季節のおすすめメニュー8月 2025

RECOMMENDED SEASONAL MENU AUGUST 2025

コラム『味と技』第154回

夏色のおもいで

8月は、各地でお盆の行事がはじまり、暑いけれど、思い出に残る夏を楽しみます。

そんな季節に美味しいメニューを、15品おすすめします。

監修/料理長・井上裕基

写真・文/ライター 織田城司
Supervised by Yuuki Inoue    
Photo・Text  by George Oda

前菜

1.ブラータチーズとシャインマスカット

ブラータチーズとシャインマスカット

メニューについて

ブラータチーズと味わう、季節の食材シリーズです。

8月の一品目は、シャインマスカットをおすすめします。

メニュー提案・撮影調理 料理人 島田晃汰(しまだ こうた)

シャインマスカットは山梨県産を使用

ブラータチーズは、イタリア南部プーリア州出身のチーズ職人が、アメリカ・カリフォルニア州でつくる「ディ・ステファノ」社製を使用。放牧牛のミルクを使い、とろりとした食感で、ミルキーな風味と甘み、旨みが濃厚

お召し上がり

ブラータチーズとシャインマスカット

シャインマスカットは、シャキシャキした食感が心地よく、ジューシーな果汁は、フルーティな香りが高く、甘みが濃く、ほのかな酸味が絶妙の加減で、夏の暑さを忘れるような、爽やかさがあります。

その美味しさを、ブラータチーズのミルキーな風味が引き立てます。

ブラータチーズとシャインマスカット

ブラータチーズとシャインマスカット

ラ・ビスボッチャ店内

2.ブラータチーズとサマーフルーツ

ブラータチーズとサマーフルーツ

メニューについて

ブラータチーズと味わう、季節の食材シリーズです。

8月の二品目は、多彩な種類が出回るサマーフルーツを、入荷にあわせて、おすすめします。

フルーツの組み合わせや産地は日によって変わるため、店頭でご確認ください。

メニュー提案・撮影調理 料理長 井上裕基(いのうえ ゆうき)

お召し上がり

ブラータチーズとサマーフルーツ

サマーフルーツはどれも果汁がみずみずしく、香りは爽やかで、甘みは濃厚です。

その美味しさを、ブラータチーズのミルキーな風味が引き立てます。

ブラータチーズとサマーフルーツ

ブラータチーズとサマーフルーツ

ラ・ビスボッチャ店内

3.オナガダイのカルパッチョ

オナガダイのカルパッチョ

メニューについて

8月のカルパッチョは、夏に産卵を控え、栄養を蓄えて美味しくなる、オナガダイをおすすめします。

調理

メニュー提案・撮影調理 副料理長 高部孝太(たかべ こうた)

オナガダイは鹿児島県産を使用。一尾で仕入れ、自店でさばく

頭と内臓、骨を取り除いたオナガダイの切身に塩で下味をつける

身を氷水でしめる

身を氷水から引き上げ、余分な水分を吸収する

皮を取り除き、食べやすい大きさにカットする。フィンガーライムやマイクロハーブ、自家製レモンドレッシングと盛り付けて仕上げる

フィンガーライムはオーストラリア産の柑橘類。果肉の粒はライムのような爽やかな香りがある

お召し上がり

オナガダイのカルパッチョ

オナガダイの食感は、とろりと柔らかく、味わいは、旨みが豊かに広がります。

オリーブオイルや柑橘類のシンプルな味付けが、オナガダイの素材の美味しさを引き立てます。

オナガダイのカルパッチョ

オナガダイのカルパッチョ

ラ・ビスボッチ店内

4.イワシのマリネと白ナスのカポナータ

イワシのマリネと白ナスのカポナータ

メニューについて

イタリアの街角で、エスプレッソやパン、食前酒、オードブルなどを扱い、地域の人々の憩いの場として親しまれているバール。

そんなバールの夏のメニューをイメージして、イワシのマリネと、野菜を炒め煮にしたカポナータを合わせておすすめします。

調理

メニュー提案・撮影調理 料理人 老田裕樹(おいた ゆうき)

