RECOMMENDED SEASONAL MENU JANUARY 2023
コラム『味と技』第121回
陽春のいろどり
1月は、厳しい寒さが続くけれど、陽ざしの明るさに、少しずつ春の訪れを感じます。
そんな季節に美味しい料理を12品おすすめします。
監修/料理長・井上裕基
写真・文/ライター 織田城司
Supervised by Yuuki Inoue
Photo・Text by George Oda
●前菜
1.ブラータチーズと紅白イチゴのサラダ
ブラータチーズと紅白イチゴのサラダ
メニューについて
ブラータチーズと季節の食材で味わうサラダのシリーズです。
1月の1品目は、見た目にも新年らしい紅白イチゴを合わせておすすめします。
メニュー提案 撮影調理 料理長・井上裕基
ブラータチーズは、イタリア南部プーリア州のチーズ職人が、アメリカ・カリフォルニア州でつくる「ディ・ステファノ」社製を使用。放牧牛のミルクを使い、とろりとした食感で、ミルキーな風味と甘み、旨みが濃厚
赤いイチゴは栃木県産の「とちおとめ」を使用
白いイチゴは熊本県産の「淡雪(あわゆき)」を使用。2013年に登録された新品種。
お召し上がり
ブラータチーズと紅白イチゴのサラダ
◆熟した甘み
イチゴとミルクの風味の好相性は、熟したイチゴの柔らかさと濃い甘みできわだちます。
鮮やかないろどりに、ディナーのスタートが華やぎます。
ブラータチーズと紅白イチゴのサラダ
ブラータチーズと紅白イチゴのサラダ
ラ・ビスボッチャ店内
2.ブラータチーズとせとかのサラダ
ブラータチーズとせとかのサラダ
メニューについて
ブラータチーズと季節の食材で味わうサラダのシリーズです。
1月の2品目は、愛媛県産の柑橘、せとかを合わせておすすめします。
メニュー提案 撮影調理 料理人・横田達也
「せとか」は2001年に品種登録された柑橘類。種なしで、果肉はトロリとして甘い果汁が濃厚
お召し上がり
ブラータチーズとせとかのサラダ
◆オレンジの甘みが凝縮
せとかの果肉はプリプリして、果汁は濃厚で、オレンジの甘みが凝縮しています。
ブラータチーズのミルキーな甘みがせとかの美味しさを引き立てます。
ブラータチーズとせとかのサラダ
ブラータチーズとせとかのサラダ
ラ・ビスボッチャ店内
3.寒ブリのカルパッチョ オレンジとライムの風味
寒ブリのカルパッチョ オレンジとライムの風味
メニューについて
1月のカルパッチョは、寒ブリをおすすめします。
冬に美味しい柑橘風味を合わせ、爽やかに仕上げました。
調理
メニュー提案 撮影調理 料理人・横田達也
◆寒ブリをマリネする
マリネ液をつくる。オレンジとライムの皮をボウルに集め、オリーブオイルと混ぜる
ライムはメキシコ産、オレンジはオーストラリア産を使用
寒ブリを薄くカットする
寒ブリは京都府舞鶴産を使用
バットに寒ブリを並べ、マリネ液を振りかける
バットをラップで覆い、寒ブリに味と香りをつける
◆トッピングをつくる
オレンジの果肉を絞り、果汁を集める
オレンジの果汁を加熱し、ゼラチンと砂糖を混ぜ、冷やし、トッピングのゼリーをつくる
ライムの果肉を絞り、果汁を集め、エキストラヴァージン・オリーブオイルと塩を混ぜ、カルパッチョに振りかけるドレッシングをつくる
お召し上がり
寒ブリのカルパッチョ オレンジとライムの風味
◆とろける旨み
北の海で育った寒ブリの身は締まり、脂がのり、光沢があり、しなやかで柔らかく、口のなかでとろけ、旨みを豊かに感じます。
