季節のおすすめメニュー11月 2022

RECOMMENDED SEASONAL MENU NOVEMBER 2022

コラム『味と技』第117

深まる秋

11月は、豊かに実った果物や野菜、あたたかい料理に、深まる秋と、冬の訪れを感じます。そんな季節の美味しさを集めて、13品おすすめします。

監修/料理長・井上裕基

写真・文/ライター 織田城司
Supervised by Yuuki Inoue    
Photo・Text  by George Oda

⚫︎前菜

1.ブラータチーズと早生ミカンのサラダ

ブラータチーズと早生ミカンのサラダ

メニューについて

ブラータチーズのサラダで味わう、季節の食材シリーズです。

11月の一品目は、早生ミカンを合わせ、ローズマリーのみじん切りをふりかけて仕上げました。

メニュー提案 撮影調理 料理人・横田達也

早生ミカンは和歌山県産を使用

ブラータチーズは、イタリア南部プーリア州のチーズ職人が、アメリカ・カリフォルニア州でつくる「ディ・ステファノ」社製を使用。放牧牛のミルクを使い、とろりとした食感で、ミルキーな風味と甘み、旨みが濃厚

お召し上がり

ブラータチーズと早生ミカンのサラダ

◆爽やかな甘み

空気が乾燥してくる季節に美味しく感じるミカン。なかでも早生ミカンのジューシーな果肉は、甘みが爽やかで、酸味は控えめ。

ローズマリーの香りとブラータチーズのミルキーな甘みが、早生ミカンの若々しい味わいを引き立てます。

ブラータチーズと早生ミカンのサラダ

ブラータチーズと早生ミカンのサラダ

ラ・ビスボッチャ店内

2.ブラータチーズと焼きリンゴのサラダ

ブラータチーズと焼きリンゴのサラダ

メニューについて

ブラータチーズのサラダで味わう、季節の食材シリーズです。

11月の二品目は、リンゴを焼いて合わせました。

メニュー提案 撮影調理 料理人・村澤大

焼きリンゴに使うリンゴは、日本最大のリンゴの産地、青森県の「紅玉(こうぎょく)」種を使用。果肉が緻密で、加熱しても形崩れしにくいことから製菓に適する。太陽の光をうけて養分をつくる葉を取らずに栽培するため、リンゴの表面に色ムラができ、一般の店頭には出ないが、味はギュッと凝縮している

リンゴの芯をくり抜く

リンゴをオーブンで加熱する

お召し上がり

ブラータチーズと焼きリンゴのサラダ

◆甘酸っぱさが濃縮

甘味料や香料を加えずに加熱したリンゴは、自然の甘酸っぱさが濃縮。

ブラータチーズのミルキーな甘みが焼きリンゴの美味しさを引き立てます。

ブラータチーズと焼きリンゴのサラダ

ブラータチーズと焼きリンゴのサラダ

ラ・ビスボッチャ店内

3.寒サワラの炙りカルパッチョ イタリアンパセリのソース

寒サワラの炙りカルパッチョ イタリアンパセリのソース

メニューについて

前菜の定番メニュー、鮮魚のカルパッチョ。

11月は、冬の産卵のために栄養をたくわえ、脂がのった寒サワラを炙りました。

イタリアンパセリのソースを合わせ、青々しさをアクセントです。

調理

メニュー提案 撮影調理 料理人・横田達也

◆サワラをさばく

寒サワラは一匹で仕入れ、自店でさばく。今回は福岡県産を使用

頭とヒレを取り除く

背骨を取り除く

身に残った小骨を取り除く

◆サワラを炭火で炙る

寒サワラの切り身に塩、コショウ、オリーブオイルで下味をつける

炭火で皮目から炙る

皮は炭火を直接つけて香ばしく仕上げる

◆仕上げる

ソースに使うイタリアンパセリを刻む

ポッドにイタリアンパセリのみじん切り、エキストラヴァージン・オリーブオイル、白ワイン酢、アンチョビ、ニンニク、ケッパーの実などを入れ、ミキサーで混ぜ、ソースの出来上がり

