RECOMMENDED SEASONAL MENU AUGUST 2023
コラム『味と技』第128回
夏色のおもいで
8月は、真夏の太陽の下で、お盆休みの行楽や、夏祭りなどのイベントを楽しみます。
そんな季節の思い出になる、夏色のメニューを、15品おすすめします。
監修/料理長・井上裕基
写真・文/ライター 織田城司
Supervised by Yuuki Inoue
Photo・Text by George Oda
⚫︎前菜
1.ブラータチーズと黄金桃
ブラータチーズと黄金桃
メニューについて
ブラータチーズと味わう、季節の食材シリーズです。
8月は、黄金桃をおすすめします。
メニュー提案・撮影調理/料理長 井上裕基
ブラータチーズは、イタリア南部プーリア州出身のチーズ職人が、アメリカ・カリフォルニア州でつくる「ディ・ステファノ」社製を使用。放牧牛のミルクを使い、とろりとした食感で、ミルキーな風味と甘み、旨みが濃厚
お召し上がり
ブラータチーズと黄金桃
黄金桃の濃厚な果汁は、ブラータチーズとよくなじみます。
フルーティな香りと、強い甘みをブラータチーズのミルキーな風味が引き立てます。
ブラータチーズと黄金桃
ブラータチーズと黄金桃
ラ・ビスボッチャ店内
2.ホタテのカルパッチョ プトレマイオス風
ホタテのカルパッチョ プトレマイオス風
メニューについて
8月のカルパッチョは、ホタテをおすすめします。
香草や柑橘で、爽やかな風味をつけて仕上げました。
盛り付けは、円運動の組み合わせ図で天動説を唱えた古代ギリシャの学者、プトレマイオスをイメージしました。
調理
メニュー提案・撮影調理/料理人 江川智香
◆ホタテをマリネする
北海道産のホタテ貝柱を薄くカットする
カットしたホタテをバットに並べる
バットのホタテの上に、スダチの皮を擦りおろし、香りをつける
スダチは徳島県産を使用
バットのホタテの上に、レモンの皮を擦りおろし、香りをつける
バットのホタテの上に、エキストラヴァージン・オリーブオイルを振りかけ、味と香りをつける
エキストラヴァージン・オリーブオイルは、フルーティーな香りと辛みが豊かなシチリア島のテッラリーヴァ社の「ケルビーノ」ブランドを使用。欧州のオーガニックとDOPの認定を受けている。DOPは原産地名称保護制度のことで、風通しのよい丘陵地帯でオリーブオイルの特産地であるモンティ・イブレイ(イブレイ山地)が対象
バットのホタテの上に、挽きたての黒コショウを振りかけ、味と香りをつける
黒コショウは、世界最高峰の産地、カンボジアで日本人が手がける「クラタペッパー」社製を使用。柑橘系や木材系などのリラックス感ある香りが高く、爽やかな辛みがある
バットのホタテと調味料をラップで覆い、しばらく置き、味と香りをなじませる
◆仕上げる
トッピングに使うシソを細長くカットし、皿に集める
シソは愛知県産を使用
マリネしたホタテを、シソやスダチ、自家製レモンドレッシングと盛り付けて仕上げる
お召し上がり
ホタテのカルパッチョ プトレマイオス風
フレッシュなホタテは、オリーブオイルとよくなじみ、とろりとした食感が心地よい。
ホタテの旨みをシソやスダチがさっぱりと引き立て、涼感があります。
ホタテのカルパッチョ プトレマイオス風
ホタテのカルパッチョ プトレマイオス風
ラ・ビスボッチャ店内
3.マダコとセロリのサラダ イタリアンパセリのソース
マダコとセロリのサラダ イタリアンパセリのソース
メニューについて
夏にぴったりの、おつまみサラダです。
マダコをメインに、爽やかな香味野菜を合わせました。
調理
メニュー提案・撮影調理/料理人 村澤大
マダコは三重県産を使用
マダコの内臓を取り除く
マダコ表面のヌメりを塩でもみながら洗い流す
マダコを茹でる
茹でたマダコを氷水で冷やす
マダコの足を小分けにカットする
マダコを食べやすい大きさにカットする
セロリは静岡県産を使用
セロリの皮をむく
セロリを食べやすい大きさにカットする