オリーブオイルと柑橘の爽やかな風味が、寒ブリの美味しさを引き立てます。
寒ブリのカルパッチョ オレンジとライムの風味
寒ブリのカルパッチョ オレンジとライムの風味
ラ・ビスボッチャ店内
4.仔牛のモモ肉の薄切り ツナマヨネーズソース
仔牛のモモ肉の薄切り ツナマヨネーズソース
メニューについて
イタリア北部ピエモンテ州で親しまれている前菜です。
仔牛のモモ肉はイタリアから取り寄せ、58℃で7時間かけて加熱する低温調理で、柔らかくジューシーに仕上げました。
好相性のツナマヨネーズソースは、独自のブレンドでコクを深めました。
調理
メニュー提案 撮影調理 料理人・老田裕樹
◆仔牛のモモ肉の下ごしらえ
仔牛のモモ肉はイタリア産を使用
モモ肉から余分な脂肪や筋を取り除く
精肉したモモ肉を小分けにカットし、煮崩れを防ぐ紐で縛る
塩とコショウで下味をつける
◆仔牛のモモ肉を低温調理する
低温調理中の仔牛のモモ肉。鍋に食材を仕込んだビニールパックと水を入れ、低温調理器を差し込み、セットした温度と時間で水温を一定に制御しながら加熱する
◎低温調理とは
肉を構成するタンパク質の要素のひとつ「アクチン」は、66℃より高温になると変容し、肉汁が流失し、肉質が硬くなることが、1980年頃に発見されました。
このため、肉を66℃以下の低温で長時間加熱すると、ジューシーで柔らかい仕上がりになることがわかりました。
また、肉をビニールパックに入れて加熱すると、旨みや栄養の流失を軽減することができます。さらに、調味料や食材を入れると、味の浸透が高まります。
こうした低温調理は、それまでの焼く、蒸す、煮る、漬けるに次ぐ、新しい調理法として注目され、1990年代からホテルやレストランで導入がはじまりました。
モモ肉と一緒にビニールパックに入れる香味野菜やスパイスを下茹でする
ビニールパックにモモ肉と下茹でした野菜、茹で汁を入れる
鍋に食材を仕込んだビニールパックと水を入れ、低温調理器を差し込む
低温調理器はアメリカの「アノーバ」ブランドを使用。専用のアプリをスマホにダウンロードし、スマホを通じて温度や時間をセットする。今回は58℃・7時間にセットして加熱
◆ツナマヨネーズソースをつくる
フードプロセッサーにツナのオリーブオイル漬けを入れる
ツナのオリーブオイル漬けはイタリア南部カラブリア州で1913年に創業した食品加工メーカーの老舗、カッリポ社製を使用。大西洋やインド洋で獲れたキハダマグロを洋上で急速冷凍。カラブリアの工場に持ち帰り、新鮮なうちに加工、製缶している
ツナ缶に入っていたオイル、卵、ケッパーの実、マスタード、シェリービネガーなどを計量し、バランスを整えてフードプロセッサーに入れる
マスタードはフランスで1747年に創業した老舗、マイユ社のデジョンマスタードを使用
シェリービネガーはシェリー酒を発酵させたぶどう酢。フランスで250年以上伝統製法を続けるマルタンプーレ社製を使用。熟成した甘さとスパイシーな奥行きのある酸味が特徴。
オリーブオイル、ニンニクのみじん切り、アンチョビペーストを計量し、フードプロセッサーに入れ、混ぜ合わせる
出来上がったツナマヨネーズソースは、フードプロセッサーから保存用容器に移し、冷蔵庫で冷やして使用する
◆仕上げる
低温調理が完了したモモ肉の紐を切り、薄くカットし、皿に盛り付ける
ツナマヨネーズソースをのせ、ケッパーベリーをトッピングして仕上げる