エキストラヴァージン・オリーブオイルは、オリーブの特産地、イタリア南部プーリア州の「ディサンティ」社製を使用。青々しい香りが豊かで、辛みはマイルド

白ワイン酢は、酢の特産地、イタリア北部エミリア・ロマーニャ州モデナ県で、1891年に創業した老舗メーカー「アドリアーノ・グロソリ」社の「グロソリ・リゼルヴァ」ブランドを使用。ワインを木樽でゆっくり酢酸発酵させる伝統的な製法を用い、発酵後も木樽でじっくり熟成させたリゼルヴァタイプ。豊かな香りと、まろやかな味わいがある

フルーツトマトのヘタを取り除き、皮を湯むきし、みじん切りにし、マイクロハーブとともにトッピングに使う

お召し上がり

寒サワラの炙りカルパッチョ イタリアンパセリのソース

◆繊細な旨みが濃厚

サワラの舌ざわりはサラッとしながら、脂がのった重みを感じ、食べごたえがあり、旨みは繊細です。

炙った皮の香ばしさと、ソースやトッピングの爽やかさがアクセントになります。

寒サワラの炙りカルパッチョ イタリアンパセリのソース

寒サワラの炙りカルパッチョ イタリアンパセリのソース

ラ・ビスボッチャ店内

4.ツブ貝とヤリイカ、プンタレッラのサラダ

ツブ貝とヤリイカ、プンタレッラのサラダ

メニューについて

イタリアの冬野菜、プンタレッラを使ったシーフードサラダです。

プンタレッラの特産地ラッツィオ州の州都、ローマで定番の合わせ、アンチョビ・ドレッシングで仕上げました。

調理

メニュー提案 撮影調理 料理人・老田裕樹

ツブ貝を茹でる。ツブ貝は北海道産を使用

ヤリイカを茹でる。ヤリイカは青森県産を使用

ツブ貝の身を取り出す

ツブ貝の身を食べやすい大きさにカットする。肝もサラダに入れる

イタリア産のプンタレッラ

プンタレッラの茎をばらし、薄くスライスする

スライスしたプンタレッラのアクを抜くため、レモン水に浸ける

具材をアンチョビ・ドレッシングと和えて完成。アンチョビ・ドレッシングは、アンチョビペースト、ニンニクで香りをつけたオリーブオイル、エキストラヴァージン・オリーブオイル、赤ワイン酢、塩を混ぜてつくる

