RECOMMENDED SEASONAL MENU APRIL 2026
コラム『味と技』第163回
春のきらめき
4月は、新緑がまぶしく、新生活をはじめた人々が街にあふれ、そよ風がフレッシュに感じます。
そんな季節に美味しく感じるメニューを、12品おすすめします。
監修/料理長・井上裕基
写真・文/ライター 織田城司
Supervised by Yuuki Inoue
Photo・Text by George Oda
◆前菜
1.ブラータチーズと甘夏

ブラータチーズと甘夏
メニューについて
ブラータチーズと味わう季節の食材シリーズ。
4月は、甘夏を合わせておすすめします。

メニュー提案・撮影調理 料理人 戸古臺麻衣香(とこだい・まいか)

甘夏は愛媛県産

ブラータチーズは、イタリア南部プーリア州出身のチーズ職人が、アメリカ・カリフォルニア州でつくる「ディ・ステファノ」社製を使用。放牧牛のミルクを使い、とろりとした食感で、ミルキーな風味と甘み、旨みが濃厚
お召し上がり

ブラータチーズと甘夏
甘夏は、すっきりした酸味が爽快。
その美味しさを、ブラータチーズのミルキーな甘みが引き立てます。

ブラータチーズと甘夏

ブラータチーズと甘夏

ラ・ビスボッチャ店内
2.初ガツオの炙りカルパッチョ サルサヴェルデ

初ガツオの炙りカルパッチョ サルサヴェルデ
メニューについて
4月のカルパッチョは、初ガツオをおすすめします。
表面を炙って香ばしいアクセントをつけ、爽やかなソースを合わせました。
調理

メニュー提案・撮影調理 料理人 田和偉織(たわ・いおり)
◆初ガツオを炭火で炙る

初ガツオの切身に塩とオリーブオイルを振りかけ、下味をつける

炭火で焼く。オリーブオイルを振りかけ、立ちのぼる炎で表面を炙る

面を変え、全面を炙る

冷まし、食べやすい大きさにカットし、ソースやマイクロハーブと盛り付ける
◆ソースをつくる

サルサヴェルデは、イタリアンパセリ、ケッパー、アンチョビ、ニンニク、白ワインビネガー、エキストラヴァージン・オリーブオイルを混ぜてつくる

レフォールソースは、擦りおろしたレフォール、エキストラヴァージン・オリーブオイル、魚醤、塩を混ぜてつくる
お召し上がり

初ガツオの炙りカルパッチョ サルサヴェルデ
初ガツオは、もっちりした食感で、さっぱりした脂と、繊細な旨みを感じます。
その美味しさを、炙ったスモーキーな香り、サルサヴェルデの青々しさ、レフォールソースの爽やかな辛みが引き立てます。

初ガツオの炙りカルパッチョ サルサヴェルデ

初ガツオの炙りカルパッチョ サルサヴェルデ

ラ・ビスボッチャ店内
3.ハマグリとタラの芽のフリット ソラ豆ソース

ハマグリとタラの芽のフリット ソラ豆ソース
メニューについて
春の味覚を、香ばしいフリットと、まろやかなソースに仕立て、合わせました。
調理

メニュー提案・撮影調理 料理人 勝又脩(かつまた・しゅう)

ハマグリは国産を使用

ハマグリを蒸して開き、身を取り出す

ハマグリの身に衣をつける。衣は小麦粉、卵、ビール、塩を混ぜてつくる

タラの芽は山形県産

タラの芽下の硬い部分を取り除く

タラの芽は小麦粉をつけてから衣をつける

サラダ油で揚げる

余分な油を落とし、塩をふりかけ、ソラ豆のソースと盛り付ける

ソラ豆のソースは、下茹でして皮をむいたソラ豆、ニンニクオイル、自家製野菜の出汁、生クリームを混ぜてつくる
お召し上がり

ハマグリとタラの芽のフリット ソラ豆ソース
カラッと揚がったハマグリは、磯の香ばしさがきわだち、まろやかな旨みが凝縮。タラの芽のほろ苦さがコントラストになります。
その美味しさを、ソラ豆ソースのほのかな甘みが引き立てます。

ハマグリとタラの芽のフリット ソラ豆ソース

ハマグリとタラの芽のフリット ソラ豆ソース

ラ・ビスボッチャ店内
4.カルチョーフィ・リピエノのフリット 黒トリュフかけ

カルチョーフィ・リピエノのフリット 黒トリュフかけ
メニューについて
リピエノは詰め物料理の意味。イタリアの春野菜、カルチョーフィにさまざまな具材を詰め、揚げ、多彩な味わいでおすすめします。
調理