ケッパーベリーは、ケッパーの花(ラベルのイラスト)が咲いた後の実を、枝つきで白ワインビネガーに漬けたもの。イタリア南部シチリア島で1981年からケッパーの栽培と加工を続ける専業メーカー、イタリアーナケイパースズット社製を使用
お召し上がり
仔牛のモモ肉の薄切り ツナマヨネーズソース
◆リッチで奥深い味わい
モモ肉とソースは、味わいが奥深く、サンドウィッチで親しまれている定番食材が、高級オードブルに生まれかわったような、リッチな味わいです。
トッピングのケッパーベリーとともに、おつまみ感が濃い組み合わせで、ワインやパンがすすみます。
仔牛のモモ肉の薄切り ツナマヨネーズソース
仔牛のモモ肉の薄切り ツナマヨネーズソース
ラ・ビスボッチャ店内
5.牡蠣と芽キャベツのフリット
牡蠣と芽キャベツのフリット
メニューについて
衣が薄いイタリア式の揚げ物、フリットで味わう季節の食材シリーズです。
1月は、牡蠣と芽キャベツを合わせておすすめします。
調理
メニュー提案 撮影調理 料理人・横田達也
具材に衣をつける。衣は小麦粉と水、イーストを混ぜ、約1時間発酵させてつくる。細かい気泡の効果で軽やかに揚がる
芽キャベツは静岡県産を使用
衣をつけた具材をサラダ油で揚げる
揚げたフリットを、網の目の細かいザルに移し、余分な油を切りながら塩をふり、味をつける
さらに、キッチンペーパーで余分な油を吸収してカラッと仕上げる
フリットを皿に盛り付け、ペコリーノチーズを振りかけて仕上げる
ペコリーノチーズは、羊乳からつくるチーズ。塩味とコクが豊かで、風味はすっきりしている。イタリアで牧羊が盛んな特産地、サルディーニャ島産。側面にペコリーノの認証刻印が見える
お召し上がり
牡蠣と芽キャベツのフリット
◆素材の美味しさが凝縮
衣はサクサクと軽めのながら、密封度が抜群で、素材の美味しさを凝縮しています。
牡蠣は、濃厚な旨みはもちろん、香ばしさがきわだちます。
芽キャベツは、ほのかな甘みのなかに感じる、キャベツの若々しい風味がアクセントです。
牡蠣と芽キャベツのフリット
牡蠣と芽キャベツのフリット
ラ・ビスボッチャ店内
6.冬野菜の炭火焼き
冬野菜の炭火焼き
メニューについて
前菜や付け合わせに食べたい、季節の野菜の炭火焼きです。
1月は、冬野菜から、国産のスティックセニョールや、イタリア産のブロッコロ・フィオラーロなどをおすすめします。
収穫の移りかわりは早いため、その日の野菜は、店頭でご確認ください。
撮影に使用したスティックセニョールは静岡県産を使用
イタリア産のブロッコロ・フィオラーロ。ブロッコリーの一種でイタリア原産の冬野菜。古代ローマ時代から食されていたが、現在はイタリア北部ヴェネト州のみで栽培される希少な野菜。霜が降りてから収穫されたものは味と風味が濃いとされる
調理
メニュー提案 撮影調理 料理人・横田達也
スティックセニョールの茎の皮をむく
塩とオリーブオイルで味をつける
炭火焼きグリルで焼く
ひっくり返し、反対側も炭火で焼いて完成
お召し上がり
冬野菜の炭火焼き
◆きわだつ香ばしさと旨み
炭火で焼いた野菜は、芯まで火がよく通り、しなやかで、甘みや旨みが増しています。
表面の焼き色は、香ばしさとほろ苦さがあります。
多彩な味わいは奥深く、メインの料理の付け合わせだけでなく、単品でもワインのおつまみによく合います。
冬野菜の炭火焼き
冬野菜の炭火焼き
ラ・ビスボッチャ店内
●パスタ&リゾット
7.蕗の薹とカラスミのスパゲッティ
