RECOMMENDED SEASONAL MENU APRIL 2022
コラム『味と技』第110回
若々しい美味しさ
4月は、本格的な春を迎え、陽気はあたたかくなり、月末からゴールデンウィークがはじまり、外食がより楽しくなります。
そんな季節に食べごろになる、若々しい美味しさを集めて9品おすすめします。
監修/料理長・井上裕基
写真・文/ライター 織田城司
Supervised by Yuuki Inoue
Photo・Text by George Oda
⚫︎前菜
1.ブラータチーズと甘夏みかんのサラダ

ブラータチーズと甘夏みかんのサラダ
メニューについて
ブラータチーズのサラダで味わう、旬の食材の歳時記シリーズです。
4月の1品目は、甘夏みかんを合わせておすすめします。

甘夏みかんは熊本県産を使用

ブラータチーズは、イタリア南部プーリア州のチーズ職人が、アメリカ・カリフォルニア州でつくる「ディ・ステファノ」社製を使用。放牧牛のミルクを使い、甘みと旨み、風味が濃厚
お召し上がり

ブラータチーズと甘夏みかんのサラダ
◆さっぱりした甘酸っぱさ
甘夏みかんの果肉はハラリとほどけ、たっぷりした果汁はサラリとしています。
味わいは、上品な甘酸っぱさ。爽やかで、さっぱりした印象が、気温が上がっていく季節に、心地よく感じます。
ブラータチーズのミルキーな風味が、甘夏みかんの美味しさを引き立てます。

ブラータチーズと甘夏みかんのサラダ

ブラータチーズと甘夏みかんのサラダ

ラ・ビスボッチャ店内
2.ブラータチーズとマンゴーのサラダ

ブラータチーズとマンゴーのサラダ
メニューについて
ブラータチーズのサラダで味わう、旬の食材の歳時記シリーズです。
4月の2品目は、マンゴーを合わせておすすめします。

マンゴーはペルー産を使用
お召し上がり

ブラータチーズとマンゴーのサラダ
◆とろける食感、濃厚な甘み
マンゴーは、とろける食感、フルーティな芳香、濃厚な甘み、ほどよい酸味、深いコクがあり、果物の醍醐味が満載です。
ブラータチーズのクリーミーな質感、甘み、旨みが絶妙に合います。

ブラータチーズとマンゴーのサラダ

ブラータチーズとマンゴーのサラダ

ラ・ビスボッチャ店内
3.紅富士サーモンのカルパッチョ

紅富士サーモンのカルパッチョ
メニューについて
サーモンの旨みをカルパッチョで味わいます。
春らしく、フレンチキャビアやハーブをトッピングして、彩り鮮やかに仕上げました。
⚫︎紅富士(あかふじ)サーモンとは
紅富士と書いて「あかふじ」と読むサーモンは、静岡県富士宮市で養殖されている高品質国産サーモンです。
富士山の麓で豊富な湧水を使い、常に水がきれいな環境で養殖されたサーモンは、臭みが少なく、しっかりとした歯ごたえで、上品な旨みとしつこくない脂ののりが特徴です。

紅富士(あかふじ)サーモン。一匹丸ごと仕入れ、自店でさばく。

カルパッチョに使うハーブ。左からトッピングの飾りに使う2種、ナスタチウムの葉(茨城)、レモンバーム(山梨)。マリネに使う3種、セルフィーユ(愛知)、ディル(愛知)、エストラゴン(愛知)
お召し上がり

紅富士サーモンのカルパッチョ
◆目と香りで楽しむサーモンの旨み
サーモンのオレンジ、ハーブのグリーン。鮮やかな色彩のコントラストが食欲をそそります。
ほどよく脂がのったサーモンは、オリーブオイルとしっとりなじみます。口あたりはとろっとして、歯ごたえはしっかりして、旨みは上品です。
ハーブの爽やかな香りや辛味、フレンチキャビアの塩味がアクセントになります。