メニュー提案・撮影調理 料理人 老田裕樹(おいた・ゆうき)

カルチョーフィはイタリア産
◆詰める

詰め物の食材を集め、フードプロセッサーで撹拌する。食材は、水と白ワインビネガーで下茹でしたカルチョーフィの花芯と茎、炒めたグアンチャーレ、牛乳でふやかしたトスカーナパン、ニンニク、黒トリュフ

撹拌した食材にパルミジャーノ・レッジャーノと塩を合わせ、カルチョーフィのなかに詰める
◆揚げる

カルチョーフィに小麦粉をつける

サラダ油で揚げ、黒トリュフを振りかけて仕上げる
お召し上がり

カルチョーフィ・リピエノのフリット 黒トリュフかけ
揚げたカルチョーフィは、外はパリパリサクサクした食感で、香ばしく、中はしっとりホクホクした食感で、詰め物のクリーミーな食感と一体になり、まろやかな旨みとコクが広がります。
その美味しさを、黒トリュフのウッディな香りが引き立てます。

カルチョーフィ・リピエノのフリット 黒トリュフかけ

カルチョーフィ・リピエノのフリット 黒トリュフかけ

ラ・ビスボッチャ店内
5.アオリイカのブルスケッタ レモン風味

アオリイカのブルスケッタ レモン風味
メニューについて
初夏の産卵を控え、春に栄養をたくわえるアオリイカ。
その美味しさを、シンプルなブルスケッタでおすすめします。
調理

メニュー提案・撮影調理 副料理長 高部孝太(たかべ・こうた)

自家製トスカーナパンを炭火で焼く

アオリイカは千葉県産

アオリイカを部位ごとに解体し、皮をむき、冷凍して殺菌する

アオリイカを細長くカットし、レモンの皮、エキストラヴァージン・オリーブオイル、ニンニクオイル、魚醤などと合わせ、パンの上に盛り付ける
お召し上がり

アオリイカのブルスケッタ レモン風味
アオリイカの食感はねっとりして、歯ごたえは弾力に富み、味わいは、旨みが甘みへと豊かに広がります。
その美味しさをレモンの風味と、パンの香ばしさが引き立てます。

アオリイカのブルスケッタ レモン風味

アオリイカのブルスケッタ レモン風味

ラ・ビスボッチャ店内
◆パスタ&リゾット
6.ウニの冷製カペッリーニ キャビアのせ

ウニの冷製カペッリーニ キャビアのせ
メニューについて
暑い季節のみならず、年中親しまれるようになった冷製カペッリーニ。
4月は、ウニのクリームソースを合わせておすすめします。
調理

メニュー提案・撮影調理 料理人 石川凌(いしかわ・りょう)

ウニは北海道産

ソースをつくる。ウニ、生クリーム、エキストラヴァージン・オリーブオイル、ニンニクオイル、魚醤、塩、黒コショウを混ぜ合わせる

茹で上げたカペッリーニを冷やす

カペッリーニをソースと和え、盛り付け、キャビアをトッピングして仕上げる

キャビアはオセトラ種のチョウザメの卵を塩漬けにしたもの。キャビアのなかでも中粒で、色合いは深緑から濃茶。味わいは上品でコク深い。製品は中国で世界最大の生産量を誇り、世界の一流レストランで使用されているカルーガクイーン社製。ビスボッチャのロゴが入るオリジナル缶を使用
お召し上がり

ウニの冷製カペッリーニ キャビアのせ
ウニと生クリームは相性抜群で、旨みやコクが広がります。
さらに、キャビアでコクが深まり、カペッリーニがすすみます。

ウニの冷製カペッリーニ キャビアのせ

ウニの冷製カペッリーニ キャビアのせ

ラ・ビスボッチャ店内
7.伊勢えびとエウガネイのフェットチーネ

伊勢えびとエウガネイのフェットチーネ
メニューについて
冬に身が大きくなり、春にかけて食べごろになる伊勢えび。
4月の食べ方は、イタリアの春野菜、エウガネイとフェットチーネを合わせておすすめします。
調理

