香り華やぐイタリアン
数々の一流店で料理長を歴任して美食家を楽しませてきた、米澤文雄シェフをお招きするフェアを4月18日(月)から21日(木)までの4日間開催します。
米澤シェフが監修して、ビスボッチャのスタッフとつくる、多彩なスパイスとハーブの香りで華やぐイタリアンが6品登場。
アート感覚あふれる盛り付けと、無国籍のエスニックがミックスした爽やかな香り、食感のバラエティーが重なる奥深い味わいに、新鮮な食体験を感じてお楽しみください。
◆米澤文雄シェフ プロフィール
株式会社No Code 代表取締役兼Chef +
1980年、東京・浅草生まれ。料理が好きで高校卒業後、恵比寿のイタリアン・レストラン「イル・ボッカローネ」で4年間修行。
22歳で単身ニューヨークに渡る。三つ星フレンチ・レストラン「ジャン・ジョルジュ」で3年修行を積んだ後、日本人初の副料理長になる。
2007年に帰国してから東京をベースに活躍。六本木の「ジャン・ジョルジュ・トーキョー」や青山の「ザ・バーン」で料理長を歴任。
「ディーン&デルーカ」など、企業のフード・コンサルティングも手がける。著書に『ヴィーガン・レシピ』がある。
2022年、自身の会社「ノー・コード」を設立。今年初夏から新たな食文化事業の始動に向けて準備中。その間、ビスボッチャのフェアにご協力いただいた。
米澤文雄シェフのインスタグラム→@yone_asakusa
1.巻頭シェフ対談
今回のフェアに先立ち、米澤文雄シェフにご来店いただき、フェアメニューの調理法を実習する機会に、ビスボッチャの井上裕基料理長と料理に対する思いを対談していただきました。
イタリアンで里帰りコラボ
井上料理長 ビスボッチャでは近年、毎月フェアを開くようになり、お客さまから好評をいただいております。
フェア用のメニューを考えるとき、ビスボッチャらしさがありながら、新しい要素を加えようと調べていると、米澤シェフのメニューに近いものがあると感じるようになりました。
私が料理人としてのキャリアをスタートしたのは恵比寿のイタリアンレストラン「イル・ボッカローネ」でした。
米澤シェフと在籍期間は重なっていないけれど、OBにいらっしゃることは存じ上げていました。
何か近いものを感じ、勉強させていただくためにコラボのお声がけをしました。
今回のフェア開催に感謝しています。
米澤シェフ 私も、料理人のキャリアをスタートした「イル・ボッカローネ」と、当時系列店だった「ラ・ビスボッチャ」には思い入れがあるので、今回のコラボには、感慨深いものがあります。
名入りの制服まで用意していただいき、すごく感動しています。
井上料理長 米澤シェフは、ビスボッチャの厨房の立たれたことはありますか?
米澤シェフ あります。来客数とスタッフのバランスによっては、ビスボッチャの厨房にヘルプに入ることもありました。
このため、今回ビスボッチャの厨房に立つのは、約20年ぶりになります。
井上料理長 昨年夏、ビスボッチャで「バーベキュー・フェア」を開いたとき、カリフォルニアのシェフ、ジョサイア・シトリン氏の著書『炭火で焼く』の和訳本を参考にしました。
その本をよく見ると米澤シェフが注釈監修になっていて、すごいと思いました。
米澤シェフ あの本を和訳するプロジェクトからお声がけをいただきました。
アメリカでは、南米の食材を使うことが多いけれど、日本はそれほど多くない。
食材や調理法の和訳のニュアンスがむずかしいということで、お手伝いさせていただきました。
ジャンルがない多様性
井上料理長 米澤シェフが今年新しく設立された会社「ノー・コード」への思いとは?
米澤シェフ 私は基本的にジャンルがないので、そんな思いを社名にしました。
私は料理人として、イタリアンから入門したけれど、ニューヨークに渡り、そこでフレンチをやり、でもフレンチっぽくなく、中東の料理も好きだったりします。
コードは、規律や規則という意味があるけれど、そこに捉われない自由な働き方や料理への思いを「ノー・コード」に込めました。
仕事場のイメージは、アトリエ兼レストランです。
いま、アドバイザーとして、フード・コンサルティングをしているクライアントが数社あります。そこに出向いて技術指導することも大事です。
その一方で、お客さまに料理を提供する飲食店も大事です。
このため、クライアントに出向きながら、週に数日は店を開け、両立させる働き方をイメージしています。
飲食店だから、毎日開けなければいけない、毎日厨房にいなければならない、という固定的な考えに捉われない、多様性のある食文化の発信です。
スパイスやハーブを融合させて
井上料理長 今回のフェア・メニューのコンセプトは?
