SAGRA DEL CINGHIALE 2022
コラム『味と技』第105回
冬に美味しくなる猪の料理を集めた「猪フェア」を、1月24日(月)から2月5日(土)まで開催します。
期間限定メニューが6品登場。多彩なアレンジで極めた猪の滋味豊かな味わいを、冬の元気におすすめします。
監修/料理長・井上裕基
編集・写真・文/ライター 織田城司
Supervised by Yuuki Inoue
Edit・Photo・Text by George Oda
料理長ごあいさつ
猪が好きなもの
ビスボッチャは、1993(平成5)年に開店しました。
コンセプトは、イタリアのトスカーナ州の郷土料理店を、東京でリアルに再現することでした。
トスカーナ州は、丘陵を生かし、牧畜やワインづくりが盛んです。
猪が幸運のシンボルとされ、州都フィレンツェでは、中世の頃から猪の像が建てられ、観光名所になっています。
当店も猪料理を基本にするため、トスカーナ州の料理人を招いてレシピを教わりました。
それ以来、猪が美味しくなる冬になると、フェアを開催しています。
今年のフェアで注目したのは、「猪が好きなもの」です。
猪が好んで食べる、木の実や根菜、青草、果物などを、新鮮なアレンジで添え、猪の美味しさを引き出しました。
山の幸の力強い美味しさを、この機会にぜひご賞味ください。
2022年1月吉日
料理長 井上裕基
猪フェアのメニューに共通する下ごしらえ
猪肉の解体担当:料理人・高部孝太
◆猪肉を半頭で仕入れる
「猪フェア」に使う猪肉は半頭で仕入れ、自店で骨と肉を解体します。部位ごと分け、端材も使い、骨からダシをとり、適材適所でメニューを組み、美味しさを余すことなく、まるごと味わい尽くします。
今回の猪肉は、西日本の丹波山脈に生息する猪を加工した、兵庫県の丹波篠山市から仕入れます。
◆猪のダシ汁をつくる
猪の骨を使ってダシ汁をつくり、調理のベースに使います。
猪肉の解体で取り除いた骨をオーブンで焼く
オーブンで焼いた猪の骨を鍋に入れ、氷を加えて加熱し、ダシを抽出。香味野菜(ニンジン、タマネギ、セロリ)を加え、煮込み、濾過し、猪のダシ汁の完成
⚫︎前菜
1.猪の燻製ハム ルッコラセルバチコ添え
猪の燻製ハム ルッコラセルバチコ添え
メニューについて
猪の濃い旨みやコクを、柔らかくて、しっとりしたハムで味わいます。
猪のモモ肉の一部で、シンタマとよばれる脂身が少なく赤身が多い希少な部位を使います。
3日間かけてじっくり美味しさを引き出し、燻製で香りをつけて仕上げました。
ルッコラセルバチコのすっきりした辛みと苦みが、ハムの美味しさを引き立てます。
調理
メニュー提案・撮影調理 料理人・横田達也
◆1日目 猪肉に下味をつける
猪肉に塩、砂糖、砕いた白コショウを振りかける
数時間置いて味をなじませる
猪肉をパックに入れ、オリーブオイルやローズマリー、ローリエなどを加え、一晩マリネする
◆2日目 低温調理で加熱する
⚫︎低温調理とは
肉を構成するタンパク質の要素のひとつ「アクチン」は、66℃を超えると変成を開始し、肉汁が外に流れ出て、肉質がかたくなります。
このため、肉を66℃未満の熱で長時間加熱し、柔らかく、ジューシーに仕上げる調理法が低温調理です。
猪肉をマリネしたパックを鍋に入れ、水を加え、低温調理クッカーを差し込み、湯の温度を一定に保ちながら長時間加熱する。クッカーはアメリカ製の「アノーバ」ブランドを使用
◆3日目 燻製で香りをつける
鍋底でスモークチップスを加熱。砂糖を入れて加熱を促進する。スモークチップスは埼玉県産を使用。材料の木はサクラ、ナラ、ブナ、クルミ、リンゴ、ヒッコリー、ホワイトオークの7種類
鍋の上に網を置き、猪肉をのせる
ボウルでフタをして、煙を充満させて燻製にする
2分ごとに猪肉の向きを変え、全面に燻製香をつける
燻製したハムを冷まし、スライスする。ルッコラセルバチコやハーブと盛り付け、黒コショウを振りかけて完成
