RECOMMENDED SEASONAL MENU FEBRUALY 2024
コラム『味と技』第135回
立春のきらめき
2月は、暦の上では春がはじまり、若々しい食材に、春の訪れが近いことを感じます。
そんな季節の美味しさをあつめて、12品おすすめします。
監修/料理長・井上裕基
写真・文/ライター 織田城司
Supervised by Yuuki Inoue
Photo・Text by George Oda
●前菜
1.ブラータチーズとせとか
ブラータチーズとせとか
メニューについて
ブラータチーズと味わう、季節の食材シリーズです。
2月は、糖度が高く食味がよい、愛媛県産の柑橘「せとか」を合わせておすすめします。
メニュー提案・撮影調理 料理人 村澤大
せとかは、2001年に品種登録された柑橘類。愛媛県産を使用
ブラータチーズは、イタリア南部プーリア州出身のチーズ職人が、アメリカ・カリフォルニア州でつくる「ディ・ステファノ」社製を使用。放牧牛のミルクを使い、とろりとした食感で、ミルキーな風味と甘み、旨みが濃厚
お召しあがり
ブラータチーズとせとか
せとかの断面は濃いオレンジ。果肉はぎっしり詰まり、とろける食感で、濃厚な果汁がジューシーで、フルーティーな香りと甘みが強い。
ブラータチーズのミルキーな旨みが、せとかの美味しさを引き立てます。
ブラータチーズとせとか
ブラータチーズとせとか
ラ・ビスボッチャ店内
2.ヒラメのカルパッチョ
ヒラメのカルパッチョ
メニューについて
2月のカルパッチョは、春の産卵を控え、冬に栄養をたくわえ、脂がのって美味しくなるヒラメをおすすめします。
調理
メニュー提案・撮影調理 料理人 村澤大
ヒラメは宮城県産を一尾仕入れ、自店でさばく
骨と皮を取り除いた切身に塩で下味をつけ、氷水で引き締める
余分な水分を吸収し、薄く切り、キャビアやマイクロハーブ、自家製レモンドレッシングとともに盛り付ける
お召しあがり
ヒラメのカルパッチョ
脂がのったヒラメは、オリーブオイルとよくなじみ、とろりとした口あたり。歯ごたえはしっかりして、旨みは上品で繊細です。
キャビアの塩気とコクが磯の味を深め、マイクロハーブのシャキシャキした食感と、青々しさがアクセントです。
ヒラメのカルパッチョ
ヒラメのカルパッチョ
ラ・ビスボッチャ店内
3.タラとフキノトウのフリット
タラとフキノトウのフリット
メニューについて
イタリア式のカラッと軽い揚げ物、フリット。
2月は、冬から春にかけて美味しくなるタラとフキノトウを合わせておすすめします。
タラの漢字は魚へんに雪と書く。北海道に雪が降る頃に旬を迎えることが由来だそうです。雑食性で何でも貪欲に食べることが「たらふく食べる」の語源とされています。
調理
メニュー提案・撮影調理 料理人 石川凌
◆下ごしらえ
タラは北海道産を使用。大きな切身で仕入れ、食べやすい大きさにカットする
フキノトウは愛知県産を使用。半分にカットし、下茹でし、冷やす
余分な水分を吸収する
◆揚げる
タラ用の衣をつくる。材料は小麦粉、卵、ビールを混ぜる
ビールは、1859年にイタリア北部フリウリ・ベネツィア・ジューリア州で創業したモレッティ社製。イタリアのビールメーカーとしては最古参で、1942年から髭の紳士をラベルにレイアウトしている。シリーズのなかのピルスナータイプ330ml瓶詰めを使用
タラに衣をつける
フキノトウに衣をつける。材料は小麦粉、イースト、水、塩、砂糖を混ぜる
サラダ油で揚げる
余分な油を落とし、塩を振りかけて仕上げる
お召しあがり
タラとフキノトウのフリット
揚げたタラはふっくらして、食感は白身がヌルッとほぐれて心地よく、淡白な味わいのなかに、ほのかな甘みや旨み、塩気を感じます。
フキノトウの青々しさとほろ苦さがコントラストになり、引き立て合います。