◆イワシのマリネをつくる

イワシは千葉県産を使用

イワシから頭と骨、内臓を取り除いた身に塩で塩締めにし、余分な水分を吸収する

イワシをレモン果汁と酢を合わせた液に漬け、酢締めにする

酢締めにしたイワシをバットに移し、オリーブオイルとニンニク、赤唐辛子、バジル、タイム、エシャレットに漬け、味と香りをつけてイワシのマリネの出来上がり

◆白ナスのカポナータをつくる

鍋でタマネギとウイキョウのみじん切り、黒オリーブ、ケッパー、松の実を炒め、砂糖を入れ、味をつける

トマトペースト、赤ワイン酢を入れ、煮込んでカポナータのベースの出来上がり

赤ワイン酢は、酢の特産地、イタリア北部エミリア・ロマーニャ州モデナ県で、1891年に創業した老舗メーカー「アドリアーノ・グロソリ」社の「グロソリ・リゼルヴァ」ブランドを使用。ワインを木樽でゆっくり酢酸発酵させる伝統的な製法を用い、発酵後も木樽でじっくり熟成させたリゼルヴァタイプ。豊かな香りと、まろやかな味わいがある。パッケージデザインは同地で17世紀に酢の発展に貢献したフランチェスコ侯爵

白ナスは愛知県産を使用

白ナスをカットし、サラダ油で素揚げする

余分な油を落とす

カポナータのベースに揚げた白ナスを混ぜ、白ナスのカポナータの出来上がり

◆仕上げる

イワシのマリネを食べやすい大きさにカットし、バジルと和える

丸い金型の中に、白ナスのカポナータ、イワシのマリネの順に重ねる。金型を取り除き、マイクロハーブを重ねて仕上げる

お召し上がり

イワシのマリネと白ナスのカポナータ

イワシのマリネや、カポナータに使われている酢の酸味は夏に美味しく、なおかつ、イワシの旨みや、野菜の甘みを引き立てます。

それに加え、さまざまな野菜が繰り広げる、香ばしさや塩気、コクなど、多彩な味がたっぷり楽しめます。

イワシのマリネと白ナスのカポナータ

イワシのマリネと白ナスのカポナータ

ラ・ビスボッチャ店内

5.アイルランド産牡蠣のグリル ロックフェラー風

アイルランド産牡蠣のグリル ロックフェラー風

メニューについて

アメリカのレストランで、牡蠣に香草パン粉をのせて焼いた料理を、常連客が「まるで、ロックファラー(19世紀に石油業で成功したアメリカの富豪)のようにリッチなレシピだ」と評価したことが名称の由来とされています。

味わいはグリーンの見た目のとおり爽やかで、夏におすすめする牡蠣の食べ方です。

調理

メニュー提案・撮影調理 料理長 井上裕基(いのうえ ゆうき)

◆アイルランド産の牡蠣

ビスボッチャに入荷したアイルランド産牡蠣を蒸して開いた状態

ヨーロッパ有数の牡蠣の産地、アイルランド。地域はツイード生地でも有名なドネゴール州で、干潟の干満差を利用して養殖されています。

干潮時は海水に触れないことから、殻の中に海水をたっぷり蓄えることで味が濃くなります。

海水を蓄えるために、殻は涙型で、上は平らで密封度を高め、下はお椀型。他の産地の牡蠣とちがう、独特の形が味の濃さを物語ります。

◆香草パン粉をつくる

セロリの葉とイタリアンパセリの葉、ケッパー、パン粉をフードプロセッサーで撹拌し、ペコリーノチーズを加える

ペコリーノチーズは、羊乳からつくるチーズ。塩味とコクが豊かで、風味はすっきりしている。イタリアで牧羊が盛んな特産地、サルディーニャ島産。側面にペコリーノの認証刻印が見える

サンブーカ酒で香りをつけ、香草パン粉の出来上がり

サンブーカ酒はイタリアのハーブ系リキュール。イタリア中部ラツィオ州で1830年に創業したコラヅィンガリ社製を使用

◆牡蠣を焼く

開いた牡蠣の身の上に、香草パン粉とバターを重ねる

オーブンで焼く

お召し上がり

アイルランド産牡蠣のグリル ロックフェラー風

香草パン粉は、香ばしくてサクサクした部分と、牡蠣の汁が染みてしっとりした部分の両方の美味しさが楽しめます。

牡蠣の旨みを引き立てながら、香草の青々しく爽やかな香りと、軽めの後味が、夏に美味しく感じます。

アイルランド産牡蠣のグリル ロックフェラー風

アイルランド産牡蠣のグリル ロックフェラー風

ラ・ビスボッチャ店内

6.アユのコンフィ ポテトピューレ添え 黒トリュフかけ

アユのコンフィ ポテトピューレ添え 黒トリュフかけ

メニューについて

夏に収穫量が多くなるアユは、イタリアンの調理でも美味しくいただけます。

8月は、オリーブオイルでじっくり加熱し、ポテトピューレと黒トリュフを合わせておすすめします。

調理

メニュー提案・撮影調理 料理長 井上裕基(いのうえ ゆうき)

