RECOMMENDED SEASONAL MENU SEPTEMBER 2023
コラム『味と技』第129回
秋のよそおい
9月は、残暑がきびしいながら、雲の流れや虫の音に秋の気配を感じ、去りゆく夏を惜しみます。
そんな季節の気分を先どりするメニューを、12品おすすめします。
監修/料理長・井上裕基
写真・文/ライター 織田城司
Supervised by Yuuki Inoue
Photo・Text by George Oda
⚫︎前菜
1.ブラータチーズと梨
ブラータチーズと梨
メニューについて
ブラータチーズと味わう、季節の食材シリーズです。
9月の一品目は、梨を合わせておすすめします。
メニュー提案・撮影調理/料理人 江川智香
ブラータチーズは、イタリア南部プーリア州出身のチーズ職人が、アメリカ・カリフォルニア州でつくる「ディ・ステファノ」社製を使用。放牧牛のミルクを使い、とろりとした食感で、ミルキーな風味と甘み、旨みが濃厚
梨は新潟県産を使用
お召し上がり
梨の果汁はサラッとして、甘みはさっぱりしています。
ブラータチーズのミルキーな風味と甘み、旨みの濃さがきわだちます。
ブラータチーズと梨
ブラータチーズと梨
ブラータチーズと梨
ラ・ビスボッチャ店内
2.ブラータチーズと黒イチジク
ブラータチーズと黒イチジク
メニューについて
ブラータチーズと味わう、季節の食材シリーズです。
9月の二品目は、黒イチジクをおすすめします。
メニュー提案・撮影調理/料理長 井上裕基
黒イチジクは新潟県産を使用
お召し上がり
ブラータチーズと黒イチジク
黒イチジクは、ジャムのように柔らかく、甘みとコクが深く、タネのプチプチした食感がアクセントです。
ブラータチーズの質感とよくなじみ、お互いの味と香りを引き立てあいます。
ブラータチーズと黒イチジク
ブラータチーズと黒イチジク
ラ・ビスボッチャ店内
3.カンパチの炙りカルパッチョ トラパニソース
カンパチの炙りカルパッチョ トラパニソース
メニューについて
9月のカルパッチョは、夏から秋にかけて美味しくなるカンパチをおすすめします。
シチリア生まれで、アーモンドを効かせたトラパニソースを合わせました。
調理
メニュー提案・撮影調理/料理人 横田達也
◆カンパチの下ごしらえ
カンパチは鹿児島県産を使用。一尾で仕入れ、自店でさばく
カンパチの頭とヒレを落とし、身を骨から外す
小骨を抜く
◆仕上げる
カンパチを炙る前に、身に塩を振りかけ、下味をつける
カンパチの皮目にオリーブオイルを振りかける
カンパチを炭火焼きグリルの焼き網の上にのせ、皮目を軽く炙る
炙ったカンパチを食べやすい大きさにカットし、トラパニソースや、マイクロハーブと盛り付けて仕上げる
トラパニソースは、アーモンドの特産地、イタリア南部シチリア島トラパニ発祥のアーモンドを効かせたソース。ミキサーで材料を混ぜ合わせてつくる。材料は左からバジル、アーモンド、ニンニク、トマト、塩、白ワイン酢、エキストラヴァージン・オリーブオイル
マイクロハーブは山梨県産のウッディーナッティを使用。青っぽさとほのかな苦み、ナッツのような風味がある
お召し上がり
カンパチの炙りカルパッチョ トラパニソース
カンパチは、歯ごたえがしっかりしています。
旨みは上品で、トラパニソースの濃厚な旨みがよく合います。
炙った皮目の香ばしさがアクセントです。
カンパチの炙りカルパッチョ トラパニソース
カンパチの炙りカルパッチョ トラパニソース
ラ・ビスボッチャ店内
4.トリッパ、マイタケ、シシトウのフリット
トリッパ、マイタケ、シシトウのフリット
メニューについて
イタリア式の軽めの揚げ物、フリット。
9月は、味と香り、食感がちがう3種をミックスしておすすめします。
調理
メニュー提案・撮影調理/料理人 村澤大
◆トリッパの下ごしらえ
