季節のおすすめメニュー7月 2025

RECOMMENDED SEASONAL MENU JULY 2025

コラム『味と技』第153回

夏のはじまり

7月は、梅雨が明け、海や山が開き、夏本番を楽しみます。

そんな季節の美味しさをあつめて、14品おすすめします。

監修/料理長・井上裕基

写真・文/ライター 織田城司
Supervised by Yuuki Inoue    
Photo・Text  by George Od

前菜

1.ブラータチーズと桃

ブラータチーズと桃

メニューについて

ブラータチーズと味わう季節の食材シリーズ。

7月の一品目は、桃を合わせておすすめします。

メニュー提案・撮影調理 料理長 井上裕基(いのうえ ゆうき)

桃は山梨県産を使用

ブラータチーズは、イタリア南部プーリア州出身のチーズ職人が、アメリカ・カリフォルニア州でつくる「ディ・ステファノ」社製を使用。放牧牛のミルクを使い、とろりとした食感で、ミルキーな風味と甘み、旨みが濃厚

お召し上がり

ブラータチーズと桃

桃の果肉は柔らかく、果汁はみずみずしく、フルーティな香りが高く、甘みが豊かに広がります。

その美味しさを、ブラータチーズのミルキーな風味が引き立てます。

ブラータチーズと桃

ブラータチーズと桃

ラ・ビスボッチャ店内

2.ブラータチーズとアメリカンチェリー

ブラータチーズとアメリカンチェリー

メニューについて

ブラータチーズと味わう季節の食材シリーズ。

7月の二品目は、アメリカンチェリーを合わせておすすめします。

メニュー提案・撮影調理 料理人 老田裕樹(おいた ゆうき)

アメリカンチェリーはアメリカ産を使用

お召し上がり

ブラータチーズとアメリカンチェリー

アメリカンチェリーの果肉はカリッと心地よい食感。コクのある甘みと、程よい酸味が染み出します。

その美味しさを、ブラータチーズのミルキーな風味が引き立てます。

ブラータチーズとアメリカンチェリー

ブラータチーズとアメリカンチェリー

ラ・ビスボッチャ店内

3.ブラータチーズと宮崎マンゴー

ブラータチーズと宮崎マンゴー

メニューについて

ブラータチーズと味わう季節の食材シリーズ。 

7月の三品目は、宮崎マンゴーを合わせておすすめします。

メニュー提案・撮影調理 料理人 老田裕樹(おいた ゆうき)

宮崎マンゴーは完熟して自然落果する果実をネットで受けて収穫する

お召し上がり

ブラータチーズと宮崎マンゴー

宮崎マンゴーの果肉はキメ細かく、密度が濃く、口の中でとろける食感で、南国を想わせる芳香が高く、甘みが凝縮しています。

その美味しさを、ブラータチーズのミルキーな風味が引き立てます。

ブラータチーズと宮崎マンゴー

ブラータチーズと宮崎マンゴー

ラ・ビスボッチャ店内

4.イサキの炙りカルパッチョ

イサキの炙りカルパッチョ

メニューについて

7月のカルパッチョは、産卵を控え、夏に美味しくなるイサキをおすすめします。

皮目を炭火で炙って仕上げました。

調理

メニュー提案・撮影調理 料理人 石川凌(いしかわ りょう)

イサキは宮崎県産を使用。一尾で仕入れ、自店でさばく

イサキの切身にオリーブオイルと塩で下味をつける

炭火で皮目を炙る。冷ましてから食べやすい大きさにカットし、マイクロハーブと盛り付け、自家製レモンドレッシングを振りかけて仕上げる

お召し上がり

イサキの炙りカルパッチョ

イサキの白身は、ふっくら、もっちりした食感。 旨みは上品で、繊細に広がります。

炙ってパリッとした、皮目の香ばしさがアクセントです。

イサキの炙りカルパッチョ

イサキの炙りカルパッチョ

ラ・ビスボッチャ店内

5.毛ガニのサラダ

毛ガニのサラダ

メニューについて

夏の前菜に、毛ガニのサラダをおすすめします。

見た目も、味わいも清涼感があります。

調理

メニュー提案・撮影調理 料理人 田和偉織(たわ いおり)

毛ガニは北海道産を使用

ラディッキオ・ロッソは国産を使用

ウイキョウはイタリア産を使用

ラディッキオ・ロッソとウイキョウをカットし、ドレッシング(エキストラヴァージン・オリーブオイル、ガーリックオイル、白ワインビネガー、マスタード、塩、コショウ)と和える