蕗の薹とカラスミのスパゲッティ
メニューについて
春の訪れを告げる、蕗の薹でスパゲッティをつくりました。
南の海の幸、カラスミで、明るいコントラストをつけました。
調理
メニュー提案 撮影調理 料理長・井上裕基
スパゲッティはイタリア南部の乾麺の特産地、カンパニア州で1912年に創業した「ディ・マルティーノ」社製を使用。イタリア産小麦を100%使い、低温で長時間乾燥させた麺は小麦の風味が濃厚。直径は1.8㎜。太めで食べごたえがある
フライパンにオリーブオイル、ニンニクのみじん切り、赤唐辛子を入れ、加熱する
パスタの茹で汁を加える
蕗の薹の根元の硬い部分をカットして取り除き、柔らかい葉をみじん切りにし、ソースに加える
蕗の薹は新潟県産を使用
カラスミのパウダーをソースに加える
カラスミのパウダーはボラの卵巣を塩漬けにしたもの。イタリアの特産地サルデーニャ島産を使用
出来上がったソース
茹で上がったスパゲッティをソースと和える
エキストラヴァージン・オリーブオイルを加える
今回使うエキストラヴァージン・オリーブオイルは、フルーティーな香りと辛みが豊かなシチリア島のテッラリーヴァ社の「ケルビーノ」ブランドを使用。欧州のオーガニックとDOPの認定を受けている。DOPは原産地名称保護制度のことで、風通しのよい丘陵地帯でオリーブオイルの特産地であるモンティ・イブレイ(イブレイ山地)が対象
スパゲッティにオイルを混ぜながら、カラスミを追加して仕上げる
お召し上がり
蕗の薹とカラスミのスパゲッティ
◆爽やかな香りとほろ苦さ
蕗の薹は、爽やかな香りとほろ苦さがあり、フレッシュなインパクトに春らしさを感じます。
カラスミの塩気や旨み、コクがスパゲッティの味を引き締めます。
蕗の薹とカラスミのスパゲッティ
蕗の薹とカラスミのスパゲッティ
ラ・ビスボッチャ店内
8.黒トリュフのストゥランゴッツィ
黒トリュフのストゥランゴッツィ
メニューについて
イタリア語で、首をしめるという意味の名がついた極太パスタ、ストゥランゴッツィ。
豪快な食べごたえを楽しむため、ソースはシンプルに仕上げました。
調理
メニュー提案 撮影調理 料理人・横田達也
◆ストゥランゴッツィを製麺する
練り上げた生地を細長く切り出す。生地は卵白、小麦粉、セモリナ粉、オリーブオイル、水、塩を混ぜてつくる
切り出した生地を両手で転がしながら伸ばす
出来上がったストゥランゴッツィにセモリナ粉を振りかけ、くっつき防止の打ち粉にする
◆仕上げる
フライパンにバターを入れ、加熱する
自家製野菜の出汁と黒トリュフペーストを加え、ソースのベースの出来上がり
茹で上がったストゥランゴッツィをソースのフライパンに投入
ソースにパルミジャーノ・レッジャーノを加え、濃度をつけてストゥランゴッツィと和える
お召し上がり
黒トリュフのストゥランゴッツィ
◆もっちり太麺を堪能
太麺好きには、たまらない一品です。一本の太さと長さは、一度に口に入らないため、フォークとナイフで好みの長さにカットして、もっちりした食感をたっぷり堪能します。
太麺の邪魔をしない、シンプルなソースもうれしい組み合わせです。
黒トリュフのストゥランゴッツィ
黒トリュフのストゥランゴッツィ
おすすめのワイン
赤ワイン「ブリッコ・デル・ウッチェローネ」
◆滑らかで、しっかりした辛口赤ワイン
銘柄/ブリッコ・デル・ウッチェローネ
ワイナリー/ブライダ
生産地/イタリア北部ピエモンテ州
ぶどう種/バルベーラ100%