トリッパはイタリア語で牛の第2胃袋の意味。日本の呼称はハチノス。国産を使用
トリッパの表面を流水で洗う
洗ったトリッパを鍋に入れる
トリッパを茹でる
トリッパを茹で汁から取り出し、表面を流水で洗う
鍋の水をきれいな水と入れ替え、トリッパを香味野菜と煮込む
◆揚げる
シシトウは千葉県産を使用
ビール衣をつくる。小麦粉、卵、ビールを混ぜる
ビールは、1859年にイタリア北部フリウリ・ベネツィア・ジューリア州で創業したモレッティ社製。イタリアのビールメーカーとしては最古参で、1942年から髭の紳士をラベルにレイアウトしている。シリーズのなかのピルスナータイプ330ml瓶詰めを使用
シシトウのヘタを切り落とし、ビール衣をつける
マイタケは新潟県産を使用
マイタケを小分けにしてビール衣をつける
トリッパを食べやすい大きさにカットし、セモリナ粉をつける
衣をつけた具材をサラダ油で揚げる
野菜から先に上げる
具材の余分な油を落とし、塩を振りかけて仕上げる
お召し上がり
トリッパ、マイタケ、シシトウのフリット
トリッパは、もちっサクッとした食感。
マイタケは、香りが高く、シシトウは、ほろ苦さがきわだちます。
香ばしさのなかに、食材の個性が生きて、飽きない組み合わせを楽しみます。
トリッパ、マイタケ、シシトウのフリット
トリッパ、マイタケ、シシトウのフリット
ラ・ビスボッチャ店内
5.ヤリイカ、ムール貝、アサリの白ワイン蒸し レモン風味
ヤリイカ、ムール貝、アサリの白ワイン蒸し レモン風味
メニューについて
初秋におすすめしたい伝統料理です。
魚介の旨みをさっぱりと味わいます。
調理
メニュー提案・撮影調理/副料理長 高部孝太
ヤリイカは北海道産を使用
ヤリイカから内臓を取り除き、食べやすい大きさにカットする
アサリは愛知県産を使用
アサリの表面を水で洗う
ムール貝は宮城県産を使用
ムール貝の表面を洗い、ヒゲを取り除く
フライパンにオリーブオイルとニンニクを入れ、加熱して香りをつけ、ヤリイカを炒める
貝類を入れ、白ワインと自家製魚の出汁を加える
フタをして具材を蒸し焼きにする
貝が開いたらフタを外し、レモンの汁で香りをつける
エキストラヴァージン・オリーブオイルで香りをつけ、器に盛り付けてからイタリアンパセリのみじん切りを振りかけて仕上げる
お召し上がり
ヤリイカ、ムール貝、アサリの白ワイン蒸し レモン風味
具材の美味しさはもちろん、魚介の味がミックスしたスープが絶品です。
定番の王道の味わいに、パンと白ワインがすすみます。
ヤリイカ、ムール貝、アサリの白ワイン蒸し レモン風味
ヤリイカ、ムール貝、アサリの白ワイン蒸し レモン風味
ラ・ビスボッチャ店内
⚫︎パスタ&リゾット
6.イワシのラヴィオリ ウイキョウのソース
イワシのラヴィオリ ウイキョウのソース
メニューについて
夏の思い出を振りかえるような、マリンテイストのパスタです。
イワシをラヴィオリで包み、シチリアに多いウイキョウのソースを合わせました。
調理
メニュー提案・撮影調理/料理人 横田達也
◆ラヴィオリの中身をつくる
イワシは北海道産を使用。頭と骨、内臓、ヒレを取り除く
ニンニクのみじん切りで香りをつけたオリーブオイルでイワシを炒める
自家製トマトソース、魚の出汁、イタリアンパセリのみじん切りを加える
イワシの身を細かくしながら汁を煮詰め、ラヴィオリの中身の出来あがり
◆ラヴィオリを製麺する
ラヴィオリの生地をパスタマシーンで薄く伸ばす。生地は全卵、卵黄、小麦粉、セモリナ粉、オリーブオイル、塩を混ぜてつくる
ラヴィオリの生地の上に中身を並べ、上から生地をかぶせる
生地と中身の間の空気を抜く
金型でラヴィオリの形にくり抜く
余分な生地を取り除く
生地を押さえ、上下の生地を接着する
◆ソースをつくる
オリーブオイルに赤唐辛子やニンニクのみじん切り、アンチョビペーストで味と香りをつける
