栗フェア 2021

FESTA DEI MARRONI

コラム『味と技』第97回

秋の味覚、栗をイタリアンで味わう「栗フェア」を、9月20日()〜10月3日()まで開催します。

期間限定メニューが8品登場。イタリアンの素朴な調理法は、栗と相性抜群!

香ばしく、コク深い甘みを、ぜひお楽しみください。

監修/料理長・井上裕基 副料理長・露詰まみ

写真・文/ライター 織田城司 
Supervised・Cooking  by Yuuki Inoue  Mami Tsuyuzume
Photo・Text  by George Oda

料理長ごあいさつ

栗色の秋

縄文遺跡の出土品のなかに栗があり、当時の食料のひとつと考えられています。

イタリア人も、古代から栗を食べていました。

どちらの国も、栗と米を合わせる料理があります。

歴史や文化がちがう人々が、栗の美味しさを追求して、似た料理にたどり着く因果に、面白さを感じます。

そんな歴史ロマンを体感していただきたいと思い、今回の「栗フェア」では、イタリア料理に和の食材を使ったり、和菓子にイタリアの食材を合わせたり、栗にさまざまな独創を加えて、メニューをそろえました。

今年、東京オリンピックが開会して間もない7月27日、ユネスコは、北海道と北東北の縄文遺跡群を、世界遺産に登録することを決めました。

縄文遺跡が見直される秋、より深まる栗の味を、ご堪能ください。

2021年9月吉日

料理長 井上裕基

⚫︎前菜

1.栗とゴルゴンゾーラのクレスぺッレ

栗とゴルゴンゾーラのクレスぺッレ

メニューについて

クレスぺッレは、イタリアの塩味クレープです。

包む食材は、地域や家庭によってさまざまで、昼食や夕食の惣菜のひとつとして、楽しみます。

今回は、ゴルゴンゾーラチーズを包み、オーブンでとろとろに焼き、イタリア栗のバター焼きをトッピングしました。

涼しくなる季節にぴったりの、あたたかい前菜です。

◆香ばしいイタリア栗

冬のローマの街頭で撮影した焼き栗の屋台

栗は、地球上の、暑すぎず寒すぎない地域で、よく育ちます。

地域によって味のちがいがあり、イタリア栗は、和栗よりも実がしまり、焼くと香ばしさがきわだち、カリッ、ポリッとした歯ごたえが心地よく、甘さは控えめです。

今回の「栗フェア」で使用するイタリア栗は、イタリア最大の栗産地、カンパニア州のアヴェッリーノ産を使用します。

調理

メニュー提案・撮影調理:副料理長・露詰まみ

フライパンでクレスぺッレの生地を焼く。生地は卵、薄力粉、バター、牛乳をまぜてつくる

生地をひっくり返して反対側からも焼く

焼き上げた生地をまな板の上に広げる

ゴルゴンゾーラチーズをカットする

ゴルゴンゾーラチーズはイタリア産のドルチェタイプを使用。ドルチェといっても甘いわけではなく、食べやすく改良したタイプの意味。青カビが少なく、塩味はマイルドで、舌ざわりはクリーミー。加熱すると、とろりと柔らかくなる

