RECOMMENDED SEASONAL MENU JUNE 2022
コラム『味と技』第112回
夕涼みを爽やかに
6月は長雨が続きながら、早くも夏至を迎えます。
一年でもっとも日が長く、夕涼みの気分でディナーを楽しみます。
そんな季節に爽やかに感じるメニューを13品集めておすすめします。
※天候の影響など、食材調達の都合により、メニューによってご用意できない場合がございます。あらかじめご了承ください。
監修/料理長・井上裕基
写真・文/ライター 織田城司
Supervised by Yuuki Inoue
Photo・Text by George Oda
⚫︎前菜
1.ブラータチーズと赤肉メロンのサラダ
メニューについて
ブラータチーズのサラダで味わう、旬の食材の歳時記シリーズです。
6月は、年間で最も流通量が多くなる赤肉メロンを合わせておすすめします。
お召し上がり
◆フルーティーな香り、甘くて柔らかい果肉
メロンのなかでも赤肉は、柔らかい果肉に果汁がたっぷりして、フルーティーな香りが高く、甘みが強い。
その美味しさを、ブラータチーズのミルキーな風味が引き立てます。
2.生ハムと赤肉メロン
メニューについて
自然の食材をシンプルに加工して、イタリア料理を象徴する生ハム。
イタリアに吹く爽やかな風が、生ハムを繊細な味に熟成します。
そのままでも美味しく、フルーツと合わせても美味しく、6月は、赤肉メロンを合わせておすすめします。
お召し上がり
◆塩気と甘みが絶妙
しっとりと柔らかい生ハムは、メロンの柔らかい果肉とよくなじみます。
生ハムの熟成香とメロンのフルーティな香り、生ハムの塩気とメロンの甘み、好対照の要素が引き立て合います。
生ハムの伝統的な食べ方で、メロンが美味しい季節に楽しみます。
3.焼きトマトのカプレーゼ
メニューについて
モッツアレッラチーズは、イタリア南部カンパニア州の特産物で、トマトとバジルを合わせたサラダは、同地で有名な観光地にちなんだカプレーゼ(カプリ島風のサラダ)の名で親しまれています。
6月は、フルーツトマトを焼いてから冷やし、ブラータチーズを合わせ、夏らしく濃いめのカプレーゼに仕上げました。
お召し上がり
◆爽やかで豊潤な甘みと旨み
焼いたフルーツトマトは、完熟したように柔らかく、味が凝縮して、甘みや酸味、旨みが濃厚です。焼き目の香ばしさやほろ苦さも味の奥行きを深め、力強い印象です。
ブラータチーズのミルキーな甘みが焼きトマトの美味しさを引き立て、バジルやオレガノの香りが爽やかなアクセントです。
4.イワシのマリネとウイキョウのサラダ
メニューについて
イワシのマリネはさっぱりした味わいで、イタリアでは夏の前菜によく使われます。
6月は、ウイキョウなどの野菜と合わせ、爽やかなサラダをつくりました。
お召し上がり
◆酸味が効いて、夏らしさ満載
イワシのマリネは歯ごたえがしっかりして、旨みは濃厚ながら酢の酸味が効いて、さっぱりした味わいです。
合わせるウイキョウはシャキシャキした食感で、爽やかな香りがきわだちます。
さらにルッコラやバジル、エシャレットも加わり、夏らしさ満載です。
5.穴子とスナップエンドウのフリット
メニューについて
淡白な味が好まれる穴子は、夏に脂が少なくなり、さっぱりした味わいになります。
同じく旬のスナップエンドウを合わせたミックスフライです。
薄くてサクサクの衣が、食材の美味しさをきわだてます。
お召し上がり
◆サクッと軽やか
フライの衣は具材にしっかり付きながら薄く、香ばしさとサクサクの食感が絶妙の加減で具材を引き立てます。
穴子はもっちりした食感がありながら、旨みは淡白です。
スナップエンドウのサヤは柔らかく、ほろ苦さがあり、豆は甘みがあり、穴子と引き立て合います。
揚げ物でありながら軽やかな味わいで、キリッと冷えた白ワインがすすみます。
6.カルチョーフィのオーブン焼き
メニューについて
多彩な食感と繊細な味わいで親しまれているイタリアの野菜、カルチョーフィ。
オーブン焼きは伝統的な調理法で、合わせる食材は家庭によってさまざまです。
6月は、スカモルツァチーズを詰め、香草パン粉をトッピングしました。
お召し上がり
◆香ばしさと食感が美味しい
オーブンで焼いたカルチョーフィは、くったりと柔らかく、食感はホクホクして、香草パン粉の香ばしさとオリーブオイルの味がたっぷり染みています。
なかかか出てくるスカモルツァチーズは、お餅のように伸びて、燻製香がふんわり香ります。
⚫︎パスタ&リゾット
7.キャビアとパプリカの冷製カペッリーニ
メニューについて
冷やしパスタはじめました。
ロングパスタでもっとも細いカペッリーニを冷やし、エキストラヴァージン・オリーブオイルと魚醤を和え、さっぱり仕上げました。
トッピングのキャビアと、炭火で焼いてから冷やしたパプリカのみじん切りは小粒で、カペッリーニとよくなじみます。
夏に美味しい、冷たい細麺の喉ごしをお楽しみください。
お召し上がり
◆上品な旨みを冷たい喉ごしで
