季節のおすすめメニュー10月

RECOMMENDED SEASON MENU 2020 October

コラム『味と技』第74回

秋の美味しさを集めて

ビスボッチャでは、年間定番のグランドメニューに加え、季節のおすすめメニューも展開しています。

10月は、少し肌寒くなる季節に美味しく感じるメニューがおすすめです。

監修/料理長・井上裕基 副料理長・露詰まみ 料理人・高部孝太

写真・文/ライター 織田城司
Food Direction by Yuuki Inoue Mami Tsuyuzume Kouta Takabe 
Photo・Text  by George Oda

前菜

1.ブラータチーズと季節のフルーツサラダ

ブラータチーズと季節のフルーツのサラダ ②柿

メニューについて

ブラータチーズは、外はフワッと、中はトロリとした袋状のフレッシュチーズです。

ミルクの風味や甘みが濃厚で、ジューシーなフルーツと相性抜群。

10月に美味しくなるフルーツ3種とともに、お楽しみください。

ブラータチーズはアメリカの「ディ・ステファノ」社製を使用。イタリア南部プーリア州出身のチーズ職人が、カリフォルニア酪農協会が認めた良質なミルクを使ってつくるチーズ

①ブラータチーズと黒イチジクのサラダ

ブラータチーズと黒イチジクのサラダ

黒イチジクはフランスが発祥で、日本では数カ所でしか栽培されていない希少な高級イチジク。今回は新潟県佐渡産を使用

お召し上がり

ブラータチーズと黒イチジクのサラダ

黒イチジクは皮が薄く、皮ごと食べられ、赤褐色に熟した果肉はしっとりと柔らかく、甘みが強い。

ブラータチーズとよく絡み、ミルキーな甘味に合い、小さな種のツブツブとした食感がアクセントになります。

②ブラータチーズと柿のサラダ

ブラータチーズと柿のサラダ

柿は和歌山県産の「平核無柿(ひらたねなしがき)」を使用

お召し上がり

ブラータチーズと柿のサラダ

秋から冬にかけて美味しくなる柿。今回ブラータチーズに合わせる柿は、和歌山県産の「平核無柿(ひらたねなしがき)」です。

種がなくて食べやすく、果汁が豊富で、ツルッ、トロッとした果肉は、ブラータチーズと合わせると、どこへ行ったのかと思うほどよく馴染み、ミルキーな味の中に、柿の風味と甘みを感じて楽しみます。