お召し上がり

ツブ貝とヤリイカ、プンタレッラのサラダ

◆まろやかな苦味

プンタレッラの緑の部分はカリカリして、ほろ苦く、白い部分はザクザクして、ほのかな旨みを感じます。

ヤリイカとツブ貝の歯ごたえは弾力がしっかりして、噛むほどに香ばしい旨みが出てきます。

ツブ貝の肝の苦味はまろやかで、サラダのおつまみ感を増し、ワインがすすみます。

ツブ貝とヤリイカ、プンタレッラのサラダ

ツブ貝とヤリイカ、プンタレッラのサラダ

ラ・ビスボッチャ店内

5.的矢の牡蠣のムニエル 奥伊勢サフランソース

的矢の牡蠣のムニエル 奥伊勢サフランソース

メニューについて

三重ブランド「的矢の牡蠣」を、バターたっぷりのムニエルで仕立てました。

合わせるソースは、奥伊勢のサフランで色と香りをつけています。

※的矢の牡蠣を使ったメニューの提供は11月中旬以降になる予定です。あらかじめご了承ください。

※写真は岩牡蠣を使用していますが、11月の展開は真牡蠣になります。

◆的矢の牡蠣とは

三重県志摩市の的矢湾で生産される牡蠣です。

的矢湾は、山の養分をたっぷり含んだ川の水が海中に流れ込み、良質な牡蠣が早く育つことから、1928年に牡蠣の養殖がはじまりました。

的矢の牡蠣の身は柔らかく、ふっくら。味わいは、甘み、旨み、塩気のバランスがよく、牡蠣特有のえぐみや苦み、臭みはほとんど感じません。

その美味しさから的矢の牡蠣は、松阪牛や伊勢えび、熊野地鶏、真珠など、数十品とともに、三重県の優れた産物と生産者を認定する「三重ブランド」に選ばれています。

調理

メニュー提案 撮影調理 料理長・井上裕基

◆牡蠣の下ごしらえ

岩牡蠣を蒸して開き、身を殻からはがす

岩牡蠣の身を集める。殻を開くときに生じた汁を集め、調理の出汁に加える

◆奥伊勢サフランソースをつくる

自家製魚の出汁を加熱し、牡蠣汁を加える

奥伊勢サフランを加え、色と香りをつける

奥伊勢サフランは、奥伊勢とよばれる三重県松坂市の山間部、飯高地域で育てられたサフラン

汁を煮詰め、無塩バターでとろみと風味をつけて奥伊勢サフランソースの出来上がり

◆牡蠣を焼いて仕上げる

フライパンで無塩バターを加熱し、薄力粉をまぶした岩牡蠣を焼く

岩牡蠣の向きを変えながら、低温でじっくり中まで加熱する

殻に岩牡蠣を盛りつけ、ソテーした後のバターを注ぐ

奥伊勢サフランソースを振りかけ、マイクロハーブをトッピングする

仕上げに使うマイクロハーブ。三重県多気町で塩水で育てたアマランサス

お召し上がり

的矢の牡蠣のムニエル 奥伊勢サフランソース

◆香ばしさと、しっかりした旨み

牡蠣の身はふっくらして、歯ごたえに弾力があります。

味わいは、しっかりした旨みを中心に、甘みや塩気、コクが広がり、飽きない美味しさです。

サフランソースの華やかな色と香り、バターと小麦粉の香ばしさ、マイクロハーブの青々しさが、牡蠣の美味しさを引き立てます。

的矢の牡蠣のムニエル 奥伊勢サフランソース

的矢の牡蠣のムニエル 奥伊勢サフランソース

ラ・ビスボッチャ店内

6.白インゲン豆と黒キャベツ入り牛モツ煮込み

白インゲン豆と黒キャベツ入り牛モツ煮込み

メニューについて

寒くなる季節の定番料理の煮込み。

11月の一品目は、フィレンツェ風の牛モツ煮込みをおすすめします。

今回使う牛モツは、国産牛のハチノス(第2胃袋)、センマイ(第3胃袋)、ギアラ(第4胃袋)の3種。

合わせる野菜は、フィレンツェに多い白インゲン豆と黒キャベツをメインに仕上げました。

◆フィレンツェのソウルフード、牛モツ煮込み

フィレンツェのヴェッキョ橋の夜景

フェレンツェの店頭に見る日本語のもつ煮表記

イタリアでは古代より王侯貴族の華やかな食事の陰で、庶民はモツの食べ方に工夫を重ねてきました。そのひとつが煮込みです。

特に、牛肉の特産地のフィレンツェでは、牛モツ煮込みがソウルフードになり、観光ガイドブックに掲載されています。

街角では日本人観光客向けに「モツ煮込み」と日本語で書いた看板を掲げる料理店を多く見かけます。

日本人がモツ煮込み好きと思われていることと、イタリア人のサービス精神を感じます。

ビスボッチャの牛モツ煮込みは、本場の味を再現するために2009年、フィレンツェの牛モツ煮込みの屋台出身で、ヴェッキョ橋の近くて内臓系料理の路面店「イル・マガッツィーノ」を開業したシェフ、ルカ・カイさんを招聘して、直接教えていただいたレシピを生かしています。

