季節のおすすめメニュー2月 2023

RECOMMENDED SEASONAL MENU FEBRUALY 2023

コラム『味と技』第122回

早春のきらめき

2月は、暦の上では春がはじまり、気がつけば日が少しずつ長くなり、若々しい食材に、ひと足はやい春を感じます。

そんな季節に美味しい料理を14品おすすめします。

監修/料理長・井上裕基

写真・文/ライター 織田城司
Supervised by Yuuki Inoue    
Photo・Text  by George Oda

前菜

1.ブラータチーズと伊予柑のサラダ

ブラータチーズと伊予柑のサラダ

メニューについて

ブラータチーズと味わう季節の食材シリーズです。

2月は、伊予柑を合わせておすすめします。

メニュー提案 撮影調理 料理人・金田健太郎

伊予柑は、12月から1月にかけて収穫し貯蔵。酸味が落ち着いて甘味が増す春先が食べごろになる。産出量日本一の愛媛県産を使用

ブラータチーズは、イタリア南部プーリア州出身のチーズ職人が、アメリカ・カリフォルニア州でつくる「ディ・ステファノ」社製を使用。放牧牛のミルクを使い、とろりとした食感で、ミルキーな風味と甘み、旨みが濃厚

お召し上がり

ブラータチーズと伊予柑のサラダ

伊予柑は果汁がたっぷりして、爽やかな甘みがあります。

ブラータチーズは果汁によくなじみ、ミルキーな風味が伊予柑の美味しさを引き立てます。

ブラータチーズと伊予柑のサラダ

ブラータチーズと伊予柑のサラダ

ラ・ビスボッチャ店内

2.ラディッキオ・タルディーヴォとオレンジのサラダ

ラディッキオ・タルディーヴォとオレンジのサラダ

メニューについて

生のラディッキオ・タルディーヴォの爽やかな美味しさをメインにしたサラダです。

オレンジや松の実、パルミジャーノ・レッジャーノを合わせ、コントラストつけました。

調理

メニュー提案 撮影調理 料理人・水谷結

入荷したラディッキョ・タルディーヴォ。イタリア北部ヴェネト州トレヴィーゾ県のみで収穫される希少な冬野菜。鮮やかな紫と白のコントラストが美しく、イタリアでは「冬の花」とよばれる高級食材。生でも焼いても美味しく、シーズンはサラダやパスタ、付け合わせなど、多彩なメニューで展開して季節の味を堪能

