーズと焼きリンゴ
ブラータチーズと焼きリンゴ
ラ・ビスボッチャ店内
2.ブラータチーズと富有柿
ブラータチーズと富有柿
メニューについて
ブラータチーズと味わう、季節の食材シリーズです。
11月の二品目は、富有柿を合わせておすすめします。
メニュー提案 撮影調理 料理人・村澤大
柿は和歌山県産の種のない「富有柿」を使用
お召し上がり
ブラータチーズと富有柿
富有柿の果肉は、程よく食感が残る柔らかさ。果汁は濃厚で、甘みがしっかりしています。
その美味しさを、ブラータチーズのミルキーな風味が引き立てます。
ブラータチーズと富有柿
ブラータチーズと富有柿
ラ・ビスボッチャ店内
3.昆布じめヒラメのカルパッチョ
昆布じめヒラメのカルパッチョ
メニューについて
11月のカルパッチョは、寒くなる季節に脂がのり、身がしまり、美味しくなるヒラメをおすすめします。
ヒラメは昆布でしめ、旨みを増しています。
調理
メニュー提案 撮影調理 料理人・老田裕樹
◆ヒラメを昆布でしめる
ヒラメは青森県産を使用。一尾で仕入れ自店でさばく
ヒラメの切身から皮を取り除く
塩で下味をつける
日本酒を含ませ布で、表面を整えた昆布の上に、ヒラメを置く
ヒラメの上も昆布で覆う
ラップで密閉し、しめる
ラップで密閉したヒラメをバットの間にはさむ。しめた味が濃くなりすぎないように、重石を乗せず、輪ゴムではさむ微力で調整する
◆仕上げる
昆布からヒラメを取り出す
食べやすい大きさにカットする
粒柚子胡椒をオリーブオイルと混ぜる
粒柚子胡椒は大分県産を使用
粒柚子胡椒とオリーブオイルをませた液をトッピングに振りかける。このほか、自家製レモンドレッシングや芽ネギ、おぼろ昆布をトッピングに加えて仕上げる
芽ネギは静岡県産を使用
おぼろ昆布は北海道産を使用
お召し上がり
昆布じめヒラメのカルパッチョ
ヒラメは脂がのり、しっかりした食感。昆布じめの風味と旨みが程よく効いて、繊細で奥深い味わいです。
あくまでも、オリーブオイルをベースにしたイタリアンのカルパッチョながら、おぼろ昆布や粒柚子胡椒、芽ネギなど、和のトッピングと合わせる妙味の面白さを楽しみます。
昆布じめヒラメのカルパッチョ
昆布じめヒラメのカルパッチョ
ラ・ビスボッチャ店内
4.アワビとプンタレッラのサラダ
アワビとプンタレッラのサラダ
メニューについて
「永遠の都」ローマを州都にするラツィオ州の冬野菜、プンタレッラにアワビを合わせたサラダです。
ローマの定番的な食べ方、アンチョビドレッシングと和えておすすめします。
調理
メニュー提案 撮影調理 副料理長・高部孝太
◆アワビの下ごしらえ
アワビは北海道産を使用
アワビを白ワインで蒸し焼きにする
薄くカットする
◆プンタレッラの下ごしらえ
プンタレッラはイタリアから空輸した、新鮮な生タイプを使用
プンタレッラを手で小分けにする
薄くカットする
アク抜きと、酸化による変色防止のため、レモン水につける
水切り器で余分な水分を切る
◆仕上げる
ローマの伝統的なドレッシングで和える。ドレッシングは赤ワイン酢、エキストラヴァージン・オリーブオイル、ニンニクオイル、アンチョビペーストを混ぜてつくる
赤ワイン酢は、酢の特産地、イタリア北部エミリア・ロマーニャ州モデナ県で、1891年に創業した老舗メーカー「アドリアーノ・グロソリ」社の「グロソリ・リゼルヴァ」ブランドを使用。ワインを木樽でゆっくり酢酸発酵させる伝統的な製法を用い、発酵後も木樽でじっくり熟成させたリゼルヴァタイプ。豊かな香りと、まろやかな味わいがある。パッケージデザインは同地で17世紀に酢の発展に貢献したフランチェスコ侯爵