香りは、赤いベリー系の果実香がきわだち、ミントやバニラ、スパイス、オークなどのニュアンスが複雑に絡み、奥行きがあります。
口あたりは滑らかながら、果実味が凝縮して、しっかりした味わいも兼ね備えています。
トリュフの特産地、ピエモンテ州と同郷のワインで、トリュフパスタの香りに負けない力強さは、肉料理まで合わせられる味わいです。
赤ワイン「ブリッコ・デル・ウッチェローネ」を「黒トリュフのストゥランゴッツィ」に合わせて
ラ・ビスボッチャ店内
9.栗のリゾット 白トリュフかけ
栗のリゾット 白トリュフかけ
メニューについて
栗の甘みは、リゾットの米や乳製品とよく合います。
白トリュフと相性抜群な食材がそろい、シーズンには食べておきたい一品です。
調理
メニュー提案 撮影調理 副料理長・高部孝太
栗をバターで炒める
栗と米を鍋に入れ、自家製鶏の出汁と牛乳で煮込む
リゾットに使う米は、煮崩れしにくいイタリア産のリゾット用品種。イタリア北部ピエモンテ州の米処ヴェルチェッリ県で1935年からリゾット用の米をつくり続ける「ロンドリーノ」社のブランド米「アクエレッロ」
無塩バターを入れ、味と香り、とろみをつける
パルミジャーノ・レッジャーノを入れ、味と香り、とろみをつける
パルミジャーノ・レッジャーノは、イタリア北部エミリア・ロマーニャ州で1877年に創業した乳製品メーカーの老舗「アウリッキオ」社製。一年中干草のみを与えた牛の濃いミルクからつくるチーズは甘みと熟成感のバランスがよい。側面の認証刻印の2042のナンバリングはハイグレードの証。塊で仕入れ、自店で粉に挽く
余熱で食材を混ぜ合わせて皿に盛り付ける
白トリュフを振りかけて仕上げる
お召し上がり
栗のリゾット 白トリュフかけ
◆栗の甘みできわだつ白トリュフ
栗のホクホクした食感は、リゾット米のアクセントになります。
栗の甘みが乳製品の美味しさを引き立て、白トリュフの香りもひときわ高く、山の幸同士の相乗効果を感じます。
栗のリゾット 白トリュフかけ
栗のリゾット 白トリュフかけ
ラ・ビスボッチャ店内
●メイン
10.熊野鯛の干物のアクアパッツァ
熊野鯛の干物のアクアパッツァ
メニューについて
イタリアの代表的な煮魚料理、アクアパッツァ。
1月は、三重県産の熊野鯛の干物を炭火で炙ってから煮込み、味わい豊かに仕上げました。
熊野鯛の干物。三重県熊野灘近海でとれる新鮮な鯛を干物にしたもの。地元産にこだわり、1990年に三重県熊野市で創業した水谷水産社製を使用
干物の裏面。開いてつくるため、半身になっている
調理
メニュー提案 撮影調理 料理長・井上裕基
◆鯛の下ごしらえ
鯛の干物に塩とオリーブオイルを振りかけ、下味をつける
鯛の干物を炭火で炙り、香ばしさを加える
ひっくり返し、反対側も炙る
◆鯛を煮込む
炙った鯛の干物を大きなフライパンに入れ、水と白ワインで煮込む
アサリを入れる
開いたアサリをフライパンから外し、ミニトマトを入れる
ミニトマトが煮崩れないタイミングでアサリを戻し、バジルの葉やエキストラヴァージン・オリーブオイルを振りかけ、香りをつけて仕上げる
完成したアクアパッツァ。量により、このまま客席で披露した後、厨房に戻して皿に取り分ける場合もある
お召し上がり
熊野鯛の干物のアクアパッツァ
◆濃い旨みをまろやかに
熊野鯛の干物の濃い旨みは、煮汁となじみ、程よくまろやかになっています。
炭火で炙った焼き色のスモーキーな香ばしさと、苦みも加わり、味の展開が贅沢に広がります。