葉を分ける

葉を食べやすい大きさにカットする

葉をボウルに入れた水に浮かべる。表面の汚れを落としながら、アクを抜く

葉に付着した水分を水切り器で落とす

オレンジの皮を切り落とす。オレンジはアメリカ産を使用

オレンジの果肉を薄皮から切り落とし、食べやすい大きさにカットする。ローストした松の実や、薄切りにしたパルミジャーノ・レッジャーノとともに盛り付ける

ドレッシングを振りかけて仕上げる。ドレッシングはバルサミコ酢、エキスラヴァージン・オリーブオイル、塩、コショウを混ぜ合わせてつくる

バルサミコ酢は、イタリア北部エミリア=ロマーニャ州の酢の特産地、モデナで1871年に創業した老舗「レオナルディ」社製を使用。濃厚で甘酸っぱい味わい

お召し上がり

ラディッキオ・タルディーヴォとオレンジのサラダ

ラディッキオ・タルディーヴォはサクサクと心地よい食感で、ほのかな苦みを感じます。

オレンジの甘酸っぱさ、松の実の香ばしさ、パルミジャーノ・レッジャーノの塩気や旨みは、さまざまなコントラストで飽きない味わいです。

ラディッキオ・タルディーヴォとオレンジのサラダ

ラディッキオ・タルディーヴォとオレンジのサラダ

ラ・ビスボッチャ店内

3.本マグロのタルタル

本マグロのタルタル

メニューについて

オリーブオイルをメインにしたヨーロッパ風の味付けが美味しい生食料理のタルタル。

2月は、本マグロを合わせておすすめします。

調理

メニュー提案 撮影調理 料理人・村澤大

本マグロの切り身を細長くカットする。今回の本マグロはアイルランド産の赤身を使用

本マグロの向きを変え、立方体をイメージしてカットする

ケッパーの実の塩漬けをみじん切りにする

カットした本マグロを、エキストラヴァージン・オリーブオイル、ニンニクオイル、ケッパーのみじん切りと和え、盛り付ける

お召し上がり

本マグロのタルタル

本マグロのタルタル

オリーブオイルは生の本マグロによくなじみ、赤身のしっかりした旨みを引き立てます。

フレンチキャビアやケッパーの塩気がアクセントになります。

本マグロのタルタル

ラ・ビスボッチャ店内

4.ホワイトアスパラガスのビスマルク風

ホワイトアスパラガスのビスマルク風

メニューについて

中世の頃から、ヨーロッパの春の風物詩とされてきたホワイトアスパラガスを空輸し、シンプルに茹で、美味しさを引き出し、相性のいいバターや卵と合わせていただきます。

イタリア料理で目玉焼きをのせるとビスマルク風と表現するのは、19世紀のドイツの首相、ビスマルクがドイツを統一するために唱えた、富国強兵を推進するパワフルな「鉄血政策」に由来します。

調理

メニュー提案 撮影調理 料理人・村澤大

◆ホワイトアスパラガスの下ごしらえ

ホワイトアスパラガスはフレッシュタイプを使用。豊かな川と森が広がるフランス中部の特産地、ロワール地方産。中世の王族が好んで住み、世界遺産の古城が多く残る観光地としても有名。写真は5kgの2ケース。最盛期は毎週コンスタントに30〜40kg仕入れる

ホワイトアスパラガスの皮をむく。茎が湾曲しているため、皿などで台座をつくり、回しながら皮をむく

皮をむいたホワイトアスパラガスの集積

ホワイトアスパラガスの皮からダシをとり、ダシ汁をつくる。

ダシをとった皮はダシ汁から取り除く

ダシ汁にホワイトアスパラガスを投入

ホワイトアスパラガスをダシ汁で茹で、岩塩を入れながら下味をつける。食べる直前に再度茹でて仕上げるため、この段階では完全に茹でない。ダシ汁にホワイトアスパラガスの味がついているので、茹でる本体の味の流失を防ぐことができる

下茹でしたホワイトアスパラガスを、保存するために冷ます

冷ましたホワイトアスパラガスもダシ汁に浸し、さらに味をなじませる

◆目玉焼きをつくる

フライパンにオリーブオイルを広げ卵を焼き、塩を振りかけて味をつける

卵は神奈川県産の「長寿卵」。卵黄がオレンジ色で味に深みとコクがあり、イタリアの卵の質に似ていることから使用

自家製鶏のダシ汁を入れ、フタをして蒸し焼きにし、味と風味をつける

◆仕上げる

お客さまから注文をいただくと、下茹でしたホワイトアスパラガスをダシ汁で再度茹でる

温めた澄ましバターを敷き、茹で上げたホワイトアスパラガスを盛り付ける

澄ましバターは香りが高く、味があっさりしてホワイトアスパラガスとよく合う。澄ましバターはボウルの底を加熱してバターを溶かし、タンパク質を分離し、上澄みの乳脂肪だけを取り出してつくる

目玉焼きをトッピングし、パルメザンチーズを振りかけて仕上げる

お召し上がり

ホワイトアスパラガスのビスマルク風

茹で上がったホワイトアスパラガスは、半透明の繊維が集積した乳白色が美しく、青々しい香りがまろやかに漂います。

小さな穂先はとろける柔らかさで甘みがあり、太い茎はしなやかで、サクッとした歯ごたえが心地よく、ほのかな旨みがあり、春を感じるやさしい味わいを堪能します。

ホワイトアスパラガスのビスマルク風

ホワイトアスパラガスのビスマルク風

ホワイトアスパラガスの炭火焼き。ホワイトアスパラガスを塩味で下茹でし、炭火で焼き、エキストラヴァージン・オリーブオイルを振りかけて仕上げました。前菜や付け合わせなどに、お好みでお選びください