◆アユのコンフィをつくる

アユは和歌山県産を使用。養殖地の良質な天然地下水とエサにこだわり、自然に近い状態で育てたアユの美味は好評で、養殖生産量は全国一位

塩で下味をつける

アユをバットに入れ、オリーブオイルやニンニク、香草を加え、オーブンで低温長時間加熱し、コンフィの出来上がり

アユのコンフィの表面にオリーブオイルで焼き色をつける

ポテトピューレの上にアユのコンフィを乗せ、焦がしバターソースをかける

黒トリュフと重ねて仕上げる

お召し上がり

アユのコンフィ ポテトピューレ添え 黒トリュフかけ

アユは、オリーブオイルでじっくり加熱することで、身は柔らかくなり、しっとり、ふっくらして、ボリューム感と旨みが増しています。

アユの焼き色の香ばしさやお腹のほろ苦さ、焦がしバターソースで引き立てられたポテトピューレの甘みや黒トリュフの香りがアクセントです。

アユのコンフィ ポテトピューレ添え 黒トリュフかけ

アユのコンフィ ポテトピューレ添え 黒トリュフかけ

ラ・ビスボッチャ店内

7.キスとオクラ、賀茂ナスのフリット

キスとオクラ、賀茂茄子のフリット

メニューについて

8月のフリットは、産卵を控えた夏に栄養を蓄えて美味しくなるキスに、夏野菜のオクラと賀茂ナスを合わせておすすめします。

調理

メニュー提案・撮影調理 料理人 村澤大(むらさわ だい)

キスは愛知県産を使用

オクラは高知県産を使用

キスとオクラは、小麦粉をつけてから衣をつける。衣は小麦粉、卵、ビール、塩を混ぜてつくる

衣に入れるビールは、1859年にイタリア北部フリウリ・ベネツィア・ジューリア州で創業したモレッティ社製。イタリアのビールメーカーとしては最古参で、1942年から髭の紳士をラベルにレイアウトしている。シリーズのなかのピルスナータイプ330ml瓶詰めを使用

サラダ油で揚げる

賀茂ナスは京都府産を使用

賀茂ナスをカットし、小麦粉と氷水をつける

サラダ油で揚げ、余分な油を落とし、塩を振りかけて仕上げる

お召し上がり

キスとオクラ、賀茂ナスのフリット

キスの白身は柔らかく、香ばしさや甘み、旨みが繊細に広がります。

オクラの粘り気や、賀茂ナスが油となじんだ旨みがコントラストになり、飽きない味わいです。

キスとオクラ、賀茂ナスのフリット

キスとオクラ、賀茂ナスのフリット

ラ・ビスボッチャ店内

●パスタ&リゾット

8.焼きナスソースの冷製カペッリーニ ウニとキャビアのせ

焼きナスソースの冷製カペッリーニ ウニとキャビアのせ

メニューについて

夏にたくさん獲れるウニを、冷製カッペリーニでたっぷり味わいます。

焼きナスやキャビアを合わせておすすめします。

調理

メニュー提案・撮影調理 料理人 田和偉織(たわ いおり)

◆焼きナスソースをつくる

ナスは加熱すると、とろとろに柔らかくなる長ナスを使用。産地は茨城県

ナスを直火で焼き、皮を焦がす

焼いたナスを氷水で冷やす

ナスの皮をむく。スモーキーな香りを高めるため、焦げた皮を少し残す

ニンニクで香りをつけたオリーブオイルでナスを炒める

ハマグリを水と白ワインで蒸し、エキスを抽出

ハマグリのエキスが入った液を入れ、焼きナスを煮込む

煮込んだ焼きナスをフードプロセッサーで撹拌する

白ワイン酢を混ぜて冷やし、焼きナスソースの出来上がり

白ワイン酢は、酢の特産地、イタリア北部エミリア・ロマーニャ州モデナ県で、1891年に創業した老舗メーカー「アドリアーノ・グロソリ」社の「グロソリ・リゼルヴァ」ブランドを使用