メニュー提案・撮影調理 料理人 老田裕樹(おいた・ゆうき)
◆エウガネイのソースをつくる

エウガネイはイタリア北部ヴェネト州のエウガネイという丘陵のみで自生する野生のアスパラガス

エウガネイのソースをつくる。エウガネイの根に近い硬い部分を炒めてから蒸し煮。ミキサーで撹拌し、生クリーム、塩と混ぜ合わせる
◆仕上げる

伊勢えびは三重県産

フライパンでオリーブオイルとニンニクのみじん切りを加熱し、伊勢えびを殻から焼く

ブランデーを入れる

自家製魚介の出汁を入れる。伊勢えびをひっくり返し、肝の味を煮汁に混ぜる

エウガネイ先端の柔らかい部分を入れ、ソースに馴染ませる。伊勢えびを取り除き、皿に盛り付ける

茹で上げたフェットチーネをソースと和える

エウガネイのソースとパルミジャーノ・レッジャーノを混ぜ合わせて仕上げる
お召し上がり

伊勢えびとエウガネイのフェットチーネ
伊勢えびとクリームソースは好相性。
エウガネイ味で仕立てたクリームソースは、青々しさに春らしさを感じます。
ソースの具材に入るエウガネイは旨みが濃く、ソースの味を追いかけ、伊勢えびの旨みとコントラストになります。

伊勢えびとエウガネイのフェットチーネ

伊勢えびとエウガネイのフェットチーネ

ラ・ビスボッチャ店内
8.和牛とインゲンのパッパルデッレ

和牛とインゲンのパッパルデッレ
メニューについて
肉料理が盛んなイタリア中部トスカーナ州で生まれた幅広パスタ、パッパルデッレ。
4月は、和牛のラグーとインゲンを合わせておすすめします。
調理

メニュー提案・撮影調理 料理人 迫田温人(さこた・はると)
◆和牛ラグーをつくる

和牛は鹿児島県産「薩摩牛」を使用。部位は赤身のヒモ肉

カットしたヒモ肉をオリーブオイルで炒め、表面に焼き色をつけ、旨みを封じ込める

鍋に和牛と自家製トマトソース、赤ワイン、炒めた香味野菜のみじん切りを入れ、煮込んで和牛ラグーの出来上がり
◆仕上げる

インゲンは千葉県産

下茹でしたインゲンにオリーブオイルを振りかけ、炭火で焼く

自家製和牛ラグー、アラビアータソース、炭火で焼いたインゲンを合わせてソースをつくる

茹で上げたパッパルデッレをソースと和える

パルミジャーノ・レッジャーノ、イタリアンパセリを混ぜ合わせて仕上げる
お召し上がり

和牛とインゲンのパッパルデッレ
ソースにごろっと入る大粒の和牛は、ほろっと崩れる柔らかさで、赤身の旨みが濃厚です。
インゲンのホクホクした食感と青々しさがアクセントです。

和牛とインゲンのパッパルデッレ

和牛とインゲンのパッパルデッレ

ラ・ビスボッチャ店内
9.イチゴのリゾット キャビアのせ

イチゴのリゾット キャビアのせ
メニューについて
イタリアの定番メニュー、リゾット。イチゴの季節には、イチゴのリゾットも人気のメニューになります。
今年は、キャビアをトッピングしておすすめします。
調理

メニュー提案・撮影調理 料理長 井上裕基(いのうえ・ゆうき)

イチゴは高級ブランドイチゴ「完熟クラフト苺『BERRY』(ベリー)」を使用。三重県伊賀市で2017年に創業した遊士屋株式会社が手がけるブランド。伊賀市の霧が多く、日光が届きにくい環境を生かし、他の産地より長い期間をかけて大粒で栄養素が凝縮したイチゴを生産している

イチゴのへたを水から加熱し、イチゴの香りをつける

リゾット米、無塩バター、自家製鶏の出汁を入れ、煮込む

リゾット米は、大粒で煮崩れしにくいイタリア産のリゾット用品種カルナローリを使用。イタリア北部ピエモンテ州の米処ヴェルチェッリ県で1935年からリゾット用の米をつくり続ける「ロンドリーノ」社のブランド米「アクエレッロ」

バターはイタリア北部ピエモンテ州の「ベッピーノ・オッチェリ」ブランド。バター職人、ベッピーノ・オッチェリ氏が1976年から手がけるブランドで、無塩バターは昔ながらの手しごとでつくる。クリーミーで舌にのせるとサッと溶け、ミルクの風味が濃厚で、エレガントな甘みとコクがある。後味は軽めで、あっさりしている。英国王室御用達にも選ばれている

イチゴを入れて煮込み、つぶす

パルミジャーノ・レッジャーノを混ぜ合わせる

パルミジャーノ・レッジャーノは、イタリア北部エミリア・ロマーニャ州で1877年に創業した乳製品メーカーの老舗「アウリッキオ」社製。一年中干草のみを与えた牛の濃いミルクからつくるチーズは甘みと熟成感のバランスがよい