米澤シェフ いまの私の料理にジャンルはないけれど、ベースにイタリアンがあると感じています。
それは、私が料理人として一番最初に習った原風景が、色濃く残っているからかもしれません。
今回のフェア・メニューは、ビスボッチャのイタリアンらしさを残しつつ、私が学んできたスパイスやハーブの使い方を融合させました。
ぜひお楽しみください。
2.フェア・メニュー
⚫︎前菜
①長谷川農産のブラウンマッシュルームのカルパッチョ パルミジャーノクリーム
◆メニューについて
本場オランダのマッシュルーム栽培の技術と設備を導入して、静岡県で生産する長谷川農産のブラウンマッシュルームを、生で味わうカルパッチョです。
その美味しさを、イタリア産のパルメザンチーズで引き立てました。
パルメザンチーズは、クリーム状の濃厚なソースをつくり、ブラウンマッシュルームの下に敷き、上からスライスして、雪のように振りかけます。
さらに、レモンの皮や砕いた黒コショウをトッピングして仕上げました。
②カリフラワーのロースト 自家製スパイスミックスと蕗の薹バターソース
◆メニューについて
カリフラワーの美味しさを、さまざまな角度から引き出した前菜です。
カリフラワーは、蒸し、揚げ、ソテーなど、手の込んだ火入れを経て、香ばしさ抜群です。
繊維がポロポロ崩れるような食感は、爽やかな香りのスパイスやハーブ、ソースとよく絡みます。
カリフラワーの繊細かつ力強い味、軽くてヘルシーな後味の新発見を楽しみ、スプマンテや白ワインがよく合います。
⚫︎パスタ
③グリーンピースとミントのパスタ ピスタチオデュカ
◆メニューについて
グリーンピースの甘みを、パスタで味わいます。
トッピングのデュカは、ナッツやスパイス、塩を混ぜてつくる、エジプト発祥の、ふりかけのような食材です。
米澤シェフはイスラエルのレストランでデュカと出合い、そのまま食べてもおつまみになるし、料理にかけても美味しいと思い、独自のブレンドを追求しました。
本場のデュカはアーモンドをメインにつくることが多いけれど、米澤シェフが好きなピスタチオをメインにした、オリジナルのデュカをパスタに振りかけて仕上げます。
このソースは、細めのロングパスタがよく合います。自家製生パスタでつくるフェットチーネと、乾麺でつくるスパゲッティーの2種からお選びいただけます。
⚫︎メイン
④ヤリイカの炭火焼き ブラックオリーブソースと焼きパブリカのアリッサソース
◆メニューについて
ビスボッチャ得意のヤリイカの炭火焼きに、米澤シェフ得意の独創的なソース2種を合わせ、見た目にコラボがわかりやすい一品です。
ブラックオリーブソースは、ブラックオリーブにオリーブオイルを混ぜながら濃縮したもので、深いコクがきわだちます。
焼きパブリカのアリッサソースは、細かくカットした焼きパブリカに、スパイシーな辛さが絡みます。
それぞれのソースは、単品でイカと合わせても美味しく、2種混ぜても美味しく、多彩な味が楽しめます。
⑤黒毛和牛 経産牛の炭火焼き 塩レモンのチミチュリソース
◆メニューについて
炭火で香ばしく焼いた黒毛和牛の経産牛のサーロインは、サシがほどよく入り、柔らかく、和牛のとろける甘みと、赤身の旨みがまろやかにミックスします。
合わせるソースは、香草を刻んでつくる南米のチミチュリソースを、独自にブレンドしました。
粗めに刻んだ香草と細いレモンは絶妙に絡み、肉の美味しさを爽やかに引き立てます。
⚫︎ドルチェ
⑥ホワイトチョコレートのチーズケーキ
◆メニューについて
ホワイトチョコレートを混ぜ合わせて焼いたチーズケーキに、バニラビーンズで香りをつけたホイップクリームを添えました。
香ばしくて、しっかりした舌ざわりのチーズケーキを、ホワイトチョコレートやバニラの甘い香りがふんわり包みます。
シンプルで、どこか懐かしい味を、デザートにお楽しみください。
3.フェア期間のご予約
◆フェア期間
2022年4月18日(月)、19日(火)、20日(水)、21日(木)の4日間。
4日間とも米澤シェフが来店して、厨房でビスボッチャのスタッフとともに調理をしていただく予定です。
◆メニューのご注文
メニューのご注文はコースではなく、アラカルトです。
フェア期間中お選びいただける3つのメニュー・カテゴリー
①米澤文雄シェフフェアの期間限定メニュー
②年間定番のグランドメニュー
③同時期にキャンペーン展開中のアイルランドビーフの炭火焼きメニュー
フェア期間中「季節のおすすめメニュー4月」のメニューはお休みさせていただきます。あらかじめご了承ください。
◆2部入れ替え制
フェア期間は、より多くのお客さまにお楽しみいただくために、下記の2部入れ替え制で、飲食の時間はテーブルごとに2時間30分までとさせていただきます。ご予約の希望日と部をご連絡ください。
第1部 START 17:00〜17:30 L.O 18:30
第2部 START 20:00〜20:30 L.O 21:30
4月のディナーは、
米澤文雄シェフと、ビスボッチャのスタッフのコラボで白熱する、
食のジャム・セッションをお楽しみください。
企画・製作/料理長 井上裕基 写真・文/ライター 織田城司