RECOMMENDED SEASONAL MENU 2021 JANUARY
コラム『味と技』第81回
冬の美食を集めて
1月は、おせち料理やお餅もいいけど、そろそろイタリアンが食べたくなります。
そこで、冬の美食を7品集めておすすめします。
パスタの下ごしらえをする料理人・老田裕樹
メニュー編集・調理/料理人・老田裕樹 監修/料理長・井上裕基 副料理長・露詰まみ
写真・文/ライター 織田城司
Menu editing・Cooking by Yuuki Oita Supervised by Yuuki Inoue Mami Tsuyuzume
Photo・Text by George Oda
前菜
1.ブラータチーズと洋ナシのサラダ
ブラータチーズと洋ナシのサラダ
メニューについて
◆完熟した洋ナシを堪能
ブラータチーズのミルキーな甘みは、果物や野菜、生ハムなど、幅広い食材とよく合います。
1月は、洋ナシのなかでも、希少な品種「ル・レクチエ」と合わせてサラダをつくり、完熟した味わいを堪能します。
ブラータチーズはアメリカの「ディ・ステファノ」社製を使用。イタリア南部プーリア州出身のチーズ職人が、カリフォルニア酪農協会が認めた良質なミルクを使ってつくるチーズで風味が濃厚
今回の洋ナシは新潟県産の品種「ル・レクチエ」を使用。フランスが原産で、1930年代にフランスから新潟に輸入された。極上の甘みがありながら栽培が難しいことから本国フランスでも生産されなくなり、幻の洋ナシとされている
お召し上がり
ブラータチーズと洋ナシのサラダ
◆とろける舌ざわりと濃密な甘さ
「ル・レクチエ」は、フルーティで甘い芳香が高く香ります。果肉の表面は、しっとりとした果汁でツルツルに光っています。
果肉のキメは細かく、洋ナシ特有のサクサクとした質感はなく、ナイフを入れると、桃のようにヌルッと切れます。
ブラータチーズと洋ナシのサラダ
口に含むととろける舌ざわりがあり、酸味は少なく、濃密な甘さを感じます。そこにブラータチーズのとろける質感とミルキーな甘みが絶妙に絡みます。
洋ナシの概念を覆す「ル・レクチエ」とブラータチーズの、シンプルでありながら奥深い味わいは、食前酒のシャンパンや白ワインによく合います。
ブラータチーズと洋ナシのサラダ
ラ・ビスボッチャの内観
2.毛ガニのサラダ
毛ガニのサラダ
メニューについて
◆年始を華麗に彩る毛ガニ
ちょっと贅沢をしたい年始に食べたくなる、冬のグルメ、カニ。
そこで、毛ガニを丸ごと一匹使ってサラダをつくります。
イタリアンのアレンジで、繊細な味わいに仕上げます。
調理
毛ガニは北海道の噴火湾産を使用。噴火湾は三方を陸に囲まれた湾で、周囲の温泉から湧き出るミネラルが海に流れ出し、そこを餌場にする毛ガニは自然と美味しくなる
毛ガニを茹で、胴体や足など、部位ごとに分解する
毛ガニの身をスプーンで取り出して集める
別のボウルにカニミソを取り出して集める
サラダに合わせるウイキョウをカットし、毛ガニの身を集めたボウルに入れる。ウイキョウはイタリア産を使用
サラダに合わせる日向夏(ひゅうがなつ)をカットし、毛ガニの身を集めたボウルに入れる。日向夏は特産地の宮崎県産を使用。
毛ガニの身を集めたボウルにフレンチキャビアを入れる。フレンチキャビアはフランス北部ブルターニュ半島産。ニジマスの卵にアンチョビエッセンスとレモン汁を加えてつくる
毛ガニの身を集めたボウルにカニミソを入れる
白ワイン酢を入れ、味と香りをつける
白ワイン酢は、酢の特産地、イタリア北部エミリア=ロマーニャ州モデナ県で、1891年に創業した老舗メーカー「アドリアーノ・グロソリ」社の「グロソリ・リゼルヴァ」ブランドを使用。ワインを木樽でゆっくり酢酸発酵させる伝統的な製法を用い、発酵後も木樽でじっくり熟成させたリゼルヴァタイプ。豊な香りと、まろやかな味わいがある
