季節のおすすめメニュー 8月

RECOMMENDED SEASONAL MENU 2020 August

コラム『味と技』第69回

涼しさを感じて

ビスボッチャでは、年間定番のグランドメニューに加え、季節のおすすめメニューも展開しています。

8月は、盛夏にうれしい、涼しさを感じるメニューをおすすめします。

監修/料理長・井上裕基 副料理長・露詰まみ 

写真・文/ライター 織田城司
Food Direction by Yuuki Inoue & Mami Tsuyuzume 
Photo・Text  by George Oda

前菜

1.鮮魚のカルパッチョ 夏仕立

鮮魚のカルパッチョ 夏仕立て。撮影には天然真鯛を使用

メニューについて

その日の新鮮な魚でつくるカルパッチョ。

見た目にも涼感がある、夏仕立てのトッピングでおつくりします。

トッピングに使う食材。左からフレンチキャビア、国産ラディッシュ、愛媛県産媛プチ柑の果肉、広島県産クレイジーピー、広島県産アマランサス

◆媛プチ柑の下ごしらえ

媛プチ柑を半分にカットする

指で押して果肉をしぼり出す

果肉がしぼり出された状態

果肉を包丁の先で取り出し、皿に集める

カルパッチョの上に盛り付ける

お召し上がり

鮮魚のカルパッチョ 夏仕立て

◆フレッシュな味わいに感じる涼

オリーブオイルとレモン汁がかかった鮮魚はツルッとして、オイリーな食感とともに旨みを味わいます。

トッピングのシャキシャキとした歯ざわりや、青々しさ、酸味はフレッシュな印象で、カルパッチョの美味しさを引き立てながら、涼を感じます。

鮮魚のカルパッチョ 夏仕立て

2.ブラータチーズとフルーツのサラダ

メニューについて

ブラータチーズは、外はフワッと、中はトロリとした袋状のフレッシュチーズです。

ミルクの風味や甘みが濃厚で、ジューシーなフルーツと相性抜群。

夏に美味しくなるフルーツとともに、お楽しみください。

ブラータチーズはアメリカの「ディ・ステファノ」社製を使用。イタリア南部プーリア州出身のチーズ職人が、カリフォルニア酪農協会が認めた良質なミルクを使ってつくるチーズ