ルッコラセルバチコは千葉県産を使用。ルッコラと同じく、ゴマのような風味と辛み、苦みがある。葉はルッコラよりも細くてギザギザして、味は濃い
お召し上がり
猪の燻製ハム ルッコラセルバチコ添え
◆スモーキーな風味で深まる旨みとコク
肉質は、火がしっかり通っているけれど、生のように柔らかく、ジューシー。繊維がサクサクほどける歯ごたえが心地よく感じます。
一般的な加熱したハムや、生ハムとちがう食感は、低温調理の効果によるものです。
噛みしめると、野生的な風味はほとんどなく、濃い旨みやコクが繊細に広がります。
燻製による木材系のスモーキーな風味が、ハムの美味しさを深めます。
猪の燻製ハム ルッコラセルバチコ添え
猪の燻製ハム ルッコラセルバチコ添え
おすすめのスプマンテ
ワイン監修:料理人兼ホールスタッフ・江川智香
◆ドライで爽やかなスプマンテ
銘柄/ペレル・ミレジム
ワイナリー/フェラーリ
生産地/イタリア北部トレンティーノ・アルト・アディジェ州
ぶどう種/シャルドネ100%
生産年/2015年
きめ細かい泡と、ドライで爽やかな味わい。ディナーのスタートを心地よくするスプマンテです。
香りは、アーモンドの花や、木の実、リンゴなどのニュアンスがあり、ルッコラセルバチコとともに、猪の燻製ハムの美味しさを引き立てます。
「猪の燻製ハム ルッコラセルバチコ添え」にスプマンテ「ペレル・ミレジム」を合わせて
ラ・ビスボッチャ店内
⚫︎パスタ
2.猪のアニョロッティ ゴボウの炭火焼き入り味噌バターソース
猪のアニョロッティ ゴボウ入り味噌バターソース
メニューについて
肉をまろやかに凝縮する詰めものパスタ、アニョロッティ。今回は、猪の挽肉を詰めて味わいます。
ソースは、猪が好む根菜をイメージして、炭火で焼いたゴボウを入れ、和の猪鍋の要素を取り入れ、味噌を加えて仕上げました。
調理
メニュー提案・撮影調理 料理人・老田裕樹
◆アニョロッティの詰めものをつくる
猪肉をカットし、塩で下味をつけ、フライパンにオリーブオイルを広げ、表面を焼く
反対側からも焼き、旨味を封じ込める
香味野菜(ニンジン、タマネギ、セロリ)をカットして入れる
猪肉と香味野菜に白ワインで香りをつけ、鍋に移す
フライパンに猪のダシ汁を入れ、フライパンの底についた肉汁をダシに加え、鍋に移す
猪肉を煮込み、味をつけながら柔らかくする
煮込んだ猪肉をミンチマシーンで挽く
挽肉に塩とコショウ、パルメザンチーズで味をつけて、アニョロッティの詰めものの完成
◆アニョロッティを製麺する
アニョロッティの生地をパスタマシーンで薄く伸ばす。生地は卵黄を増した卵、強力粉、セモリナ粉、オリーブオイル、塩を混ぜ合わせてつくる
生地の上に猪の詰めものを絞り出す
生地に切り込みを入れ、両端から詰めものを丸め込む
詰めものを指でつまみ、等間隔で寄せる
カッターで生地の切り分けと、切り口の接合を同時に行い、中身を密封する
くっつき防止のセモリナ粉を打ち粉として振りかけ、アニョロッティの完成
◆ゴボウの下ごしらえ
ゴボウを炭火で焼く。ゴボウは茨城県産を使用
香ばしさを高めるために、焼き目をつける
アニョロッティとの食べ合わせを考え、同じくらいの大きさにカットする
◆ソースをつくる
フライパンの底に無塩バター、炭火で焼いたゴボウ、白味噌と赤味噌を入れて加熱
白味噌と赤味噌は和歌山県で元禄元年(1688年)に創業した「堀河屋野村」製を使用。昔ながらの手づくりの味噌と醤油の生産を続け、「三ツ星醤油」などで知られる製造元
パスタの茹で汁を加える
ゴムベラで味噌をなじませてソースの完成
◆仕上げる
アニョロッティを茹でる。茹で時間1分40秒
茹で上がったアニョロッティをソースのフライパンに投入
アニョロッティをソースと和え、パルメザンンチーズを混ぜ合わせ、味と香り、とろみをつけて仕上げる
お召し上がり
