SAGRA DEL TARTUFO NERO 2022
コラム『味と技』第107回
2月に最盛期を迎える黒トリュフの香りを堪能する「黒トリュフフェア」を2月14日(月)から2月28日(月)まで開催します。
期間限定メニューが8品登場。多彩なアレンジで極めた黒トリュフの香りをお楽しみください。
監修/料理長・井上裕基
編集・写真・文/ライター 織田城司
Supervised by Yuuki Inoue
Edit・Photo・Text by George Oda
料理長ごあいさつ
極まる冬の香り
黒トリュフの香りは、ブランデーの樽香のように深く、森林のリラックス感もあり、料理やワインがすすみます。
イタリア中部ウンブリア州やマルケ州では、2月に黒トリュフの最盛期を迎え、フレッシュタイプを取り寄せます。
黒トリュフと相性がいい、赤身肉や卵、チーズ、バター、チョコレートなどと合わせた料理で香りを高めます。
2月もすでに立春を過ぎ、暦の上では春とはいえ、厳しい寒さが続き、出勤時にコートのポケットに入れたスマホが冷え、電源が落ちることがあります。
その一方で、気がつけば、日没が少しずつ遅くなり、季節の変わり目を感じます。
黒トリュフの香りに、冬の終わりと、春の訪れを感じてお楽しみください。
2022年2月吉日
料理長 井上裕基
⚫︎前菜
⒈ ホワイトアスパラガスのビスマルク風 黒トリュフかけ
ホワイトアスパラガスのビスマルク風 黒トリュフかけ
メニューについて
ヨーロッパで中世の頃から春の風物詩とされてきたホワイトアスパラガスを空輸し、シンプルに茹でて美味しさを引き出し、相性のいい卵やバターと合わせます。
黒トリュフも卵やバターと相性がよく、ホワイトアスパラガスの美味しさとつながります。
⚫︎ビスマルク風とは
イタリア料理で目玉焼きをのせるとビスマルク風と表現するのは、19世紀のドイツの首相、ビスマルクがドイツを統一するために唱えた、富国強兵を推進するパワフルな「鉄血政策」に由来します。
調理
メニュー提案・撮影調理 料理長・井上裕基
◆ホワイトアスパラガスの下ごしらえ
ホワイトアスパラガスはフレッシュタイプを使用。豊かな川と森が広がるフランス中部の特産地、ロワール地方産。中世の王族が好んで住み、世界遺産の古城が多く残る観光地としても有名。写真は5kgの2ケース。最盛期には毎週30〜40kg仕入れる
ホワイトアスパラガスの皮をむく。茎が湾曲しているため、皿などで台座をつくり、回しながら皮をむく
皮をむいたホワイトアスパラガスの集積
ホワイトアスパラガスの皮からダシをとり、ダシ汁をつくる。
ダシをとった皮はダシ汁から取り除く
ダシ汁にホワイトアスパラガスを投入
ホワイトアスパラガスをダシ汁で茹で、岩塩を入れながら下味をつける。食べる直前に再度茹でて仕上げるため、この段階では完全に茹でない。ダシ汁にホワイトアスパラガスの味がついているので、茹でる本体の味の流失を防ぐことができる
下茹でしたホワイトアスパラガスを、保存するために冷ます
冷ましたホワイトアスパラガスもダシ汁に浸し、さらに味をなじませる
◆目玉焼きをつくる
フライパンにオリーブオイルを広げ、卵を焼く
自家製鶏のダシ汁を入れ、フタをして蒸し焼きにして、味と風味をつける
自家製鶏のダシ汁は、鶏がらやひね鶏の肉、トマト、タマネギ、ニンジン、セロリ、ローリエなどを約6時間煮込んでつくる
◆仕上げる
