イベントレポート「テヌータ・ディ・アルティミーノ」2026

ワインや食材の生産者さんをお招きして、ディナーに来店されるお客さまと交流していただくイベント、メーカーズディナー。

2026年4月24日(金)は、イタリア中部トスカーナ州のワインメーカー「テヌータ・ディ・アルティミーノ」社の輸出部長、ファブリッツィオ・ゲラルディーニさんをお招きしました。イベントの模様とインタビューをお伝えします。

監修/料理長・井上裕基 写真・文/ライター 織田城司
Supervised by Yuuki Inoue    
Photo・Text  by George Oda

1.イベントの概要

ビスボッチャの店内で語るテヌータ・ディ・アルティミーノ社の輸出部長ファブリッツィオ・ゲラルディーニさん

ビスボッチャの通常営業のなかで、各テーブルに提供するグラス、ボトルのワインを、テヌータ・ディ・アルティミーノ社のワインに特化しておすすめし、ワイナリーを知っていただく機会を強化。

ファブリッツィオさんは通訳とともに、ボトルワインを注文したテーブルをまわり、ご挨拶やワインの解説、記念撮影などを通してお客さまと交流し、ワイナリーの認知度を高める。

ファブリッツィオさんは接客しながら、アテンドした日本の輸入代理店、株式会社MONACAの社員と関係者、筆者を含めた計10名でテーブルを囲み、自社ワインとビスボッチャの料理とのマリアージュを楽しみました。

2.テヌータ・ディ・アルティミーノ社の歴史

テヌータ・ディ・アルティミーノ社の敷地内にある世界遺産「トスカーナ地方のメディチ家の別荘と庭園群」のひとつ「ヴィッラ・ディ・アリティミーノ」(公式写真より)

テヌータ・ディ・アルティミーノ社の敷地のイメージ(公式写真より)

テヌータ・ディ・アルティミーノ(Tenuta Di Artimino)社は、イタリア中部トスカーナ州の州都フィレンツェから西に約20kmに位置するアルティミーノという町にあります。

16世紀に、トスカーナ大公国を支配したメディチ家のコジモ一世が、この地に農園と森を購入し、狩猟を楽しみました。

コジモ一世の息子、フェルディナンド一世は1600年、この地に余暇を過ごすために建てた別荘が「ヴィッラ・ディ・アルティミーノ」です。

1989年、「ヴィッラ・ディ・アルティミーノ」を含む敷地は、イタリアの自転車競技選手、ジョゼッぺ・オルモ氏に買収され、総面積732ヘクタールの中に、ワイナリーやホテル、レストランを持つリゾート・ワイン農園として運営を開始。

2013年、敷地内の「ヴィッラ・ディ・アルティミーノ」が、「トスカーナ地方のメディチ家の別荘と庭園群」のひとつとして、世界遺産に登録されました。

テヌータ・ディ・アルティミーノ社の施設(公式写真より)

テヌータ・ディ・アルティミーノ社の施設(公式写真より)

テヌータ・ディ・アルティミーノ社の施設(公式写真より)

テヌータ・ディ・アルティミーノ社の施設(公式写真より)

3.ファブリッツィオさんのマリアージュ

ビスボッチャの店内で同席者の話を聞くファブリッツィオさん

お料理

◆前菜

前菜盛り合わせ。左から初ガツオの炙りカルパッチョ サルサヴェルデ、アオリイカのブルスケッタ、生ハムとメロン

ホタテとタラの芽のフリット ソラ豆ソース

カルチョーフィ・リピエノのフリット 黒トリュフかけ

パスタなし

◆メイン

アイルランド産ヘアフォード牛サーロインと和牛フィレの炭火焼き

◆付け合わせ

グリーンアスパラガスの炭火焼き

◆ドルチェ

ミルフィーユ

ワイン

白ワイン「アルトゥメス ビアンコ」2024年

白ワイン「アルトゥメス ビアンコ」2024年

ブドウ種:トレッビアーノ70% プチ・マンサン30%

緑がかった麦わら色。フレッシュでレモンの皮や青リンゴを彷彿とさせる香り。果実味、酸味のバランスが良く、喉を通るアルコール感が爽やかで、心地よい飲みやすさ。

赤ワイン「“ポッジラルカ” カリミニャーノ」2021年

赤ワイン「“ポッジラルカ” カリミニャーノ」2021年

ブドウ種:サンジョヴェーゼ85%、カベルネブラン15%

深紅がかったルビー色。サクランボ等の赤い果実、バニラを連想させる香り。口当たりはまろやか。上品で滑らかなタンニン、絶妙な酸とアルコール感。

赤ワイン「 “マッルカイア” ロッソ トスカーナ」2021

赤ワイン「 “マッルカイア” ロッソ トスカーナ」2021

ブドウ種:カベルネソーヴィニョン60%、メルロー30%、カベルネフラン10%

深紅がかったルビー色。反射光は熟成が始まってと見られる褐色。バラ、熟したプルーン、バニラ、胡椒等の香り。上質さを感じる舌触りの良い滑らかなタンニンと、心地よい酸の絶妙なバランス。