カットしたゴルゴンゾーラチーズを生地の上にのせる

生地でチーズを包む

底にバターを塗った耐熱容器にクレスぺッレを並べ、無塩バターとパルメザンチーズをのせる

クレスぺッレをオーブンで焼く

オーブンで焼き上げたクッレスぺッレに栗をトッピングして仕上げる。栗はイタリア栗をフライパンで焼き、バターで味と香りをつけてつくる

お召し上がり

栗とゴルゴンゾーラのクレスぺッレ

◆チーズの香ばしさが爽快

焼き上がったクレスぺッレは、チーズが焼けた香ばしい香りが食欲をそそります。

クレスぺッレの生地は、直接熱があたる部分は、サクサク。とろけたバターやチーズに浸った部分は、ふわふわとろとろ。多彩な食感を楽しみます。

栗とゴルゴンゾーラのクレスぺッレ

ふだん、そのまま食べることが多いゴルゴンゾーラチーズは、加熱することで風味や旨み、コクの幅が広がり、クレスぺッレの生地となじみがよく、新たな味わいを堪能します。

バターを絡めて焼いたイタリア栗は、クレスぺッレとよくなじみ、食感や味がほどよいアクセントになり、白ワインがすすみます。

栗とゴルゴンゾーラのクレスぺッレ

ラ・ビスボッチャ店内

2.栗とポルチーニ、モッツァレラのフライ

栗とポルチーニ、モッツァレラのフライ

メニューについて

秋味のミックスフライです。

秋に美味しい食材を、アツアツ、ホクホクに揚げました。

調理

メニュー提案・撮影調理:副料理長・露詰まみ

◆下ごしらえ

ポルチーニとモッツァレラを食べやすい大きさにカットする

ポルチーニは、香りと食感、旨みが豊かに広がるイタリア産のフレッシュタイプを使用。旬の秋は傘が大きくなり、食べごろになる。写真は、秋のフィレンツェの市場で撮影したフレッシュ・ポルチーニ売場。

モッツァレラチーズは、濃厚な風味としっかりした舌ざわりにこだわり、イタリア産を使用。特産地のイタリア南部カンパニア州で1968年に創業した「ポンティコルボ」社製。水牛乳を使った濃厚なモッツァレラチーズを昔ながらの手作業と最新設備で新鮮につくっている

ポルチーニとモッツァレラに小麦粉をつける

余分な小麦粉を叩いて落とす

卵をつける

パン粉をつける

パン粉は、イタリアの細かいパン粉の美味しさにこだわり、自家製でつくる。毎日焼いてテーブルに提供するイタリアパンのなかから、パーネトスカーナとチャバッタの2種を、さらにオーブンで焼き、水分をとばし、ミンチマシーンで細粒に挽く

余分なパン粉は叩いて落とす

◆フライを揚げる

ポルチーニとモッツァレラをフライヤーで揚げる

栗はイタリア栗を使用

氷水で溶いた薄力粉を栗につけ、フライヤーで揚げる

フライ同士がくっつかないように、ザルで分ける

およそ2分間揚げたら油から引き上げる

別のザルに移し、余分な油を切り、軽く塩を振って味をつけ、仕上げる

お召し上がり

栗とポルチーニ、モッツァレラのフライ

◆秋にぴったりのあったかフライ

薄い衣で揚げたイタリア栗は、香ばしさがきわだち、しっとり感もほどよく残り、焼き栗とはひと味ちがう印象です。

衣の揚げ油に広がる、仕上げの塩のマイルドな辛みと旨みが、イタリア栗の甘みを引き立てます。

栗とポルチーニ、モッツァレラのフライ

揚げたポルチーニは、油を含み、もちッ、とろッの食感のなかに、旨みとコクが豊かに広がります。奥歯にカリカリ残る小粒のパン粉の余韻が秀逸です。

モッツァレラは、とろりととろけ、ミルキーな風味がきわだち、栗やポルチーニを引き立てます。

栗とポルチーニ、モッツァレラのフライ

ラ・ビスボッチャ店内

⚫︎リゾット&パスタ

3.栗とラルドのリゾット

栗とラルドのリゾット

メニューについて

イタリアにもあった、栗ごはんのような発想。

そんな歴史ロマンを感じる、栗のリゾットです。

豚の背脂を熟成させたラルドのスライスをトッピング。コクを増して仕上げました。

調理

メニュー提案・撮影調理:料理長・井上裕基

鍋に米を入れ、牛乳を入れて炊く

米は、煮崩れしにくいイタリア産のリゾット用品種を使用。イタリア北部ピエモンテ州の米処ヴェルチェッリ県で1935年からリゾット用の米をつくり続ける「ロンドリーノ」社のブランド米「アクエレッロ」

自家製鶏のダシ汁を加える

自家製鶏のダシ汁は、鶏がらやひね鶏の肉、トマト、タマネギ、ニンジン、セロリ、ローリエなどを約6時間煮込んでつくる

フライパンでイタリア栗を焼く

塩をふって下味をつける

無塩バターを溶かして味と香りをつける

リゾットの鍋に栗を入れ、さらにバターを加え、米になじませる

パルメザンチーズを入れ、味と香り、とろみをつける

リゾットを皿に盛り付け、スライスしたラルドをトッピングにのせて仕上げる

ラルドの塊肉。豚の背脂を塩漬けにして熟成させた食肉加工品でイタリア中部トスカーナ州の「サヴィーニ」社製を使用。高級ブランド豚「チンタセネーゼ」を使い、柔らかさと深い味わいに優れる。納品状態は、熟成に使われた香辛料や香草などに覆われ、素朴な印象だが、そこにイタリアらしさを感じる