◆仕上げる

茹で上げたカペッリーニを冷やし、水気を切る

冷やしたカペッリーニを焼きナスソースと和え、ウニとキャビアをトッピングして仕上げる

ウニは北海道産を使用

キャビアはオセトラ・キャビアを使用。オセトラ種のチョウザメから採取した卵を塩漬けにしたもの。キャビアのなかでも中粒で、色合いは深緑から濃茶。味わいは上品。原産国は中国

お召し上がり

焼きナスソースの冷製カペッリーニ ウニとキャビアのせ

ウニは旨みが濃厚で、キャビアはコクがきわだちます。

その美味しさを引き立てるカペッリーニは、細いながら、冷麺特有の強いコシが効いて、食べごたえがあります。

カペッリーニにたっぷり絡む焼きナスのソースは、スモーキーな香りと旨みが濃厚です。ほとんど植物繊維のため、後味は軽やかです。

焼きナスソースの冷製カペッリーニ ウニとキャビアのせ

焼きナスソースの冷製カペッリーニ ウニとキャビアのせ

ラ・ビスボッチャ店内

9.和牛と万願寺とうがらしのパッパルデッレ

和牛と万願寺とうがらしのパッパルデッレ

メニューについて

肉料理が盛んなイタリア中部トスカーナ州で生まれた幅広パスタ、パッパルデッレ。

8月は、和牛ラグーに万願寺とうがらしを入れたソースを合わせておすすめします。

調理

メニュー提案・撮影調理 料理人 石川凌(いしかわ りょう)

◆和牛ラグーをつくる

和牛は鹿児島県産「薩摩牛」を使用。部位は赤身のヒモ肉

カットしたヒモ肉をオリーブオイルで炒め、表面に焼き色をつけ、旨みを封じ込める

鍋に和牛と自家製トマトソース、赤ワイン、炒めた香味野菜のみじん切りを入れ、煮込んで和牛ラグーの出来上がり

◆万願寺とうがらしを炭火で焼く

万願寺とうがらしは京都府産を使用

塩とオリーブオイルを振りかけ、炭火で焼く

ひっくり返して反対側も加熱する

◆仕上げる

和牛ラグーと自家製トマトソース、炭火で焼き、カットした万願寺とうがらしを合わせてソースにする

茹で上げたパッパルデッレをソースと和える

エキストラヴァージン・オリーブオイル、パルミジャーノ・レッジャーノ、イタリアンパセリを加え、味と香り、とろみをつけて仕上げる

お召し上がり

和牛と万願寺とうがらしのパッパルデッレ

ソースにごろごろ入る和牛の赤身は繊維がほろっと崩れる柔らかさで、牛肉の風味や旨みが濃厚です。

万願寺とうがらしの旨みやほろ苦さ、パッパルデッレの小麦の風味がアクセントです。

和牛と万願寺とうがらしのパッパルデッレ

和牛と万願寺とうがらしのパッパルデッレ

ラ・ビスボッチャ店内

10.和牛のアニョロッティ 枝豆ソース 黒トリュフかけ

和牛のアニョロッティ 枝豆ソース 黒トリュフかけ

メニューについて

小粒だけれども、和牛の肉汁がぎゅっと詰まって味わい強いアニョロッティ。

8月は、枝豆と黒トリュフを合わせておすすめします。

調理

メニュー提案・撮影調理 副料理長 高部孝太(たかべ こうた)

◆アニョロッティを製麺する

和牛ラグーをミンチマシーンで挽き、パルミジャーノ・レッジャーノを混ぜ、和牛ペーストをつくる

パルミジャーノ・レッジャーノは、イタリア北部エミリア・ロマーニャ州で1877年に創業した乳製品メーカーの老舗「アウリッキオ」社製。一年中干草のみを与えた牛の濃いミルクからつくるチーズは甘みと熟成感のバランスがよい