カットしたウイキョウの茎と葉、干し葡萄、松の実、自家製トマトソース、魚の出汁を入れる
ウイキョウはイタリア産。茎と葉を使う
◆炒りパン粉をつくる
オリーブオイルにアンチョビペーストで味をつける
パン粉を入れ、加熱し、オイルと馴染ませる
◆仕上げる
茹で上げたラヴィオリをソースのフライパンに投入
ラヴィオリをソースとなじませ、皿に盛り付けてから炒りパン粉を振りかけて仕上げる
お召し上がり
イワシのラヴィオリ ウイキョウのソース
ウイキョウのソースは、爽やかな香りで、甘酸っぱい味わい。
ラヴィオリのイワシの旨みが引き立ちます。
イワシのラヴィオリ ウイキョウのソース
イワシのラヴィオリ ウイキョウのソース
ラ・ビスボッチャ店内
7.アワビとポルチーニのフェットチーネ
アワビとポルチーニのフェットチーネ
メニューについて
イタリアの秋の味覚、ポルチーニ茸の味と香りを生かしたフェットチーネです。
アワビとよく合い、コクの深まりに秋らしさを感じます。
調理
メニュー提案・撮影調理/料理人 水谷結
◆アワビの下ごしらえ
アワビは韓国産を使用
アワビに塩をつけて洗う
フライパンにアワビ、白ワイン、魚の出汁を入れ、フタをして蒸し焼きにする
蒸し焼きにしたアワビを殻から外し、肝を取り除き、薄くカットする
◆ソースをつくる
オリーブオイルを加熱し、赤唐辛子やニンニクのみじん切り、アワビの肝で味と香りをつける。具材のアワビとポルチーニ茸を加える
ポルチーニ茸はイタリア産のフレッシュタイプを使用
アワビの蒸し汁とパスタの茹で汁を加える
汁を煮詰め、イタリアンパセリのみじん切りを加えてソースの出来あがり
◆仕上げる
フェットチーネを茹でる。フェットチーネは自家製生パスタ。生地は全卵、卵黄、小麦粉、セモリナ粉、オリーブオイル、塩を混ぜてつくる
茹で上げたフェットチーネをソースのフライパンに投入
フェットチーネをソースと和えて仕上げる
お召し上がり
アワビとポルチーニのフェットチーネ
ポルチーニ茸は、旨みとコクがしっかりしています。アワビの蒸し汁や肝が加わり、さらにコクが深まっています。
ソースはあえてトマトを使わず、具材そのものの濃い出汁をじっくり味わいます。
フェットチーネは、出汁の美味しさがたっぷり染みています。
アワビとポルチーニのフェットチーネ
アワビとポルチーニのフェットチーネ
ラ・ビスボッチャ店内
8.白トリュフのタヤリン
白トリュフのタヤリン
メニューについて
トリュフのなかで最も香りが高く、秋には一度食べたいイタリア産白トリュフ。いよいよシーズン到来です。
相性のいい卵やバターをたっぷり使った極細麺、タヤリンで香りを高めました。
調理
メニュー提案・撮影調理/副料理長 高部孝太
タヤリンを自家製生パスタでつくる。卵黄と小麦粉、セモリナ粉、オリーブオイル、塩を混ぜる
タヤリンを茹でる。茹で時間1分30秒
フライパンにバターを入れ、加熱する
パスタの茹で汁を加え、煮詰めてソースの出来上がり
茹で上がったタヤリンをソースのフライパンに投入
タヤリンをソースと和え、皿に盛り付ける
スライスしたての白トリュフを振りかけて完成
白トリュフはイタリア北部ピエモンテ州産
お召し上がり
白トリュフのタヤリン
白トリュフの強い香りは、乳製品や卵の風味と相性がよく、さらに香りが高まります。
極細のタヤリンはしなやかで、バターソースと一体になります。
とろりとした食感は軽い食べ心地で、香りを食べているような感覚で、お皿に残ったソースは、パンにつけて楽しみます。
白トリュフのタヤリン
白トリュフのタヤリン
ラ・ビスボッチャ店内
9.白トリュフのリゾット 熟成生ハム入り 卵黄のせ
白トリュフのリゾット 熟成生ハム入り 卵黄のせ
メニューについて
トリュフの香りを、リゾットで楽しむメニューです。