ラ・ビスボッチャ店内

5.白魚とアンチョビのブルスケッタ

白魚とアンチョビのブルスケッタ

メニューについて

春の産卵期に向けて食べごろになる白魚をトッピングしたブルスケッタです。

柔らかいアンチョビを加え、味を引き締めました。

調理

メニュー提案 撮影調理 料理人・横田達也

パンを炭火焼きグリルで焼く

パンは毎晩客席で提供するために、自家で焼くパーネ・トスカーノ(トスカーナ地方の郷土パン)を使用

パーネ・トスカーノは強力粉、薄力粉、生イースト、水を練ってつくる。味の濃いトスカーナ料理に合わせるパンとして塩と砂糖は不使用

白魚とアンチョビ・フィレをエキストラヴァージン・オリーブオイル、レモン汁、イタリアンパセリのみじん切りと和えて盛り付ける。白魚は宮城県産を使用

アンチョビのフィレは、スペインのコデサ社製を使用。ヨーロッパ屈指の漁港といわれるスペイン北部のカンタブリアで1976年に創業。カタクチイワシは適度な脂肪と雑味の少なさにこだわり、脂が乗りきる前の春の収穫物のみを使用。塩漬けにし、約6〜8ヶ月の熟成期間を経て、添加物や着色料を使用することなく、オリーブオイルに漬け、缶や瓶に詰めて出荷する。塩気は控えめで柔らかく、世界の一流レストランで愛用されている

お召し上がり

白魚とアンチョビのブルスケッタ

白魚はしなやかで柔らかく、ほどよくコシがある歯ごたえで、優しい旨みがあります。

アンチョビの塩気や旨み、パンの香ばしさが味わいを広げます。

白魚とアンチョビのブルスケッタ

白魚とアンチョビのブルスケッタ

ラ・ビスボッチャ店内

6.ラディッキオ・タルディーヴォの炭火焼きとスカモルツァチーズのソテー

ラディッキオ・タルディーヴォの炭火焼きとスカモルツァ・チーズのソテー

メニューについて

ラディッキオ・タルディーヴォは焼いても美味しく、前菜や付け合わせにおすすめです。

スカモルツァ・チーズの燻製香やマイルドな旨みと相性抜群です。

調理

メニュー提案 撮影調理 料理人・老田裕樹

ラディッキオ・タルディーヴォを4分の1ほどの大きさにカットし、オリーブオイルと塩で下味をつける

ラディッキオ・タルディーヴォを炭火で焼く

スカモルツァ・チーズは輪切りにし、小麦粉にまぶしてからオリーブオイルでソテーする

スカモルツァ・チーズは保存用に水分を少なくして燻製にしたチーズ。加熱するともっちりした食感になることから、加熱して食べることが人気になった。イタリア北部トレンティーノ・アルト・アディジェ州で1957年に創業した「アバシャーノ」社製を使用