③ブラータチーズと洋ナシのサラダ

ブラータチーズと洋ナシのサラダ

洋ナシは山梨県産を使用

お召し上がり

ブラータチーズと洋ナシのサラダ

果汁がみずみずしく、トロける柔らかさの洋ナシは、ブラータチーズによく馴染みます。

ミルキーな味の中に感じる、洋ナシのさわやかな甘みと酸味は、上品で繊細な余韻です。

2.ホロホロ鳥のコンフィとシャンピニオンのサラダ

ホロホロ鳥のコンフィとシャンピニオンのサラダ

メニューについて

暑さが一段落して、上着を羽織る季節になると、滋味豊かなお肉が食べたくなります。

そこで、味の濃いホロホロ鳥をコンフィにして、サラダをつくります。

合わせる野菜は、秋から冬にかけて美味しくなるシャンピニオンやルッコラ、ラディッキオ。

トッピングに秋らしさを感じる木の実のアクセントとして、アーモンドスライスをふりかけます。

調理

コンフィにしたホロホロ鳥を食べやすい大きさにちぎる。ホロホロ鳥はフランス産を使用

コンフィは食材をオイルに浸けて低温で長時間かけて加熱しながら柔らかくする調理法。今回はホロホロ鳥をオーブンで80℃、2時間かけて加熱

シャンピニオンは千葉県産を使用。香りや歯ごたえを楽しみながら、主張しすぎない食べ心地にこだわり、薄めにスライス

お召し上がり

ホロホロ鳥のコンフィとシャンピニオンのサラダ

◆秋らしさを感じるサラダ

ホロホロ鳥は、コンフィにすることで柔らかくなり、繊細な美味しさが引き出され、噛みしめると旨みとコクが広がります。

合わせる野菜はいかにも旬らしく、サクサク、シャキシャキとした歯ごたえがリズミカルで、豊かな風味とともに、ホロホロ鳥を引き立てます。

さっぱりした味わいの中に、秋らしさを感じてお楽しみください。

ホロホロ鳥のコンフィとシャンピニオンのサラダ

ホロホロ鳥のコンフィとシャンピニオンのサラダ

3.ハモとポルチーニ、カルチョーフィのフリット

ハモとポルチーニ、カルチョーフィのフリット

メニューについて

フリットとは、イタリア語で揚げ物のことです。

ヨーロッパは揚げ物文化に長い歴史があり、特にイタリアは、具材によって衣の素材を変えるなど、手間ひまかけて調理にこだわり、奥が深い。

今回のフリットの盛り合わせは、秋にエサをたっぷり食べて美味しくなる日本のハモを中心に、イタリアから取り寄せた旬のポルチーニとカルチョーフィを合わせます。

調理

ハモに薄力粉をまぶす。ハモは愛媛県産を使用

薄力粉をまぶしたハモを氷水につける

ハモを揚げる。衣の薄力粉は水分を含んでいるため、油と反発して、勢いよくカラッと揚がる

カルチョーフィに薄力粉をまぶす

カルチョーフィはイタリア産を使用

薄力粉をまぶしたカルチョーフィを氷水につける

カルチョーフィを揚げる。衣に水分を含んでいるため、油と反発して、勢いよくカラッと揚がる

ポルチーニは自家製の微細なパン粉をつけて、カリカリに揚げる

イタリアの店頭に見る生のポルチーニ。フリットに使うポルチーニは香りと旨みが豊かなイタリア産の生タイプを使用

揚げたフリットの油を切り、塩をふって仕上げる

お召し上がり

ハモとポルチーニ、カルチョーフィのフリット

◆旬菜をカラッと!