お召し上がり

栗とラルドのリゾット

◆栗が引き立てる秋味のリゾット

リゾットのベースのバターやチーズは、牛乳やラルドが加わることで、ミルキーな風味と熟成香が増しています。

米に絡まる汁も、こってりした質感が濃くなっています。

栗とラルドのリゾット

バターを絡めて焼いた栗のホクホクした歯ごたえと香ばしさが、濃厚な米のほどよいアクセントになります。

アツアツ感とコクが増した後味に、秋らしさを感じます。

栗とラルドのリゾット

ラ・ビスボッチャ店内

4.熊のアニョロッティ 栗とセージのバターソース

熊のアニョロッティ 栗とセージのバターソース

メニューについて

木の実を好んで食べるジビエの肉は、栗と相性抜群です。

今回は、鳥取県産の熊の挽肉を、香味野菜やハーブとアニョロッティに詰め、イタリア栗のバター焼きを合わせました。

まろやかになった熊の旨みが、しみじみ美味しい一皿です。

調理

メニュー提案・撮影調理:料理長・井上裕基

◆熊肉の詰め物をつくる

鍋底にオリーブオイルを広げ、香味野菜(ニンジン、タマネギ、セロリ)の細切れを入れ、塩を振って下味をつけながら炒める

熊の挽肉を加え、炒める。熊の挽肉は鳥取県産を使用

セージ、ローズマリー、バター、黒コショウを加え、味と香りをつける

炒めた熊挽肉と野菜をミンチマシーンに移す

熊挽肉と野菜を棒でミンチマシーンに押し入れ、細かくカットする

出来上がった熊肉の詰め物。塩コショウを加え、味を微調整する

◆アニョロッティをつくる

アニョロッティの生地をうすくのばし、熊肉の詰め物を絞り出す。アニョロッティの生地は、柔らかい食感にこだわった自家製生パスタ。卵黄を増した卵、強力粉、セモリナ粉、オリーブオイル、塩をまぜてつくる

生地のエッジを丸め、詰め物を包む

カッターで生地をカットする

カットでできたエッジを丸め、詰め物を包む

生地を等間隔でつまみ、なかの詰め物を寄せる

カッターで詰め物の列を分離する

カッターで詰め物を一個ずつ分離してアニョロッティの出来上がり

セモリナ粉を振りかけ、くっつき防止の打ち粉にする

◆仕上げる

フライパンに無塩バターを溶かし、セージで香りをつける

別のフライパンでイタリア栗を焼き、バターで味と香りをつける

ソースのフライパンにパスタの茹で汁と栗を加え、煮詰める

アニョロッティを茹でる。茹で時間2分

茹で上がったアニョロッティをソースと和え、皿に盛り付けてからパルメザンチーズを振りかけて仕上げる

お召し上がり

熊のアニョロッティ 栗とセージのバターソース

◆まろやかな野生味

茹でたアニョロッティは、やさしい弾力があり、心地よい噛みごたえです。

なかの熊肉は、野菜やハーブと一体になり、ジビエの野生味がまろやかです。

熊のアニョロッティ 栗とセージのバターソース

シンプルなバターソースとセージの風味が、まろやかな味わいを増しています。

アクセントの栗は、栗を好んで食べる熊の風味とよく合います。

熊のアニョロッティ 栗とセージのバターソース

おすすめのワイン

ワイン監修:ソムリエ・酒見喜亮

赤ワイン「バルバレスコ・ロンキ」

果実味が凝縮した辛口赤ワイン

銘柄/バルバレスコ・ロンキ
ワイナリー/アルビーノ・ロッカ
生産地/イタリア北部ピエモンテ州
ぶどう種/ネッビオーロ100%

海がない北イタリアのピエモンテ州では、古くから肉料理が発達。肉そのものを焼いて食べることはもちろん、アニョロッティのような、肉を詰めるパスタも生まれました。

そんな風土が、イタリアを代表する2大銘ワイン、バローロとバルバレスコを育みました。

今回おすすめするバルバレスコは、バローロよりも味わいがエレガントで、アニョロッティにちょうどよく合います。

凝縮されたブドウの香り、なめらかな口あたり、ほどよい辛口、やや重い飲み口が、アニョロッティでまろやかになった、熊の旨みを引き立てます。

「熊のアニョロッティ 栗とセージのバターソース」に赤ワイン「バルバレスコ・ロンキ」を合わせて

ラ・ビスボッチャ店内

5.栗と和牛のパッパルデッレ

栗と和牛のパッパルデッレ

メニューについて

栗と山の幸を、具だくさんのパスタで味わいます。

具材は、和牛をたっぷり使い、旨みと食べごたえを増しています。

パスタは、濃いソースと相性がいい、山国育ちの幅広麺、パッパルデッレを合わせました。

調理

ソースづくりの撮影:料理長・井上裕基(左)、仕上げの撮影:副料理長・露詰まみ(右)