塩とエキストラヴァージン・オリーブオイルを入れ、味と香りをつける
オリーブオイルはイタリア南部の特産地、プーリア州にある「ディサンティ」社製を使用。青々しい香りが高い
食材と調味料を混ぜ合わせ、甲羅に盛り付け、イタリアンパセリのみじん切りをふりかけて仕上げる
お召し上がり
毛ガニのサラダ
◆繊細な甘みと旨みがギュッと詰まって
毛ガニの身は小ぶりだけれども、味と香りが凝縮しています。
身はしっかりと締まり、カニの香ばしい風味や繊細な甘み、旨みがギュッと詰まっています。
毛ガニのサラダ
合わせるウイキョウは、シャキシャキとした食感があり、爽やかな香りが鼻にスッとぬけます。
日向夏(ひゅうがなつ)は、果肉がとろりと柔らかく、ほのかな甘味を感じます。
フレンチキャビアは、鮮やかなオレンジ色で、歯ごたえの弾力は強く、はじけた卵から濃厚な旨みが流れ出します。
毛ガニのサラダ
ラ・ビスボッチャの内観
3.ヤリイカと白子、フキノトウのフライ
ヤリイカと白子、フキノトウのフライ
メニューについて
◆冬のミックスフライ
冬が旬の白子とフキノトウをフライで揚げ、美味しさを引き立てます。
年間定番のヤリイカのフライと合わせ、3種の味のバリエーションを楽しみます。
フライの衣の材料は、3種の食材に合わせてすべて変え、どれも絶妙の揚げあがりです。
調理
◆フキノトウを揚げる
フキノトウはフキの花のつぼみ。雪解けの頃、地中から顔を出し、春の訪れを告げる風物詩として知られる。生産量全国一位の福島県産を使用
フキノトウは、つぼみの葉を広げ、衣は、サクッと仕上げるため、小麦粉と白ワイン酢、ガス入りミネラルウォーターを混ぜてつくる
衣をつけたフキノトウをフライヤーで揚げる
◆白子を揚げる
白子は魚の精巣。北海道産マダラのものを使用
白子の衣は、ふんわり仕上げるため、小麦粉とイースト菌、水を混ぜてつくる
衣をつけた白子をフライヤーで揚げる
◆ヤリイカを揚げる
ヤリイカは国産を使用。産地は季節によって移り変わる
ヤリイカの衣は、カリッと仕上げるため、小麦粉を直接つける
小麦粉をつけたヤリイカを氷水にくぐらせ、水分を加える
衣をつけたヤリイカをフライヤーで揚げる
◆仕上げる
揚げた具材をザルでフライヤーから引き上げ、油を切る
フライを別のザルに移し、さらに油を切り、塩を振って味をつける
フライをキッチンペーパーの上にのせ、余分な油を吸収して仕上げる
お召し上がり
ヤリイカと白子、フキノトウのフライ
◆多彩な香ばしさが広がる
ヤリイカのフライは、極薄の衣がしっかり付き、イカの香ばしさを増しています。
中身はサッと火が入った程度の揚げあがりで、イカそのものの素材感が程よく残り、歯ごたえは柔らかく、舌ざわりはぬめりとして、甘みや旨みを豊かに感じます。
ヤリイカと白子、フキノトウのフライ
白子のフライは、見かけも揚げあがりも雲のようにふわふわです。中身はとろりとして、クリーミーな舌ざわりのなかに、濃厚な旨みを感じます。
フキノトウのフライは、柔らかい葉のシャキシャキとした食感のなかに、青々しさと、ほろ苦さを感じ、魚介類と好対照の味でアクセントになります。
ヤリイカと白子、フキノトウのフライ
ラ・ビスボッチャの内観
パスタ
4.イカ墨のタリオリーニ 甲イカと菜の花入り魚介のソース カラスミパウダーかけ
イカスミのタリオリーニ 甲イカと菜の花入り魚介のソース カラスミパウダーかけ
メニューについて
◆イカの美味しさをたっぷり味わう
冬が旬で美味しくなるイカを使ってパスタをつくります。
イカは身が厚くて歯ごたえがしっかりした甲イカを使います。
合わせるパスタは細麺のタリオリーニ。イカ墨を練り込み、イカの味と香りを増します。
アクセントに菜の花を加えることで、濃厚すぎない味わいに仕上げます。
調理