タラとフキノトウのフリット
タラとフキノトウのフリット
ラ・ビスボッチャ店内
4.卵とポロネギのオーブン焼き 黒トリュフかけ
卵とポロネギのオーブン焼き 黒トリュフかけ
メニューについて
2月は、トリュフの季節が白から黒へと変わります。
黒トリュフのコク深い香りを、卵とポロネギで引き立てました。
調理
メニュー提案・撮影調理 副料理長 高部孝太
ポロネギは北海道産を使用
ポロネギを小さくカットする
鍋にオリーブオイルを広げ、ポロネギを炒める
自家製鶏の出汁を入れ、煮込む
小さなフライパンに取り分ける
卵をトッピングする
オーブンで加熱する
イタリア産の黒トリュフを振りかけて仕上げる
お召しあがり
卵とポロネギのオーブン焼き 黒トリュフかけ
卵とポロネギのオーブン焼き 黒トリュフかけ
ポロネギは、長ネギのような香りや辛みはなく、加熱すると柔らかく、とろりとした食感になり、甘みがきわだちます。
土に近い植物として、黒トリュフの香りと相性がよく、その美味しさを卵が引き立てます。
卵とポロネギのオーブン焼き 黒トリュフかけ
ラ・ビスボッチャ店内
5.ホワイトアスパラガスのビスマルク風
ホワイトアスパラガスのビスマルク風
メニューについて
中世の頃から、ヨーロッパの春の風物詩とされてきたホワイトアスパラガス。
シンプルに茹で、美味しさを引き出し、相性のいいバターや卵と合わせておすすめします。
イタリア料理で目玉焼きをのせるとビスマルク風と表現するのは、19世紀、ドイツを統一するために、富国強兵を推進する「鉄血政策」を提唱した首相、ビスマルクの名に由来します。
調理
メニュー提案・撮影調理 料理人 横田達也
◆ホワイトアスパラガスの下ごしらえ
ホワイトアスパラガスはフレッシュタイプを使用。豊かな川と森が広がるフランス中部の特産地、ロワール地方産。中世の王族が好んで住み、世界遺産の古城が多く残る観光地としても有名。写真は10kg。最盛期は毎週30〜40kg仕入れる
ホワイトアスパラガスの皮をむく。茎が湾曲しているため、皿などで台座をつくり、回しながら皮をむく
皮をむいたホワイトアスパラガスの集積
ホワイトアスパラガスの皮で出汁をつくる。
出汁をとった皮を取り除く
出汁にホワイトアスパラガスを投入
ホワイトアスパラガスを出汁で茹で、岩塩を入れながら下味をつける。食べる直前に再度茹でて仕上げるため、この段階では完全に茹でない。出汁にホワイトアスパラガスの味がついているので、茹でる本体の味の流失を防ぐことができる
下茹でしたホワイトアスパラガスを、保存するために冷ます
冷ましたホワイトアスパラガスを出汁に浸し、さらに味をなじませる
◆目玉焼きをつくる
フライパンにオリーブオイルを広げ卵を焼き、塩を振りかけて味をつける
卵は神奈川県産の「長寿卵」。卵黄がオレンジ色で味に深みとコクがあり、イタリアの卵の質に似ていることから使用
自家製鶏の出汁を入れ、フタをして蒸し焼きにし、味と風味をつける
◆仕上げる
注文をいただくと、下茹でしたホワイトアスパラガスを出汁で再度茹でる
温めた澄ましバターを敷き、茹でたホワイトアスパラガスを盛り付ける
澄ましバターは香りが高く、味があっさりしてホワイトアスパラガスとよく合う。澄ましバターはボウルの底を加熱してバターを溶かし、タンパク質を分離し、上澄みの乳脂肪だけを取り出してつくる
目玉焼きをトッピングし、パルメザンチーズを振りかけて仕上げる
お召し上がり
ホワイトアスパラガスのビスマルク風
茹で上がったホワイトアスパラガスは、半透明の乳白色が美しく、香りは青々しさと土のニュアンスがまろやかに漂います。
小さな穂先はとろける柔らかさで甘みがあり、太い茎はサクッとした食感で旨みがあり、やさしい味わいに春を感じて楽しみます。