イタリアから学んだ調理法でカラッと揚げたフリットの衣は薄く、軽い食べ心地です。具材は柔らかさが残り、瞬時に封印した香ばしさと旨みがギュッと詰まっています。

ハモは柔らかい白身の中に繊細な旨みがあります。

ポルチーニは微細なパン粉がしっかり付き、表面のサクサク感と中身の旨みのコントラストを楽しみます。

カルチョーフィはホクホクとした食感の中に、ほのかな甘みを感じます。

3種の具材のバランスは、冷えた白ワインと合わせると、いくらでも食べられそうな美味しさです。

ハモとポルチーニ、カルチョーフィのフリット

ハモとポルチーニ、カルチョーフィのフリット

パスタ&リゾット

4.ムール貝のカヴァテッリ トマトとルッコラのソース

ムール貝のカヴァテッリ トマトとルッコラのソース

メニューについて

カヴァテッリは、長靴の形をしたイタリア半島のかかとにあたるプーリア州のご当地パスタです。

パスタの生地を指でまな板に押しつけ、手前に引っ張りながらつくるショートパスタです。

魚介が豊富なプーリア州では、秋から冬にかけてムール貝が旬になると、カヴァテッリと合わせていただきます。そんなイメージで仕立てた料理です。

調理

フライパンにオリーブオイルを敷き、ニンニクのみじん切りと赤トウガラシを炒める

自家製トマトソース、自家製野菜のダシ汁を加え、ムール貝を蒸し焼きにする。ムール貝は身が大きいカナダ産を使用

開いたムール貝は盛り付けまでソースから外す

茹で上がったカヴァテッリをソースのフライパンに投入

カヴァテッリをソースと和え、イタリアンパセリのみじん切りとエキストラヴァージン・オリーブオイルを加え、香りと味をつける

秋から冬にかけて美味しくなるルッコラを加える。ルッコラは茨城県産を使用

ルッコラをサッと和え、ムール貝と盛り付ける

お召し上がり

ムール貝のカヴァテッリ トマトとルッコラのソース

◆ムール貝をたっぷり味わう

カナダ産のムール貝の身は大きく、ムール貝の美味しさをたっぷり味わいます。

カヴァテッリはモッチリとして、しっかりした歯ごたえを楽しみます。くぼんだ溝に絡んだソースのムール貝の風味に相乗効果を感じます。

トマトとルッコラのフレッシュなソースが、全体の味を爽やかな印象にまとめます。

ムール貝のカヴァテッリ トマトとルッコラのソース

ムール貝のカヴァテッリ トマトとルッコラのソース

5.ホタテとラディッキオのリゾット

ホタテとラディッキオのリゾット

メニューについて

秋の北海道で水揚げの最盛期をむかえるホタテを、リゾットでいただきます。

秋から冬にかけて美味しくなるラディッキオを合わせ、コントラストを楽しみます。

調理

北海道産ホタテの貝柱を鍋底で炒め、ホタテの風味がついた焦げ目をダシのもとにする。

白ワイン加え、香りをつける

ホタテに火が入りすぎないように鍋から外し、ラディッキオを炒める。ラディッキオはイタリア産を使用

米を加え、自家製魚のダシ汁を入れて炊く

無塩バターを加え、風味とトロみをつける

パルメザンチーズを加え、風味とトロみをつける

エキストラヴァージン・オリーブオイルを加え、風味とトロみをつける

煮詰めてトロみが強くなったら完成

お召し上がり

ホタテとラディッキオのリゾット

◆ホタテ風味が芳醇

大粒のイタリア産リゾット米は、しっかりと火が通りながらコシが残り、日本の米とちがう噛みごたえを実感します。

ホタテから出た磯の風味や旨みがたっぷり染み込み、飽きのこない食べごたえがあります。

ラディッキオは、しんなりと柔らかく、ほのかな苦みを感じ、ホタテの味を引き立てます。

リゾットをクリーミーに仕上げるバターやパルメザンチーズもホタテと相性抜群です。

ホタテとラディッキオのリゾット

ホタテとラディッキオのリゾット

メイン

6.鮮魚のアクアパッツァ アサリとポルチーニ味

鮮魚のアクアパッツァ アサリとポルチーニ味

メニューについて

海に囲まれた日本列島は、煮魚料理が盛んです。

国土の大半が海に囲まれたイタリア半島も煮魚料理が盛んで、アクアパッツアと呼ばれています。

何種類かの食材を組み合わせて煮込むと、いろんな味が重なりあって美味しくなります。

その組み合わせは自由気まま、千差万別で、この秋は、アサリとポルチーニを合わせます。

調理

鮮魚の身は、煮込んでも煮崩れしないように表面に小麦粉をつけ、皮から炒める。皮が縮んで丸まらないように、最初から水平なもので押し伸ばして炒める

皮が平らに焼けたら反対側も炒める。今回撮影に使用した鮮魚は九州玄界灘産の真鯛

ポルチーニを炒める

自家製魚のダシ汁を加える

アサリを加える。アサリは北海道産を使用

蓋をしてアサリを蒸し焼きにする

開いたアサリは火が入りすぎないように、煮汁から外す

魚の上部も煮汁で味をつける

無塩バターで煮汁に風味やトロみをつける

アサリを煮汁にもどし、味を整えて完成

お召し上がり

鮮魚のアクアパッツァ アサリとポルチーニ味

◆秋味のアクアパッツァを堪能

煮汁はポルチーニの色と味が付き、見た目も味わいも秋味です。

白身魚はしっかりした歯ごたえと、旨みをたっぷり感じ、煮汁のポルチーニ味がよく染みています。

アサリと相性が良いバターが、煮汁の味を深め、秋味のアクアパッツァを堪能します。

鮮魚のアクアパッツァ アサリとポルチーニ味

鮮魚のアクアパッツァ アサリとポルチーニ味

7.キングアイランド牛リブロースのソテー ゴルゴンゾーラのソース

キングアイランド牛リブロースのソテー ゴルゴンゾーラのソース

メニューについて

旨みがしっかりしたキングアイランド牛のリブロースをフライパンでソテー。

秋らしく、ゴルゴンゾーラチーズのコクが生きた、濃厚なクリームソースを合わせます。

キングアイランドの地図とキングアイランド牛(公式写真より)

キングアイランド牛のリブロース

調理

塩コショウで下味をつけたリブロースに小麦粉をつけて焼く

反対側も焼く

焼き上げたリブロースは、ソースをつくる間休ませ、中の肉汁が出過ぎないように安定させる

ゴルゴンゾーラのソースを作るために、リブロースを炒めたフライパンにブランデーで香りをつける

自家製鶏のダシ汁を加える

自家製仔牛のペーストを加える

ゴルゴンゾーラチーズを加える

ゴルゴンゾーラチーズはイタリア北部ロンバルディア州産を使用

生クリームを加える

無塩バターを加える

リブロースをソースになじませて完成

お召し上がり

キングアイランド牛リブロースのソテー ゴルゴンゾーラのソース

◆牛の旨みが引き立つクリームソース

ゴルゴンゾーラのソースはトロりと濃厚。キングアイランド牛の肉質とよく馴染み、秋にうれしい温かみを感じます。

ソースの味わいは、何種類かの乳製品をミックスすることで、ミルキーな甘みから旨み、塩味、コクの幅が広い。

キングアイランド牛の焼き色の香ばしさ、赤身のしっかりした旨み、脂身の甘みを引き立てます。

キングアイランド牛リブロースのソテー ゴルゴンゾーラのソース

キングアイランド牛リブロースのソテー ゴルゴンゾーラのソース

ドルチェ

8.柿のタルト

柿のタルト

お召し上がり

季節のフルーツタルトのシリーズ。10月は旬の柿をトッピングします。

鮮やかな明るいオレンジ色が食欲をそそる柿は、和歌山県産の「平核無柿(ひらたねなしがき)」。

果肉は柔らかく、脈が透き通って見えるほど果汁が豊富で、甘みが強く、タルトのクリームの甘さと溶け合います。

サクッと焼けたホームメイドパイの香ばしさがアクセントになります。

柿のタルト

9.ボネ

ボネ

お召し上がり

イタリア北部ピエモンテ州の郷土菓子、ボネ。

北国らしく、チョコレートプリンを中心にしたお菓子は、秋になると食べたくなる甘さです。

トッピング用にチョコレートと金箔でつくったB文字は、ビスボッチャやボネを表しながら、チョコレート味のイントロになります。

それをパリパリと食べた後、スプーンでカップを掘り下げ、白い生クリームのミルキーな甘さと、茶色いチョコレートプリンのビターな甘さのコントラストを楽しみます。

底から出てくるキャラメルシロップの香ばしい甘さがアクセントになります。

濃厚な甘さの連続に身体が温まり、秋らしいドルチェを満喫します。

ボネ

10月のディナーは、

季節のおすすめメニューに、秋の美味しさを感じて、お楽しみください。