◆具材に使う甲イカの下ごしらえ
甲イカは鹿児島県産を使用
甲イカの身から甲や内臓を取り除く
外側をはぎ取る
コウイカを蒸し焼きにする鍋の底にオリーブオイルを入れ、砕いたニンニクで香りをつける
ニンニクは、実の皮が紫色で、紫ニンニクとも呼ばれるスペイン産を使用。香りがマイルドで、エグ味が少なく、爽やかな辛味がある
鍋にコウイカを入れる
鍋に白ワインを入れる
鍋に蓋をしてコウイカを蒸し焼きにする
◆具材の使う菜の花の下ごしらえ
菜の花はイタリア産を使用
菜の花を食べやすい大きさにカットする
菜の花を下茹でして柔らかくする
下茹でした菜の花をザルに流し、水気を切る
◆イカ墨のタリオリーニを製麺する
イカ墨のタリオリーニの生地に使う素材を業務用ミキサーで混ぜ、ビニール袋に入れて練り、素材を馴染ませるために30分ほど休ませる
イカ墨のタリオリーニ用の生地は、イカ墨と全卵、強力粉、セモリナ粉、エキストラヴァージン・オリーブオイルを混ぜてつくる
パスタマシーンで生地を薄く伸ばす
伸ばした生地をタリオリーニの幅にカットする
セモリナ粉を振りかけ、くっつき防止の打ち粉にする
◆ソースをつくる
フライパンにオリーブオイルを敷き、ニンニクのみじん切りと赤トウガラシを入れて加熱し、味と香りをつける
自家製魚のダシ汁を加える
自家製魚のダシ汁は、タイのアラ、ニンジン、セロリ、タマネギを約6時間煮込んでつくる
自家製イカとアンチョビのダシ汁を加える
自家製イカとアンチョビのダシ汁は、イカの肝とアンチョビ、トマトペーストを炒め、自家製魚のダシ汁を入れて煮込み、濾過、冷却してつくる
具材のコウイカと菜の花を入れ、加熱。味を馴染ませながら煮詰めてソースの出来上がり
◆仕上げる
イカ墨のタリオリーニを茹でる。茹で時間3分
茹で上がったイカ墨のタリオリーニをソースと合える
エキストラバージン・オリーブオイルとイタリアンパセリのみじん切りを振りかけ、味と香りをつける
皿に盛り付けてからカラスミパウダーを振りかけて仕上げる。カラスミパウダーはイタリアの特産地、サルディーニャ島産を使用
お召し上がり
イカスミのタリオリーニ 甲イカと菜の花入り魚介のソース カラスミパウダーかけ
◆イカの旨みとコクが濃厚
具材の甲イカは、コシのある歯ごたえで、甘みや旨みをしっかりと感じます。
菜の花は、煮込んで柔らかくなり、まろやかになった苦味が、カラスミパウダーをはじめとする魚介の味とは好対照で、引き立てます。
イカスミのタリオリーニ 甲イカと菜の花入り魚介のソース カラスミパウダーかけ
イカ墨のタリオリーニは、極細麺ながらもコシがしっかりして、口のなかで束ねた麺をコリコリと噛み切る歯ごたえが心地よい。
濃厚なイカ墨の風味が極細麺で分散され、マイルドに感じる加減が面白い。
イカスミのタリオリーニ 甲イカと菜の花入り魚介のソース カラスミパウダーかけ
ラ・ビスボッチャの内観
5.キャンディ・パスタ バターソース 白トリュフかけ
キャンディ・パスタ バターソース 白トリュフかけ
メニューについて
◆白トリュフを、かわいく味わう
白トリュフを美味しくいただくために、キャンディ・パスタを合わせます。
キャンディを象徴するストライプの包み紙に見立てたパスタ生地の中に、キャンディに見立てたチーズのボールが入っています。
パスタとソースに使われている卵や乳製品は、白トリュフと相性抜群で、香りを高めます。
見た目もかわいく、イタリアのパスタの奥深さに、改めて驚くひと皿です。
調理
◆2色のパスタ生地をつくる
黄色のパスタの生地の素材を業務用ミキサーで混ぜ、ビニール袋に入れて練り、素材を馴染ませるために30分休ませる
黄色いパスタの生地の素材は、卵黄を追加した全卵と小麦粉、セモリナ粉、エキストラヴァージン・オリーブオイル、塩を混ぜてつくる