お召し上がり

ラディッキオ・タルディーヴォの炭火焼きとスカモルツァ・チーズのソテー

炭火で焼いたラディッキオ・タルディーヴォの紫の葉先はサクサクしてほろ苦く、白くて太い部分は柔らかく、旨みがあり、多彩な味が楽しめます。

スカモルツァ・チーズはもっちりした食感で、燻製香とマイルドな旨みがあります。濃い味を合わせたおつまみ感にワインがすすみます。

ラディッキオ・タルディーヴォの炭火焼きとスカモルツァ・チーズのソテー

ラディッキオ・タルディーヴォの炭火焼きとスカモルツァ・チーズのソテー

ラ・ビスボッチャ店内

7.ハマグリの白ワイン蒸し レモンと聖護院かぶの風味

ハマグリの白ワイン蒸し レモンと聖護院かぶの風味

メニューについて

春の味覚の定番料理です。

今年はレモンと聖護院かぶのピューレを加え、繊細な味わいに仕上げました。

調理

メニュー提案 撮影調理 料理人・横田達也

◆聖護院かぶのピューレをつくる

聖護院かぶは京都産を使用。京都の聖護院付近から発祥したことが名の由来とされる大きなかぶ

聖護院かぶをアルミホイルで包み、オーブンで加熱して柔らかくする

聖護院かぶを小分けにし、フードプロセッサーで撹拌してピューレをつくる

出来上がった聖護院かぶのピューレ

◆仕上げる

ハマグリは千葉県産を使用

鍋でオリーブオイルを加熱し、ニンニクで香りをつける

白ワインを入れ、アルコールをとばし、味と香りをつける

レモンを絞り、聖護院かぶのピューレを入れ、香りを加えながら蓋をして蒸し焼きにする

開いたハマグリはイタリアンパセリのみじん切りを加えて盛り付ける

蒸し焼きでできた汁は、レモン汁とエキストラヴァージン・オリーブオイルを入れて味と香りを加え、聖護院かぶのピューレとともに盛り付ける

お召し上がり

ハマグリの白ワイン蒸し レモンと聖護院かぶの風味

ハマグリ独特の繊細な味わいに、春らしさを感じます。

レモンの酸味や聖護院かぶの甘みがハマグリの美味しさを引き立てます。

ハマグリの白ワイン蒸し レモンと聖護院かぶの風味

ハマグリの白ワイン蒸し レモンと聖護院かぶの風味

ラ・ビスボッチャ店内

8.ラディッキオ・タルディーヴォとアサリのスパゲッティ

ラディッキオ・タルディーヴォとアサリのスパゲッティ

メニューについて

ラディッキオ・タルディーヴォのソテーの美味しさを味わうスパゲッティです。

アサリを合わせ、上品で奥が深いソースで仕上げました。

調理

メニュー提案 撮影調理 料理人・水谷結

◆ソースをつくる

アサリは国産を使用

フライパンでオリーブオイルを加熱し、ニンニクのみじん切りと赤唐辛子で味と香りをつける

アサリを入れ、蓋をして蒸し焼きにする

あらかじめ赤ワインやトマトソースで味をつけて炒めたラディッキオ・タルディーヴォと香味野菜(ニンジン、タマネギ、セロリ)を入れる

アサリと野菜の味をなじませてソースの出来上がり

ソースとスパゲッティを和える直前にアサリを外し、盛り付けで合わせる

◆仕上げる

スパゲッティを茹でる

スパゲッティはイタリア南部の乾麺の特産地、カンパニア州で1912年に創業した「ディ・マルティーノ」社製を使用。イタリア産小麦を100%使い、低温で長時間乾燥させた麺は小麦の風味が濃厚。直径は1.8㎜。太めで食べごたえがある