マダコとセロリを自家製レモンドレッシングと和え、イタリアンパセリのソースを振りかけて仕上げる
お召し上がり
マダコとセロリのサラダ イタリアンパセリのソース
マダコの弾力ある歯ごたえと、セロリのサクサクした食感のコントラストを楽しみます。
セロリとイタリアンパセリの爽やかな香りが、夏に美味しく感じます。
マダコとセロリのサラダ イタリアンパセリのソース
マダコとセロリのサラダ イタリアンパセリのソース
ラ・ビスボッチャ店内
4.アンチョビとブラータチーズのブルスケッタ
アンチョビとブラータチーズのブルスケッタ
メニューについて
香ばしさと、カリッとした食感が美味しいブルスケッタ。
トッピングの合わせが楽しく、食前酒やワインがすすみます。
調理
メニュー提案・撮影調理/副料理長 高部孝太
ブルスケッタに使うパンは、毎日自家で焼くパーネ・トスカーナ(トスカーナ地方の郷土パン)を使用。強力粉や薄力粉、生イースト、水を練ってつくる。味の濃いトスカーナ料理に合わせて塩と砂糖は不使用
自家製トスカーナパンを炭火で焼く
焼いたトスカーナパンの上にブラータチーズやアンチョビ、黒コショウ、エキストラヴァージン・オリーブオイルをトッピングして仕上げる
アンチョビのフィレは、スペインのコデサ社製を使用。ヨーロッパ屈指の漁港といわれるスペイン北部のカンタブリアで1976年に創業。カタクチイワシは適度な脂肪と雑味の少なさにこだわり、脂が乗りきる前の春の収穫物のみを使用。塩漬けにし、約6〜8ヶ月の熟成期間を経て、添加物や着色料を使用することなく、オリーブオイルに漬け、缶や瓶に詰めて出荷する。塩気は控えめで柔らかく、世界の一流レストランで愛用されている
お召し上がり
アンチョビとブラータチーズのブルスケッタ
炭火で焼いたパンの香ばしさは、ブラータチーズのミルキーな風味と好相性です。
アンチョビの塩気とコクが味を引き締めます。
アンチョビとブラータチーズのブルスケッタ
アンチョビとブラータチーズのブルスケッタ
ラ・ビスボッチャ店内
5.サマーポルチーニのソテー
サマーポルチーニのソテー
メニューについて
イタリアの夏の食材を、定番の料理法で。
毎年食べたくなる、夏の風物詩です。
調理
メニュー提案・撮影調理/料理人 萩原大輝
ポルチーニ茸はイタリア産のフレッシュタイプを使用
フライパンでオリーブオイルを加熱し、ローズマリーで香りをつける
スライスしたポルチーニ茸を焼く
塩を振りかけて味をつける
ポルチーニ茸をひっくり返し、反対側も焼いて仕上げる
お召し上がり
サマーポルチーニのソテー
サマーポルチーニのソテー
ポルチーニ茸はオリーブオイルがしみて、しんなりと柔らかく、旨みが濃厚です。
傘や茎など、部位によってちがう、味と食感のバラエティーを楽しみます。
サマーポルチーニのソテー
ラ・ビスボッチャ店内
6.的矢牡蠣のムニエル
的矢牡蠣のムニエル
メニューについて
繊細で奥深い味わいの「的矢牡蠣」
シンプルなムニエルで香ばしく仕上げ、美味しさを引き立てました。
三重ブランド「的矢牡蠣」
◆的矢牡蠣とは
三重県志摩市の的矢湾で生産される牡蠣です。
的矢湾は、山の養分をたっぷり含んだ川の水が海中に流れ込み、良質な牡蠣が早く育つことから、1928年に牡蠣の養殖がはじまりました。
的矢牡蠣の身は柔らかく、ふっくら。味わいは、甘み、旨み、塩気のバランスがよく、牡蠣特有のえぐみや苦み、臭みはほとんど感じません。
その美味しさから的矢牡蠣は、松阪牛や伊勢えび、熊野地鶏、真珠など、数十品とともに、三重県の優れた産物と生産者を認定する「三重ブランド」に選ばれています。
調理
メニュー提案・撮影調理/料理長 井上裕基
牡蠣を蒸し焼きにし、殻を開け、身を取り出し、小麦粉にまぶす
フライパンで無塩バターを加熱し、牡蠣を焼く
牡蠣の向きを変え、全面に火を通し、マイクロハーブと盛り付けて仕上げる
マイクロハーブは「江戸前ハーブ」社製。新しい農業の方法にチャレンジして2021年に東京都大田区の町工場跡地で創業
