イベントレポート:コスミック・ジャンクション 第5回

ラ・ビスボッチャは2025年9月28日(日)、豊かな人生の創造を目指す予防医療クリニック「アフロード・クリニック」とコラボレーションして、アートと食の掛け合わせから生まれるビックバンを楽しむイベント「コスミック・ジャンクション」の第5回を開催しました。イベントの模様をお伝えします。

写真・文/ライター 織田城司

ラ・ビスボッチャのメインダイニングの作品展示と客席

1.イベントの概要

イベント名|「COSMIC JUNCTION(コスミック・ジャンクション)第5回」

日時|2025年9月28日(日)  

17:00 開店

18:00 コース料理スタート

22:00 閉店

会場|東京広尾 イタリアンレストラン「ラ・ビスボッチャ」

主催|アフロード・クリニック、ラ・ビスボッチャ

運営|

ビスボッチャ店内にギャラリー数社がアート作品を持ち込み、展示・販売。

食事は着席で、各自の席にイタリアンのフルコースとフリードリンクを提供。

各自の席に展示作品リストとコース料理メニューを配布。

展示作品の撮影は可能。

コース料理の合間に関係者の挨拶や、アーティストのトーク、パフォーマンスが盛り込まれた。

2.開会挨拶

開会の挨拶をするアフロード・クリニック代表、道下将太郎さん

主催者を代表して、アフロード・クリニック代表、道下将太郎さんから以下の内容の挨拶がありました。

【道下将太郎さんの挨拶要約】

アートのイベントは食を伴わないことが多く、レストランとコラボしようと思ったことがイベントの発端で、5回目になります。

朝からギャラリー、アーティスト、クリニックなどの関係者がレストランに集まり、皆ほとんど初対面ながら一緒にこの会場をつくり、撤収、復元しています。

その活動を通じて、普通では考えられないような刺激が生まれ、多次元に交錯することから、コスミック・ジャンクションというタイトルをつけています。

今は、携帯電話やSNSが発達する一方で、出会える人にしか会えなくて、感情の交換をする機会は減り、シビれるとか、鳥肌立つとか感じることは少なく、刺激が制限されている世の中かもしれません。

また、皆さんは、ずっとアクセルを踏み続けて生きているようにも見え、たまには立ち止まることも必要です。

このイベントを通じて、リアルな刺激を体感し、自分なりに、何かに興味を持ち、立ち止まる機会として、共有できたらいいなと思います。

3.会場のレイアウト

ラ・ビスボッチャのメインダイニングの作品展示と客席

ラ・ビスボッチャのメインダイニングの作品展示と客席

ラ・ビスボッチャのメインダイニングの作品展示と客席

ラ・ビスボッチャのサローネの作品展示

ラ・ビスボッチャのサローネの作品展示

4.出展作品と参加アーティストの解説

◆OLIさんの作品

OLIさんの作品

OLIさんの作品

OLIさんの作品

イベント参加者に自作の解説をするOLIさん(右)

【OLIさんのトーク】

オリといいます。作家をはじめて10年。絵画の中に渦巻きを取り入れたワープという作品のシリーズを、コロナ禍の最中にスタートしました。

作品を通じて、当たり前の中にある歪んだものを表現しています。歪みをネガティブではなく、新しい美として追求しています。

◆マンバン・ライノさんの作品

自作の前に立つマンバン・ライノさん

【道下正太郎さんによるマンバン・ライノさんの解説】

28歳で、今回が初めての作品展示になります。もともとアニメを描いていて、ストーリー性が面白い。

◆BOCKY(SWITCH BOMB)さんの作品

BOCKY(SWITCH BOMB)さんの作品

BOCKY(SWITCH BOMB)さんの作品

BOCKY(SWITCH BOMB)さんの作品

BOCKY(SWITCH BOMB)さんの作品

客席で挨拶をするBOCKYさん(左)とタケシさん

【BOCKYさんのトーク】

自分はブラックカルチャーが好きで、アフリカに行き、伝統工芸の木彫りなどを学びました。そこに、日本のポップアートをミックスしています。怪獣のソフビ人形も日本の伝統工芸で、その工場に依頼して作った作品もあります。