調理

メニュー提案 撮影調理 料理人・老田裕樹

◆牛モツの下ごしらえ

牛モツを野菜と一緒に下茹でし、臭みを取りながら柔らかくする。ギアラは下茹でして表面のぬめりを洗い落としてから再度茹でる

下茹でした牛モツを細かくカットする。右はハチノス、左手前の黒っぽいモツはセンマイ、左奥はギアラ

◆煮込む

鍋でグアンチャーレの細切りを炒め、オリーブオイルに香りをつける

グアンチャーレとその断面。豚のホホ肉を塩漬けにして熟成させたもので、イタリア中部マルケ州の「トマッソーニ」社製を使用

野菜を炒める。黒キャベツやニンジン、タマネギ、セロリ、ズッキーニなど

イタリア産の黒キャベツ。フィレンツェを州都とするトスカーナ州の冬の特産物

細かくカットした牛モツを入れる

牛モツを下茹でした汁を入れ、煮込む

あらかじめ茹でた白インゲン豆を小鍋に取り出す

白インゲン豆はイタリア産の乾燥タイプを茹でる

小鍋に煮込んだ牛モツを一人前入れ、白インゲン豆と混ぜながら加熱して盛り付ける

お召し上がり

白インゲン豆と黒キャベツ入り牛モツ煮込み

◆優しい旨みと甘み

牛モツは歯ごたえが心地よく、ハチノスはシャキシャキ、センマイはコリコリ、ギアラはトロトロで、バリエーションを楽しみます。

牛モツの臭みはなく、味わいは淡白で、たっぷり煮込んだ野菜の優しい旨みと甘みがきわだち、あたたまります。

白インゲン豆と黒キャベツ入り牛モツ煮込み

白インゲン豆と黒キャベツ入り牛モツ煮込み

ラ・ビスボッチャ店内

7.ラディッキオ・プレコーチェの炭火焼き

ラディッキオ・プレコーチェの炭火焼き

メニューについて

イタリアの冬野菜の炭火焼きです。

ラディッキオはイタリアで「冬の花」とよばれ、イタリア北部ヴェネト州トレヴィーゾ県が特産地です。プレコーチェとつくのは早生の意味です。

前菜や、メインの料理の付け合わせにおすすめします。

調理

メニュー提案 撮影調理 料理人・高部孝太

イタリアン産のラディッキオ・プレコーチェ

ラディッキオ・プレコーチェを4分の1の大きさにカットする

炭火で焼く

ひっくり返し、反対側も炭火で焼いて完成

お召し上がり

ラディッキオ・プレコーチェの炭火焼き

◆スモーキーなほろ苦さ

紫色の葉の部分は香ばしく焼け、サクサクの食感で、スモーキーなほろ苦さを感じます。

白い部分はしっとりして、ほのかな甘みや旨みがあり、飽きない味わいです。

ラディッキオ・プレコーチェの炭火焼き

ラディッキオ・プレコーチェの炭火焼き

ラ・ビスボッチャ店内

8.イタリア産ニンジンのバターソテー

イタリア産ニンジンのバターソテー

メニューについて

爽やかな香りと甘みが特徴のイタリア産ニンジンをバターソテーで仕立てました。

前菜や、メインの料理の付け合わせにおすすめします。

調理

メニュー提案 撮影調理 料理長・井上裕基

イタリア産のニンジン

オーブンで加熱する

ニンジンを輪切りにし、バターで炒めて完成

お召し上がり

イタリア産ニンジンのバターソテー

◆甘みが凝縮

加熱したニンジンはホクホクした歯ごたえです。

味わいは、加熱で甘みが凝縮して、バターの風味が美味しさを引き立てます。

イタリア産ニンジンのバターソテー

イタリア産ニンジンのバターソテー