お召し上がり
的矢牡蠣のムニエル
ムニエルのバターは、牡蠣の柔らかい食感や旨みとよく合います。
マイクロハーブのシャキシャキした食感と青々しさがアクセントです。
的矢牡蠣のムニエル
的矢牡蠣のムニエル
ラ・ビスボッチャ店内
7.イワシの重ね焼き
イワシの重ね焼き
メニューについて
美しい港街、ナポリ出身のイタリア人から教わった魚料理です。
香ばしいイワシが、夏に美味しく感じます。
調理
メニュー提案・撮影調理/副料理長 高部孝太
◆イワシを揚げ焼く
イワシは北海道産を使用
イワシの頭を落とし、骨やヒレ、内臓を取り除く
小骨を取り除く
塩を振りかけ、下味をつける
イワシに衣をつける。小麦粉、卵、自家製パン粉の順でつける
フライパンで無塩バターをたっぷり加熱し、衣をつけたイワシを揚げ焼く
ひっくり返し、反対側も焼く
紙の上に広げ、余分な油を吸収する
◆イワシを重ね焼く
耐熱容器の表面に焦げつき防止のバターを塗り、揚げ焼いたイワシを敷く
自家製トマトソースやバジル、オレガノ(ドライ)を重ねる
同じ要領でイワシや食材を重ねる
トッピングにパルミジャーノ・レッジャーノやケッパーを振りかけ、オーブンで焼いて仕上げる
お召し上がり
イワシの重ね焼き
ザクザクしたパン粉の香ばしさが、イワシの塩気や旨みを引き立てます。
トマトの酸味や香草の香りがアクセントです。
イワシの重ね焼き
イワシの重ね焼き
ラ・ビスボッチャ店内
⚫︎パスタ&リゾット
8.キャビアと枝豆の冷製カペッリーニ
キャビアと枝豆の冷製カペッリーニ
メニューについて
夏の人気メニュー、冷製カペッリーニ。
8月は、枝豆のソースを合わせておすすめします。
調理
メニュー提案・撮影調理/副料理長 高部孝太
◆枝豆のソースをつくる
枝豆は東京都産を使用
枝豆を枝からハサミでボウルに切り落とす
枝豆を茹でる
枝豆をサヤから取り出す
枝豆と自家製野菜の出汁をミキサーに入れ、撹拌する
ミキサーで撹拌した枝豆ペーストに魚醤で味をつける
魚醤は、イタリア南部カンパニア州アマルフィ海岸のチェターラ産を使用。魚醤の起源は古代ギリシャからローマに伝来したとされる。いまはチェターラが特産地として伝統を継承。「チェターラ産の魚醤」という名で親しまれている
塩と黒コショウ、エキストラヴァージン・オリーブオイルを混ぜ合わせてソースの出来あがり
◆仕上げる
カペッリーニを茹でる
カペッリーニはイタリア北部エミリア・ロマーニャ州パルマで1877年に創業した食品メーカー、バリラ社製を使用
茹で上げたカペッリーニを氷水で冷やす
冷やしたカペッリーニをソースと和え、キャビアと盛り付けて仕上げる
キャビアはチョウザメの卵を塩漬けにしたもの。撮影ではウルグアイ産を使用
お召し上がり
キャビアと枝豆の冷製カペッリーニ
カペッリーニのアルデンテのコシは、冷やすことでより強くなり、喉ごしが心地よい。
枝豆のソースは香ばしく、キャビアの塩気やコクがアクセントです。
キャビアと枝豆の冷製カペッリーニ
キャビアと枝豆の冷製カペッリーニ
ラ・ビスボッチャ店内
9.サルシッチャとパプリカのオレキエッテ
サルシッチャとパプリカのオレキエッテ
メニューについて
夏に美味しくなるパプリカを、耳たぶという意味のショートパスタ、オレキエッテで味わいます。
サルシッチャ(生ソーセージ)に使う、大粒の豚挽肉を合わせました。
調理
メニュー提案・撮影調理/料理人 横田達也
◆ソースをつくる
パプリカは韓国産を使用
パプリカをオーブンで焼く
パプリカの皮と種を取り除く
パプリカの果肉をみじん切りにする
自家製サルシッチャ(生ソーセージ)の腸に切り込みを入れ、豚挽肉をフライパンの上に取り出す
豚挽肉をフライパンに広げ、加熱する
白ワインを入れ、味と香りをつける
自家製鶏の出汁、パプリカのみじん切りを加える
パプリカパウダーを入れ、味と香りをつける