木工を手がけるタケシとコラボしたアーティスト名がSWITCH BOMBになります。

【タケシさんのトーク】

みなさんのように、生粋のアーティストではなく、狭山丘陵を中心に伐採の仕事をしています。林業も死生観を感じることがあり、イベントのコンセプトに共感して、作品を展示する木製の台の提供で協力しています。

◆骨壷アートプロジェクト

骨壷アートプロジェクトの作品。アーティストは左から井上裕希、氏家昂大、野田ジャスミン、ノグチエミコ、酒井智也

一般的な仏具の骨壷ではなく、インテリアのようにデザイン性のある骨壷をつくり、飾って見ることで、死を身近に感じてもらうことがコンセプト。ペットの骨壷としての需要も期待できる。

◆そのほかの展示作品

Amano Takeruさんの作品

Amano Takeruさんの作品

Tomoo Gokitaさんの作品

Daniel Arshamさんの作品

dai.tamuraさんの作品

川口晴彦さんの作品

武藤久由さんの作品

古賀崇洋さんの作品

J-M BASQUIATさんの作品

J-M BASQUIATさんの作品(部分)

5.パフォーマンス

曲の流れと同時に歌詞が浮かび上がるコトダマスピーカーの実演

曲に合わせてスマフォをペンライトがわりに振りかざし、会場を盛り上げる道下将太郎さん

パフォーマンスで提供されたイタリアのレオナルディ社の100年熟成バルサミコ酢

厨房でスプーンの上にパルミジャーノ・レッジャーノと100年熟成バルサミコ酢を盛り付けるラ・ビスボッチャの井上裕基料理長

コスミック・ジャンクションでは、アート作品の展示に加え、ダンスや舞踏などのパフォーマンスが、アートの一環として、会食の合間に挿入されている。

今回は、2ヶ月前に道下将太郎さんがコラボして感動した株式会社COTODAMA(東京都港区)のコトダマスピーカーが紹介されました。

コトダマスピーカーは、スピーカーの一面に、流している曲の歌詞を自動で投影する特殊なスピーカーで、世界中で40以上の言語、1500万曲以上の歌詞に対応するという。

デモンストレーションで、道下将太郎さんが選んだ以下の3曲が、会場の数カ所に設置したスピーカーから流れ、歌詞が投影された。

①「好きなこと」柊人

②「メロディー」玉置浩二

③「THE GIFT」Blue

また、曲のオンエア中、イタリアのレオナルディ社製の100年熟成バルサミコ酢が、パルミジャーノ・レッジャーノとともにスプーンに盛り付けられ、提供されました。

ハイテクスピーカーと熟成食材のパフォーマンスで表現されたことは、アートや食が持つ奥深さ。

普段スピーディーに大量消費しているポピュラー音楽や酢も、視点を変えて体感すると、奥深い魅力があることがわかり、心が豊かになり、楽しみが広がることを感じました。

6.コース料理

◆冷前菜の盛り合わせ

左から馬肉のカルパッチョ、カツオのカルパッチョ、生ハム、ブラータチーズと季節のフルーツ

◆温前菜

アイルランド産牡蠣のフリット ラヴィゴットソース

◆プリモピアット

キノコのリゾット 卵黄のせ 白トリュフかけ

◆セコンドピアット

アイルランド産グラスフェッドビーフの炭火焼き

◆ドルチェ

ティラミス

7.まとめ

ラ・ビスボッチャのメインダイニングの作品展示と客席

会場内では、アートや音、詩、味覚、嗅覚など、さまざまな刺激が広がる。

老舗イタリアンレストランが持つ、カジュアルやフレンドリー、レトロ、アナログなどの雰囲気が、さまざまな現代アートの可能性を広げていることも面白い。

高度情報化社会のスピード化に、無意識のうちに流されるのではなく、たまには自分の意思で立ち止まり、リアルな刺激を受ける機会をつくることも大切だと実感。

アーティストと対話したり、初対面の参加者と名刺交換したり、交流の場としても有意義なイベントでした。