ラ・ビスボッチャ店内

⚫︎パスタ&リゾット

9.マダコとカブのオレキエッテ カブの葉ソース

マダコとカブのオレキエッテ カブの葉ソース

メニューについて

冬に美味しくなるマダコとカブを、イタリア語で耳たぶを意味するオレキエッテというショートパスタに合わせました。

マダコの煮汁やカブの葉でつくるソースでコクを深めて仕上げました。

調理

メニュー提案 撮影調理 料理人・水谷結

◆オレキエッテを製麺する

オレキエッテは自家製生パスタで製麺。生地は卵白、ぬるま湯、オリーブオイル、小麦粉、セモリナ粉、塩を混ぜてつくる

小さくカットした生地をナイフの先で押し広げながら手前に引く

生地を親指の先に乗せ、ナイフで反転させてつくる

◆マダコの下ごしらえ

マダコは茨城県産を使用

鍋でオリーブオイルを加熱し、赤唐辛子とニンニクで味と香りをつける

マダコの内臓を取り除き、表面を洗ってから鍋に入れる

マダコの表面を炒め、白ワインを入れ、フタをして蒸し煮にする。水を入れず、マダコから出る水分のみを使い、味を凝縮する

加熱したマダコをオレキエッテと同じくらいの大きさにカットする

◆カブの葉のペーストをつくる

カブの葉をカットする

カブは千葉県産を使用

カブの葉を茹でる

茹でたカブの葉をミキサーで撹拌。オリーブオイルを入れ、ペースト状にする

◆仕上げる

オレキエッテを茹でる。茹で時間4分。彩りにトッピングするカブの葉も一緒に茹でる

ソースのフライパンにオリーブオイル、ニンニク、赤唐辛子、スライスしたカブを入れ、加熱する

マダコと自家製野菜の出汁を加える

マダコの煮汁を加える

カブの葉のペーストを加える

茹で上がったオレキエッテとカブの葉をソースのフライパンに投入

イタリアンパセリのみじん切りやエキストラヴァージン・オリーブオイルを加えて完成

お召し上がり

マダコとカブのオレキエッテ カブの葉ソース

◆濃いコクを楽しむ

具材はすべてオレキエッテと同じくらいの大きさで食べやすく、マダコはしっかりした歯ごたえのなかに香ばしい旨みを感じます。

ソースはマダコの煮汁やカブ、ミニトマトなどから出る旨みやコクが一体となり、濃厚です。

もっちりした食感のオレキエッテのくぼみにはソースがたっぷり絡み、タコとカブの好相性を堪能します。

マダコとカブのオレキエッテ カブの葉ソース

マダコとカブのオレキエッテ カブの葉ソース

ラ・ビスボッチャ店内

10.的矢の牡蠣と青のりのリゾット

的矢の牡蠣と青のりのリゾット

メニューについて

寒くなる季節に美味しく感じる、牡蠣とお米の合わせ。

11月は、リゾットで仕立て、青のりを加えて美味しさを引き立てました。

※的矢の牡蠣を使ったメニューの提供は11月中旬以降になる予定です。あらかじめご了承ください。

調理

メニュー提案 撮影調理 料理人・江川智香

あらかじめ加熱し、小さくカットした牡蠣を鍋に入れ、表面を炒める

リゾット米を入れ、出汁を入れて炊く。出汁は自家製で、魚やイカの肝、アンチョビなどからつくる

米は、煮崩れしにくいイタリア産のリゾット用品種を使用。イタリア北部ピエモンテ州の米処ヴェルチェッリ県で1935年からリゾット用の米をつくり続ける「ロンドリーノ」社のブランド米「アクエレッロ」