パプリカパウダーはスぺイン産の「ラ・ダリア」ブランド。赤ピーマンを燻製・乾燥させてから粉末にしたもので、辛口を使用
煮詰めてソースの出来あがり
◆仕上げる
オレキエッテは自家製麺。卵白と小麦粉、セモリナ粉、オリーブオイル、水、塩を混ぜてつくる
オレキエッテを茹でる。浮き上がるのが茹で上がりの目安
茹で上げたオレキエッテをソースのフライパンに投入
オレキエッテをソースと和え、イタリアンパセリのみじん切りと、エキストラヴァージン・オリーブオイルを加える
調味料を混ぜ合わせて仕上げる
お召し上がり
サルシッチャとパプリカのオレキエッテ
大粒の豚挽肉の旨みは、パプリカやパプリカパウダーのピリ辛味とよく合います。
オレキエッテのもっちりした歯ごたえとともに、おつまみ感を増しています。
サルシッチャとパプリカのオレキエッテ
サルシッチャとパプリカのオレキエッテ
ラ・ビスボッチャ店内
10.的矢牡蠣とポブラノのフェットチーネ
的矢牡蠣とポブラノのフェットチーネ
メニューについて
唐辛子の一種、ポブラノを効かせたフェットチーネです。
ポブラノは辛みが少なく、青々しい風味が爽やかで、夏の食欲がすすみます。
調理
◆ソースをつくる
メニュー提案・撮影調理/料理長 井上裕基
ポブラノはメキシコ原産の辛みが少ない唐辛子。三重県多気郡多気町で、豊かな自然を生かし、高栄養の野菜を地球に優しい農法で生産することをコンセプトに2017年に設立した「株式会社ポモナファーム」社製
ポブラノの種を取り除く
ポブラノをカットする
フライパンにポブラノ、オリーブオイル、ニンニクのみじん切り、赤唐辛子を入れ、加熱
牡蠣を蒸し焼きにする時にできた汁を加える
和牛フィレ肉の脂身の燻製を加える
食べやすい大きさにカットした牡蠣の蒸し焼きを合わせてソースの出来あがり
◆仕上げる
フェットチーネは自家製面。全卵と卵黄、小麦粉、セモリナ粉、オリーブオイル、塩を混ぜてつくる
フェットチーネを茹でる
茹で上げたフェットチーネをソースのフライパンに投入
フェットチーネをソースと和える
エキストラヴィージン・オリーブオイルを入れ、味と香り、とろみをつける
パルミジャーノ・レッジャーノを入れ、味と香り、とろみをつける
調味料を混ぜ合わせる
皿に盛り付け、ペコリーノチーズを振りかけて仕上げる
ペコリーノチーズは、羊乳からつくるチーズ。塩味とコクが豊かで、風味はすっきりしている。イタリアで牧羊が盛んな特産地、サルディーニャ島産。側面にペコリーノの認証刻印が見える
お召し上がり
的矢牡蠣とポブラノのフェットチーネ
ポブラノは、ポリポリした食感が心地よく、辛さはマイルドで、青々しい風味が爽やかです。
柔らかい牡蠣の旨みとコントラストを楽しみます。
的矢牡蠣とポブラノのフェットチーネ
的矢牡蠣とポブラノのフェットチーネ
ラ・ビスボッチャ店内
11.燻製ウナギとズッキーニのスパゲッティ 山椒風味
燻製ウナギとズッキーニのスパゲッティ 山椒風味
メニューについて
スパゲッティに、ウナギと山椒の好相性を取り入れました。
ウナギのスモーキーな香りと、とろける旨みが、夏の元気になります。
調理
メニュー提案・撮影調理/料理人 水谷結
◆燻製ウナギをつくる
燻製用の国産桜チップを加熱する
炭火で焼き、蒸しを入れた浜名湖産のウナギを、加熱した桜チップの上に置く
ボウルでフタをして、ウナギに煙の香りをつける
香りがつくのを待つ
フタを開け、燻製の具合を確認
ウナギをひっくり返し、反対側も香りをつけ、燻製ウナギの出来あがり
◆ソースをつくる
フライパンにオリーブオイル、ニンニクのみじん切り、赤唐辛子、ズッキーニの薄切りを入れ、加熱する
乾燥トマトのオイル漬け、自家製魚介の出汁を入れる
燻製ウナギのカット、下茹でした実山椒のカットをなじませ、ソースの出来あがり
実山椒は熊本産を使用
◆仕上げる
スパゲッティを茹でる
スパゲッティはイタリア南部の乾麺の特産地、カンパニア州で1912年に創業した「ディ・マルティーノ」社製を使用。イタリア産小麦を100%使い、低温で長時間乾燥させた麺は小麦の風味が濃厚。直径は1.8㎜。太めで食べごたえがある