◆ソースをつくる

パスタの具材にする和牛をカットする

和牛は鹿児島県産のブランド和牛「薩摩牛」のヒモ肉を使用

⚫︎「薩摩牛」とは

「薩摩牛」は、鹿児島県産の黒毛和牛のなかから、国内の和牛等級5段階の4級以上の肉質で構成する高級ブランド牛です。

そのなかでも、今回使用する牛ヒモ肉は、牛ネックに付随するヒモ状の細長い部位です。

赤身が中心で、肉質は柔らかく、ほどよい噛みごたえがあり、肉そのものの味を濃く感じます。

鍋底にオリーブオイルを広げ、香味野菜(ニンジン、タマネギ、セロリ)の細切れを入れ、塩を振って下味をつけながら炒める

大きなフライパンで和牛を炒める

フライパンを傾け、余分な脂を取り除く

赤ワインを入れ、アルコール分をとばし、味と香りをつける

フライパンの底についた和牛の焦げつきを木ベラではがし、汁の味に加える

野菜を炒めた鍋に和牛を投入

自家製トマトソースを加える、酸味と旨みをつける

黒コショウを加え、スパイシーな香りと辛みをつける

隠し味でチョコレートを加え、甘苦さをつける

チョコレートは、カカオの特産地コロンビアで1906年に創業した製菓用チョコレートのトップメーカー、カサルカ社のカカオ分61%のタイプを使用

注文が入ると、一人前のソースをフライパンに取り分ける

和栗を炭火の中で焼く。破裂しないように、あらかじめ包丁で切り込みを入れておく

焼いた和栗を冷まし、皮をむいた実をソースに加え、ソースの出来上がり

和栗は、古来より美味しい栗が実る産地として名高い丹波地方(現在の京都府、兵庫県、大阪府の一部にあたる地域)産を使用

◆仕上げる

パッパルデッレを茹でる。茹で時間3分30秒

パッパルデッレはもっちりした食感にこだわった自家製生パスタ。卵黄を増した卵、強力粉、セモリナ粉、オリーブオイル、塩をまぜてつくる

茹で上がったパッパルデッレをソースのフライパンに投入

パッパルデッレをソースと和え、イタリアンパセリのみじん切り、パルメザンチーズ、エキストラヴァージン・オリーブオイルを加え、味と香り、とろみをつけて仕上げる

お召し上がり

栗と和牛のパッパルデッレ

◆具だくさんで味わう濃い旨み

具材の和牛は、柔らかさのなかに、もっちりした弾力があります。

やや大きめのカットがうれしく、ほどよい歯ごたえと、濃い旨みに、肉肉しさを感じます。

栗と和牛のパッパルデッレ

なおかつ、和栗やソースも味わいたい、と思うよくばり心を満たしてくれるのが、具だくさんパスタの魅力です。

パッパルデッレの広さや薄さが、絶妙に絡み、美味しさをまとめます。

栗と和牛のパッパルデッレ

ラ・ビスボッチャ店内

⚫︎メイン

6.栗とキノコ、熊野地鶏の、さっぱり白ワイン酢煮込み

栗とキノコ、熊野地鶏の、さっぱり白ワイン酢煮込み

メニューについて

彼岸花が咲くと、煮込み料理が美味しい季節のはじまりです。

今回は、しっかりした歯ごたえの地鶏を煮込み、栗とキノコで滋味を引き立てます。

初秋ゆえに、酢を効かせて、さっぱりと仕上げました。

調理

メニュー提案・撮影調理:料理長・井上裕基

◆地鶏の下ごしらえ

地鶏は三重県産の「熊野地鶏」を使用

⚫︎熊野地鶏とは

三重県熊野市の丸山千枚田と熊野地鶏(公式写真より)