猪のアニョロッティ ゴボウ入り味噌バターソース
◆じんわり美味しいゴボウと味噌
炭火で焼いたゴボウは、焼き目が香ばしく、噛みしめると繊維がザクザクして、土の風味が香ります。
ゴボウの素朴さが、アニョロッティの柔らかさや、猪の旨みを引き立てます。
味噌バターソースは、ゴボウや猪とよくなじみ、ほっとする美味しさがじんわり広がります。
猪のアニョロッティ ゴボウ入り味噌バターソース
猪のアニョロッティ ゴボウ入り味噌バターソース
ラ・ビスボッチャ店内
3.猪の角切りラグーソースのパッパルデッレ
猪の角切りラグーソースのパッパルデッレ
メニューについて
山の幸が豊富なトスカーナ州の郷土パスタ、パッパルデッレ。
幅広麺で肉のソースをたっぷり味わうのが伝統で、猪肉の合わせも定番です。
今回のソースに使う猪肉は、挽肉ではなく、包丁で角切りにし、ゴロゴロ入れて豪快に味わいます。
調理
メニュー提案・撮影調理 料理人・村澤大
◆パッパルデッレを製麺する
パッパルデッレの生地を練る。生地は卵黄を増した卵、強力粉、セモリナ粉、オリーブ、塩を混ぜてつくる
生地をパスタマシーンに入れやすいようにスライスする
生地をパスタマシーンで薄く伸ばす
伸ばした生地をカットして小分けにする
カットした生地を3枚重ね、三つ折りにする
三つ折りにした状態
折った生地をパッパルデッレの幅にカットする
カットした生地の断面。くっつき防止のセモリナ粉を振りかけてパッパルデッレの出来上がり
◆ソースをつくる
ソースに入れるチョコレートとニンニクをフードプロセッサーで細かくする
チョコレートは1842年にフランスで創業した老舗チョコレートメーカー「カカオバリー」社製を使用。「ファボリット・ミ・アメール58」ブランドのピストール・タイプ(錠剤型)。カカオ分が58%ありながら、ほどよい甘さとすっきりした苦味で、クセのない上品な仕上がり
ニンニクはスペイン産を使用
フライパンにオリーブオイルを広げ、猪肉の表面を焼き、旨味を封じ込め、鍋に移す
フライパンに赤ワインを入れ、底についた肉汁を加え、鍋に移す
猪のダシ汁を入れる
トマトペーストを入れる
トマトペーストはイタリア製を使用
フードプロセッサーで細かくしたチョコレートとニンニクを入れる
炒めた香味野菜(ニンジン、タマネギ、セロリ)のみじん切りを入れる
黒オリーブを入れる
黒オリーブはイタリア北部リグーリア州で1870年に創業した老舗オリーブ製品メーカー「アルドイノ」社のオリーブオイル漬けを使用
煮込んだ猪肉を取り出し、角切りにする
角切りにした猪肉を煮汁に戻し、煮込んでソースの出来上がり
◆仕上げる
パッパルデッレを茹でる
茹で時間4分
フライパンにソースを入れる
茹で上がったパッパルデッレをソースのフライパンに投入
パッパルデッレをソースと和え、パルメザンチーズとローズマリーのみじん切りを混ぜて完成
ローズマリーは長野県産を使用
お召し上がり
猪の角切りラグーソースのパッパルデッレ
◆旨みたっぷりの角切りがゴロゴロ
ソースにゴロゴロ入った猪肉は柔らかく、煮汁のまろやかなコクがしっかりしみて、旨みがきわだちます。
パッパルデッレは薄いながらコシがしっかりしています。フォークとナイフで食べやすい大きさに切り、折りたたんで重ねたり、角切りを丸め込んだり、さまざまな食べ方でソースと合わせて楽しみます。
ローズマリーや黒オリーブなど、強めのアクセントが豪快なパスタをしっかり支えます。
猪の角切りラグーソースのパッパルデッレ
猪の角切りラグーソースのパッパルデッレ
ラ・ビスボッチャ店内
⚫︎メイン
4.猪の骨付きロースの炭火焼き 香草バター添え
猪の骨付きロースの炭火焼き 香草バター添え
メニューについて
猪の野生味を、シンプルな炭火焼きで味わう、伝統の定番料理です。
今回は、香草バターを添え、爽やかなアクセントで、猪の美味しさを引き立てます。
調理
メニュー提案・撮影調理 料理人・高部孝太