卵は神奈川県産の「長寿卵」。卵黄がオレンジ色で味に深みとコクがあり、イタリアの卵の質に似ていることから使用
パスタマシーンで黄色いパスタの生地を薄くのばす
緑色のパスタの生地の素材を業務用ミキサーで混ぜ、ビニール袋に入れて練り、素材を馴染ませるために30分休ませる
緑色のパスタの生地は、ホウレンソウのピューレと全卵、強力粉、セモリナ粉、エキストラヴァージン・オリーブオイル、塩を混ぜてつくる
ホウレンソウのピューレに使うホウレンソウは国産のものを使用
パスタマシーンで緑色のパスタの生地を伸ばす
◆キャンディ・パスタを成形する
緑色のパスタをパスタマシーンで短冊状にカットする
キャンディを包むストライプの包み紙に見立て、黄色のパスタ生地の上に緑色のパスタの短冊を並べる
めん棒で生地に圧力をかけ、2色の生地を固着させる
固着した2色の生地をパスタマシーンで薄く伸ばし、平らにする
伸ばしたパスタ生地をジグザグにカットする。
キャンディに見立てた白いチーズのボールを生地で包む。白いチーズのボールは、フォンティーナチーズとタレッジョチーズを混ぜてつくる
フォンティーナチーズは13世紀頃、イタリア北部の山岳地帯で生まれたセミハードチーズ。イタリア版チーズフォンデュなどに使われる
タレッジョチーズは10世紀頃、イタリア北部で生まれたウオッシュタイプのチーズ
出来上がったキャンディ・パスタ
◆仕上げる
キャンディ・パスタを茹でる。茹で時間2分
フライパンを加熱し、無塩バターを溶かす
パスタの茹で汁を入れ、ソースにする
茹で上がったキャンディ・パスタを投入し、ソースと和える
パルメザンチーズを振りかけ、混ぜ合わせ、風味とトロみを加える
皿に盛り付けてから白トリュフを振りかけて仕上げる。白トリュフは北イタリア産を使用
お召し上がり
キャンディ・パスタ バターソース 白トリュフかけ
◆甘そうだけど、旨みを感じる不思議
クリーミーなバターソースの上に舞い降りた白トリュフのスライスは、オイリーな湿気がしみわたり、芳醇な香りが増します。
キャンディ・パスタの生地はひらひらと柔らかく、小麦粉や卵の風味を感じます。
キャンディ・パスタ バターソース 白トリュフかけ
キャンディ・パスタの生地のなかから出てきたチーズのボールは、とろける舌ざわりで、旨みとコクをしっかり感じます。
甘そうに見えて、パスタの味を感じる不思議な感覚が、白トリュフの香りを新鮮に演出します。
キャンディ・パスタ バターソース 白トリュフかけ
ラ・ビスボッチャの内観
メイン
6.ローマ風牛テールの煮込み
ローマ風牛テールの煮込み
メニューについて
◆素朴な煮込みであたたまる
ローマの食肉加工場の職人が、廃棄する牛の尻尾の肉を家に持ち帰り、美味しい食べ方の試行錯誤を繰り返した結果、たどり着いたのが、この煮込み料理のルーツです。
野菜をたっぷり使い、骨と肉から染み出すダシが効いた煮汁は、いかにも庶民の家庭料理を思わせる素朴な味わいで、あたたまります。
調理
牛テールの塊肉。アイルランド産ヘレフォード牛のテールを使用。グラスフェッド(牧草牛)のため、牛肉らしい香りが豊かで、旨みが強い
牛テールを小分けにするため、関節ごとにカットする
小分けにした牛テールの煮崩れを防ぐため、糸で縛る
塩・コショウで下味をつける
牛テールに小麦粉をまぶし、フライパンで炒める。表面をこんがり焼くことで旨みを中に封じ込め、煮汁にトロみをつける効果がある
表面に焼き色をつけた牛テールを、煮込む鍋に移す。
牛テールを炒めたフライパンからダシを取るため、白ワインを入れ、フライパンの底についた肉の焼き跡をこそげ取る
フライパンの底からダシを取った白ワインを煮込む鍋に加える
鍋に自家製トマトソースを入れる