茹で上がったスパゲッティをソースのフライパンに投入

ソースとスパゲッティを和える

イタリアンパセリのみじん切りとエキストラヴァージン・オリーブオイルで味と香りをつけて仕上げる

お召し上がり

ラディッキオ・タルディーヴォとアサリのスパゲッティ

ソースの濃度は濃くないけれど、アサリやラディッキオ・タルディーヴォから染み出た味は奥深く、飽きない味わいです。

ソースはスパゲッティにもよく染み、麺そのものにしっかり味がついています。

ラディッキオ・タルディーヴォとアサリのスパゲッティ

ラディッキオ・タルディーヴォとアサリのスパゲッティ

ラ・ビスボッチャ店内

9.カニと黄ニラのカヴァテッリ

カニと黄ニラのカヴァテッリ

メニューについて

くぼみにソースがよく絡むショートパスタ、カヴァテッリ。

2月に最も柔らかく、美味しくなる黄ニラをソースに合わせました。

調理

メニュー提案 撮影調理 料理人・老田裕樹

◆カヴァテッリを製麺する

パスタ生地を細く切り出し、手で伸ばす。生地は卵白、小麦粉、セモリナ粉、オリーブオイル、水、塩を混ぜてつくる

生地を短くカットし、3本指で押さえながら手前に引きずり、成形する

出来上がったカヴァテッリはセモリナ粉を振りかけ、くっつき防止の打ち粉にする

◆ソースをつくる

フライパンにオリーブオイルを加熱し、ニンニクのみじん切りと赤唐辛子で味と香りをつける

パスタの茹で汁、自家製魚の出汁、トマトソース、ミニトマトを加える

カヴァテッリと同じ長さにカットした黄ニラとズワイガニのフレークを入れてソースの出来上がり

黄ニラは岡山県産を使用

◆仕上げる

カヴァテッリを茹でる

茹で上がったカヴァテッリをソースのフライパンに投入し、ソースと和える

イタリアンパセリのみじん切りを振りかけて仕上げる

お召し上がり

カニと黄ニラのカヴァテッリ

カニや黄ニラの風味は強めながら、具材としては小ぶりで、カヴァテッリのもっちりした食感の存在感を引き立てます。

ミニトマトをきかせたソースはサラッとして、春らしいさっぱりとした味わいです。

カニと黄ニラのカヴァテッリ

カニと黄ニラのカヴァテッリ

ラ・ビスボッチャ店内

10.ハマグリと菜の花のリゾット

ハマグリと菜の花のリゾット

メニューについて

春の味覚を合わせたリゾットです。

菜の花のグリーンソースで爽やかに仕上げました。

調理

メニュー提案 撮影調理 料理長・井上裕基

◆菜の花のソースをつくる

菜の花は徳島県産を使用

菜の花の葉とイタリアンパセリの葉を集める

葉をさっと茹でる

葉を冷やし、水分を切る

葉にエキストラヴァージン・オリーブオイルを混ぜながら、ミキサーで撹拌。濾過してソースの出来上がり

エキストラヴァージン・オリーブオイルは、フルーティーな香りと辛みが豊かなシチリア島のテッラリーヴァ社の「ケルビーノ」ブランドを使用。欧州のオーガニックとDOPの認定を受けている。DOPは原産地名称保護制度のことで、風通しのよい丘陵地帯でオリーブオイルの特産地であるモンティ・イブレイ(イブレイ山地)が対象

◆ハマグリの下ごしらえ

ハマグリを白ワインで蒸し、開く

ハマグリの身を殻から外す。殻は盛り付け用に分離する

◆仕上げる

リゾット米をハマグリの蒸し汁と自家製鶏の出汁で煮込む

リゾット米は、大粒で煮崩れしにくいイタリア産のリゾット用品種を使用。イタリア北部ピエモンテ州の米処ヴェルチェッリ県で1935年からリゾット用の米をつくり続ける「ロンドリーノ」社のブランド米「アクエレッロ」

菜の花の茎を細かくカットして入れる

無塩バターを入れ、味と香りをつける

パルミジャーノ・レッジャーノを入れ味と香りをつける

パルメザンチーズは、イタリア北部エミリア・ロマーニャ州で1877年に創業した乳製品メーカーの老舗「アウリッキオ」社製。一年中干草のみを与えた牛の濃いミルクからつくるチーズは甘みと熟成感のバランスがよい。側面の認証刻印の2042のナンバリングはハイグレードの証。塊で仕入れ、自店で粉に挽く