紀伊半島南部は、古くから熊野と呼ばれ、豊かな自然に神々が宿るといわれてきました。多くの巡礼者が歩いた「熊野古道」は、世界遺産に登録されています。

そんな土壌を背景に、三重県が生み出した高級ブランド地鶏が「熊野地鶏」です。

のびのびとした環境で、健やかに育てられた地鶏の肉質は、赤みが強く、弾力性に富み、旨み成分を多く含み、鶏肉本来のコクと風味があります。

イタリア料理との出会いを、ご賞味ください。

熊野地鶏を一羽仕入れ、自店で部位ごとに切り分ける

切り分けた熊野地鶏一羽の部位。左からモモ、手羽、ムネ。中央上はカシラ、中央下はガラ。ガラは煮込みの具材に使わず、煮汁のダシをとるために使う

 

◆煮汁のベースにする地鶏のダシ汁をとる

鍋底で熊野地鶏のガラを焼く

氷を入れ、熱で溶ける作用を利用してダシを抽出する。真水から煮込むより濃いダシが取れる

香味野菜(ニンジン、セロリ、タマネギ)を入れ、味と香りをつける。煮込んだ具材を濾過した液を、地鶏のダシ汁として、煮込み汁のベースに使用

◆地鶏とキノコを焼く

切り分けた地鶏に塩コショウで下味をつける

他の部位に比べて大きいモモは、半分に切り分けて大きさのバランスを取る

フライパンの底にオリーブオイルを広げる

フライパンに地鶏を投入し、焼く

向きを変えながら表面に焼き色をつける

地鶏の表面に焼き色がついたら、煮込み鍋に移す

地鶏の脂が残ったフライパンでキノコを炒め、味と香りをなじませる。今回使用するキノコはマイタケ、エノキ、シメジの3種

マイタケは新潟県産を使用

エノキは、国産の野生種を使用

シメジは京都産の大黒本シメジを使用

◆煮込む

地鶏を入れた鍋に白ワインを入れる

白ワインのアルコール分をとばす

白ワイン酢を加える

白ワイン酢は、酢の特産地、イタリア北部エミリア・ロマーニャ州モデナ県で、1891年に創業した老舗メーカー「アドリアーノ・グロソリ」社の「グロソリ・リゼルヴァ」ブランドを使用。ワインを木樽でゆっくり酢酸発酵させる伝統的な製法を用い、発酵後も木樽でじっくり熟成させたリゼルヴァタイプ。豊かな香りと、まろやかな味わいがある

地鶏のダシ汁を加える

フタをして煮込む

炒めたキノコを加える

イタリア栗を加える

ローズマリーを加え、香りをつける

◆仕上げる

ムネ肉は煮込むとパサパサになってしまうため、サッと炒める

炒めたムネ肉をカットし、盛り付けた煮物に添える

煮汁に黒オリーブのオイル漬けと、ケッパーの塩水漬けを入れ、なじませてから煮物と一緒に盛り付ける

黒オリーブはイタリア北部リグーリア州で1870年に創業した老舗オリーブ製品メーカー「アルドイノ」社のオリーブオイル漬けを使用

ケッパーはイタリア産を使用

お召し上がり

栗とキノコ、熊野地鶏の、さっぱり白ワイン酢煮込

◆酸味が心地よい秋の煮込み

煮込んだ地鶏は、柔らかく、滋味深い旨みとコクが、豊かに広がります。

煮込むことで地鶏にしみ込んだ、栗やキノコなどの山の幸の風味が、美味しさを引き立てます。

栗とキノコ、熊野地鶏の、さっぱり白ワイン酢煮込み

真冬の煮込みは濃い煮汁を合わすけれど、白ワイン酢のさっぱりした仕上げに、秋らしさを感じます。

白ワイン酢特有の、まろやかな酸味が、素材の持ち味を引き立てます。

栗とキノコ、熊野地鶏の、さっぱり白ワイン酢煮込み

ラ・ビスボッチャ店内

⚫︎ドルチェ

7.栗とティラミスクリームのどら焼き

栗とティラミスクリームのどら焼き

メニューについて

香ばしい甘みがきわだつ栗は、お菓子でも人気の食材です。

今回は栗の甘露煮を、どら焼きの生地と、ティラミスのクリームに合わせました。

和とイタリアンがかけ合わさった、新感覚の栗の味わいをお楽しみください。

調理

撮影調理:料理人・水谷結

◆どら焼きを焼く

材料をまぜ、どら焼きの生地をつくる。材料は、卵、砂糖、ハチミツ、みりん、マルサラ酒、小麦粉、ベーキングパウダー

どら焼きの生地に入れるマルサラ酒は、シチリア生まれの酒精強化ワイン。防腐のためにアルコールを加えたワインで、アルコール度数は18度。オークの樽で24ヶ月熟成し、木材系とブドウの香りが高く、甘さと酸味が強く、食前酒や食後酒として飲まれる。シチリアで1880年に創業したぺッレグリーノ社の甘口を使用