お客さまから注文をいただくと、下茹でしたホワイトアスパラガスをダシ汁で再度茹で、澄ましバターを敷いた皿に盛り付ける
澄ましバターは香りが高く、味があっさりしてホワイトアスパラガスとよく合う。澄ましバターはボウルの底を加熱してバターを溶かし、タンパク質を分離し、上澄みの乳脂肪だけを取り出してつくる
目玉焼きをトッピングし、パルメザンチーズと黒トリュフを振りかけて仕上げる
お召し上がり
ホワイトアスパラガスのビスマルク風 黒トリュフかけ
◆大地の香りが繊細
ホワイトアスパラガスの穂先は柔らかく、甘みがあります。茎が太くなるにつれ、歯ごたえと旨みが強くなり、繊細な味の変化を楽しみます。
ほんのり香る土臭さが、同じ土の仲間、黒トリュフの香りとよく合います。卵やバターが大地の香りを高めます。
ホワイトアスパラガスのビスマルク風 黒トリュフかけ
ホワイトアスパラガスのビスマルク風 黒トリュフかけ
ラ・ビスボッチャ店内
2.馬肉のカルパッチョ ラディッキオ・タルディーヴォ添え 黒トリュフかけ
馬肉のカルパッチョ ラディッキオ・タルディーヴォ添え 黒トリュフかけ
メニューについて
黒トリュフと好相性の赤身肉。
冬のパワーアップに、栄養豊富な馬肉をカルパッチョで仕立てて合わせます。
さっぱりするアクセントとして、イタリアの冬野菜、ラディッキオ・タルディーヴォを添えました。
調理
メニュー提案・撮影調理 料理長・井上裕基
馬肉は福島県産のモモ肉を使用
馬肉を薄くカットする
馬肉をラップで覆い、ミートハンマーで叩き、薄くのばしながら繊維をほぐし、柔らかくする
ラディッキオ・タルディーヴォの葉をほぐす
ラディッキオ・タルディーヴォは、イタリア北部ヴェネト州トレヴィーゾ県特産の冬野菜。鮮やかな紫と白のコントラストが美しく、イタリアでは「冬の花」とよばれている
ラディッキオ・タルディーヴォを食べやすい大きさにカットする
皿に馬肉を盛り付け、エキストラヴァージン・オリーブオイルをかけ、ラディッキオ・タルディーヴォを添える
ラディッキオ・タルディーヴォに赤ワイン酢のドレッシングを振りかけて味をつけ、黒トリュフを全体に振りかけて仕上げる
お召し上がり
馬肉のカルパッチョ ラディッキオ・タルディーヴォ添え 黒トリュフかけ
◆黒トリュフと冬野菜で引き立つ旨み
馬肉のモモ肉は赤身が中心で鉄分が豊富。味わいは旨みからコク、ほろ苦さまで奥深く広がります。
黒トリュフとオリーブオイルが馬肉の味と香りを引き立て、ラディッキオ・タルディーヴォのサクサクした食感と爽やかな味わいがアクセントです。
馬肉のカルパッチョ ラディッキオ・タルディーヴォ添え 黒トリュフかけ
馬肉のカルパッチョ ラディッキオ・タルディーヴォ添え 黒トリュフかけ
ラ・ビスボッチャ店内
3.クリーミー・スクランブルエッグ 黒トリュフかけ
クリーミー・スクランブルエッグ 黒トリュフかけ
メニューについて
黒トリュフの香りを高める、卵や乳製品をシンプルに凝縮した前菜です。
パンやワインとともにお楽しみください。
調理
メニュー提案・撮影調理 料理人・高部孝太
卵をボウルで混ぜる
卵は神奈川県産の「長寿卵」。卵黄がオレンジ色で味に深みとコクがあり、イタリアの卵の質に似ていることから使用
生クリームを加える
フライパンでバターを加熱し、溶き卵を投入
溶き卵を加熱しながら混ぜ、スクランブルエッグをつくる
スクランブルエッグをポッドに入れ、ハンドミキサーで細かくして黒トリュフと盛り付けて完成
お召し上がり