お召し上がり
アワビとプンタレッラのサラダ
プンタレッラの食感は、部位によってポリポリ、サクサクと多彩です。味わいは、甘みや旨み、ほろ苦さが広がります。
アワビの弾力ある食感と甘み、旨みとのコントラストが飽きない味わいで、食前酒がすすみます。
アワビとプンタレッラのサラダ
アワビとプンタレッラのサラダ
ラ・ビスボッチャ店内
5.牡蠣と舞茸のフリット
牡蠣と舞茸のフリット
メニューについて
イタリア式のカラッと軽い揚げ物、フリット。
11月は、秋の味覚を2種合わせておすすめします。
調理
メニュー提案 撮影調理 料理人・村澤大
◆牡蠣を揚げる
牡蠣の衣をつくる。材料は小麦粉、卵、ビールを混ぜる
ビールは、1859年にイタリア北部フリウリ・ベネツィア・ジューリア州で創業したモレッティ社製。イタリアのビールメーカーとしては最古参で、1942年から髭の紳士をラベルにレイアウトしている。シリーズのなかのピルスナータイプ330ml瓶詰めを使用
牡蠣に衣をつける
サラダ油で揚げる
◆舞茸を揚げる
舞茸に小麦粉をつける
小麦粉をつけた舞茸を氷水につける
サラダ油で揚げる
油を落とし、塩を振りかけて仕上げる
お召し上がり
牡蠣と舞茸のフリット
牡蠣の衣はふっくらして、身のモッチリした食感をボリュームアップ。その一方で、舞茸の衣は薄くてサクッと軽め。
2種の味の個性がきわだつ揚げ物のコントラストは、飽きない味わいで、白ワインがすすみます。
牡蠣と舞茸のフリット
牡蠣と舞茸のフリット
ラ・ビスボッチャ店内
6.白子のムニエル
白子のムニエル
メニューについて
秋から冬にかけて美味しくなる白子。
出はじめの美味しさを、バタームニエルで引き立てました。
調理
メニュー提案 撮影調理 料理人・田和偉織
白子は北海道産を使用
白子を野菜と下茹でする
塩コショウで下味をつける
小麦粉と片栗粉を混ぜた粉をつける
フライパンでオリーブオイルを加熱し、白子の表面に焼き色をつける
無塩バターを溶かし、スプーンで回しがけしながら加熱する
合わせるソースは、自家製魚の出汁、ガーリックオイル、無塩バターを煮詰めてつくる
お召し上がり
白子のムニエル
白子の表面はカリッと香ばしく、中身はとろりと柔らかく、バターと相性抜群で、旨みはまろやかです。
お好みで、スダチやパルミジャーノ・チーズを加えて味の変化を楽しみ、ソースはパンと合わせても美味しくいただけます。
白子のムニエル
白子のムニエル
ラ・ビスボッチャ店内
⚫︎パスタ&リゾット
7.キャビアとホタテの冷製カペッリーニ
キャビアとホタテの冷製カペッリーニ
メニューについて
寒くなる季節に、旨みが増すホタテの貝柱。
その美味しさを、冷製カペッリーニで引き立てました。
調理
メニュー提案 撮影調理 料理人・石川凌
◆ソースをつくる
ホタテのヒモや貝柱の干物を煮て、出汁をとる
具材を濾過し、出汁のみを容器に入れる
エキストラヴァージン・オリーブオイルと魚醤を混ぜてソースの出来上がり
魚醤は、イタリア南部カンパーニャ州アマルフィ海岸の漁村チェターラで、カタクチイワシからつくられる。アルマトーレはこの地で代々漁師を営んできた一家が2018年に創立したブランド。通常よりも長い24ヶ月熟成したタイプ
◆仕上げる
カペッリーニを茹でる