白トリュフの強い香りに合わせるリゾットは、卵黄と熟成生ハムを加えた濃厚タイプでおすすめします。
調理
メニュー提案・撮影調理/料理長 井上裕基
◆熟成生ハムバターをつくる
生ハムのスネの部分の肉を骨から外す
スネ肉の皮を取り除く
スネ肉をミートスライサーにセットする
ミートスライサーで薄くカットしたスネ肉
スネ肉を包丁で細かくカットする
スネ肉を加熱したバターとなじませる
スネ肉とバターを容器に入れる
容器を冷やし、バターを固め、冷蔵庫で保存。肉は柔らかくなり、塩気はマイルドになり、旨みは濃くなる
◆リゾットを仕上げる
リゾット米を自家製鶏の出汁と熟成生ハムバターとともに煮込む
リゾット米は、大粒で煮崩れしにくいイタリア産のリゾット用品種を使用。イタリア北部ピエモンテ州の米処ヴェルチェッリ県で1935年からリゾット用の米をつくり続ける「ロンドリーノ」社のブランド米「アクエレッロ」
無塩バターを入れ、味と香り、とろみをつける
パルミジャーノ・レッジャーノを入れ、味と香り、とろみをつける
パルミジャーノ・レッジャーノは、イタリア北部エミリア・ロマーニャ州で1877年に創業した乳製品メーカーの老舗「アウリッキオ」社製。一年中干草のみを与えた牛の濃いミルクからつくるチーズは甘みと熟成感のバランスがよい。側面の認証刻印の2042のナンバリングはハイグレードの証。塊で仕入れ、自店で粉に挽く
リゾットを皿に盛り付け、卵黄とバター、パルミジャーノ・レッジャーノをトッピングする
スライスしたての白トリュフを振りかけて仕上げる
お召し上がり
白トリュフのリゾット 熟成生ハム入り 卵黄のせ
そのままでも美味しい、定番のパルミジャーノ・レッジャーノのリゾットに、白トリュフや生ハム、卵の味と香りが加わる豪華な一皿です。
ひと足早く、食欲の秋を楽しみます。
白トリュフのリゾット 熟成生ハム入り 卵黄のせ
白トリュフのリゾット 熟成生ハム入り 卵黄のせ
ラ・ビスボッチャ店内
⚫︎メイン
10.アイルランド産羊の骨付きロースのスパイス焼き
アイルランド産羊の骨付きロースのスパイス焼き
メニューについて
暑さか残る季節にぴったりのエスニックテイストです。
アイルランド産羊肉の美味しさを香辛料で引き立てました。
調理
メニュー提案・撮影調理/料理人 村澤大
羊肉の骨付きロースはアイルランド産を使用
羊肉を塊から切り出し、オリーブオイルで骨から焼く
羊肉の向きを変え、全面を焼く
オリーブオイルを足す
骨の曲がった部分は、フライパンの熱があたりにくいため、スプーンでオイルを回しがけしながら加熱する
表面に焼き色をつけた羊肉にスパイスで香りをつけ、アルミホイルで包む。スパイスは黒コショウやクミン、ウーシャンスパイスをミックスして使用
オーブンで焼く
仕上げる直前に、羊肉の表面を強火で焼き、パリッとさせて、香りを高める
切り分けて盛り付ける
お召し上がり
アイルランド産羊の骨付きロースのスパイス焼き
アイルランド産の羊は牧草飼育のため、肉質は赤身が多く、柔らかい。羊の臭みは少なく、味わいは、まろやかな旨みが甘みへと広がります。
クセが少なく、食べやすい印象の羊肉の美味しさを、香辛料が引き立てます。
アイルランド産羊の骨付きロースのスパイス焼き
アイルランド産羊の骨付きロースのスパイス焼き
ラ・ビスボッチャ店内
11.フランス産ビゴール豚の肩ロースと山の幸の蒸し焼き
フランス産ビゴール豚の肩ロースと山の幸の蒸し焼き
メニューについて
豚肉と、豚も食べたであろう山の幸を一緒に蒸し焼きにしました。
彩り、香り、味わいに、秋の訪れを感じる一皿です。
調理
メニュー提案・撮影調理/料理長 井上裕基
◆下ごしらえ
豚肉はフランス産のビゴール豚を使用。フランス最古の純粋種の黒豚。ピレネー山脈の麓で放牧されて育つ。古代から美味で知られる高級食材。今回は肩ロースを使用
豚肉を塊から切り出し、脂が落ちやすいように切り込みを入れる