ラディッキオ・ロッソとウイキョウを型に入れる

下茹でした毛ガニの身とディルを重ねる

型を取り除き、エキストラヴァージン・オリーブオイルを振りかけて仕上げる

お召し上がり

毛ガニのサラダ

毛ガニの身は、しっかりした食感で、噛みしめるとカニの風味や甘み、旨みが豊かに広がります。

ウイキョウの爽やかな香りが効いて、さっぱりした後味に清涼感があります。

毛ガニのサラダ

毛ガニのサラダ

ラ・ビスボッチャ店内

6.釜揚げシラスとセミドライトマトのブルスケッタ

釜揚げシラスとセミドライトマトのブルスケッタ

メニューについて

パンを焼き、さまざまな具材をのせて楽しむブルスケッタ。

7月は、釜揚げシラスとセミドライトマトを合わせておすすめします。

調理

メニュー提案・撮影調理 料理人 島田晃汰(しまだ こうた)

自家製トスカーナ・パンをカットする

炭火で焼く

ひっくり返し、反対側も加熱する

釜揚げしらすとセミドライトマトをドレッシング(エキストラヴァージン・オリーブオイル、ガーリックオイル、アンチョビペースト)と和え、バジルとともに、盛り付ける

お召し上がり

釜揚げシラスとセミドライトマトのブルスケッタ

具材の見た目はイタリア国旗の3色。

 白い釜揚げシラスの旨みと塩気、赤いセミドライトマトの酸味、緑のバジルの爽やかな香りは絶妙のバランス。

その美味しさを、炭火焼いたパンの香ばしさが引き立てます。

釜揚げシラスとセミドライトマトのブルスケッタ

釜揚げシラスとセミドライトマトのブルスケッタ

ラ・ビスボッチャ店内

7.メランザーネ・パルミジャーノ

メランザーネ・パルミジャーノ

メニューについて

茄子とチーズを重ね、オーブンで焼いた、イタリアの定番料理です。

果肉がしっかりして、加熱する料理に向いた、米茄子が美味しい夏におすすめします。

調理

メニュー提案・撮影調理 副料理長 高部孝太(たかべ こうた)

◆米ナスの下ごしらえ

米茄子は高知県産を使用

カットした米茄子に塩を振りかけてアク抜きをする。流水で塩を洗い流し、水気を絞り落とす

小麦粉と卵をつける

オリーブオイルで揚げ焼く

余分な油を吸収する

◆食材を重ねる

容器の底にくっつき防止のバターを塗る

米茄子と自家製トマトソース、スカモルツァチーズを重ねる

スカモルツァチーズは保存用に水分を少なくして燻製にしたチーズ。加熱すると、もっちりした食感になることから、加熱して食べることが人気になったチーズ。イタリア北部トレンティーノ・アルト・アディジェ州で1957年に創業した「アバシャーノ」社製を使用

辛みペーストのンドゥイヤとバジルを重ねる

パルミジャーノ・レッジャーノを重ねる。同じ要領でもう一段積み重ね、オーブンで焼く

パルミジャーノ・レッジャーノは、イタリア北部エミリア・ロマーニャ州で1877年に創業した乳製品メーカーの老舗「アウリッキオ」社製。一年中干草のみを与えた牛の濃いミルクからつくるチーズは甘みと熟成感のバランスがよい。側面の認証刻印の2042のナンバリングはハイグレードの証。塊で仕入れ、自店で粉に挽く

お召し上がり

メランザーネ・パルミジャーノ

柔らかい茄子の旨みと、とろけるチーズの風味と、トマトソースの酸味は、王道の組み合わせ。

今回は、スカモルツァチーズの燻製香と、辛みペーストが加わり、強めの味わいながら、米茄子の植物繊維が中心で、後味は軽やか。

メランザーネ・パルミジャーノ

メランザーネ・パルミジャーノ

ラ・ビスボッチャ店内

●パスタ&リゾット

8.和牛とヤングコーンのパッパルデッレ

和牛とヤングコーンのパッパルデッレ

メニューについて

肉料理が名物のイタリア中部トスカーナ地方で生まれた幅広パスタ、パッパルデッレ。 

7月は、和牛ラグーソースにヤングコーンを合わせておすすめします。

調理

メニュー提案・撮影調理 料理長 井上裕基(いのうえ ゆうき)

◆和牛ラグーをつくる

和牛は鹿児島県産「薩摩牛」を使用。部位は赤身のヒモ肉

カットしたヒモ肉をオリーブオイルで炒め、表面に焼き色をつけ、旨みを封じ込める

鍋に和牛と自家製トマトソース、赤ワイン、炒めた香味野菜のみじん切りを入れ、煮込んで和牛ラグーの出来上がり

◆ヤングコーンの下ごしらえ

ヤングコーンは千葉県産を使用

ヤングコーンの実を取り出し、炭火で焼く

食べやすい大きさにカットする

ヤングコーンの皮の下にあるヒゲを炭火で焼き、ソースに混ぜる

◆仕上げる

フライパンに和牛ラグー、アラビアータソース、ヤングコーン、辛みペーストを入れる。辛みペーストはオーストラリアのジギーズ・ワイルド・フーズ社製「グリーンアント&グリーンアップル発酵ホットソース」を使用

