イベントレポート メーカーズディナー「カサノヴァ・ディ・ネーリ」

ワインや食材の生産者さんをお招きして、ディナーに来店されるお客さまと交流していただくイベント、メーカーズ・ディナー。

2025年11月18日(火)は、イタリア中部トスカーナ州のワインメーカー「カサノヴァ・ディ・ネーリ」社の輸出担当、ジャンロレンツォ・ネリさんをお招きしました。イベントの模様とインタビューをお伝えします。

監修/料理長・井上裕基 写真・文/ライター 織田城司
Supervised by Yuuki Inoue    
Photo・Text  by George Oda

1.イベントの概要

ビスボッチャの客席で語るカサノヴァ・ディ・ネーリ社のジャンロレンツォ・ネリさん

ビスボッチャの通常営業のなかで、各テーブルに提供するグラス、ボトルのワインを、カサノヴァ・ディ・ネーリ社のワインに特化しておすすめし、ワイナリーを知っていただく機会を強化。

ジャンロレンツォさんは通訳とともに、ボトルワインを注文したテーブルをまわり、ご挨拶やワインの解説、記念撮影などを通してお客さまと交流し、ワイナリーの認知度を高める。

ジャンロレンツォさんは接客しながら、アテンドした日本の輸入代理店、ゼフィーロ・ジャパン株式会社の社員と関係者、筆者を含めた計5名でテーブルを囲み、自社ワインとビスボッチャの料理とのマリアージュを楽しむ。

2.カサノヴァ・ディ・ネーリ社の歴史

カサノヴァ・ディ・ネーリ社外観(公式写真より)

1971年、創業者ジョバンニ・ネーリが、イタリアを代表する赤ワインを造るという夢を抱き、イタリア中部トスカーナ州モンタルチーノの町の東部に広大な農地を購入。

1977年、初めて赤ワイン「ロッソ・ディ・モンタルチーノ」を生産。

1978年、赤ワイン「ブルネロ・ディ・モンタルチーノ」を生産。

1991年、創業者の死去により、息子のジャコモ・ネーリが後を継ぐ。

以降、土壌の特徴を生かしたワイン造りが好評で、「ジェームズ・サックリング」や「ワイン・アドヴォケイト」など、権威ある評価誌で幾度となく100点満点を獲得し、伝説的な存在となる。

2017年、ワイナリー近くの農家を改装した宿泊施設「RELAIS」を開業。ワインを幅広く体験して楽しむ旅を提案。

現在はジャコモの長男ジョヴァンニと、次男のジャンロレンツォが三代目として、父とともに会社の運営を手掛けている。

カサノヴァ・ディ・ネーリ社が経営するプール付き宿泊施設「RELAIS」外観(公式写真より)

カサノヴァ・ディ・ネーリ社が経営する宿泊施設「RELAIS」内観(公式写真より)

カサノヴァ・ディ・ネーリ社が経営する宿泊施設「RELAIS」内観(公式写真より)

ネーリ家の家族。前列右が2代目ジャコモさん。後列左から3代目のジャンロレンツォさんとジョヴァンニさん(公式写真より)

3.ジャンロレンツォさんのマリアージュ

お料理

◆冷前菜

ハムとサラミの盛り合わせ ブラータチーズと季節のフルーツ(梨、柿、焼きリンゴ、黒イチジク)

◆温前菜

アンコウとプンタレッラのフリット 焼きナスとアンチョビのソース

◆パスタ

白トリュフのタヤリン

◆リゾット

パルミジャーノチーズと生ハムのリゾット 卵黄のせ 白トリュフかけ

◆メイン

アイルランド産リブロースと和牛フィレの炭火焼き

◆付け合わせ

プンタレッラのサラダ

◆ドルチェ

レモンのソルベット

ワイン

料理に合わせたワインの順番

赤ワイン「ロッソ・ディ・モンタルチーノ」2023

赤ワイン「ロッソ・ディ・モンタルチーノ」2023

ブドウ種:サンジョヴェーゼ100%

香りには赤い小粒の果実の明確な香りが広がり、続いてタバコや甘いスパイスのニュアンスが感じられる。

味わいは繊細で上品。涼しい年ならではのバランスと驚くほどの飲み心地の良さを備えている。フィニッシュはシルキーで包み込むように長く続く。

赤ワイン「“ホワイト・ラベル” ブルネッロ・ディ・モンタルチーノ」2020

赤ワイン「“ホワイト・ラベル” ブルネッロ・ディ・モンタルチーノ」2020

ブドウ種:サンジョヴェーゼ100%

オーク樽で43ヶ月、瓶内で6ヶ月熟成。赤いベリーやナツメグの香りが印象的。

味わいはジューシーで、柑橘のニュアンスとともにブルーベリーの風味が広がる。タンニンは生き生きとしながらもよく調和しており、均整のとれたエレガントな味わい。若いうちからも楽しめる1本。