紅富士サーモンのカルパッチョ

紅富士サーモンのカルパッチョ

ラ・ビスボッチャ店内
4.ハマグリとクレソンの白ワイン蒸し

ハマグリとクレソンの白ワイン蒸し
メニューについて
春の旬、ハマグリとクレソンをシンプルに組み合わせた前菜です。
クレソンのほろ苦さや辛味は、肉のみならず、魚介とも相性抜群です。
レモンの酸味で爽やかに仕上げました。

ハマグリは千葉県産を使用

クレソンは栃木県産を使用
お召し上がり

ハマグリとクレソンの白ワイン蒸し
◆まろやかなクレソンが絶品
生食で味わうことが多いクレソンは、加熱しても美味しい野菜です。苦味や辛味がまろやかになり、ハマグリのやさしい旨みと相性抜群です。
その味が凝縮したスープを、パンにしみ込ませて味わうのも楽しみです。

ハマグリとクレソンの白ワイン蒸し

ハマグリとクレソンの白ワイン蒸し

ラ・ビスボッチャ店内
5.アサリとハマグリのリングイーネ クレソンのジェノヴェーゼソース

アサリとハマグリのリングイーネ クレソンのジェノヴェーゼソース
メニューについて
アサリとハマグリの旨みをたっぷり吸った太麺、リングイーネと、クレソンの爽やかさが堪能できる一品です。
春爛漫の美味しさに、ワインもすすみます。

アサリは北海道産を使用

ハマグリは千葉県産を使用

クレソンは栃木県産を使用。ミキサーで細かくしてソースに使う

リングイーネはイタリア中部アブルッツォ州で1886年に創業した老舗「ディ・チェコ」社製を使用
お召し上がり

アサリとハマグリのリングイーネ クレソンのジェノヴェーゼソース
◆爽やかで、すっきりしたソースが絶妙
ジェノヴェーゼソースは、イタリア北部の港湾都市、ジェノヴァで生まれたことが名の由来です。
豊富にとれる魚介を爽やかに味わうために、バジルの葉の香りを効かせてつくるのが一般的ですが、今回はクレソンでつくります。
クレソンのソースは、爽やかで、すっきりした味わい。アサリとハマグリのまろやかな旨みによく合います。

アサリとハマグリのリングイーネ クレソンのジェノヴェーゼソース

アサリとハマグリのリングイーネ クレソンのジェノヴェーゼソース

ラ・ビスボッチャ店内
6.ソラ豆とピゼッリのリゾット

ソラ豆とピゼッリのリゾット
メニューについて
春の豆の美味しさを味わうリゾットです。
ソラ豆やピゼッリ、タイム、バジルなどでつくるペーストを出汁に入れ、豆の甘みや風味を増しています。
トッピングにえんどう豆の幼葉を芽生えのように飾り、春らしく仕上げました。

米は、煮崩れしにくいイタリア産のリゾット用品種を使用。イタリア北部ピエモンテ州の米処ヴェルチェッリ県で1935年からリゾット用の米をつくり続ける「ロンドリーノ」社のブランド米「アクエレッロ」

ソラ豆は鹿児島県産を使用。豆の加熱はサヤ付きのまま直火で真っ黒に焼いてから取り出し、香ばしい香りをつける

ピゼッリはイタリア産のグリーンピース。強い甘みが特徴。春が旬で、みずみずしさを保つために、さや付きのフレッシュタイプを空輸する

トッピングに飾るクレイジーピーは、えんどう豆の幼葉。今回は山梨県産を使用
お召し上がり

ソラ豆とピゼッリのリゾット
◆豆の甘みでほっこり
豆の甘みは、リゾットに混ぜるバターやチーズと相性抜群です。
トッピングのクレイジーピーのシャキシャキした食感、豆のホクホクした食感が、春らしい、ほっこりとする味わいを引き立てます。

ソラ豆とピゼッリのリゾット

ソラ豆とピゼッリのリゾット

ラ・ビスボッチャ店内
7.仔羊のカツレツ ルッコラとパルメザンチーズ添え

仔羊のカツレツ ルッコラとパルメザンチーズ添え
メニューについて
羊は、季節繁殖動物で、春に出産シーズンを迎えます。
仔羊のフレッシュな美味しさをカツレツで凝縮して味わいます。