◆猪肉の下ごしらえ
猪の塊肉から骨付きロースの部位を切り出し、精肉する
ロースを骨ごとに切り分ける
切り分けた骨付きロースに塩コショウで下味をつける
骨付きロースをバットに入れ、オリーブオイルやローズマリー、タイム、ニンニクを加え、3日間マリネし、肉を柔かくしながら香りをつける
◆香草バターをつくる
香草バターに入れる食材。スペイン産ニンニク、国産のレモン、セージ、タイム
香草をみじん切りにする
香草をボウルに入れ、レモンの絞り汁と、おろしたニンニクを加える
無塩バターと材料を混ぜ合わせて香草バターの出来上がり
◆炭火で焼く
猪の骨付きロースを骨の面から焼き、髄液を肉に浸透させ、コクを増す
炭はオガ炭を使用。製材するときにできるオガ屑を再利用し、圧縮して中空の棒状に固めて焼いた成形炭。特徴は、火付けがよく、火持ちがよく、灰が少なく、煙も少ない。形が一定しているから隙間なく積みやすい。国産木材のみを使う宮崎県の「ひむかのオガ炭」を使用
脂身の面を焼く
側面を焼き、マリネに使ったニンニクとローズマリーを乗せ、香りをつける。脂身にあらかじめ入れた切り込みから余分な脂が落ち、炭火で燃え、立ちのぼる煙が燻製効果になる
猪肉をひっくり返し、反対側からも焼いて完成
お召し上がり
猪の骨付きロースの炭火焼き 香草バター添え
◆香草できわだつ野生味
炭火で焼き上がった猪は、香ばしい風味が食欲をそそります。
噛むと野生の肉の弾力がグイと歯を押し返すけれど、肉質のきめは細かく、噛みしめると濃い旨みが出てきます。
飴色に焼けた脂身は、旨みが凝縮して、猪ならではの美味しさを楽しみます。
香草バターは、油脂分が肉によくなじみ、レモンや香草がふんわり香り、猪の野生味をより美味しくします。
猪の骨付きロースの炭火焼き 香草バター添え
猪の骨付きロースの炭火焼き 香草バター添え
おすすめのワイン
ワイン監修:料理人兼ホールスタッフ・江川智香
◆ジビエに合うトスカーナの赤ワイン
銘柄/ブルネロ・ディ・モンタルチーノ ピアン・デッレ・ヴィーニェ
ワイナリー/アンティノーリ
生産地/イタリア中部トスカーナ州
ぶどう種/サンジョベーゼ・グロッソ100%
生産年/2015年
ぶどうのサンジョベーゼ・グロッソは、ジビエ料理によく合います。
土着の組み合わせの美味しさを、猪の炭火焼きにもおすすめします。
重くて辛いだけでなく、複雑な香りと長い余韻があり、奥行きのある、リッチな味わいです。
「猪の骨付きロースの炭火焼き 香草バター添え」に赤ワイン「ブルネロ・ディ・モンタルチーノ」を合わせて
ラ・ビスボッチャ店内
5.猪のサルシッチャの炭火焼き リンゴのソース ジャガイモとラルド添え
猪のサルシッチャの炭火焼き リンゴのソース ジャガイモとラルド添え
メニューについて
イタリアでサルシッチャとよばれる生ソーセージに猪の挽肉を詰め、炭火で香ばしく焼きます。
一般的には、香草と混ぜて詰めますが、今回は猪肉のみを詰め、ストレートに味わいます。
一緒に添えるリンゴのソースやジャガイモに香草で香りをつけ、コントラストを楽しみます。
調理
メニュー提案・撮影調理 料理人・井上裕基
◆猪の挽肉を腸詰めにする
サルシッチャの挽肉に使う猪肉を、ミンチマシーンに入れやすいようにカットする
カットしたサルシッチャ用の猪肉の部位。左からバラ、モモ、肩ロース
猪肉をミンチマシーンで挽肉にする。粗挽きの大きさは、トスカーナ州の伝統を継承して、粒の食感を楽しむ大粒
挽肉に塩コショウを振りかけて味をつける
腸詰め器の先端に天然の豚腸を取り付ける。直径36㎜の極太タイプ
大粒の挽肉のふっくらした食感にこだわり、手詰めでソフトに腸詰めする
◆リンゴのソースをつくる
リンゴは青森県産の「紅玉」を使用
リンゴの種を取り除き、細かくカットする
リンゴを鍋に入れ、白ワインで煮込む
スターアニスを入れ、香りをつける
クミンシードとローリエを入れ、香りをつける