デザートワイン「ヴィンサント・デル・カルミニャーノ」2019

デザートワイン「ヴィンサント・デル・カルミニャーノ」2019

ブドウ種:トレッビアーノ50%、マルヴァシア25%、サン・コロンバーノ25%

深い黄金色。オレンジピールやナッツ類の香り。ヴィンサントらしい甘味に酸味も感じられ、バランスのよいデザートワイン。

4.ファブリッツィオさんへのインタビュー

ビスボッチャの店内で語るファブリッツィオさん

◆ファブリッツィオさんのプロフィール

1961年生まれで今年65歳。イタリアで長年貿易の仕事を続け、十数年前からテヌータ・ディ・アルティミーノ社で勤務。子供たちは独立し、夫人と会社敷地内の社宅で暮らす。

◆インタビュー

ビスボッチャ 今回の来日は何泊ですか?

ファブリッツィオさん だいたい5泊です。日曜の夜来日し、月曜は休み、火曜は東京のイベント、水曜は大阪のイベント、木曜は台湾のイベント、金曜の朝東京入りし、ビスボッチャのイベント、土曜は東京のイベント、日曜にイタリアへ帰ります。

ビスボッチャ 初来日は

ファブリッツィオさん コロナ前の2019年頃からで、4、5回目になります。

会社がアジア市場強化を打ち出したことと、キアンティ・クラシッコ協会が日本でイベントを始めたことが重なり、ここ3年間で集中して来日しています。

ビスボッチャ 自社ワイン供給のイタリア国内と輸出の比率は?

ファブリッツィオさん 国内が65%で、35%輸出です。輸出の多い国はアメリカです。

ビスボッチャ ビジネスの伸び率は?

ファブリッツィオさん 毎年伸びています。

ビスボッチャ イタリアでも若者の酒離れはありますか?

ファブリッツィオさん そのような傾向はあります。

ビスボッチャ 温暖化対策は?

ファブリッツィオさん ブドウを守ることに一番お金を使っています。

また、収穫時期が年々早くなっているので、時期の見極めに注意しています。タイミングを逃すと、一年間栽培してきた苦労が、報われなくなってしまうので。

ビスボッチャ ご自宅の晩酌で、毎晩ワインを飲みますか

ファブリッツィオさん 仕事で日中、ティスティングや、試飲会などでワインを飲むので、自宅で夜、飲むことは少ないです。

ビスボッチャ 余暇の過ごし方は

ファブリッツィオさん 一人で海に釣りに行きます。

ビスボッチャ ビスボッチャで、お客さまにワインの紹介した印象は

ファブリッツィオさん はじめに、トスカーナ、メディチ、世界遺産と、会社概要を説明しただけで、お客さまは「わー!」「えー!」「すごーい!」「行きたーい!」と、ワインの説明をする前に、盛り上がってました。

このようなリアクションは見たことがなく、驚いています。

ワインの感想は「うん、すごく美味しかったよ」と友だちのように語ってくれる。

ほかのイベントの試飲会だと「お…美味しいです」というようなリアクションが多く、社交辞令なのか、本音かわからないけれど、ここではリアルな声が聞けてうれしかった。

日本語はわからないけれど、顔の表情や声のトーンで、本当に美味しいと思っていただいていることがわかりました。

ビスボッチャ ビスボッチャの印象は

ファブリッツィオさん 「ベリッシモ!(素晴らしい)」トスカーナのいいお店のにぎわい、そのものです。

5.まとめ

ビスボッチャの店内で記念撮影におさまるファブリッツィオさん

テヌータ・ディ・アルティミーノのワインは、土地の歴史と土着のブドウを生かした、クラシックな味わいを、現代に伝えている印象でした。

それを売り込むファブリッツィオさんは、ベテランらしく落ち着きながら、ときどきユーモアを盛り込む姿に、好感が持てました。

ビスボッチャの店内で記念撮影におさまるファブリッツィオさん