①ブラータチーズと桃のサラダ

ブラータチーズと桃のサラダ

桃は長野県産を使用

お召し上がり

ブラータチーズと桃のサラダ

柔らかい桃は、ブラータチーズのトロリとした質感とよく合います。

桃の甘みとブラータチーズのミルクの風味は、口の中で溶け合い、絶妙な味わいです。

②ブラータチーズとイチジクのサラダ

ブラータチーズとイチジクのサラダ

イチジクは愛知県産を使用

お召し上がり

ブラータチーズとイチジクのサラダ

イチジクの淡い甘酸っぱさが、ブラータチーズのミルクの風味とよく合います。

イチジクの小さな種のプチプチとした食感がアクセントになります。

③ブラータチーズとマスカットのサラダ

ブラータチーズとマスカットのサラダ

マスカットは山梨県産「シャインマスカット」を使用。2006年登録の新品種ながら、皮ごと&種なしの食べやすさと甘さで人気。全国各地で栽培され、旬が南から北へ移る

お召し上がり

ブラータチーズとマスカットのサラダ

マスカットの爽やかな甘みがブラータチーズのミルクの風味とよく合います。

皮ごと食べられるマスカットのシャキシャキとした食感が心地いいアクセントです。

④ブラータチーズとメロンのサラダ

ブラータチーズとメロンのサラダ

メロンはイタリア北部ヴェネト州パドヴァの「ロレンツィーニ」社製を使用

お召し上がり

ブラータチーズとメロンのサラダ

メロンのジューシーな果肉は、ブラータチーズと流れるように馴染みます。

メロンの濃厚な甘みは、ブラータチーズのミルクの風味とよく合います。

パスタ

3.夏カボチャのニョッキ グアンチャーレとリコッタチーズのソース

夏カボチャのニョッキ グアンチャーレとリコッタチーズのソース

メニューについて

◆イタリアの熟成香を生かしたパスタ

自家製のニョッキでつくるパスタ料理。

今回は、夏らしく風味を濃厚にアレンジしています。

イタリア製のグアンチャーレとその断面。豚のホホ肉を塩漬けにして熟成したもの

風味を濃厚にしながら味の幅を出すために、イタリアの熟成食品を重ねて使います。

グアンチャーレは、トッピング用にカリカリに焼いたものと、炒めて具材にするものの2種を使います。

ソースのベースになる生クリームは、パルメザンチーズとリコッタチーズを加え、乳製品を重ねることで、深みを増します。

調理

◆グアンチャーレの下ごしらえ

トッピング用にグアンチャーレを薄くスライスし、オーブンでカリカリに焼く。脂分が落ちてサクッと仕上がり、コクが凝縮

◆ソースをつくる

グアンチャーレを拍子木状にカットする

グアンチャーレをオリーブオイルとともに炒める

自家製鶏のダシ汁を加える

自家製鶏のダシ汁。鶏がらやひね鶏の肉、トマト、タマネギ、ニンジン、セロリ、ローリエなどを約6時間かけて煮込んだもの

生クリームを加える

セージの葉をちぎって加える

煮詰めてソースの出来上がり

◆仕上げる

ニョッキを茹でる。茹で時間3分

茹で上がったニョッキをソースのフライパンに投入

ニョッキとソースを和える

擦り下ろしたパルメザンチーズを加える

リコッタチーズを加える

リコッタチーズはイタリアの「ガルバーニ」社のものを使用。1882年に北イタリアで創業。乳製品市場ではイタリア最大手のメーカーで、品質が安定している

加えたチーズ類をサッと混ぜ合わせ、皿に盛り付ける

カリカリに焼いたグアンチャーレをカットし、セージの歯とともにトッピングして完成

お召し上がり

夏カボチャのニョッキ グアンチャーレとリコッタチーズのソース

◆奥深い風味、まろやかな味わい

クリーミーなソースの中で、チーズとグアンチャーレの熟成香が豊かに絡みます。

トッピングのグアンチャーレはサクッとして、コクが凝縮しています。

炒めたグアンチャーレはプルンと柔らかく、旨みとコクをしっかり感じます。

夏カボチャのニョッキ グアンチャーレとリコッタチーズのソース

セージの葉の爽やかな香りと、黒コショウのスパイスがアクセントになります。

そんなソースが絡んだニョッキは、モッチリとした噛みごたえで、カボチャの甘みが効いています。

夏カボチャのニョッキ グアンチャーレとリコッタチーズのソース

風味は濃厚だけれど、味わいはまろやかで、軽やかな印象です。

メインの料理までのもう一品や、ロングパスタとの2種盛りにおすすめです。