ホワイトアスパラガスのビスマルク風
ホワイトアスパラガスのビスマルク風
ホワイトアスパラガスの炭火焼き。ホワイトアスパラガスを塩味で下茹でし、炭火で焼き、エキストラヴァージン・オリーブオイルを振りかけて仕上げる。前菜や付け合わせなどに、お好みでお選びください
ラ・ビスボッチャ店内
●パスタ&リゾット
6.貝とフキノトウのオレキエッテ
貝とフキノトウのオレキエッテ
メニューについて
春を感じる食材を合わせた、耳たぶ形のショートパスタです。
調理
メニュー提案・撮影調理 料理人 石川凌
◆ソースをつくる
フライパンでオリーブオイルを加熱し、ニンニクと赤唐辛子で味と香りをつける
カットしたツブガイの身と、アサリを入れる
自家製魚の出汁を入れ、蒸し焼きにし、アサリを開く
アサリを取り除き、煮詰めてソースの出来上がり
◆仕上げる
オレキエッテを茹でる
オレキエッテは自家製生パスタでつくる。生地の材料は卵白、小麦粉、セモリナ粉、オリーブオイル、水、塩
茹で上がったオレキエッテをソースのフライパンに投入
オレキエッテをソースと和え、イタリアンパセリのみじん切りとエキストラヴァージン・オリーブオイルを入れ、味と香り、とろみをつける
下茹でしたフキノトウを合わせ、アサリと盛り付けて仕上げる
お召しあがり
貝とフキノトウのオレキエッテ
貝の食感は弾力がしっかりして、噛みしめると旨みや塩気が出てきます。
オレキエッテは、貝と同じような大きさで食べやすく、もっちりした食感のなかに小麦の風味を感じ、フキノトウのほろ苦さとともにアクセントになります。
貝とフキノトウのオレキエッテ
貝とフキノトウのオレキエッテ
ラ・ビスボッチャ店内
7.ウニとズッキーニのブシアーテ
ウニとズッキーニのブシアーテ
メニューについて
ウニの濃厚な旨みをたっぷり味わう、らせん形のパスタです。
◆ブシアーテとは
ブシアーテはイタリア南部シチリア島の西部、トラパニ地方が発祥とされる、らせん形のパスタです。古くはブーサという草の茎を乾燥させ、生地を巻き付けてらせん形に成型したことが名前の由来です。らせんの中にソースや具材がたっぷり入るため、濃厚なソースを合わせることが多い。
調理
メニュー提案・撮影調理 料理人 横田達也
◆ソースをつくる
フライパンでオリーブオイルを加熱し、ニンニクと赤唐辛子で味と香りをつけ、自家製魚の出汁を加える
ウニを入れる
生クリームを入れる
ズッキーニのフライを合わせてソースの出来上がり
◆仕上げる
ブシアーテを茹でる
ブシアーテはシチリア島で1928年に創業したカンポ社製を使用。香りと味わい豊かなシチリア産セモリナ粉を100%使用し、低温長時間乾燥で小麦本来の風味をキープし、ブロンズダイズ成型による表面の細かい凹凸にソースがよく絡む
茹で上がったブシアーテをソースのフライパンに投入
ブシアーテをソースと和え、イタリアンパセリのみじん切りとエキストラヴァージン・オリーブオイルを入れ、味と香り、とろみをつけて仕上げる
お召しあがり
ウニとズッキーニのブシアーテ
茹でたブシアーテは、ハリコシがしっかりして、弾力のある食べごたえを楽しみます。
ウニの濃厚なソースがしっかり絡み、ウニの風味や旨み、コクをたっぷり堪能します。
その美味しさをズッキーニが引き立てます。ウニ好きにはたまらない一皿です。
ウニとズッキーニのブシアーテ
ウニとズッキーニのブシアーテ
ラ・ビスボッチャ店内
8.ハマグリのクリームリゾット
ハマグリのクリームリゾット
メニューについて
貝とクリームの好相性を、ハマグリとリゾットの合わせに生かしました。
イタリアンパセリのソースと、根セロリのピューレで、優しい香りをつけて仕上げました。
調理
メニュー提案・撮影調理 料理長 井上裕基
◆根セロリのピューレをつくる