自家製生パスタの生地(全卵、卵黄、小麦粉、セモリナ粉、オリーブオイル、塩)を伸ばし、和牛ペーストを絞り出す

和牛ペーストを生地で包む

生地をつまみ、中身の和牛ペーストを寄せる

パスタカッターで生地を切り分ける

パスタカッターでアニョロッティの粒に切り分ける。切り分けると同時に断面の生地を接着し、中身を密封する

セモリナ粉をくっつき防止の打ち粉として振りかける

◆仕上げる

フライパンで無塩バターとパスタの茹で汁、あらかじめ茹でた枝豆を加熱し、ソースにする

茹で上げたアニョロティをソースと和える

パルミジャーノ・レッジャーノを混ぜ、味と香り、とろみをつける

アニョロッティを皿に盛り付け、スライスしたての黒トリュフを振りかけて仕上げる

お召し上がり

和牛のアニョロッティ 枝豆ソース 黒トリュフかけ

アニョロッティのなかで加熱、凝縮された和牛の肉汁の風味は、チーズやバターと好相性で、広がる調和を楽しみます。

枝豆の香ばしさや、黒トリュフのウッディな香りがアクセントです。

和牛のアニョロッティ 枝豆ソース 黒トリュフかけ

和牛のアニョロッティ 枝豆ソース 黒トリュフかけ

ラ・ビスボッチャ店内

11.オマールヌーヴォーのリゾット サフランカレー風味

オマールヌーヴォーのリゾット サフランカレー風味

メニューについて

8月のリゾットは、最盛期を迎えるオマールヌーヴォーとともに、おすすめします。

オマールヌーヴォー味のリゾットは、夏の食欲がすすむ、サフランカレー風味をつけて仕上げました。

調理

メニュー提案・撮影調理 料理長 井上裕基(いのうえ ゆうき)

◆オマール海老を煮込む

オマール海老はカナダ産を使用

オマール海老を中心から半分に割り、パーツを分解する

フライパンにオリーブオイルを入れ、オマール海老を殻から焼く

ブランデーで香りをつける

自家製トマトソースと魚介の出汁を入れ、煮込む

◆リゾットを仕上げる

水を沸騰させ、サフランで色と香りをつける

サフランは「奥伊勢サフラン」を使用。奥伊勢と呼ばれる三重県松坂市飯高で育てた希少な国産サフラン

オマール海老の煮汁を入れ、リゾット米を煮込む

リゾット米は、大粒で煮崩れしにくいイタリア産のリゾット用品種カルナローリを使用。イタリア北部ピエモンテ州の米処ヴェルチェッリ県で1935年からリゾット用の米をつくり続ける「ロンドリーノ」社のブランド米「アクエレッロ」

カレー粉を入れ、味と香りをつける

無塩バターとパルミジャーノ・レッジャーノを入れ、味と香り、とろみをつける

煮込んだオマール海老の断面に焼き色をつけて香ばしく仕上げ、リゾットと盛り付ける

お召し上がり

オマールヌーヴォーのリゾット サフランカレー風味

オマールヌーヴォーの身はしっかりして、殻からきれいに取り出せ、噛みしめると、香ばしさや旨みが染み出してきます。肝の部分の濃いめの味の変化も楽しみです。

その味をリゾットでも味わえる相乗効果が楽しく、なおかつ、サフランカレー風味がつき、うれしい展開が広がります。

オマールヌーヴォーのリゾット サフランカレー風味

オマールヌーヴォーのリゾット サフランカレー風味

ラ・ビスボッチャ店内

●メイン

12.鮮魚と貝とスダチのズッパ

鮮魚と貝とスダチのズッパ

メニューについて

ズッパは、イタリア語でスープの意味です。

8月は、鮮魚と貝類を煮込み、スダチの風味を効かせ、爽やかに仕上げました。

調理

メニュー提案・撮影調理 料理人 田和偉織(たわ いおり)

鮮魚は、撮影では国産のマダイを使用

マダイの切身に小麦粉をつけ、表面に焼き色をつける

貝類を入れ、白ワインで味と香りをつける

自家製魚の出汁とスダチを入れ、煮込む

スダチは徳島県産を使用

ズッパを皿に盛り付け、スダチの皮を振りかけて仕上げる

お召し上がり

鮮魚と貝とスダチのズッパ

魚介のズッパは、さまざまな具材から出たエキスが煮汁のなかで混じり合う、深い味が美味しく、その味が具材に染み込んだ味わいも魅力です。

スダチの爽やかな香りが、夏らしいアクセント。パンに染み込ませても美味しくいただけます。

鮮魚と貝とスダチのズッパ

鮮魚と貝とスダチのズッパ

ラ・ビスボッチャ店内

13.オマールヌーヴォーと白インゲン豆の煮込み

オマールヌーヴォーと白インゲン豆の煮込み

メニューについて

最盛期を迎えるカナダ産オマール海老、オマールヌーヴォー。

8月におすすめする食べ方は、白インゲン豆と合わせた、まろやかな味わいです。

調理

メニュー提案・撮影調理 副料理長 高部孝太(たかべ こうた)