カペッリーニはイタリア北部エミリア・ロマーニャ州パルマで1877年に創業した食品メーカー、バリラ社製を使用
北海道産のホタテの貝柱を小さくカットする
茹で上げたカペッリーニを冷やし、余分な水分を切る
カペッリーニをホタテとソースと和え、キャビアをトッピングして仕上げる
お召し上がり
キャビアとホタテの冷製カペッリーニ
ツルッと滑らかなカペッリーニは、ホタテの出汁が程よく効いて、具材のホタテの旨みを引き立てます。
シンプルで繊細なホタテの味わいに、キャビアの塩気やコクがアクセントになります。
キャビアとホタテの冷製カペッリーニ
キャビアとホタテの冷製カペッリーニ
ラ・ビスボッチャ店内
8.和牛とキノコラグーのラザニア
和牛とキノコラグーのラザニア
メニューについて
寒くなる季節に美味しく感じる、アツアツのラザニア。
11月は、和牛とキノコを合わせたソースをたっぷり重ねておすすめします。
調理
メニュー提案 撮影調理 料理人・村澤大
◆和牛のラグーをつくる
和牛は鹿児島県産の「薩摩牛」のヒモ肉を使用。ヒモ肉は写真のフィレ肉の下に見える細い部位。運動量が少ない部位のため筋が少なく柔らかい赤身
フライパンにオリーブオイルを広げ、カットした和牛のヒモ肉の表面に焼き色をつけ、旨みを封じ込める
赤ワインを入れて加熱した和牛を、炒めた香味野菜を入れた鍋に入れる
鍋に自家製鶏の出汁、トマトソース、黒コショウを加えて煮込み、和牛のラグーの出来上がり
◆ソースをつくる
キノコを小さく切って炒め、自家製鶏の出汁を入れる。フライパンの底についたキノコの焼き色をはがし、出汁に加える
自家製トマトソースと和牛のラグーを混ぜ合わせてソースの完成
◆ラザニアを組み立て、焼く
ラザニアの生地を茹でる。生地は自家製生パスタで、全卵、卵黄、小麦粉、セモリナ粉、オリーブオイル、塩を混ぜるてつくる
茹でた生地を冷やし、余分な水分を吸収する
ラザニアを加熱する容器の底に、焦げつき防止のバターを塗る
1層目の生地、ベシャメルソース、和牛とキノコのソース、パルミジャーノ・チーズを重ねる
2層目の生地を重ねる
2層目の具材を重ねる
3層目の生地と、和牛とキノコのソースを重ねる
3層目の頂上は、オーブンの熱が直接あたるため、和牛とキノコのソースの焦げつきを防ぐため、ベシャメルソースとパルミジャーノ・チーズを上に重ねる
オーブンで焼き、冷まして冷蔵庫で保存。注文が入ると小分けにし、再加熱して提供する
お召し上がり
和牛とキノコラグーのラザニア
煮込んだ和牛のヒモ肉は、繊維がほろっと崩れる柔らかさで、旨みが濃厚です。さらに、トマトやキノコの味と香りが染み込んで、噛むほどに、味わいが深まります。
ベシャメルソースのミルキーな風味や、ラザニア生地の小麦の風味がアクセントになります。
和牛とキノコラグーのラザニア
和牛とキノコラグーのラザニア
ラ・ビスボッチャ店内
9.伊勢海老のフェットチーネ
伊勢海老のフェットチーネ
メニューについて
秋から冬にかけて美味しくなる伊勢海老を、パスタで味わいます。
魚介のソースがよく染みる、フェットチーネを合わせました。
調理
メニュー提案 撮影調理 料理人長・井上裕基
◆ソースをつくる
伊勢海老は三重県熊野市産を使用。背中が曲がっている姿が長寿を連想させ、飛び出た目はめでたいとされ、古くから縁起物として親しまれる
伊勢海老を背中から半分にカットし、フライパンで殻から焼き、香ばしさを強める。頭に見える茶色い部分は肝で、味を濃くする要素として生かす