自家製のトマトソースは、イタリア南部のトマトの特産地、カンパニア州で1954年に創業した缶詰と瓶詰の食品メーカー「ラ・ドリア」社のホールトマトを、エキストラヴァージン・オリーブオイルで炒めたタマネギのみじん切りと煮込んでつくる。イタリアン・トマトを代表する縦長のサンマルツァーノ種は、柔らかく、果肉が厚く、程よい酸味があり、加熱すると旨みが引き立ち、トマトソースに向く
鍋に自家製鶏のダシ汁を加える
自家製鶏のダシ汁は、鶏がらやひね鶏の肉、トマト、タマネギ、ニンジン、セロリ、ローリエなどを約6時間煮込んでつくる
鍋にローリエやタイムを入れ、香りをつける
香味野菜を加える
香味野菜は国産のニンジン、セロリ、タマネギをみじん切りにしてオリーブオイルで炒めたもの
塩を振りかけ、味をつける
鍋に蓋をし、オーブンに入れ、60分加熱して煮込む
具材に入れて煮込むセロリを食べやすい大きさにカットする
オーブンから一時的に出した鍋にカットしたセロリを投入
再び鍋をオーブンに入れ、60分煮込む
煮込んだ鍋から取り分ける分の牛テールを取り出し、ヒモを取り除き、煮汁とともに盛り付ける
お召し上がり
ローマ風牛テールの煮込み
◆とろ旨の肉と野菜
煮込んだ牛テールは、とろとろに柔らかくなり、骨からポロリとはがれます。
肉質は、筋肉質の繊維が柔らかくなり、バラバラと崩れ、旨みとコクをまろやかに感じ、骨のゼラチン質の甘みが程よく絡みます。
ローマ風牛テールの煮込み
一緒に煮込んだセロリは、繊維質が柔らかくなり、透明度が増し、煮汁がたっぷり染み込み「セロリとは、こんなにうまいものだったのか…」と、感じます。
そんな肉と野菜を、少しずつ切り崩し、じっくり食べる味わいは、赤ワインの肴によく合います。
ローマ風牛テールの煮込み
ラ・ビスボッチャの内観
デザート
7.テリーヌ・ショコラ ドライオレンジ添え
テリーヌ・ショコラ ドライオレンジ添え
メニューについて
◆オレンジとチョコの魅惑のマリアージュ
冬は柑橘類が旬です。
乾燥した気候のなかで、酸っぱさが特に美味しく感じます。
その美味しさをデザートで味わうために、オレンジを濃厚なチョコレート菓子、テリーヌ・ショコラと合わせます。
アクセントに少量のオレンジリキュールを加え、甘すぎない大人の味で仕上げます。
調理
チョコレートを湯煎で溶解する
チョコレートは、カカオの特産地コロンビアで1906年に創業した製菓用チョコレートのトップメーカー、カサルカ社のカカオ分61%のタイプを使用
全卵とグラニュー糖を泡立て器で混ぜ、トロみをつける
チョコレートと卵を混ぜる
オレンジの皮、溶かしバター、オレンジリキュールを入れ、香りをつける
オレンジはアメリカ産を使用
オレンジリキュールは、フランスのマルニエ・アポストル社が1880年に生み出した「グラン・マルニエ」を使用。コニャックにビターオレンジのエキスを加え、熟成させてつくる
混ぜ合わせた素材を型に流し込み、冷凍する
冷凍したテリーヌ・ショコラを型から皿に取り出し、表面をバーナーで加熱して光沢を出す
トッピングに使うドライオレンジは、スライスしたオレンジをシロップで煮た後、オーブンで加熱し、水分を飛ばしてつくる
お召し上がり
完成したテリーヌ・ショコラ・ドライオレンジ添え。ここから切り分けて盛り付ける
◆甘酸っぱさが凝縮したオレンジ、しっとり濃厚なチョコ
ドライオレンジの歯ごたえは、しなやかで、しっかりとしています。
甘酢っぱさがきわだち、口のなかが引き締まります。
テリーヌ・ショコラ ドライオレンジ添え
テリーヌ・ショコラの舌ざわりは濃厚で、スローでボリューム感ある口どけのなかに、甘みや苦み、渋みをしっかりと感じます。
鼻に抜けるココアの余韻に感じる、オレンジリキュールのニュアンスが、ドライオレンジの香りを追いかけます。
テリーヌ・ショコラ ドライオレンジ添え
1月のディナーは、
「ラ・ビスボッチャ」の季節のおすすめメニューで、
冬の美食をご堪能ください。