熊野鯛の干物のアクアパッツァ
熊野鯛の干物のアクアパッツァ
ラ・ビスボッチャ店内
11.四万十ポークのスペアリブとちりめんキャベツの煮込み
四万十ポークのスペアリブとちりめんキャベツの煮込み
メニューについて
冬にうれしい煮込み料理。
四万十ポークのスペアリブと、イタリア産のちりめんキャベツを合わせ、柔らかく煮込みました。
調理
メニュー提案 撮影調理 料理人・村澤大
◆スペアリブを煮込む
高知県のブランド豚「四万十ポーク」のスペアリブ
スペアリブの表面をフライパンで焼き、香ばしさをつけながら旨みを封じ込める
スペアリブを鍋に移し、自家製鶏の出汁を入れる
煮汁に香味野菜や香草、白ワイン酢を加え、煮込む
白ワイン酢は、酢の特産地、イタリア北部エミリア・ロマーニャ州モデナ県で、1891年に創業した老舗メーカー「アドリアーノ・グロソリ」社の「グロソリ・リゼルヴァ」ブランドを使用。ワインを木樽でゆっくり酢酸発酵させる伝統的な製法を用い、発酵後も木樽でじっくり熟成させたリゼルヴァタイプ。豊かな香りと、まろやかな味わいがある
◆ちりめんキャベツの下ごしらえ
ちりめんキャベツはイタリア産を使用
ちりめんキャベツの葉を分解し、洗う
下茹でする
◆仕上げる
仕上げる直前に、煮込んだスペアリブの表面に焼き色をつけ、パリッとした表面感と香ばしさを加える
スペアリブの煮汁を漉しながら小鍋に入れる
下茹でしたちりめんキャベツを小鍋に入れ、スペアリブの煮汁になじませる
小鍋に自家製トマトソース、仔牛のブイヨン、白ワイン酢を入れ、味と香りをつけて、スペアリブと盛り付ける
お召し上がり
四万十ポークのスペアリブとちりめんキャベツの煮込み
◆ほっこり、優しい味わい
柔らかく煮込んだスペアリブは、四万十ポークの脂分と、ちりめんキャベツが効いて、甘みが豊かに広がります。
ゆっくりほぐしながら、ワインのおつまみにしたい、ほっこり、優しい味わいです。
四万十ポークのスペアリブとちりめんキャベツの煮込み
四万十ポークのスペアリブとちりめんキャベツの煮込み
ラ・ビスボッチャ店内
●ドルチェ
12.カンノンチーノ
カンノンチーノ
メニューについて
イタリア語で、小型の大砲を意味する名がついたお菓子です。
パイ生地を丸めて焼き、サクサクの食感で、カンノーリよりも軽めの味わいが春の気分です。
調理
メニュー提案 撮影調理 料理人・水谷結
◆生地を焼く
パイ生地をめん棒で薄く伸ばす
パイ生地を細長くカットする
生地を三角錐の金型に巻きつける
生地をオーブンで焼く
焼き上がった生地の表面に光沢をつけるため、粉糖を振りかける
再度オーブンで焼く
焼き上げ、冷ました生地を金型から外す
◆仕上げる
生地の先にチョコレートをつける
チョコレートの表面にピスタチオをつける
生地の中にクリームを注入する
生地の中に注入するクリームは、カスタードクリームと泡立てた生クリーム、砂糖を混ぜたもの
表面に粉糖を振りかけて仕上げる
お召し上がり
カンノンチーノ
◆パイ生地に萌える
カンノンチーノを食べると、生地がパリンと割れ、クリームが飛び出すのが、最初の驚きです。
次に、割れた生地とクリーム、チョコレート、ピスタチオが口の中で混ざり合う美味しさに、驚きます。
一連の美味しさを軽やかに仕上げる、サクサクのパイ生地に、重いコートを脱いでいく春を思います。
カンノンチーノ
カンノンチーノ
1月のディナーは
ラ・ビスボッチャの季節のおすすめメニューで
お楽しみください。