RECOMMENDED SEASONAL MENU MAY 2022
コラム『味と技』第111回
爽やかな季節の美味しさ
5月は、爽やかな陽気のなかで新緑が輝き、スポーツや行楽が快適です。
そんな季節に美味しく感じるメニューを、10品集めておすすめします。
※天候の影響など、食材調達の都合により、メニューによってご用意できない場合がございます。あらかじめご了承ください。
監修/料理長・井上裕基
写真・文/ライター 織田城司
Supervised by Yuuki Inoue
Photo・Text by George Oda
⚫︎前菜
1.ブラータチーズとびわのサラダ
メニューについて
ブラータチーズのサラダで味わう、旬の食材の歳時記シリーズです。
5月は、びわを合わせておすすめします。
お召し上がり
ブラータチーズとびわのサラダ
◆みずみずしい果肉、やさしい甘み
びわの果肉は、フルーティな香りが高く、ナイフでサクッと切れる柔らかさで、みずみずしい果汁にやさしい甘みを感じます。
ブラータチーズのミルキーな風味が、びわのやさしい甘みを引き立てます。
エキストラヴァージン・オリーブオイルの青々しい香りと、ブラックペッパーのスパイシーな辛みがアクセントです。
2.生ハムとクレソン、ブラータチーズ
メニューについて
肉料理によく合うクレソンは、生ハムとも相性抜群です。今回はさらにブラータチーズを加えて仕上げました。
爽やかな5月におすすめする、生ハムの食べ方です。
お召し上がり
◆たっぷりクレソンで爽快!
生ハムのとろける柔らかさ、熟成香、濃い旨みは、クレソンのシャキシャキした食感、爽やかな香り、ほろ苦さと好対照で引き立て合います。
そこにブラータチーズのミルキーな甘みがアクセントで絡み、フレッシュな食材の爽快なハーモニーがきわだちます。
3.炙りカツオのカルパッチョ バルサミコ酢と醤油のドレッシング
メニューについて
初ガツオを使った初夏のカルパッチョです。
カツオは炭火でさっと炙り、香ばしさを加えています。
醤油を混ぜたドレッシングを合わせ、マイクロハーブをトッピングしました。
お召し上がり
◆初夏の味覚で元気いっぱい!
カツオはもっちりした食感で、旨みはさっぱりして、炙った香ばしさが美味しさを増しています。
バルサミコ酢と醤油を混ぜてつくるドレッシングは、甘酸っぱさから辛みまで広がる奥深い味わいで、カツオの美味しさを引き立てます。
トッピングのマイクロハーブの爽やかな風味がアクセントになります。
4.的矢の牡蠣のバターソテー
メニューについて
的矢の牡蠣の美味しさをシンプルに味わうバターソテーです。
細かくカットしたズッキーニを、オリーブオイルでさっと炒めて添え、マイクロハーブをトッピングしました。
初夏に美味しい、冷えたスプマンテや白ワインとよく合う一品です。
◆的矢の牡蠣とは
三重県志摩市の的矢湾で生産される牡蠣です。
的矢湾は、山の養分をたっぷり含んだ川の水が海中に流れ込み、良質な牡蠣が早く育つことから、1928年に牡蠣の養殖がはじまりました。
的矢の牡蠣の身は柔らかく、ふっくら。味わいは、甘み、旨み、塩気のバランスがよく、牡蠣特有のえぐみや苦み、臭みはほとんど感じません。
その美味しさから的矢の牡蠣は、松阪牛や伊勢えび、熊野地鶏、真珠など、数十品とともに、三重県の優れた産物と生産者を認定する「三重ブランド」に選ばれています。
お召し上がり
◆絶品の旨みで飽きない美味しさ
的矢の牡蠣の身はふっくらして、ほどよく火が入り、歯ごたえに弾力があります。
味わいは、繊細な旨みを中心に、甘みや塩気が広がり、飽きない美味しさです。
バターは表面につけた小麦粉と一体になり、香ばしさが美味しさを引き立てます。
炒めたズッキーニの甘み、マイクロハーブの青々しい香りがアクセントになります。
5.炭火で焼いたトリッパと白いんげん豆のンドゥイヤ煮込み
メニューについて
トリッパをトマトソースで煮込むイタリアの伝統的なモツ煮込みをベースに、5月は、トリッパを炭火で焼いて香ばしさをつけ、辛味ペーストのンデュイヤを加え、ミントをトッピングしました。