クリーミー・スクランブルエッグ 黒トリュフかけ
◆卵の風味と旨みが凝縮
パンが主食のイタリアでは、ミキサーやフードプロセッサーでつくるペーストが、トッピングに欠かせない存在です。
クリーミーで濃厚なスクランブルエッグもそのひとつで、黒トリュフと合わせ、季節の味として楽しみます。
クリーミー・スクランブルエッグ 黒トリュフかけ
クリーミー・スクランブルエッグ 黒トリュフかけ 自家製パンと合わせて
おすすめのワイン
白ワイン「アルテニ・ディ・ブラッシカ」を持つホールスタッフの江川智香
◆白ワインの果実香と樽香で引き立てる黒トリュフ
銘柄/アルテニ・ディ・ブラッシカ
ワイナリー/ガヤ
生産地/イタリア北部ピエモンテ州
ぶどう種/ソーヴィニヨン・ブラン100%
生産年/2016年
果実味がしっかりした重めの辛口白ワインです。
香りは柑橘や青リンゴなど、爽やかなニュアンスがありながら、樽香も効いています。
卵で高めた黒トリュフの香りを、果実香のコントラスト、樽香の相乗効果、ふたつの香りで引き立てます。
「クリーミー・スクランブルエッグ 黒トリュフかけ」に白ワイン「アルテニ・ディ・ブラッシカ」を合わせて
ラ・ビスボッチャ店内
⚫︎パスタ&リゾット
4.スパゲッティー・カルボナーラ 黒トリュフかけ
スパゲッティー・カルボナーラ 黒トリュフかけ
メニューについて
卵やチーズをたっぷり使うカルボナーラは、黒トリュフと相性抜群です。
黒トリュフの時期は、年に一度の濃いカルボナーラを楽しみます。
コクがあるイタリア産のグアンチャーレと、香りが高いペコリーノチーズを合わせ、本場ローマの濃い味をリアルに再現しておすすめします。
調理
メニュー提案・撮影調理 料理人・老田裕樹
◆ソースのベースをつくる
グアンチャーレをカットする
グアンチャーレとその断面。豚のホホ肉を塩漬けにして熟成させたもので、イタリア中部マルケ州の「トマッソーニ」社製を使用
カットしたグアンチャーレをフライパンで炒める。カリカリに香ばしく仕上げながら、しみ出したコクのある脂をソースのダシにする
自家製野菜のダシ汁を加える
自家製野菜のダシ汁は、ニンジンやセロリ、タマネギ、ズッキーニ、エリンギ、イタリアンパセリの茎などを約3時間煮込んでつくる
黒トリュフをみじん切りにしたペーストを入れ、香りをつけてソースのベースの出来上がり
◆卵液をつくる
ボウルに卵を1個入れ、卵黄のみを1個加える
パルメザンチーズと黒コショウを加え、味と香り、とろみをつける
材料を混ぜ合わせて卵液の出来上がり
◆仕上げる
スパゲッティーを茹でる。茹で時間8分
スパゲッティはイタリア南部の乾麺の特産地、カンパニア州で1912年に創業した「ディ・マルティーノ」社製を使用。イタリア産小麦を100%使い、低温で長時間乾燥させた麺は小麦の風味が濃厚。直径は1.8㎜。太めで食べごたえがある
茹で上がったスパゲッティーをソースのフライパンに投入
スパゲッティーをソースと和え、卵液を加えて混ぜる
パルメザンチーズを加えて味と香り、とろみをつける
スパゲッティーを皿に盛り付けてからペコリーノチーズを振りかけて香りをつける
ペコリーノチーズは、羊乳からつくるチーズ。塩味とコクが豊かで、風味はすっきりしている。イタリアで牧羊が盛んな特産地、サルディーニャ島産。側面にペコリーノの認証刻印が見える
黒トリュフを振りかけて仕上げる
お召し上がり
スパゲッティー・カルボナーラ 黒トリュフかけ