仔羊の肉はオーストラリア産の骨付きロースを使用

パン粉はイタリアの細かくカリカリした粒感をイメージして自家製でつくる。自家製パン、チャバッタとパーネトスカーナの2種をミンチマシーンで細粒に挽きながらブレンド。パン耳の香ばしさがほどよく混ざる

ルッコラは静岡県産を使用

パルメザンチーズは、1877年に創業したイタリアの乳製品メーカーの老舗「アウリッキオ」社製。一年中干草のみを与えた牛の濃いミルクからつくるチーズは甘みと熟成感のバランスがよい。ホールで仕入れ、自店で粉に挽く

バルサミコ酢は、イタリア北部エミリア=ロマーニャ州の酢の特産地、モデナで1871年に創業した老舗「レオナルディ」社製を使用。濃度があり、味わいは甘酸っぱい
お召し上がり

仔羊のカツレツ ルッコラとパルメザンチーズ添え
◆香ばしさで引き立つミルキーな甘み
仔羊のミルキーな甘みは、カツレツで包み、加熱することで凝縮されています。
細かいパン粉の香ばしさやカリカリ食感が、仔羊の美味しさを引き立てます。
一緒に添えたルッコラの辛味、パルメザンチーズの旨み、バルサミコ酢の甘酸っぱい味がアクセントになります。

仔羊のカツレツ ルッコラとパルメザンチーズ添え

仔羊のカツレツ ルッコラとパルメザンチーズ添え

ラ・ビスボッチャ店内
8.イチゴと甘夏みかんのタルト

イチゴと甘夏みかんのタルト
メニューについて
タルトで味わう、旬の食材の歳時記シリーズです。
4月は、イチゴと甘夏みかんを合わせておすすめします。
お召し上がり

イチゴと甘夏みかんのタルト
◆甘酸っぱさの移りかわりを楽しむ
トッピングのイチゴは、甘酸っぱさが濃縮。合わせる甘夏みかんは、甘酸っぱさが爽やかです。
春から初夏に移りかわる季節感を、果物で味わいます。
タルトのクリームの甘み、ザクザクした生地の香ばしさがアクセントになります。

イチゴと甘夏みかんのタルト

イチゴと甘夏みかんのタルト

ラ・ビスボッチャ店内
9.トルタ・チャラミコラ

トルタ・チャラミコラ
メニューについて
今年のイースターは4月17日。
イースターの気分を楽しむために、イタリア中部ウンブリア州ペルージャの伝統的なイースター菓子、トルタ・チャラミコラをおすすめします。
生地はアルケルメスという赤いリキュールで甘みと香りをつけて焼き、トッピングに白いメレンゲを塗り、カラースプレーを振りかけ、彩り豊かに仕上げます。

トルタ・チャラミコラの生地をつくる材料。左からベーキングパウダー、薄力粉、グラニュー糖、卵、バター、アルケルメス、レモンの皮

アルケルメスは、中世のフィレンツェを統治したメディチ家が開発したとされるリキュール。鮮やかな赤い色と強い甘み、薬草の香りなどが特徴で、主に製菓用に使われる。最初の製造所は修道院だったが、現在はイタリア中部ラツィオ州のパッリーニ社が手がける
お召し上がり

トルタ・チャラミコラ
◆しっとり、しっかり甘いケーキ
ケーキの生地はしっとりして、歯ごたえはしっかりして、甘みをたっぷり味わいます。
アルケルメスの薬草の香り、メレンゲのふんわりした甘みがアクセントになります。

トルタ・チャラミコラ

トルタ・チャラミコラ
◆メニューの展開スケジュール
「季節のおすすめメニュー4月」は、4月18〜21日まで開催される「米澤文雄シェフフェア」の期間中は、お休みさせていただきます。
「米澤文雄シェフフェア」期間中お選びいただける3つのメニュー・カテゴリー
①米澤文雄シェフフェアの期間限定メニュー
②年間定番のグランドメニュー
③同時期にキャンペーン期間中のアイルランドビーフの炭火焼きメニュー
あらかじめご了承ください。