茹で上げたスパゲッティをソースのフライパンに投入
スパゲッティをソースと和える
イタリアンパセリのみじん切りとエキストラヴァージン・オリーブオイルを加える
食材を混ぜ合わせて仕上げる
お召し上がり
燻製ウナギとズッキーニのスパゲッティ 山椒風味
ウナギは炭火で焼いてから蒸し、燻製にしているので、スモーキーな香りと旨みが濃厚です。
山椒の風味と、ズッキーニのまろやかな青々しさがアクセントになり、スパゲッティがすすみます。
燻製ウナギとズッキーニのスパゲッティ 山椒風味
燻製ウナギとズッキーニのスパゲッティ 山椒風味
ラ・ビスボッチャ店内
12.的矢牡蠣と奥伊勢サフランのリゾット
的矢牡蠣と奥伊勢サフランのリゾット
メニューについて
牡蠣とお米を好相性を生かしてつくる、リゾットです。
サフランの風味と、鮮やかな黄色が、夏の食欲を刺激します。
調理
メニュー提案・撮影調理/料理長 井上裕基
鍋に奥伊勢サフラン、水、自家製鶏の出汁をいれ、味のベースにする
奥伊勢サフランは、奥伊勢とよばれる三重県松坂市の山間部、飯高地域で収穫されている
牡蠣を蒸し焼きにするときにできた汁を入れ、味と香りを加える
出汁を入れた鍋にリゾット米を投入し、煮込む
リゾット米は、大粒で煮崩れしにくいイタリア産のリゾット用品種を使用。イタリア北部ピエモンテ州の米処ヴェルチェッリ県で1935年からリゾット用の米をつくり続ける「ロンドリーノ」社のブランド米「アクエレッロ」
リゾットに添えるズッキーニをカットする
フライパンにオリーブオイルを広げ、ズッキーニを焼く
ひっくり返し、反対側も焼く
鍋に牡蠣の蒸し焼きと、無塩バターを入れ、リゾットとなじませる
パルミジャーノ・レッジャーノを入れる
パルミジャーノ・レッジャーノは、イタリア北部エミリア・ロマーニャ州で1877年に創業した乳製品メーカーの老舗「アウリッキオ」社製。一年中干草のみを与えた牛の濃いミルクからつくるチーズは甘みと熟成感のバランスがよい。側面の認証刻印の2042のナンバリングはハイグレードの証。塊で仕入れ、自店で粉に挽く
パルミジャーノ・レッジャーノを余熱で混ぜ、味と香り、とろみをつけ、ズッキーニと盛り付けて仕上げる
お召し上がり
的矢牡蠣と奥伊勢サフランのリゾット
大粒のリゾット米は、食感がしっかりして、甘みと旨みがきわだち、バターやチーズと相性抜群です。
牡蠣の旨みやサフランの風味、ズッキーニの香ばしさがアクセントです。
的矢牡蠣と奥伊勢サフランのリゾット
的矢牡蠣と奥伊勢サフランのリゾット
ラ・ビスボッチャ店内
⚫︎メイン
13.一本魚の塩包み焼き スダチ風味
一本魚の塩包み焼き スダチ風味
メニューについて
海を思う8月は、魚のおもてなし料理をおすすめします。
塩の生地で包み、丸ごと焼いた一本魚の身は、ふっくら、しっとりして、格別の美味しさです。
調理
メニュー提案・撮影調理/料理人 横田達也
一本魚(いっぽんざかな)は、頭から尾まで、魚の形が丸ごとそろっている状態の呼称。その日の国産鮮魚を使います。撮影はイサキを使用
魚の内臓、ヒレを取り除く
トッピングの香りづけに使うスダチの皮を集める
魚の内部に香りづけの食材を詰める
香りづけの食材は、スダチの果肉、ニンニク、タイム、ローズマリー
魚を包み焼きする塩の生地をつくる。岩塩と薄力粉、水を混ぜ合わせる
塩の生地の枠組みにするアルミホイルの型をつくる
アルミホイルの型から魚を取り除き、底辺に塩の生地を敷く
アルミホイルの型に魚を戻し、上面を塩の生地で覆う
香りづけにスダチの皮をトッピングする
オーブンで焼く
お召し上がり
一本魚の塩包み焼き スダチ風味。客席で披露する状態。自家製レモンドレッシングとニンニクのみじん切りでつくるソースを添える
一本魚の塩包み焼き スダチ風味。客席でミートハンマーで塩包みを割り、開封