◆濃厚増しのパワフルパスタ
もともと濃い味が集まっているカルボナーラに黒トリュフが加わることで、コクが増しています。
ひとつの方向に突き抜ける味は、イタリアらしい特徴で、迫力に圧倒されます。
太めのスパゲッティーのしっかりした食べごたえが、濃い味を支えています。
スパゲッティー・カルボナーラ 黒トリュフかけ
スパゲッティー・カルボナーラ 黒トリュフかけ
ラ・ビスボッチャ店内
5.生ハム入りバターソースのタヤリン 黒トリュフかけ
生ハム入りバターソースのタヤリン 黒トリュフかけ
メニューについて
トリュフの特産地、イタリア北部ピエモンテ州の地パスタ、タヤリン。
パスタ生地のつなぎに、トリュフと相性がいい卵の卵黄のみを使い、同じくトリュフと相性がいいバターソースとツルッ、トロッととなじむように極細で製麺します。
極細麺ゆえに、乾麺だと破損しやすく、生麺でつくるパスタです。
黒トリュフと合わせるときは、ソースに生ハムを入れ、熟成香と塩味を加え、味わいを深めます。
調理
メニュー提案・撮影調理 料理人・村澤大
◆タヤリンを製麺する
タヤリンの生地(卵黄、小麦粉、セモリナ粉、オリーブオイル、塩)を練り、パスタマシーンで薄く伸ばす
パスタマシーンんい入れやすい大きさにカットする
パスタマシーンにスライス用のアタッチメントをつけ、生地をタヤリンの細さにカットする
くっつき防止のセモリナ粉を振りかけてタヤリンの出来上がり
◆仕上げる
フライパンにバター、生ハムのスライス、黒トリュフペーストと入れて加熱する
生ハムはイタリアのパルマ産を使用。骨付きの原木で仕入れ、自店で骨を外し、風味が濃く、柔らかい状態で使用
ソースの材料を混ぜる
自家製野菜のダシ汁を加えてソースの出来上がり
タヤリンを茹でる。茹で時間1分30秒
茹で上がったタヤリンをソースのフライパンに投入
タヤリンをソースと和え、パルメザンチーズを加えて味と香り、とろみをつけ、皿に盛りつけてから黒トリュフを振りかけて仕上げる
お召し上がり
生ハム入りバターソースのタヤリン 黒トリュフかけ
◆黒トリュフを軽やかに
細麺にバターソースが合わさり、トロリとした食感が黒トリュフの香りを高めます。
肉料理やドルチェもたくさん食べたいときに、ほどよい軽さで黒トリュフの香りを楽しむことができます。
生ハム入りバターソースのタヤリン 黒トリュフかけ
生ハム入りバターソースのタヤリン 黒トリュフかけ
ラ・ビスボッチャ店内
6.卵とグアンチャーレのリゾット 黒トリュフかけ
卵とグアンチャーレのリゾット 黒トリュフかけ
メニューについて
リゾットに使うバターやチーズは、トリュフと相性がよく、トリュフ・リゾットは人気のメニューです。
今回は、黒トリュフに卵黄やグアンチャーレを合わせ、濃厚な味わいに仕上げました。
調理
メニュー提案・撮影調理 料理長・井上裕基
グアンチャーレをカットする
カットしたグアンチャーレを鍋に入れる
グアンチャーレを炒める
グアンチャーレからしみ出しだコクのある脂で米を炒め、味と香りをつける
米は、煮崩れしにくいイタリア産のリゾット用品種を使用。イタリア北部ピエモンテ州の米処ヴェルチェッリ県で1935年からリゾット用の米をつくり続ける「ロンドリーノ」社のブランド米「アクエレッロ」
自家製鶏のダシ汁を加え、米を炊く
自家製鶏のダシ汁は、ひね鶏の肉や鶏がら、トマト、タマネギ、ニンジン、セロリ、ローリエなどを約6時間煮込んでつくる
塩をひとつまみ入れ、味をつける