お召し上がり
◆初夏に美味しい食感と辛み
炭火で焼いたトリッパは、モツ特有のコリコリした食感がきわだちます。
トリッパのくぼみに絡まる煮汁は、トマトの旨みにンドゥイヤのマイルドな辛みがほどよく混ざり、とろみが美味しさを引き立てます。
白いんげん豆のほっくりした食感と甘み、ミントのシャキシャキした食感と清涼感ある香りがアクセントになります。
6.サクラエビとグリーンアスパラガスのカサレッチェ
メニューについて
イタリア南部で生まれ、魚介と相性がいいショートパスタ、カサレッチェ。
5月はサクラエビを合わせ、グリーンアスパラガスをアクセントに加えます。
トマトソースはミニトマトを使い、さっぱりと仕上げました。
◆カサレッチェの製麺
お召し上がり
◆香ばしく、爽やかな、もっちりパスタ
生パスタでつくるカサレッチェは、もっちり感がありながら、柔らかめの歯ごたえです。
その溝に絡むソースは、サクラエビの香ばしさがきわだちます。
グリーンアスパラガスの青々しい旨みと、ミニトマトの酸味がアクセントになり、初夏らしい爽やかな仕上がりです。
7.パルメザンチーズのリゾット サマートリュフかけ
メニューについて
バターやチーズとよくなじみ、香りが引き立つトリュフは、パルメザンチーズのリゾットと相性抜群です。
5月は、出回りはじめたイタリア産のサマートリュフを振りかけておすすめします。
お召し上がり
◆サマートリュフのマイルドな香りで初夏を満喫
トリュフも季節感があり、出回りはじめる初夏から、冬になるにつれて香りが濃くなります。
サマートリュフの香りはマイルドで、リゾットのバターやチーズの風味とバランスよくなじみます。
8.ウサギのモモ肉のファルチート マルサラソース サマートリュフかけ
メニューについて
ファルチートは、肉を丸めながら詰め物入れ、味をなじませてから焼く、イタリア中部に多い料理です。
5月は、ウサギのモモ肉にトリュフペーストを詰めて焼き、マルサラ酒を入れたソースを合わせ、サマートリュフを振りかけて仕上げました。
お召し上がり
◆きわだつ香ばしさ、さっぱりした旨み
トリュフの香りは、肉の旨みを引き立てます。
サマートリュフのマイルドな香りは、ウサギのさっぱりした旨みがよく合います。
ウサギの軽やかな香ばしさと、マルサラソースの甘みがアクセントになります。
9.アメリカンチェリーのタルト
メニューについて
タルトで味わう、旬の食材の歳時記シリーズです。
5月は、アメリカンチェリーを合わせておすすめします。
お召し上がり
◆初夏に美味しい爽やかな甘酸っぱさ
トッピングのアメリカンチェリーの食感は、果皮がパリンとはじけ、果肉はシャリシャリしています。
味わいは甘みが強く、酸味は控えめで、初夏に美味しい爽やかな甘酸っぱさです。
クリームの甘みと、パイ生地の香ばしさが、アメリカンチェリーを引き立てます。
10.ズコット・ディ・フルッタ
メニューについて
ズコットは、中世ルネッサンス期にトスカーナ地方のフィレンツェで生まれた伝統的なお菓子です。
ドーム型のスポンジケーキのなかにクリームやムース、アイスなどを詰めてつくるもので、5月は、イチゴと2色のクリームを合わせておすすめします。
◆ズコットのなかに詰める2色のクリームの材料
・白いクリーム(マスカルポーネチーズ、生クリーム、グラニュー糖)
・グリーンのクリーム(ピスタチオペースト、マスカルポーネチーズ、生クリーム、グラニュー糖)
お召し上がり
◆濃厚なクリームをたっぷり味わう
ドーム型のホールケーキから切り分けた、ボリューム感あるドルチェの主役はクリームです。
マスカルポーネチーズで濃さを増したクリームをたっぷり味わいます。
イチゴの甘酸っぱさと、くちどけの良いスポンジ生地がアクセントになります。
クリーム好きにはたまらない一品です。
5月のディナーは、
「ラ・ビスボッチャ」の「季節のおすすめメニュー」で、
爽やかな季節の美味しさを、お楽しみください。