オマールヌーヴォーを、ニンニクで香りをつけたオリーブオイルで炒める

白ワインで味と香りをつける

下茹でした白インゲン豆を入れる

白インゲン豆は乾燥タイプを約2日間水に浸け、水分を含ませて使用。イタリア南部カンパニア州で1940年に創業したドライフーズを中心に生産する食品メーカー「ソレオ」社製

自家製魚介の出汁とトマト、タイムを入れ、煮込む

煮汁をオマールヌーヴォーに回しがけして、味をつけながら加熱する

エキストラヴァージン・オリーブオイルを振りかけて仕上げる

お召し上がり

オマールヌーヴォーと白インゲン豆の煮込み

オマールヌーヴォーの身は、野菜と煮込むことで、旨みがまろやかになっています。特に、白インゲン豆の甘みが効いています。

くったり、とろける白インゲン豆そのものの甘みも、オマールヌーヴォーのアクセントになります。

オマールヌーヴォーと白インゲン豆の煮込み

オマールヌーヴォーと白インゲン豆の煮込み

ラ・ビスボッチャ店内

●ドルチェ

14.エスプレッソゼリーとマスカルポーネクリーム

エスプレッソゼリーとマスカルポーネクリーム

メニューについて

コーヒーゼリーとクリームは相性抜群です。

イタリアのドルチェらしく、エスプレッソとマスカルポーネチーズを使って、濃厚な味に仕上げました。

調理

メニュー提案・撮影調理 料理人 戸子臺麻衣香(とこだい まいか)

◆エスプレッソゼリーをつくる

自店のエスプレッソマシーンで入れたエスプレッソにゼラチンを溶かす

砂糖で味をつける

容器に入れ、冷やし固める

◆クリームをつくる

マスカルポーネチーズと卵黄を混ぜる(A)

マスカルポーネチーズは、生クリームからつくるクリーム状のフレッシュチーズ。濃厚なミルクの風味と、粘りのある食感にこだわり、イタリア産を使用。イタリア北部ロンバルディア州で1900年に創業した乳製品メーカー「ザネッティ」社製

(A)にマルサラ酒で味と香りをつける(B)

マルサラ酒は、シチリア生まれの酒精強化ワイン。防腐のためにアルコールを加えたワインで、アルコール度数は18度。オークの樽で24ヶ月熟成し、木材系とブドウの香りが高く、甘さと酸味が強く、食前酒や食後酒として飲まれる。シチリアで1880年に創業したぺッレグリーノ社の甘口を使用

(B)に生クリームと砂糖を混ぜたものを入れ、混ぜ合わせてマスカルポーネクリームの出来上がり

◆仕上げる

エスプレッソゼリーの上にマスカルポーネクリームを重ねる

ミントの葉と焙煎したコーヒー豆をのせて仕上げる

お召し上がり

エスプレッソゼリーとマスカルポーネクリーム

エスプレッソゼリーは苦みがきわだち、マスカルポーネチーズ入りの濃厚なクリームがちょうど良いバランスです。

濃いコントラストは、夏に爽快なインパクトがあります。

エスプレッソゼリーとマスカルポーネクリーム

エスプレッソゼリーとマスカルポーネクリーム

ラ・ビスボッチャ店内

15.シャインマスカットのタルト

シャインマスカットのタルト

メニューについて

タルトで味わう季節の食材シリーズ。

8月は、シャインマスカットを合わせておすすめします。

調理

メニュー提案・撮影調理 料理人 戸子臺麻衣香(とこだい まいか)

パイ生地の上にクリーム(生クリーム+砂糖+カスタードクリーム)と薄いスポンジ生地、クリームの3層を重ねる

カットしたシャインマスカットを並べ、ナパージュを塗って仕上げる

お召し上がり

シャインマスカットのタルト

シャインマスカットは、そのまま食べても、美味しいけれど、タルトで仕立て、ミルキーな甘みのクリームや、ザクザクしたタルト生地の香ばしい甘みと交互に食べると、シャインマスカットの爽やかな甘みがより引き立ち、格別です。

シャインマスカットのタルト

シャインマスカットのタルト

真夏のディナーは、

ラ・ビスボッチャの季節のおすすめメニューを、素敵な思い出に、

お楽しみください。