茹で上げたパッパルデッレをソースと和える

パルミジャーノ・レッジャーノ、ローストガーリックを混ぜ合わせて仕上げる

お召し上がり

和牛とヤングコーンのパッパルデッレ

ごろごろ入った大粒の和牛は柔らかく、繊維がほろっと崩れ、牛肉の風味と旨みが濃厚です。

ヤングコーンの甘みと、パッパルデッレの小麦の風味がアクセントです。

和牛とヤングコーンのパッパルデッレ

和牛とヤングコーンのパッパルデッレ

ラ・ビスボッチャ店内

9.アイルランド産牡蠣の炭火焼きとポルチーニのリゾット

アイルランド産牡蠣とポルチーニのリゾット

メニューについて

牡蠣とお米の好相性を生かしたリゾットです。

7月は、牡蠣を炭火で焼き、リゾットにポルチーニ茸を入れ、濃い味わいで仕上げました。

調理

メニュー提案・撮影調理 料理長 井上裕基(いのうえ ゆうき)

ヨーロッパ有数の牡蠣の産地、アイルランド。産地はツイード生地でも有名なドネゴール州で、干潟の干満差を利用して養殖されている。干潮時は海水に触れないことから、殻の中に海水をたっぷり蓄えることで味が濃くなる。海水を蓄えるために、殻は涙型で、上は平らで密封度を高め、下はお椀型になっている。他の産地の牡蠣とちがう、独特の形が味の濃さを物語る

◆牡蠣を炭火で焼く

牡蠣を殻ごと炭火で焼き、中身を加熱する

殻から取り出した身の表面を炭火で炙る

◆ポルチーニ茸の下ごしらえ

ポルチーニ茸はイタリア産のフレッシュタイプを使用

炒めたポルチーニ茸に焼き色をつける

鍋に自家製鶏の出汁を入れ、焼き色を剥がしながら出汁に取り入れる

◆仕上げる

リゾット米を自家製鶏の出汁で煮込み、ポルチーニ茸と汁、加熱した牡蠣から出たエキスを入れる

リゾット米は、大粒で煮崩れしにくいイタリア産のリゾット用品種カルナローリを使用。イタリア北部ピエモンテ州の米処ヴェルチェッリ県で1935年からリゾット用の米をつくり続ける「ロンドリーノ」社のブランド米「アクエレッロ」

無塩バターで味と香り、とろみをつける

パルミジャーノ・レッジャーノで味と香り、とろみをつけ、炭火で焼いた牡蠣と盛り付ける

お召し上がり

アイルランド産牡蠣とポルチーニのリゾット

ポルチーニで旨みが増したリゾットに、炭火で焼き、香ばしさと旨みが凝縮した牡蠣が、バランスよく合います。

濃厚な味わいのなかで、牡蠣とバター、チーズの好相性も、じんわり感じます。

アイルランド産牡蠣とポルチーニのリゾット

アイルランド産牡蠣とポルチーニのリゾット

ラ・ビスボッチャ店内

10.オマールヌーヴォーのアクアパッツァ サフラン風味

オマールヌーヴォーのアクアパッツァ サフラン風味

メニューについて

カナダで漁が解禁になった、オマールヌーヴォー。

7月のメイン一品目は、サフラン風味のアクアパッツァをおすすめします。

調理

メニュー提案・撮影調理 料理人 田和偉織(たわ いおり)

オマール海老はカナダで漁が解禁になったオマールヌーヴォーを使用

オマールヌーヴォーを半分にカットし、小麦粉を振りかける

フライパンにオリーブオイルを加熱し、オマールヌーヴォーとヤリイカを炒める

自家製魚介の出汁、サフラン、アサリ、ミニトマト、トマトペーストを入れる

無塩バターとバジルを入れ、煮込んで仕上げる

お召し上がり

オマールヌーヴォーのアクアパッツァ サフラン風味

アクアパッツァは、さまざまな具材の味が煮汁のなかで混ざり合い、その味が具材に染み込む美味しさが魅力。

今回は、夏らしくサフランの風味やバターで味が濃くなり、パンと合わせても美味しくいただけます。

オマールヌーヴォーのアクアパッツァ サフラン風味

オマールヌーヴォーのアクアパッツァ サフラン風味

ラ・ビスボッチャ店内

11.オマールヌーヴォーの炭火焼き チミチュリソース

オマールヌーヴォーの炭火焼き チミチュリソース

メニューについて

カナダで漁が解禁になった、オマールヌーヴォー。

7月のメイン二品目は、シンプルに炭火で焼き、南米アルゼンチン発祥の爽やかなチミチュリソースを合わせました。

調理

メニュー提案・撮影調理 副料理長 高部孝太(たかべ こうた)