冷製カペッリーニは、エキストラヴァージン・オリーブオイルがほどよく絡み、青々しい香りが爽やかで、ツルッとした喉ごしの涼感を増しています。
そこに乗るキャビアは、表面の膜を感じない柔らかい口どけで、中味は魚介の旨みやコク、塩気が広がり、上品で奥深い味わいです。
炭火で焼いたパプリカは柔らかく、甘みが凝縮してキャビアを引き立てます。
8.ビーツのラビオリ バターとセージのソース
メニューについて
ビーツの旬は1年に2回あり、6〜7月と11月〜12月です。
そんな旬のビーツの美味しさを、好相性の乳製品と合わせたラビオリです。
調理
◆ビーツの詰め物をつくる
◆ラビオリをつくる
◆仕上げる
お召し上がり
◆まろやかな甘みが広がる
ラビオリのなかで加熱され、パルメザンチーズやリコッタと混ざったビーツは、味と香りが凝縮して、食べたときに、まろやかな甘みと土っぽい風味があふれます。
柔らかいラビオリ生地の卵の風味と、バターとセージのソースが、ビーツの味わいを引き立てます。
9.トマトとにんにくのパスタ
メニューについて
今年4月19日からファミリーマートのプライベートブランド「ファミマルKITCHEN」のシリーズから発売になった「ラ・ビスボッチャ監修 トマトとにんにくのパスタ」。
おかげさまでご好評をいただき、ファミリーマートの許可を得て、同じコンセプトでつくるビスボッチャ・バージョンです。
パスタはイタリア製の極太麺、スパゲットーニを使い、ソースはイタリア産のトマトにイタリア製の辛みペースト「ンドゥイヤ」を混ぜ、仕上げにスペイン産のにんにくをオリーブオイルでローストして振りかけました。
お召し上がり
◆蒸し暑さを吹き飛ばす極太パスタ
極太のスパゲットーニは長めで、食感はもっちりして、弾力は強く、小麦の風味が豊かに香り、食べごたえがあります。
そこに絡むトマトソースはじんわり熱く、トマトの果肉が凝縮して、甘みや酸味、旨みが濃厚で、ンドゥイヤの辛みが程よく効いてコクがあり、飽きない味わいです。
ローストしたにんにくのサクサクした食感と香ばしい香りがアクセントです。香りはカラッとした抜け感があり、余韻は軽めです。
食べ慣れた基本素材の味と香りがそれぞれ増し、シンプルな構成ながらイタリアンの醍醐味を堪能し、蒸し暑さを吹き飛ばす一品です。
10.牡蠣とほうれん草のリゾット
メニューについて
夏場の牡蠣を入れて味わうリゾットです。
ほうれん草を細かく刻み、リゾットの煮汁に混ぜ、爽やかに仕上げました。
お召し上がり
◆旨みたっぷりで目にも鮮やか
牡蠣は旨みたっぷりで、煮汁に混ぜたバターやパルメザンチーズの味と香りとよく合います。その美味しさが、リゾット米にしっかり染みています。
ほうれん草の旨みはリゾットに合い、青々しい香りは主張しすぎることなく、絶妙の加減で牡蠣を引き立て、夏らしく爽やかな味わいに仕上げています。
⚫︎メイン
11.ラムチョップの蜂蜜ロースト ブラックペッパーソース
メニューについて
蜂蜜は古代ローマで、すでに調理用の食材として幅広いレシピに使われていました。
6月は、ラムチョップに蜂蜜をつけて焼き、ブラックペッパーソースを合わせ、甘みとスパイシーな辛みをアクセントに仕上げました。
お召し上がり
◆飴色が食欲をそそり、ピリ辛がアクセント
ラムチョップの飴色や照りが食欲をそそります。
ラムの赤身肉の濃い旨みと野生味は、蜂蜜の甘さで美味しさが引き立ちます。
ブラックペッパーのスパイシーな風味とピリ辛が、夏に美味しく感じるアクセントです。
⚫︎ドルチェ
12.ミックスベリーのタルト
メニューについて
タルトで味わう、旬の食材の歳時記シリーズです。
6月は、ベリー系のフルーツをミックスしておすすめします。
撮影では、イチゴ、ラズベリー、ブルーベリー、ブラックベリーの4種をミックスしました。
食材の調達の都合で、組み合わせが異なる場合がございますので、あらかじめご了承ください。
お召し上がり
◆甘酸っぱさ満載の至福
さまざまなベリーの香りや甘酸っぱさ、粒感などのバリエーションを一度に味わう、豪華な食べごたえを堪能します。
その味にクリームやタルト生地が絡む至福に、初夏を感じてお楽しみください。
13.アメリカンチェリーのチョコレートケーキ
メニューについて
チェリーとチョコレートは相性抜群。
6月は、初夏から夏にかけて旬をむかえる大粒のアメリカンチェリーを使ってドルチェをつくります。
土台のチョコレートケーキの生地にアメリカンチェリーの果肉を混ぜ、イタリア産マスカルポーネチーズをブレンドしたホイップクリームを重ね、トップにアメリカンチェリーを飾りました。
2層の味が楽しめるドルチェです。
お召し上がり
◆コクのある甘酸っぱさがたまらない
アメリカンチェリーの甘酸っぱさは、甘みが強く、酸味は控えめで、コクが深く、チョコレート生地と相性抜群です。
マスカルポーネチーズ入りホイップクリームは、ミルキーな風味と甘みが濃厚で、好対照の味を引き立て合います。
6月のディナーは、夕涼みを爽やかにする、
ラ・ビスボッチャの「季節のおすすめメニュー」でお楽しみください。