バターと青のりを入れ、味と香りをつける。青のりは静岡県産の生タイプを使用

パルミジャーノ・レッジャーノとエキストラヴァージン・オリーブオイルを加え、味と香り、とろみをつける

リゾットと同時に仕上がるように炒めた牡蠣のムニエルをトッピングして完成

お召し上がり

的矢の牡蠣と青のりのリゾット

◆青のりで引き立つ濃厚な旨み

牡蠣の濃厚な旨みは、大粒のリゾット米の香ばしさや甘み、旨みと好相性です。

その好相性を、リゾット米に混ぜたバターやチーズ、青のりの風味が引き立てます。

的矢の牡蠣と青のりのリゾット

的矢の牡蠣と青のりのリゾット

ラ・ビスボッチャ店内

⚫︎メイン

11.フランス産仔牛のオッソブーコ

フランス産仔牛のオッソブーコ

メニューについて

寒くなる季節の定番料理の煮込み。

11月の二品目は、イタリア語で骨の穴を意味する、牛スネ肉の煮込みをおすすめします。

オッソブーコはミラノが発祥とされ、輪切りにしたスネ肉の骨の髄液がとろけて陥没し、煮汁に染み出した姿が料理名になりました。

今年はフランス産の仔牛のスネ肉を使い、若々しい旨みを、白ワインベースのソースで引き立てました。

調理

メニュー提案 撮影調理 料理人・江川智香

◆牛スネ肉を焼く

牛スネ肉の輪切りに小麦粉を振りかける

フライパンにオリーブオイルを広げ、加熱する

フライパンに牛スネ肉を投入して炒める

牛スネ肉をひっくり返し、反対側も炒める。表面を香ばしく仕上げながら旨みを封じ込める

◆牛スネ肉を煮込む

表面に焼き色をつけた牛スネ肉を鍋に移す

牛スネ肉を炒めたフライパンに水を入れ、加熱し、フライパンの底についた肉汁を取り込みながら鍋に入れる

自家製鶏の出汁を加える

炒めた香味野菜(ニンジン、セロリ、タマネギ)を加える

フタをして煮込む

◆仕上げる

鍋に一人前の煮汁を取り出し、香りをつける。香りをつける材料は、ローズマリーとイタリアンパセリのみじん切り、レモンの皮、オレンジの皮の4種

バターをトッピングして完成

バターはイタリア北部ピエモンテ州の「ベッピーノ・オッチェリ」ブランド。バター職人、ベッピーノ・オッチェリ氏が1976年から手がけるブランドで、発酵無塩バターは昔ながらの手しごとでつくる。クリーミーで舌にのせるとサッと溶け、ミルクの風味が濃厚で、エレガントな甘みとコクがある。後味は軽めで、あっさりしている。英国王室御用達にも選ばれている

お召し上がり

フランス産仔牛のオッソブーコ

◆優しい旨みとコク

煮込んだオッソブーコの肉は、噛みしめるとサクサクほどけ、優しい旨みを感じます。

野菜たっぷりの煮汁は甘みがありながら、骨の髄液が溶け出したコクもあり、繊細な味わいが奥深く広がります。

フランス産仔牛のオッソブーコ

フランス産仔牛のオッソブーコ

おすすめのワイン

白ワイン「シャルドネ」

◆エレガントな辛口白ワイン

銘柄/シャルドネ
ワイナリー/メロイ
生産地/イタリア北部フリウリ・ヴェネツィア・ジュリア州
ぶどう種/シャルドネ100%
生産年/2017年

香りは、レモンやオレンジ、リンゴ、白桃などを感じさせるフルーティな香りにオーク樽のニュアンスが加わります。

口あたりは心地よく、酸味は爽やか。エレガントな辛口は、仔牛の繊細な味わいにちょうどよく合います。

白ワイン「シャルドネ」を「フランス産仔牛のオッソブーコ」に合わせて

ラ・ビスボッチャ店内

12.黒ニンニク入りピリ辛ソーセージの炭火焼き

黒ニンニク入りピリ辛ソーセージの炭火焼き

メニューについて

暑くても、寒くても、食べたくなる辛い料理。

11月は、自家製生ソーセージをピリ辛味で仕立て、炭火で焼いておすすめします。

調理

メニュー提案 撮影調理 料理人・高部孝太

◆腸詰めをつくる

国産の豚肉をミンチマシーンに入れやすいようにカットする。肩や腕、バラ、モモなどを使い、挽肉にしながら赤身と脂身をほどよくブレンドする

挽肉は大粒の粗挽きにする

辛味ペーストをつくる。オリーブオイルと赤唐辛子、ンドゥイヤを加熱しながら混ぜる

ンドゥイヤはイタリア南部カラブリア州で伝統的につくられている豚ひき肉と唐辛子にオリーブオイルを混ぜたペースト。あまり辛くなく豚肉の旨みがぎゅっと詰まっている。同地で1984年に創業した「マデオ」社製を使用