◆炭火で焼く

オマールヌーヴォーを半分にカットし、殻から炭火で焼く

反対側を焼こうとすると、肝が炭火に落下してしまうため、そのままフタをして蒸し焼きにする

◆チミチュリソースをつくる

ボウルにイタリアンパセリ、バジル、ミント、ディル、青唐辛子、レモンの皮、オレンジの皮のみじん切り、オレガノ(ドライ)、赤唐辛子パウダー、レモン果汁を入れる

エキストラヴァージン・オリーブオイル、塩と混ぜ合わせてチミチュリソースの出来上がり

お召し上がり

オマールヌーヴォーの炭火焼き チミチュリソース

炭火で焼いてオマールヌーヴォーは、水分が程よく飛び、香ばしいエビの風味や旨み、塩気、コクが凝縮。

その味を、チミチュリソースの爽やかで青々しい味わいが引き立てます。

オマールヌーヴォーの炭火焼き チミチュリソース

オマールヌーヴォーの炭火焼き チミチュリソース

ラ・ビスボッチャ店内

●付け合わせ

12.焼きトウモロコシとズッキーニのサラダ

焼きトウモロコシとズッキーニのサラダ

メニューについて

メインの料理の付け合わせにおすすめする一品目は、トウモロコシとズッキーニを焼いた後冷やし、しっとり、爽やかに仕上げたサラダです。

調理

メニュー提案・撮影調理 料理人 戸子臺麻衣香(とこだい まいか)

トウモロコシを炭火で焼く

種子を軸から切り離す

ズッキーニは鉄板で焼く

ルッコラとマイクロハーブをドレッシング(バルサミコ酢、赤ワインビネガー、エキストラヴァージン・オリーブオイル)と和える

トウモロコシとズッキーニも同じドレッシングと和え、盛り付ける

お召し上がり

焼きトウモロコシとズッキーニのサラダ

焼き野菜は、冷えて落ち着いた味わいも格別です。

ひんやり冷たいサラダから出てくる、トウモロコシとズッキーニのスモーキーな香ばしさと甘み、旨みは、夏に美味しく感じます。

焼きトウモロコシとズッキーニのサラダ

焼きトウモロコシとズッキーニのサラダ

ラ・ビスボッチャ店内

●ドルチェ

13.桃のタルト

桃のタルト

メニューについて

季節の食材を、タルトで味わうシリーズ。

7月は、桃を合わせておすすめします。

調理

メニュー提案・撮影調理 料理人 戸子臺麻衣香(とこだい まいか)

パイ生地の上にクリーム(生クリーム+カスタードクリーム)と薄いスポンジ生地、クリームの3層を重ねる

皮を剥き、カットした桃を並べる

ナパージュを塗って仕上げる

お召し上がり

桃のタルト

柔らかい桃の果肉とクリームは一体になりながら、クリームの甘みが、桃の自然な甘みを引き立てます。

その美味しさを、タルト生地のザクザクした食感と、香ばしい甘みが引き立てます。

桃のタルト

桃のタルト

ラ・ビスボッチャ店内

14.紅茶とレモンのチーズケーキ

紅茶とレモンのチーズケーキ

メニューについて

紅茶とレモンの好相性を生かしたチーズケーキを、夏のドルチェにおすすめします。

調理

メニュー提案・撮影調理 副料理長 高部孝太(たかべ こうた)

紅茶はアールグレイを使用。茶葉は、イタリア中部トスカーナ州のフィレンツェで1961年に創業し、ロンドンの老舗百貨店「ハロッズ」やヨーロッパ各地のホテルやレストラン、カフェなどで取り扱われる「ラ・ヴィア・デル・テ」社製

チーズケーキの生地を型に流し込む。生地はパルミジャーノ・レッジャーノ、クリームチーズ、卵、ホイップクリーム、小麦粉、レモン汁、牛乳、紅茶の茶葉を混ぜてつくる

レモンの薄切りをトッピングし、オーブンで焼いて仕上げる

お召し上がり

紅茶とレモンのチーズケーキ

チーズケーキの濃密でしっとりした生地から、紅茶とレモンの風味が香ります。 

トッピングのレモンの酸味が、夏に心地よいアクセントです。

紅茶とレモンのチーズケーキ

紅茶とレモンのチーズケーキ

夏本番のディナーは、

ラ・ビスボッチャの

季節のおすすめメニューでお楽しみください。