オリーブオイル、ニンニクのみじん切り、赤唐辛子を入れ、味と香りをつける
ブランデーを入れ、香りをつける
自家製トマトソースとパスタの茹で汁、出汁を入れる。出汁は海老や野菜からつくる
ズッキーニのスライスを加える
伊勢海老を取り除き、汁を煮詰めてソースの出来上がり
◆仕上げる
フェットチーネを茹でる。茹で時間4分
フェットチーネは自家製生パスタでつくる。全卵、卵黄、強力粉、セモリナ粉、オリーブオイル、塩を混ぜる
茹で上がったフェットチーネをソースのフライパンに投入
フェットチーネをソースと和え、イタリアンパセリのみじん切りと、エキストラヴァージン・オリーブオイルを加えて仕上げ、伊勢海老と盛り付ける
お召し上がり
伊勢海老のフェットチーネ
伊勢海老の身は、しっかりした歯ごたえ。頭の部分は、旨みが濃く、尾の部分は、ほのかな甘みを感じます。
伊勢海老の味と香りがついた濃厚なソースは、フェットチーネにしっかり染みています。
柔らかいズッキーニの青々しさがアクセントです。
伊勢海老のフェットチーネ
伊勢海老のフェットチーネ
ラ・ビスボッチャ店内
10.トマトとシラスのアラビアータソースのナチグロ グリーンオイル添え
トマトとシラスのアラビアータソースのナチグロ グリーンオイル添え
メニューについて
秋に美味しくなるシラスで、パスタを仕立てました。
イカ墨を練り込んだオリジナル・ショートパスタ、ナチグロで磯の風味を増して仕上げました。
◆ナチグロとは
ナチグロは、ビスボッチャ・オリジナルのイカ墨練り込みショートパスタです。
もとは、イタリア語で「引きずる」を意味する、生地を引きずりながらつくるストラッシナーティというショートパスタが原型です。
このショートパスタにイカ墨を練り込み、日本の紀伊半島特産の那智黒石に見立てたものがナチグロです。
◆和歌山県の「しらす屋 前福」について
「しらす屋 前福」のしらす(公式写真より)
今回使用するシラスは和歌山県で1865年(慶応元年)に創業した「しらす屋 前福」社製です。
《特徴》
漁場の和歌山県湯浅湾は、良質なプランクトンが豊富で、旨みたっぷりのしらすが育つ。
湯浅湾で獲れたばかりのしらすを、車で3分の前福の加工場で、新鮮なうちに茹で上げる。
有田川の伏流水と天然塩のみで茹で上げる伝統的な製法で、しらすの旨みを最大限に引き出す。
「しらす屋 前福」のしらすの水揚げ(公式写真より)
「しらす屋 前福」のしらすの天日干し(公式写真より)
調理
メニュー提案 撮影調理 料理人・木下咲紀
◆ナチグロを製麺する
ナチグロの生地を細長くカットする。生地は自家製生パスタで製麺し、イカ墨と全卵、小麦粉、セモリナ粉、エキストラヴァージン・オリーブオイルを混ぜてつくる
生地を細長く伸ばす
生地を短くカットし、ナイフで手前に引きずりながら丸める
ナイフで丸めた生地を、指先で広げ、平らな状態にしてナチグロの出来上がり
◆仕上げる
フライパンで、ちりめんを加熱する
ちりめんは和歌山県の「しらす屋 前福」社製。水揚げ後、天日で2〜3時間干した「天日干しちりめん中乾」を使用
オリーブオイルとニンニクのみじん切り、赤唐辛子を入れ、加熱する
自家製トマトソース、黒オリーブ、ケッパーを入れ、混ぜながら、フライパンの底についたシラスの焼き色を取り入れ、出汁にする
魚醤を入れ、味と香りをつける
釜揚げシラスを入れ、ソースの出来上がり