フライパンに生地を投入して焼く

ひっくり返して反対側からも焼く。外はこんがり、なかはふっくら焼くために、熱伝導率が高い銅製のフライパンを使用。生地に含まれる砂糖が加熱され、コゲ茶色に再結晶化するキャラメリゼを、洋菓子風に強めにつける

◆どら焼きを組み立てる

材料をまぜ、どら焼きに挟む白いクリームをつくる。材料は卵、砂糖、マスカルポーネチーズ

マスカルポーネチーズは、生クリームからつくるクリーム状のフレッシュチーズ。濃厚なミルクの風味と、粘りのある舌ざわりにこだわり、イタリア産を使用。イタリア北部ロンバルディア州で1900年に創業した乳製品メーカー、ザネッティ社製

クリームを絞り、どらやきの生地で挟む

栗の甘露煮を埋め込んで完成

栗の甘露煮は、栗の生育に適した気候風土の面積が広く、世界一の産出量の中国産を使用。茶色い渋皮をつけて甘くに煮たタイプで、柔らかくなった渋皮が甘みをたっぷり含む

お召し上がり

栗とティラミスクリームのどら焼き

◆思いがけない組み合わせの新鮮な甘み

ふっくらしたどら焼きの生地は、ティラミスクリームの素材使いと似て、意外とよくなじみます。

生地に仕込んだ、マルサラ酒の熟成された風味が、大人っぽい仕上がりです。

栗とティラミスクリームのどら焼き

栗の甘露煮は、柔らかく、きめ細かく、粘りがある舌ざわりで、甘さは控えめです。

どら焼き表面の茶色い焼き色の、甘香ばしさと、ほろ苦さがアクセントになります。

ラ・ビスボッチャ店内

8.モンテビアンコ ヴィーガン・バージョン

モンテビアンコ ヴィーガン・バージョン

メニューについて

洋菓子のモンブランのイタリア版が、モンテビアンコです。

栗のクリームを中心にして、白いクリームを雪山のようにトッピングするのがイタリアの伝統です。

今回は、栗のクリームとともに、栗の甘露煮を丸ごと一個入れ、見た目はシンプルながら、栗の味わいは濃厚です。

なおかつ、動物性食品を使わないヴィーガン仕様で、ヘルシーに仕上げました。

調理

メニュー提案・撮影調理:副料理長・露詰まみ

◆台のクッキーを焼く

大きなボウルにクッキーの生地の材料を入れる。材料は、薄力粉、アーモンドプードル、ココナッツオイル、砂糖

材料を混ぜ合わせる

材料がある程度まとまったら、生地を台の上に移して練る

練り上げた生地をクッキングシートで挟み、めん棒で伸ばす

生地を金型で円形にくり抜く

円形にくり抜いた生地を天板に並べ、オーブンで焼く

◆モンティビアンコを組み立てる

作業台の上にクッキーを置く

栗の甘露煮を栗のペーストで包む

栗のペーストで包んだ栗の甘露煮を、クッキーの上にのせる。栗の甘露煮はどら焼きと同じ中国産を使用

ココナッツミルクと砂糖をまぜてつくるクリームをのせる

作業台を回しながら、ナイフでクリームの形を整えて完成

お召し上がり

モンテビアンコ ヴィーガン・バージョン

◆木の実がまとめる素朴な甘さ

白いクリームは、ココナッツの甘い風味と、しっとりした舌ざわりが濃厚です。

台のクッキーは、ボロッと崩れる質感で、栗やクリームをバランスよく引き立てます。

モンテビアンコ ヴィーガン・バージョン

ヴィーガン仕様でヘルシー、ということもありますが、木の実を中心につくることで、素朴な甘みでまとまり、ひとつの味として楽しめます。

モンテビアンコ ヴィーガン・バージョン

暑さ寒さも、彼岸まで。

本格的な秋の訪れを感じたら、

ラ・ビスボッチャの「栗フェア」で、お楽しみください。