赤ワイン「“テヌータ・ヌオーヴァ” ブルネッロ・ディ・モンタルチーノ」2019

赤ワイン「“テヌータ・ヌオーヴァ” ブルネッロ・ディ・モンタルチーノ」2019

ブドウ種:サンジョヴェーゼ100%

木樽で30ヶ月、瓶内で18ヶ月熟成。赤スグリや野生のスミレ、バルサミコ、ユーカリなどの特徴的な香りが広がる。

タンニンは緻密で円みを帯びており、ミネラルの風味が際立つ。リッチな果実感と引き締まった骨格が調和し、完熟した果実の心地よい印象を与える。エレガントで深みのある味わい。

 

赤ワインしか生産していないメーカーのため、食事に合わせるワインも同社の赤ワインのみで構成。

1本目の「ロッソ・デイ・モンタルチーノ」は、スムーズな飲みご心地で、果実味があり、タンニンは柔らかい。

自然に2杯目につながるような味で、前菜によく合い、好スタートになりました。

ビスボッチャのバーカウンターでスタッフと記念撮影するカサノヴァ・ディ・ネーリ社のジャンロレンツォ・ネリさん

4.ジャンロレンツォさんへのインタビュー

ビスボッチャ 今回の訪日は何泊ですか?

ジャンロレンツォさん 日本のみの出張で5泊7日。東京のプロモーション中心で、銀座のホテルに泊まっています。

ビスボッチャ 来日は何度目?

ジャンロレンツォさん 今回で2回目です。初来日は2019年。大学を卒業して、家業に入ったばかりの25歳の頃でした。その直後に発生したコロナ禍の影響で、6年ぶり、2度目の来日になります。

ビスボッチャ 日本の印象は?

ジャンロレンツォさん ビジネスとして、昔から重要な市場だと思っています。それに加え、日本の歴史や文化が好きです。特に和食は大好きです

ビスボッチャ ビジネスの概況は?

ジャンロレンツォさん 85%が輸出です。特にアメリカのワイン評価誌の好評の影響で、アメリカでの人気が顕著です。なかでも、「“テヌータ・ヌオーヴァ” ブルネロ・ディ・モンタルチーノ」の味が好評です。

テヌータ・ヌオーヴァはイタリア語で新しいブドウ畑の意味で、父が1980年代に、何もなかった土地にブドウを植え、はじめた畑です。

サンジョベーゼ・グロッソ種のブドウに、粘土質の土壌が、独特の味と香りをもたらしています。そして、エレガントかつ力強さのある、奥深い味わいの赤ワインを醸し出しています。

ワイン誌が評価してくれるのはうれしいけれど、評価を狙っているのではなく、自分たちのスタイルを貫いた結果だと思っています。

ビスボッチャ ビスボッチャの印象は?

ジャンロレンツォさん 本当に驚きました。まだ火曜日だというのに、大箱の店が満員盛況。全ての料理が美味しく、たくさん食べても、重さは感じない。ホールスタッフのイタリア的なサービスも良かったです。

5.まとめ

ビスボッチャの店内で通訳とお客さまにご挨拶をするカサノヴァ・ディ・ネーリ社のジャンロレンツォ・ネリさん

ジャンロレンツォさんは、食事の合間、ご挨拶とワインの解説でお客さまのテーブルをめぐり、さまざまなお客さまと談笑。

成人式の事前撮影の帰り、晴れ着姿のまま両親と一緒に来店した若い女性のお客さま。

「たまには他社のワインも飲んだら?」とバローロを振る舞うお客さま。

職場の上司と部下という、スーツを着た若い男性のお客さま。

イタリア旅行に行くから、ワイナリーが経営するホテルに興味があるというお客さま。

ジャンロレンツォさんは「若者の酒離れがトレンドといわれているけれど、ビスボッチャの店内の活気を見ると、まったく感じない。

老若男女、あらゆる層の人たちが食事とワインを楽しんでいる。そのような光景が見られて、うれしかった」と語りました。