4.スパゲッティ・サルシッチャ・アラビアータ

スパゲッティ・サルシッチャ・アラビアータ

メニューについて

◆サルシッチャを使ったソースを夏らしく

イタリア発祥の生ソーセージ「サルシッチャ」を日本で再現しています。

大粒の粗挽きで、ジューシーな肉汁には濃い旨みがあります。

その特徴を生かしてスパゲッティのソースをつくります。

トマトソースをベースに赤ワインでコクをつけた「サルシッチャ・ロッソ」というソースに、夏らしく辛みをプラスします。

生サルシッチャ。ビスボッチャのオンライン・ショップで扱う冷凍食品を解凍

調理

生サルシッチャの豚腸をカットし、中の挽肉をフライパンに取り出し、炒める

挽肉にトマトソース、赤ワインを加えてソースをつくる。赤唐辛子やンデュイヤなどを加え、辛みをつける

茹で上がったスパゲッティをソースと和え、皿に盛り付け、パルメザンチーズをふりかけて仕上げる

お召し上がり

スパゲッティ・サルシッチャ・アラビアータ

◆豪快なトマトソースの迫力

トマトソースは赤ワインが効いてコクのある味わい。辛みまでの味の幅を豊かに感じます。

サルシッチャの挽肉は、大粒の挽肉が指先ほどの大きさで塊になり、噛みごたえがあり、旨みをしっかり感じ、スパゲッティのアクセントになっています。

ビスボッチャのオンライン・ショップで扱う生サルシッチャ

調理に使った生サルシッチャは、ビスボッチャの公式オンライン・ショップで販売しております。お取り寄せはこちらから→オンライン・ショップ

ドルチェ

5.ブルーベリーのタルト

ブルーベリーのタルト。ブルーベリーは長野県産を使用

メニューについて

◆季節のフルーツタルト

サクサクとした食感と甘さにこだわり、ホームメイドのパイ生地でつくるタルトです。

8月のトッピングは旬のブルーベリーです。

ビスボッチャの鉢植えのブルーベリーも実り、今まさに最盛期を迎えています。

しかし、タルトに盛るほどの収穫量はなく、葉を飾っています。

ビスボッチャの鉢植えで実ったブルーベリー

お召し上がり

ブルーベリーのタルト

◆奥深い甘酸っぱさ

ブルーベリーの皮は、舌に残らないほど薄く、柔らかく、酸味が濃く、ほのかな渋みも感じ、果肉の甘酸っぱさを奥深い味にしています。

甘いクリームと一緒に食べると心地よく、すっきりした後味は夏に美味しく感じます。

ブルーベリーのタルト

6.尾花沢スイカ

尾花沢スイカ

メニューについて

◆ご当地ブランドを味わう

イタリアでも日本でも、夏の風物詩といえばスイカ。

強い甘みが評判で、産地自体がブランド化している山形県尾花沢市の「尾花沢スイカ」をご賞味ください。

ビスボッチャ入口に置いた尾花沢スイカ

山形県の尾花沢市は山に囲まれた盆地にあり、寒暖差のある気候が美味しいスイカをつくります。

夏の昼は暑く、スイカは光合成を盛んにして養分をたっぷりつくります。

朝晩の低温はスイカの呼吸を抑え、養分は使われることなく糖分として蓄えられます。

お召し上がり

尾花沢スイカ

◆しっかりした果肉に強い甘味

色は濃い赤。香りは透明感あるスイカの香りが爽やかに漂います。

果肉はしっかりと詰まり、シャリシャリとした爽快な歯ごたえがあります。

果汁をしっかりたくわえ、どこを切り取っても強い甘みを感じます。

店頭販売でも取り扱っております。1玉¥3,500(税込)。1カット¥500(税込)。シチリアの天然塩つきです。

7.スイカのグラニータ

スイカのグラニータ

メニューについて

◆暑いシチリアで生まれた冷菓

目にも涼しいグラニータは暑いシチリアで生まれた冷菓です。

名称はイタリア語で「氷を削る」という意味のグラッタート(grattato)に由来します。

細かくカットした尾花沢スイカをバットに並べて凍らせ、フォークで削りながら盛り付けます。

スイカの種に見立てたチョコチップと、スイカの皮を飾ります。

細かくカットしたスイカをバットに入れ、凍らせた状態

凍ったスイカをフォークでかき取り、盛り付ける

お召し上がり

◆極まる甘みと涼感

暑い日にうれしい、氷の冷たい食感。

果肉を凍らせているので、舌ざわりはなめらか。尾花沢スイカの強い甘みが凝縮しています。

自然の甘さが夏山のように爽やかで、涼感を極めます。

スイカのグラニータ

盛夏のディナーは、

ラ・ビスボッチャの涼しさを感じるメニューでお楽しみください。