塩とコショウで下味をつける
山の幸をカットする
撮影に使用した山の幸。組み合わせと産地は日によって変わる
◆食材の表面を焼く
豚肉をフライパンに押し付けながら焼く
豚肉を焼くときに出た脂を鍋に入れる
鍋で山の幸の表面を両面焼く
◆食材を蒸し焼きにする
表面を焼いた豚肉を鍋に入れる
豚肉を焼いたフライパンに白ワインを入れ、豚肉の肉汁を取り込む
白ワインを鍋に入れる
栗と香草を加え、フタをして蒸し焼きにする
◆仕上げる
豚肉を取り除き、バターと自家製仔牛のブイヨンを入れ、味と香りをつける
山の幸を盛り付ける
仕上げる直前に、豚肉の表面を強火で焼き、パリッとさせて、香りを高める
半分に切って盛り付ける
お召し上がり
フランス産ビゴール豚の肩ロースと山の幸の蒸し焼き
ビゴール豚は柔らかく、赤身は旨みがしっかりして、脂身は香ばしく、バランスのよい美味しさです。
山の幸は、焼いた香ばしさと、蒸し汁が染みた美味しさが絶品で、豚肉と交互に食べながら楽しみます。
フランス産ビゴール豚の肩ロースと山の幸の蒸し焼き
フランス産ビゴール豚の肩ロースと山の幸の蒸し焼き
ラ・ビスボッチャ店内
⚫︎ドルチェ
12.木こりのティラミス
木こりのティラミス
メニューについて
秋味のティラミスです。
マロンクリームを重ね、栗の甘露煮とナッツ、チョコレートをトッピングしました。
調理
メニュー提案・撮影調理/料理人 高部孝太
◆マロンクリームをつくる
ミキサーで定番のティラミスのクリームをつくり、ベースにする。生クリーム、マスカルポーネチーズ、卵黄、砂糖を混ぜてつくる
マスカルポーネチーズは、生クリームからつくるクリーム状のフレッシュチーズ。濃厚なミルクの風味と、粘りのある食感にこだわり、イタリア産を使用。イタリア北部ピエモンテ州で1935年に創業したチーズメーカー、イゴール社製
ベースのクリームに栗のピューレを加え、栗の風味をつけてマロンクリームの出来あがり
栗のピューレはフランスで1920年に創業したアンベール社製を使用。繊細な味の栗にこだわり、ヨーロッパ栗を使用。栗に含まれる苦味成分のタンニンを極力取り除いている。パティシエの好みに応じてアレンジできるように初期設定は無糖
◆ティラミスを組み立てる
ティラミスの階層に使う自家製ビスケット。エスプレッソとラム酒、砂糖を混ぜた液をたっぷり染み込ませる
エスプレッソは苦すぎない「ドッピオ・ルンゴ」の設定
ラム酒は、フランスのリモージュで1857年に創業したバーディネー社の「ネグリタ」ブランドを使用。西インド諸島でサトウキビを原料に蒸留した原酒を、フランスのボルドーでブレンド、熟成させたもの
味をつけたビスケットを容器の底に敷く
マロンクリームを重ねる
2層目のビスケットを重ねる
2層目のマロンクリームを重ねる
◆トッピングを盛り付ける
頂上にマロンクリームを絞り出して並べる
ナッツのみじん切りをトッピングする
トッピングに使うナッツ。左からアメリカ産クルミ、中国産松の実、イタリア産ピスタチオ、アメリカ産アーモンド、イタリア産ヘーゼルナッツ
栗の甘露煮をカットして加える
栗の甘露煮は、栗の生育に適した面積が広く、世界一の産出量の中国産を使用。茶色い渋皮をつけて甘く煮込んだタイプで、柔らかくなった渋皮が甘みをたっぷり含む
チョコレートを振りかけて仕上げる
お召し上がり
木こりのティラミス
ティラミスのスポンジ生地に染みているコーヒーや、トッピングのチョコレートは、栗やナッツと相性抜群です。どれも原材料は植物の種で、よくなじみます。
濃厚なマロンクリームとともに、種の味と香り、食感の壮大なハーモニーを堪能しながら、実りの秋を感じます。
木こりのティラミス
木こりのティラミス
9月のディナーは、
ラ・ビスボッチャの季節のおすすめメニューで、
秋の先どりをお楽しみください。