釜揚げシラスは和歌山県の「しらす屋 前福」社製。水揚げ後、煮沸し、冷やした「釜揚げしらす」を使用
茹で上げたナチグロをソースのフライパンに投入
ナチグロをソースと和え、イタリアンパセリからつくるグリーンオイルを添えて盛り付ける
お召し上がり
トマトとシラスのアラビアータソースのナチグロ グリーンオイル添え
ナチグロの食感はモッチリ感強め。味わいは旨みとコクが濃厚です。
ナチグロのくぼみのなかで束になったシラスの、ニンニクの風味とピリ辛味がアクセントになります。
トマトとシラスのアラビアータソースのナチグロ グリーンオイル添え
トマトとシラスのアラビアータソースのナチグロ グリーンオイル添え
ラ・ビスボッチャ店内
11.シラスのリゾット 卵黄のせ
シラスのリゾット 卵黄のせ
メニューについて
秋に美味しくなるシラスで、リゾットを仕立てました。
リゾット米と好相性の卵黄やバターが、美味しさをきわだてます。
調理
メニュー提案 撮影調理 料理長・井上裕基
フライパンにリゾット米と「しらす屋 前福」社製のちりめんを入れる
リゾット米は、大粒で煮崩れしにくいイタリア産のリゾット用品種カルナローリを使用。イタリア北部ピエモンテ州の米処ヴェルチェッリ県で1935年からリゾット用の米をつくり続ける「ロンドリーノ」社のブランド米「アクエレッロ」
自家製鶏の出汁と、魚の出汁を入れて煮込む
無塩バターを入れ、味と香り、とろみをつける
「しらす屋 前福」の釜揚シラスとパルミジャーノ・チーズを混ぜ、皿に盛り付ける。卵黄、釜揚げシラス、無塩バターをトッピングして仕上げる
お召し上がり
シラスのリゾット 卵黄のせ
シラスとリゾット米は好相性です。
さらに、リゾット米と好相性の卵黄やバターが加わることで、美味しさが増し、飽きない味わいです。
シラスのリゾット 卵黄のせ
シラスのリゾット 卵黄のせ
ラ・ビスボッチャ店内
⚫︎メイン
12.鮮魚とポルチーニのストゥファート
鮮魚とポルチーニのストゥファート
メニューについて
ストゥファートはイタリア語で、ストーブの上に置いた鍋でコトコト煮込む料理の意味です。
11月は、鮮魚とポルチーニ茸を煮込んでおすすめします。
調理
メニュー提案 撮影調理 料理人・田和偉織
ポルチーニ茸はイタリア産の生タイプを使用
鍋に炒めたポルチーニを敷く
鮮魚を重ね、エシャレットのみじん切りを振りかける。撮影用の鮮魚はヒラメを使用
マルサラ酒を加える。マルサラ酒は、シチリア生まれの酒精強化ワイン。防腐のためにアルコールを加えたワインで、甘酸っぱさが濃厚
生クリームを加える
無塩バターを加え、蓋をして、煮込む
煮込んだ鮮魚を盛り付け、鍋に残った煮汁に、イタリアンパセリのみじん切りと、エキストラヴァージン・オリーブオイルを混ぜ、ソースにする
鮮魚の上からソースを盛り付けて仕上げる
お召し上がり
鮮魚とポルチーニのストゥファート
鮮魚の身はしっかりした食感です。ほぐした身がポルチーニ味の煮汁と一体になり、しっとり柔らかくなる味わいは格別です。
細かいエシャレットの粒に感じる、サクサクした食感と爽やかな風味がアクセントです。
鮮魚とポルチーニのストゥファート
鮮魚とポルチーニのストゥファート
ラ・ビスボッチャ店内
⚫︎付け合わせ
13.プンタレッラのサラダ
プンタレッラのサラダ
メニューについて
ローマを州都にするラツィオ州の冬野菜、プンタレッラに、ローマの定番的な食べ方、アンチョビドレッシングを合わせたサラダです。