フタをして煮詰める
鍋底についた香ばしい焦げ目を混ぜ合わせてソースの出来上がり
◆ジャガイモとラルドの下ごしらえ
ジャガイモを洗い、スライスし、塩コショウで下味をつける。ジャガイモは北海道産の新品種「ピルカ」。低温の貯蔵庫で長期熟成して甘味を増したタイプを使用
ジャガイモをフライパンに入れ、オリーブオイルとローズマリーを加え、弱火で加熱する
加熱したジャガイモの表面をサッと焼き、香ばしい香りをつける
ラルドをスライスする
ラルドの塊肉。豚の背脂を塩漬けにして熟成させた食肉加工品でイタリア中部トスカーナ州の「サヴィーニ」社製を使用。高級ブランド豚「チンタセネーゼ」を使い、柔らかさと深い味わいに優れる。納品状態は、熟成に使われた香辛料や香草などに覆われている
◆炭火で焼く
猪のサルシッチャを炭火焼きグリルの焼き網の上で焼く
猪のサルシッチャをひっくり返し、反対側からも焼く
サルシッチャの肉質が安定したら切り離して焼く
方向を変えながら満遍なく火を通し、リンゴのソースやジャガイモ、ラルドと盛り付けて完成
お召し上がり
猪のサルシッチャの炭火焼き リンゴのソース ジャガイモとラルド添え
◆新鮮な組み合わせで味わう猪
炭火でシンプルに焼いたサルシッチャは、猪肉の濃い旨みやコクをストレートに感じます。
猪肉に潤いを加えるラルド、クミンが香るリンゴのソースの甘酸っぱさ、ローズマリーが香るジャガイモの甘みなど、一緒に添えた食材が、猪そのものの味わいを絶妙なバランスで引き立てます。
猪のサルシッチャの炭火焼き リンゴのソース ジャガイモとラルド添え
猪のサルシッチャの炭火焼き リンゴのソース ジャガイモとラルド添え
ラ・ビスボッチャ店内
⚫︎ドルチェ
6.栗のナポレオンパイ
栗のナポレオンパイ
メニューについて
猪が好む木の実をイメージしてつくったお菓子です。
イチゴを使うことが多いナポレオンパイに、栗の甘露煮を使いました。
パイにはさんだクリームも栗味で、カットした栗も入れ、側面につけたアーモンドスライスと好相性です。
栗好きにはたまらない一品です。
調理
メニュー提案・撮影調理 料理人・水谷結
パイ生地を焼く。表面に砂糖を振りかけ、加熱することでキャラメル化させ、香ばしい甘みをつける
パイ生地を3枚重ね、左右の両端を切り落とし、半分にカットする
半部にカットした3枚のパイ生地を広げ、表面にチョコレートを塗る
チョコレート塗ったパイ生地の1枚をバットに敷く
栗のクリームを重ねる。栗のクリームは、栗のペースト、生クリーム、カスタードクリーム、ザバイオーネを混ぜ合わせてつくる
カットした栗の甘露煮を埋め込む
栗の甘露煮は、栗の生育に適した気候風土の面積が広く、世界一の産出量の中国産を使用。茶色い渋皮をつけて甘くに煮たタイプで、柔らかくなった渋皮が甘みをたっぷり含む
チョコレートを塗ったパイ生地を、チョコレートを塗った面を下にして、2層目の底として重ね、上にチョコレートを塗る
栗のクリームを重ねる
カットした栗の甘露煮を埋める
チョコレートを塗ったパイ生地を、チョコレートを塗った面を下にして重ね、上にチョコレートを塗る
砕いたパイ生地をアーモンドスライスと混ぜ合わせ、パイの側面につける
パイの上に生クリームを絞って飾る
中心に栗の甘露煮の半カットを飾って仕上げる
お召し上がり
栗のナポレオンパイ
◆栗の香ばしい甘みが濃厚
トッピング栗の甘露煮は、ねっとりした歯ごたえで、香ばしい甘みが濃厚です。
パイ生地に挟んだ栗味のクリームと、栗の甘露煮のカットが、その味を追いかけます。
栗の脇を固めるホイップクリームやパイ、チョコレート、キャラメルなどは、お菓子の名脇役で、香ばしさのハーモニーでつながりながら、多彩な味と食感で栗を引き立てます。
栗のナポレオンパイ
栗のナポレオンパイ
厳しい寒さが続く日は、
「ラ・ビスボッチャ」の「猪フェア」で、
あたたまって、お楽しみください。