挽肉に塩、コショウ、辛味ペーストを加える

黒ニンニクを加える

黒ニンニクは一般的な白ニンニクを熟成・発酵させたもの。ニオイが軽減し、ドライフルーツのような食感に変化し、甘みと栄養価がアップする。青森県産を使用

スカモルツァチーズのみじん切りを加える

スカモルツァチーズは保存用に水分を少なくして燻製にしたチーズ。加熱するともっちりした食感になることから、加熱して食べることが人気になったチーズ。イタリア北部トレンティーノ・アルト・アディジェ州で1957年に創業した「アバシャーノ」社製を使用

材料を混ぜ合わせる

挽肉を直径36㎜の極太の天然豚腸に、手でふっくらと詰める

◆生のまま炭火で焼く

生のソーセージを炭火焼きグリルで焼く。遠赤外線効果で挽肉の肉汁が沸騰し、ソーセージ内を循環しながら、味をつけていく

ひっくり返して反対側からも加熱。滴り落ちる肉汁が炭火で燃え、立ち昇る煙が燻製効果となってソーセージの香ばしい香りをつける

お召し上がり

黒ニンニク入りピリ辛ソーセージの炭火焼き

◆まろやかな辛み

大粒の挽肉に混ぜた黒ニンニクや辛味ペーストの味と香りはまろやかで、主張しすぎることなく、豚肉の旨みをほどよく引き立て、食欲がすすみます。

とろけたスカモルツァチーズのミルキーな旨みがアクセントになります。

黒ニンニク入りピリ辛ソーセージの炭火焼き

黒ニンニク入りピリ辛ソーセージの炭火焼き

ラ・ビスボッチャ店内

⚫︎ドルチェ

13.タルトタタン アールグレイのクリームのせ

タルトタタン アールグレイのクリームのせ

メニューについて

冬の旬、リンゴを使ったお菓子です。

タルトタタンというフランス発祥の焼き菓子で、大きめにカットしたリンゴの存在感とアールグレイのクリームを合わせてアレンジしました。

調理

メニュー提案 撮影調理 料理人・老田裕樹

リンゴを4分の1の大きさにカットする

リンゴを砂糖と和える

キャラメルバターをつくる。グラニュー糖と水とバターを加熱しながら混ぜる

鍋にリンゴとキャラメルバター、水を入れて煮込む

タルトを加熱するトレイの底にキャラメルバターを広げ、煮込んだリンゴを敷き詰める

トレイにリンゴを敷き詰めた状態

トレイにパイシートを2枚重ね、オーブンで焼く

オーブンで焼き、冷やし固めたタルトタタンをトレイから抜くため、表面を加熱する

トレイから抜き、皿に盛り付けたタルトタタン

アールグレイのクリームをのせて完成。アールグレイのクリームは、牛乳、アールグレイの茶葉、バニラビーンズ、グラニュー糖、三温糖、薄力粉、ホイップクリームを混ぜてつくる

アールグレイの茶葉は、イタリア中部トスカーナ州のフィレンツェで1961年に創業し、ロンドンの老舗百貨店「ハロッズ」やヨーロッパ各地のホテルやレストラン、カフェなどで取り扱われる「ラ・ヴィア・デル・テ」社製を使用

お召し上がり

タルトタタン アールグレイのクリームのせ

◆ごろごろリンゴの迫力

ごろごろ入った大きなリンゴは、とろとろに柔らかく、甘酸っぱさが増し、谷間に入ったキャラメルバターの甘香ばしさとよく合います。

トッピングのクリームのミルクティーのような風味と甘みが、大きなリンゴの迫力を引き立てます。

タルトタタン アールグレイのクリームのせ

タルトタタン アールグレイのクリームのせ

11月のディナーは、

ラ・ビスボッチャの季節のおすすめメニューで、

深まる秋を感じてお楽しみください。