無塩バターを入れ、味と香り、とろみをつける
パルメザンチーズを入れ、味と香り、とろみをつけ、卵黄と黒トリュフと盛り付けて仕上げる
パルメザンチーズは、1877年に創業したイタリアの乳製品メーカーの老舗「アウリッキオ」社製。一年中干草のみを与えた牛の濃いミルクからつくるチーズは甘みと熟成感のバランスがよい。塊で仕入れ、自店で粉に挽く
お召し上がり
卵とグアンチャーレのリゾット 黒トリュフかけ
◆米にしみた味と香りで引き立つ黒トリュフ
リゾットのイタリア米には、バターやチーズ、グアンチャーレなどの味と香りがたっぷりしみています。
グアンチャーレのしっかりした歯ごたえと旨みがリゾットのおかずの役になり、黒トリュフの香りを引き立てます。
卵とグアンチャーレのリゾット 黒トリュフかけ
卵とグアンチャーレのリゾット 黒トリュフかけ
ラ・ビスボッチャ店内
⚫︎メイン
7.牛フィレ肉のロッシーニ風 マデラソース
牛フィレ肉のロッシーニ風 マデラソース
メニューについて
牛フィレ肉を焼き、フォアグラを焼いてのせ、トリュフを振りかけて仕上げた、贅沢な一品です。
美食家だったイタリア人作曲家、ロッシーニが好んで注文したことが名称の由来とされています。
今回は、黒トリュフとマデラ酒のソースを合わせ、美味しさを極めました。
調理
メニュー提案・撮影調理 料理人・横田達也
◆牛フィレ肉を焼く
牛フィレ肉は赤身が美味しいオーストラリア産を使用
牛フィレ肉に塩コショウで下味をつける
牛フィレ肉に小麦粉をまぶす
牛フィレ肉をフライパンで焼く
牛フィレ肉をひっくり返し、反対側からも焼き、表面を香ばしく仕上げながら旨みを封じ込める
マデラ酒を入れ、アルコール分をとばしながら味と香りをつける
マデラ酒はポルトガルでつくられる酒精強化ワイン。ポルトガルで15世紀からワイン用のブドウの産地になったマデラ島で1850年に創業した「エンリケシュ&エンリケシュ」社の赤ワインを使用。スモーキーなフレーバーと、ほのかなキャラメルの味、繊細な酸味が特徴のフルボディタイプの甘口。食後のデザートワインに最適で、ソースにも使われる
牛フィレ肉をアルミホイルで包み、オーブンで焼く
フライパンに残った肉汁やマデラ酒をソースに使うため、自家製鶏のダシ汁を加える
自家製仔牛のブイヨンと無塩バターを加え、煮詰めてマデラソースの出来上がり
◆フォアグラを焼いて仕上げる
フライパンにオリーブオイルを広げ、フォアグラを焼く。フォアグラはフランス産を使用
反対側からも焼く
焼いた牛フィレ肉をマデラソースになじませる
牛フィレ肉をカットし、フォアグラをのせ、マデラソースや黒トリュフとともに盛り付けて完成
お召し上がり
牛フィレ肉のロッシーニ風 マデラソース
◆濃厚な旨みを贅沢に味わう
フォアグラのねっとりとした舌ざわりに感じる香ばしさや甘み、濃厚な旨みは、牛フィレ肉の濃厚な旨みと相乗効果で、味の濃さが広がります。
黒トリュフの香りと、マデラソースの甘酸っぱさが、牛フィレ肉とフォアグラの美味しさを引き立てます。
牛フィレ肉のロッシーニ風 マデラソース
牛フィレ肉のロッシーニ風 マデラソース
おすすめのワイン
赤ワイン「ハリス・ランゲ・ロッソ」を持つホールスタッフの江川智香
◆赤ワインの複雑で長い余韻が引き立てる黒トリュフ
銘柄/ハリス・ランゲ・ロッソ
ワイナリー/ジッラルディ
生産地/イタリア北部ピエモンテ州
ぶどう種/シラー100%
生産年/2014年