メインの肉料理の付け合わせにおすすめします。
メニュー提案 撮影調理 副料理人長・高部孝太
お召し上がり
プンタレッラのサラダ
プンタレッラの食感は、部位によってポリポリ、サクサクと多彩です。味わいは、甘みや旨み、ほろ苦さが広がり、飽きない味わいです。
野菜をシンプルに、しっかり味わう充実感は、肉料理の付け合わせにぴったりです。
プンタレッラのサラダ
プンタレッラのサラダ
ラ・ビスボッチャ店内
⚫︎ドルチェ
14.チョコとピスタチオクリームのドーナツサンド
チョコとピスタチオクリームのドーナツサンド
メニューについて
クリームの魅力をたっぷり味わうドーナツサンドです。
クリームはリコッタチーズやオレンジリキュールを混ぜ、繊細で奥深い味わいに仕上げています。
調理
メニュー提案 撮影調理 料理人・老田裕樹
リコッタチーズにオレンジリキュールを入れ、香りをつける
リコッタチーズは、チーズの生成過程で生じた乳清を再加熱してつくる食品。低脂肪でさっぱりして、ソフトな食感とミルクの自然な甘みが特徴。イタリア北部ピエモンテ州で1934年に創業した乳製品メーカー「ビラーギ」社製を使用
オレンジリキュールは1880年にフランスで生まれた「グラン・マル二エ・コルドン・ルージュ」を使用。コニャックにビターオレンジの蒸留エキス分を加え、オーク樽で熟成させてつくられる
チョコレートとピスタチオをみじん切りにする
リコッタチーズに、チョコとピスタチオ、ホイップクリームを混ぜ合わせてクリームの出来上がり
ドーナツを半分にカットし、シロップとオレンジリキュールを混ぜた液を塗り、味と香りをつける
クリームを挟み、粉糖を振りかけて仕上げる
お召し上がり
チョコとピスタチオクリームのドーナツサンド
ボリューム感あるクリームは、リコッタチーズが効いて、濃すぎず、さっぱりした印象です。
ドーナツ生地やクリームに混ぜたオレンジリキュールが、イタリアのドルチェらしい、大人っぽい余韻です。
チョコとピスタチオクリームのドーナツサンド
チョコとピスタチオクリームのドーナツサンド
ラ・ビスボッチャ店内
15.栗とサツマイモのミルフィーユ
栗とサツマイモのミルフィーユ
メニューについて
栗とサツマイモ、秋の味覚2種をたっぷり重ねた、秋味のミルフィーユです。
間のクリームも、栗とサツマイモ、2種の味でつくり、重ねています。
調理
メニュー提案 撮影調理 料理人・勝又脩
1層目のパイシートの片面にチョコを振りかける
栗のクリームを重ねる。栗のクリームは、栗のペースト、カスタードクリーム、ホイップクリーム、刻んだ栗の甘露煮を混ぜてつくる
2層目のパイ生地は両面にチョコを振りかける
サツマイモのクリームを重ねる。サツマイモのクリームは、サツマイモのピューレ、カスタードクリーム、ホイップクリーム、加熱して刻んだをサツマイモを混ぜてつくる
3層目のパイ生地は片面にチョコを塗る
3層目のパイ生地はチョコを振りかけた面を下にして重ね、上にサツマイモのクリームを塗る
栗の甘露煮と、加熱して刻んだサツマイモをトッピングする
ほうじ茶パウダーを振りかけて仕上げる
お召し上がり
栗とサツマイモのミルフィーユ
栗とサツマイモの甘みを、ボリューム感あるクリームとともに、たっぷり堪能します。
パイ生地やチョコの食感と味わいのバラエティーがアクセントになります。
栗とサツマイモのミルフィーユ
秋が深まる11月のディナーは、
ラ・ビスボッチャの、
季節のおすすめメニューでお楽しみください。