余熱でチーズを溶かしながら混ぜ、盛り付けてから菜の花のソースを振りかけて仕上げる

お召し上がり

ハマグリと菜の花のリゾット

菜の花で味をつけたグリーンのリゾットは、爽やかでさっぱりした味わい。

ハマグリの上品な旨みが絶妙のおかずになり、リゾットがすすみます。

ハマグリと菜の花のリゾット

ハマグリと菜の花のリゾット

ラ・ビスボッチャ店内

11.ウサギのロートロ フォアグラ入り

ウサギのロートロ フォアグラ入り

メニューについて

イタリアでは春先に食べることが多いウサギの料理。

イタリアで好まれるロートロという巻きもの料理で仕立て、フォアグラを合わせました。

調理

メニュー提案 撮影調理 副料理長・高部孝太

◆ウサギを巻く

ウサギをさばいて骨や内臓を取り除き、部位ごとに分ける。ウサギはイタリア産を使用

腕とモモの肉はミンチマシーンで挽肉にする

挽肉は塩とコショウ、生のタイムで味と香りをつける

フォアグラを細かくカットする。フォアグラはハンガリー産を使用

マルサラ酒で香りをつける

マルサラ酒は、シチリア生まれの酒精強化ワイン。防腐のためにアルコールを加えたワインで、アルコール度数は18度。オークの樽で24ヶ月熟成し、木材系とブドウの香りが高く、甘さと酸味が強く、食前酒や食後酒として飲まれる。シチリアで1880年に創業したぺッレグリーノ社の甘口を使用