重めの辛口赤ワインです。
香りと味わいは、濃厚な果実味にスパイシーなニュアンスが複雑に絡み、長い余韻があります。
力強い印象は、黒トリュフや牛フィレ肉、フォアグラ、マデラソースなど、さまざまな味と香りが溶け合う料理によく合い、より深い印象に仕上げます。
「牛フィレ肉のロッシーニ風 マデラソース」に赤ワイン「ハリス・ランゲ・ロッソ」を合わせて
ラ・ビスボッチャ店内
⚫︎ドルチェ
8.黒トリュフ風味のチョコシュークリーム
黒トリュフ風味のチョコシュークリーム
メニューについて
黒トリュフの香りはチョコレートとよく合います。
そこで、チョコレートクリームに黒トリュフで香りをつけ、シュークリームに詰めました。
シュー生地もブラックココアパウダーを加えてチョコの香りを高めます。
見た目も黒く、黒トリュフを丸ごと食べているような、不思議な新食感をお楽しみください。
調理
メニュー提案・撮影調理 料理人・水谷結
◆シュークリームの生地を焼く
シュークリームの生地の材料をミキサーで混ぜ合わせる
シュークリームの生地の材料。左から牛乳、水、グラニュー糖、卵、ブラックココアパウダー、塩、薄力粉
混ぜ合わせた生地を絞り袋に入れる
バットに生地を絞り出す
シュークリームの表面をサクサク仕上げるクッキー生地(ブラックココアパウダー、グラニュー糖、薄力粉、バター)をのせる
生地をオーブンで焼く
◆クリームを詰める
ボウルでシュークリームに詰めるクリームの材料を混ぜる
クリームの材料。左から牛乳、生クリーム、グラニュー糖、チョコレート、バニラ
チョコレートは1842年にフランスで創業した老舗チョコレートメーカー「カカオバリー」社製を使用。「ファボリット・ミ・アメール58」ブランドのピストール・タイプ(錠剤型)。カカオ分が58%ありながら、ほどよい甘さとすっきりした苦味で、クセのない上品な仕上がり
黒トリュフをスライスする
スライスした黒トリュフをみじん切りにする
みじん切りにした黒トリュフをクリームに混ぜ、香りをつける
焼き上がった生地にクリームを詰めて完成
お召し上がり
黒トリュフ風味のチョコシュークリーム
◆黒トリュフが香るビターな甘み
黒いシュークリームは、見た目も黒トリュフのようで、黒トリュフの香りへの期待感が高まります。
生地の表面はサクサクして、噛みしめるとカカオの香りやほろ苦さに甘みが加わります。
なかのクリームから黒トリュフの香りがふんわり香ります。クリームは濃厚な舌ざわりで、チョコレート味と黒トリュフの好相性をたっぷり堪能します。
黒トリュフ風味のチョコシュークリーム
黒トリュフ風味のチョコシュークリーム
おすすめの食後酒
グラッパ「グラッパ・ディ・サッシカイア」を持つホールスタッフの江川智香
◆グラッパの樽香で引き立てる黒トリュフ
銘柄/グラッパ・ディ・サッシカイア
メーカー/ポーリ
生産地/イタリア北部ヴェネト州
ぶどう種/カベルネ・ソーヴィニョン、カベルネ・フラン
生産年/2014年
食後をピリッと締めくくる辛口のグラッパです。
香りはオーク樽やバニラ、カカオ、コーヒーなどのニュアンスがあり、黒トリュフ風味のチョコ・シュークリームと同系の香りでディナーの余韻を深めます。
「黒トリュフ風味のチョコシュークリーム」に「グラッパ・ディ・サッシカイア」を合わせて
黒トリュフ風味のチョコシュークリーム
春はすぐそこ。2月のディナーは、
「ラ・ビスボッチャ」の
「黒トリュフフェア」でお楽しみください。