根セロリはフランス産を使用。根セロリは古来から地中海沿岸地方で栽培され、ヨーロッパの冬野菜の定番的存在。セロリの株の部分にあたり、セロリの優しい香りが特徴。写真は皮がついた状態。中身は柔らかく、加工しやすく、スープやピューレによく使われる
根セロリの皮を取り除き、中身を細かくカットする
カットした根セロリを茹で、塩と白ワイン酢を入れ、味をつける
根セロリが柔らかくなったら、さらに牛乳で茹でる
牛乳で茹でた根セロリをミキサーで撹拌し、ピューレの出来上がり
◆イタリアンパセリのソースをつくる
イタリアンパセリの葉とエキストラヴァージン・オリーブオイルをミキサーで混ぜる
ミキサーで混ぜた液を濾過する
濾過した液をビニール袋に入れ、水分と油分を分離させる
ビニール袋の底をカットし、底に沈澱した水分のみを流し落とす
ビニール袋に残った油分をボウルで集め、イタリアンパセリのソースの出来上がり
◆リゾットをつくる
ハマグリは千葉県産を使用。蒸し焼きにして貝を開く
リゾット米を自家製鶏の出汁と牛乳で煮込む
リゾット米は、大粒で煮崩れしにくいイタリア産のリゾット用品種を使用。イタリア北部ピエモンテ州の米処ヴェルチェッリ県で1935年からリゾット用の米をつくり続ける「ロンドリーノ」社のブランド米「アクエレッロ」
ハマグリの蒸し汁を入れ、味と香りをつける
根セロリのピューレを入れ、味と香りをつける
無塩バターを入れ、味と香り、とろみをつける
パルミジャーノ・レッジャーノを入れ、味と香りととろみをつける。ハマグリやイタリアンパセリのソース、根セロリのピューレからつくるソースと盛り付けて仕上げる
お召しあがり
ハマグリのクリームリゾット
香ばしいリゾット米は、クリーミーな煮汁と相性抜群。食べすすむと、根セロリの優しい風味が奥ゆかしく、飽きない味わいです。
ハマグリ特有のまろやかな貝の風味や旨みが、クリーミーなリゾットとよく合います。
イタリアンパセリのソースの鮮やかなグリーンの彩りや、爽やかな風味が食欲をそそります。
ハマグリのクリームリゾット
ハマグリのクリームリゾット
ラ・ビスボッチャ店内
●メイン
9.鮮魚と野菜の蒸し煮
鮮魚と野菜の蒸し煮
メニューについて
イタリアにもある蒸し煮料理。
シンプルに蒸しあげた鮮魚と野菜の味わいは、あたたかく、優しく、春を感じる一品です。
調理
メニュー提案・撮影調理 副料理長 高部孝太
その日の鮮魚として、撮影用にはマダイを使用
合わせる野菜の一例。左から菜の花、芽キャベツ、プチヴェール、パプリカ、ミニトマト、ブロッコリー
塩で味をつけたマダイを容器に入れ、野菜と自家製魚の出汁を加える
オーブンで蒸して仕上げる。蒸す熱で出汁が加熱され、煮る効果も加わる
お召しあがり
鮮魚と野菜の蒸し煮
蒸し煮にしたマダイや野菜は柔らかく、ふっくら、ほっくりした食感が独特です。
マダイの旨みはまろやかで、野菜は甘みが増しています。透き通るスープは、マダイと野菜の味と香りが溶け合い、繊細で奥深い味わいです。
シンプルな料理法による、優しい味わいが新鮮で、白ワインがすすみます。
鮮魚と野菜の蒸し煮
鮮魚と野菜の蒸し煮
ラ・ビスボッチャ店内
10.アイルランド産仔羊モモ肉のロースト
アイルランド産仔羊モモ肉のロースト
メニューについて
グラスフェッド(牧草飼育)で育った仔羊の柔らかい肉の食感と、旨みを楽しむ料理です。
ニンニクとローズマリーの香りを効かせて仕上げました。
◆アイルランド産仔羊について
アイルランドで放牧されている仔羊(公式写真より)
アイルランドの仔羊はグラスフェッド(牧草飼育)です。豊かな自然の中で放牧され、自由にのびのびと歩きまわり、ミネラル豊富な牧草のみで飼育されています。
このため、肉質はとても柔らかく、美味しい赤身肉が充実しています。
調理
メニュー提案・撮影調理 料理人 村澤大