フォアグラと挽肉を混ぜ合わせる

混ぜ合わせたフォアグラと挽肉を身の肉の中心に盛り付ける

フォアグラと挽肉を身の肉で巻き込み、綿糸で縛って固定する

ラップに包んで24時間ほど冷蔵し、肉と味をなじませる

◆ウサギを焼く

フライパンにオリーブオイルを広げ、ウサギの表面に焼き色をつける

フライパンを傾け、オリーブオイルを回しがけしながら、低い温度でゆっくり加熱する

オーブンに入れ、中まで加熱する

◆仕上げる

オーブンで焼いたウサギの骨と香味野菜(ニンジン、タマネギ、セロリ)を鍋に入れる

鍋に氷を入れ、加熱し、出汁をとる。氷から抽出すると出汁が濃くとれる

付け合わせのウイキョウをカットし、フライパンで焼く

ウイキョウはイタリア産を使用

ウサギの出汁とウイキョウをなじませ、生のタイムで香りをつけて盛り付ける

ウサギの肉は仕上げる直前にフライパンで軽く焼き、表面をパリッと香ばしく仕上げる

お召し上がり

ウサギのロートロ フォアグラ入り

ウサギの肉質はサクサクと柔らかく、繊細な旨みがあります。

フォアグラの濃厚な旨みや、タイム、ウイキョウのハーブ香がアクセントになります。

ウサギのロートロ フォアグラ入り

ウサギのロートロ フォアグラ入り

ラ・ビスボッチャ店内

12.ビゴール豚の骨付きロースの炭火焼き

ビゴール豚の骨付きロースの炭火焼き

メニューについて

ビゴール豚の上品で繊細な味わいが春の気分です。

2月の炭火焼きのお肉におすすめします。

調理

メニュー提案 撮影調理 料理人・横田達也

◆下ごしらえ

ビゴール豚は豚の品種のひとつで、フランス原産の黒豚。脂肪の割合が多い

塊肉から小分けにカットし、塩で下味をつける

オリーブオイルとニンニク、タイム、ローズマリー、黒コショウで24時間以上マリネし、肉を柔らかくしながら味と香りをつける

◆炭火で焼く

骨の面から加熱し、染み出す髄液を肉に浸透させてコクを深める

直火で炙り、表面をパリッと香ばしく仕上げる

お召し上がり

ビゴール豚の骨付きロースの炭火焼き

炭火で焼いたビゴール豚は、脂肪が多いながら豚の臭いはほとんどなく、上品な甘みと旨みがほどよくブレンドしています。

表面の焼き色のサクサク、カリカリした食感と香ばしさ、ほろ苦さがアクセントになります。

ビゴール豚の骨付きロースの炭火焼き

ビゴール豚の骨付きロースの炭火焼き

ラ・ビスボッチャ店内

13.金柑とジンジャーカモミールのミニパルフェ

金柑とジンジャーカモミールのミニパルフェ

メニューについて

金柑は1月から3月にかけて最も美味しく、たくさん出回ります。

そんな金柑に、ジンジャーとカモミールの香りを合わせてつくるボトルスイーツです。

「金柑とジンジャーカモミールのミニパルフェ」中身の略図

調理

メニュー提案 撮影調理 料理人・江川智香

◆金柑のコンポートをつくる

金柑は宮崎県産を使用

金柑をカットする

金柑に生姜と花椒(ホアジャオ)で香りをつけながら水と砂糖で煮込み、冷やして仕上げる

◆ジンジャーのジュレをつくる

おろし生姜の生姜は高知県産を使用

水と砂糖、おろし生姜を混ぜて加熱。ゼラチンを溶かし、冷やして仕上げる

◆カモミールのムースをつくる

カモミールの茶葉は、イタリア中部トスカーナ州のフィレンツェで1961年に創業し、ロンドンの老舗百貨店「ハロッズ」やヨーロッパ各地のホテルやレストラン、カフェなどで取り扱われる「ラ・ヴィア・デル・テ」社製を使用

牛乳を加熱し、カモミールの茶葉で香りをつける

カモミールで香りをつけた牛乳に砂糖、泡立てた生クリーム、ゼラチンを加えて混ぜ、ムースの生地の出来上がり

ボトルの底にムースを入れ、冷蔵庫で冷やし固める

◆盛り付ける

ムースの上に金柑のコンポートを重ねる

ジンジャーのジュレを重ねる

ケーキ用のスポンジ生地を重ねる

再びジンジャーのジュレを重ねる

イタリア製焼き菓子アマレッティを砕いて重ねる

アマレッティは発祥の地、イタリア北部ロンバルディア州サロンノ市で1851年に創業して伝統の味を継承するパオロ・ラッツァローニ社製を使用

再び金柑のコンポートを重ね、ピスタチオのみじん切りをトッピングして仕上げる

お召し上がり

金柑とジンジャーカモミールのミニパルフェ

金柑の柔らかい甘みと苦みを、ジンジャーのジュレやカモミールのムース、ピスタチオ、アマレッティなどが多彩な風味と食感で引き立てます。

ケーキのように自立させることを考えなくてよく、ボトルスイーツならではの自由な発想の組み合わで、新鮮な味わいが楽しめます。

金柑とジンジャーカモミールのミニパルフェ

金柑とジンジャーカモミールのミニパルフェ

ラ・ビスボッチャ店内

14.フランボワーズとチョコレートのタルト

フランボワーズとチョコレートのタルト

メニューについて

タルトで味わう季節の食材シリーズです。

2月は、目にすることが多いチョコレートが食べたくなる季節で、タルトに仕立てました。

調理

メニュー提案 撮影調理 料理人・老田裕樹

◆チョコレートクリームをつくる

フランボワーズのピューレと生クリーム、ラム酒を加熱して混ぜる

湯煎で溶かしたチョコレートにフランボワーズのクリームを混ぜる

バターを混ぜ合わせ、チョコレートクリームの出来上がり

タルト生地にチョコレートクリームを流し込み、冷やす

◆表面のグラサージュをつくる

ココアパウダーと砂糖、生クリーム、水、ゼラチンを加熱して混ぜる

濾過して均一な表情で仕上げる

タルトの表面にグラサージュを流し込む

タルトを傾け、グラサージュを隅々まで広げる

メキシコ産のフランボワーズをのせ、金色の食用スプレーを振りかけて仕上げる

お召し上がり

フランボワーズとチョコレートのタルト

チョコレートのクリームはしっかりした質感ながら、ほどよい柔らかさがあり、重めの舌ざわりが、濃厚な甘みや苦みをきわだてます。

チョコレートの醍醐味をたっぷり堪能した充実感を、サクサクのタルト生地とフランボワーズの甘酸っぱさが引き立てます。

フランボワーズとチョコレートのタルト

フランボワーズとチョコレートのタルト

2月のディナーは、

ラ・ビスボッチャの季節のおすすめメニューで、

ひと足はやい春を感じて、お楽しみください。