一本魚の塩包み焼き スダチ風味。塩包みを開いた状態。魚の皮がついている
一本魚の塩包み焼き スダチ風味。魚の皮を取り除いた状態。この後、骨や香味食材を取り除いた身が、人数分皿に取り分けられ、客席に提供される
一本魚の塩包み焼き スダチ風味
塩の生地で包んで焼いた魚は、密閉して蒸し焼きにすることで、旨みや香りが逃げずに凝縮。
身はしっとりして、塩気とスダチの香りが優しく移っています。
一本魚の塩包み焼き スダチ風味
ラ・ビスボッチャ店内
⚫︎ドルチェ
14.バナナのタルトタタン バナナとパッションフルーツのソルベ添え
バナナのタルトタタン バナナとパッションフルーツのソルベ添え
メニューについて
南国フルーツをギュッと濃縮。
夏に食べたい、ひんやりドルチェです。
調理
メニュー提案・撮影調理/料理人 水谷結
◆バナナのタルトタタンを焼く
バナナはフィリピン産を使用
バナナの皮をむき、短くカットする
バナナにレモン汁を混ぜ合わせ、味と香りをつける
オーブン用トレイにバナナを敷き詰める
バナナに混ぜるキャラメルをつくる。砂糖、塩、バター、生クリーム、バニラビーンズを加熱して混ぜる
バナナを入れたトレイにキャラメルを加える
タルトタタンの土台にする生地をつくる。バナナやバター、きび糖、卵、ベーキングパウダー、アーモンドスライス、小麦粉などを混ぜる
バナナの上に生地を重ねる
トレイに入れた食材をオーブンで焼く
◆バナナとパッションフルーツのソルベをつくる
バナナの果肉と水、砂糖をミキサーで撹拌する
パッションフルーツをカットし、種を濾過し、果汁だけ集める
パッションフルーツは鹿児島県の世界遺産、屋久島産
バナナの液に、パッションフルーツの果汁を混ぜ合わせる
ソルベの液をジェラートマシーンに投入
ジェラートマシーンの容器に入れたソルベの液
バナナのタルトタタン。焼き上げ、型から抜き、粉糖を振りかけた状態。小分けにカットし、ソルベを添えて提供
お召し上がり
バナナのタルトタタン バナナとパッションフルーツのソルベ添え
タルトタタンのバナナとキャラメルは、相性抜群で一体となり、香ばしさと甘みが凝縮しています。
バナナとパッションフルーツの果汁をメインに冷やしたソルベは、フルーティな香りが高く、サラリとした口あたりで、さっぱりするアクセントです。
バナナのタルトタタン バナナとパッションフルーツのソルベ添え
バナナのタルトタタン バナナとパッションフルーツのソルベ添え
ラ・ビスボッチャ店内
15.ブルーベリーのメリンガータ
ブルーベリーのメリンガータ
メニューについて
創業以来、30年間続ける定番ドルチェ、メリンガータ。
8月は、クリームにブルーベリーを入れた夏季限定版でおすすめします。
調理
メニュー提案・撮影調理/副料理長 高部孝太
オレンジからつくるお酒コアントローと砂糖、水を混ぜたを液をスポンジ生地に振りかけ、味と香りをつける
コアントローはフランスで1849年に創業したコアントロー家の蒸溜所が開発したオレンジリキュール。オレンジの皮を使い、オレンジの香りとまろやかな甘さが特徴。カクテルや製菓などで愛用されている
スポンジの上にカスタードクリームとホイップクリームを混ぜたクリームを重ね、ブルーベリーを重ねる
ブルーベリーはアメリカ産を使用
同じ要領でクリームを3層重ね、スポンジの屋根を重ねる
表面をメレンゲで覆う。メレンゲは卵白と砂糖、ホイップクリームを混ぜ、バニラエッセンスやレモン汁で香りをつけてつくる
トップはクリームを立てるように飾る
バーナーで焼き色をつけて仕上げる
仕上げた状態
お召し上がり
ブルーベリーのメリンガータ
しっとりしたスポンジとクリームのコントラストに、ブルーベリーのみずみずしい果汁がアクセントになります。
果汁の甘酸っぱさは、上品で繊細。夏にうれしい、爽やかな後味です。
ブルーベリーのメリンガータ
ブルーベリーのメリンガータ
真夏のディナーは、
ラ・ビスボッチャの、季節のおすすめメニューでお楽しみください。