◆下ごしらえ
アイルランド産仔羊のモモ肉
モモ肉を開き、骨を抜き、塩、コショウ、ニンニク、ローズマリーで味と香りをつける
加熱しやすくするため、ヒモで縛る。調味料の味をなじませるため、24時間置く
◆モモ肉を焼く
フライパンにオリーブオイルを広げ、モモ肉を焼く
方向を変え、全面に焼き色をつける
火が通りにくい窪んだ部分は、オイルを上から回しがけして加熱する
オーブンで加熱する
◆仕上げる
ヒモを外す
切り分ける
表面をさっと焼き、香ばしさとパリッとした表面感をつけて仕上げる
お召しあがり
アイルランド産仔羊モモ肉のロースト
仔羊のモモ肉は、筋肉質な部位でありながら柔らかく、繊維がサクサクほぐれる食感が心地よい。
風味はグラスフェッド特有の香ばしさがきわだち、味わいは、仔羊らしい若々しい旨みがコクへと広がります。
アイルランド産仔羊モモ肉のロースト
アイルランド産仔羊モモ肉のロースト
ラ・ビスボッチャ店内
●付け合わせ
11.ブロッコロ・フィオラーロのソテー
ブロッコロ・フィオラーロのソテー
メニューについて
イタリアの冬野菜、ブロッコロ・フィオラーロをニンニクと赤唐辛子で炒め、肉料理の付け合わせにおすすめします。
調理
メニュー提案・撮影調理 副料理長 高部孝太
ブロッコロ・フィオラーロはブロッコリーの一種でイタリア原産の冬野菜。古代ローマ時代から食されてきたが、現在はイタリア北部ヴェネト州のみで栽培される希少な野菜。霜が降りてから収穫されたものは味と風味が濃いとされる
小さく切り分ける
下茹でする
オリーブオイルを加熱し、ニンニクと赤唐辛子で味と香りをつける
ブロッコロ・フィオラーロを炒める
塩で味をつけて仕上げる
お召しあがり
ブロッコロ・フィオラーロのソテー
炒めたブロッコロ・フィオラーロの味わいは、見た目ほど青々しさや苦味はなく、淡白ななかに、ほのかな甘みや旨みを繊細に感じます。
ニンニクの風味がほどよく効いています。
ブロッコロ・フィオラーロのソテー
ブロッコロ・フィオラーロのソテー
ラ・ビスボッチャ店内
●ドルチェ
12.花束のカンノーリ
花束のカンノーリ
メニューについて
シチリア銘菓カンノーリ。
春らしく、花束に見立てて仕上げました。
調理
メニュー提案・撮影調理 料理人 江川智香
◆生地の下ごしらえ
生地を練る。材料は薄力粉、卵黄、マルサラ酒、グラニュー糖、塩などを混ぜる
練り合わせた生地をラップで包み、材料をなじませる
パスタマシーンで生地を薄く伸ばす
生地を金型で丸くくり抜く
生地を金型に巻いて焼く
◆クリームをつくる
ホイップクリーム、リコッタチーズ、粉糖を混ぜ合わせ、クリームのベースにする
リコッタはチーズの生成過程で生じた乳清を再加熱してつくる食品。低脂肪でさっぱりして、ソフトな食感とミルクの自然な甘みが特徴。イタリア北部ピエモンテ州で1934年に創業した乳製品メーカー「ビラーギ」社製を使用
ドレインチェリーとオレンジピールのみじん切りを入れる
マラスキーノ酒を入れ、香りをつけてクリームの出来上がり
◆仕上げる
焼き上げた生地をオーブンから出す
生地を冷まし、金型から外す
生地にクリームを詰める
愛知県産の食用花をトッピングに飾って仕上げる
お召しあがり
花束のカンノーリ
カンノーリの花束のような見た目を楽しみ、口に入れると、パリッと割れた生地に押し出されるように、クリームが飛び出してきます。
食用花はシャキシャキした食感で、青々しさをほのかに感じます。
クリームのなかから出てくる、ドレインチェリーやオレンジピールの粒々感や甘酸っぱさが、まるで花を食べてるような感覚で、不思議な食体験を楽しみます。
花束のカンノーリ
花束のカンノーリ
2月のディナーは、
ラ・ビスボッチャの、季節のおすすめメニューで、
お楽しみください。