薄く切ったイチゴと、キャビアをトッピングして仕上げる
お召し上がり

イチゴのリゾット キャビアのせ
リゾットで加熱されたイチゴは、フルーティな香りが、驚くほど強く香ります。
イチゴと乳製品は好相性。リゾットのバターやチーズが、イチゴとリゾット米、キャビアの味をつなげ、キャビアのコクがイチゴの甘みを引き立てます。

イチゴのリゾット キャビアのせ

イチゴのリゾット キャビアのせ

ラ・ビスボッチャ店内
◆メイン
10.マダイとハマグリのヴァポーレ

マダイとハマグリのヴァポーレ
メニューについて
ヴァポーレは蒸し料理の意味。
4月は、マダイとハマグリをクリーミーなソースで蒸しておすすめします。
調理

メニュー提案・撮影調理 副料理長 高部孝太(たかべ・こうた)
◆グリーンオイルをつくる

栃木県産のクレソンを使用

クレソンとエキストラヴァージン・オリーブオイルをミキサーで撹拌した後、ビニール袋に入れ、水分と油分を分離。ハサミでビニール袋の底をカットし、水分のみを放流

ビニール袋に残った油分のみを集め、グリーンオイルの出来上がり
◆蒸す

マダイの切身に塩、黒コショウ、オレガノを振りかける。下茹でしたレタス、グアンチャーレで包む

白ワインで蒸し、ハマグリが開いたら取り除く

牛乳、ウイキョウのピューレを入れる

無塩バターを入れる。ハマグリをソースと馴染ませ、盛り付け、グリーンオイルを振りかけて仕上げる
お召し上がり

マダイとハマグリのヴァポーレ
マダイやハマグリ、レタスは蒸すことで、素材の味が引き出され、蒸し汁の中で一体になり、優しく、まろやかな味わいが広がります。
その美味しさを、グリーンオイルの青々しさが、春らしいアクセントで引き立てます。

マダイとハマグリのヴァポーレ

マダイとハマグリのヴァポーレ

ラ・ビスボッチャ店内
◆付け合わせ
11.インゲンのバターソテー ミント風味

インゲンのバターソテー ミント風味
メニューについて
メインの料理の付け合わせに、インゲンのバターソテーをおすすめします。
新緑の季節感を高めるために、ミントの葉を合わせました。
調理

メニュー提案・撮影調理 料理人 戸古臺麻衣香(とこだい・まいか)

下茹でしたインゲンを無塩バターで炒める

ミントの葉を合わせて仕上げる
お召し上がり

インゲンのバターソテー ミント風味
バターで炒めたインゲンは、ホクホクした食感で、青々しさ、甘み、旨みをバランスよく感じます。
合わせたミントの香りは爽やかで、ほろ苦さもあり、インゲンの味わいを深め、メインの肉料理を引き立てます。

インゲンのバターソテー ミント風味

インゲンのバターソテー ミント風味

ラ・ビスボッチャ店内
◆ドルチェ
12.カンパリとブラッドオレンジ・クリームのエクレア

カンパリとブラッドオレンジ・クリームのエクレア
メニューについて
爽やかな季節に美味しく感じる、酸味をアクセントにしたエクレアです。
カンパリの苦味を効かせ、大人っぽい味に仕上げました。
調理

メニュー提案・撮影調理 料理人 村澤大(むらさわ・だい)

ブラッドオレンジは愛媛県産

カンパリは1860年代にイタリア北部の都市ミラノで生まれた、ハーブやスパイス、フルーツなどからつくる、苦みがきいたリキュール。食前酒のカクテルなどで親しまれている

ブラッドオレンジのコンポートをつくる。ブラッドオレンジを水、砂糖、カンパリで煮込む

クリームをつくる。カンパリ、ブラッドオレンジの皮と果汁、カスタードクリーム、生クリーム、砂糖を混ぜ合わせる

生地を半分にカットし、上部はホワイトチョコレートとブラッドオレンジをトッピング。下部はクリームを重ねて仕上げる
お召し上がり

カンパリとブラッドオレンジ・クリームのエクレア
クリームは、ミルキーな甘みの中に、ブラッドオレンジの甘酸っぱさ、カンパリのほろ苦さを感じます。
その美味しさを、トッピングのブラッドオレンジのコンポートが追いかけます。

カンパリとブラッドオレンジ・クリームのエクレア

カンパリとブラッドオレンジ・クリームのエクレア
4月のディナーは、
ラ・ビスボッチャの、季節のおすすめメニューで、
お楽しみください。