季節のおすすめメニュー11月 2023

RECOMMENDED SEASONAL MENU NOVEMBER 2023

コラム『味と技』第131

晩秋のぬくもり

11月は、紅葉で色づく街に、深まる秋を感じ、冬の支度をはじめます。

そんな季節に美味しく感じるメニューを、15品おすすめします。

監修/料理長・井上裕基

写真・文/ライター 織田城司
Supervised by Yuuki Inoue    
Photo・Text  by George Oda

⚫︎前菜

1.ブラータチーズとキウイ

ブラータチーズとキウイ

メニューについて

ブラータチーズと味わう、季節の食材シリーズです。

11月の一品目は、キウイ2色を合わせておすすめします。

メニュー提案 撮影調理 料理人・江川智香

キウイとゴールデンキウイはニュージーランド産を使用

ブラータチーズは、イタリア南部プーリア州出身のチーズ職人が、アメリカ・カリフォルニア州でつくる「ディ・ステファノ」社製を使用。放牧牛のミルクを使い、とろりとした食感で、ミルキーな風味と甘み、旨みが濃厚

お召し上がり

ブラータチーズとキウイ

キウイの果汁は濃厚で、甘みと酸味がきわだちます。

キウイの美味しさを、ブラータチーズのミルキーな風味が引き立て、小さな種のプチプチした食感がアクセントです。

ブラータチーズとキウイ

ブラータチーズとキウイ

ラ・ビスボッチャ店内

2.ブラータチーズと柿

ブラータチーズと柿

メニューについて

ブラータチーズと味わう、季節の食材シリーズです。

11月の二品目は、柿を合わせておすすめします。

メニュー提案 撮影調理 料理人・村澤大

柿は和歌山県産を使用

お召し上がり

ブラータチーズと柿

出だしの柿の甘みは上品です。

ブラータチーズのミルキーな甘みと、引き立て合います。

ブラータチーズと柿

ブラータチーズと柿

ラ・ビスボッチャ店内

3.寒サワラの炙りカルパッチョ トマトと香草のソース

寒サワラの炙りカルパッチョ トマトと香草のソース

メニューについて

11月のカルパッチョは、冬の産卵のために栄養をたくわえ、脂がのった寒サワラをおすすめします。

調理

メニュー提案 撮影調理 料理人・横田達也

◆寒サワラを炙る

サワラは石川県産を使用。一尾で仕入れ、自店でさばく

寒サワラの身を、皮目から炭火で軽く炙る

炙った寒サワラを食べやすい大きさにカットする

◆トマトと香草のソースをつくる

種を取り除いたトマトに塩で下味をつける

トマトを炭火で焼く

焼いたトマトの皮を取り除き、果肉をみじん切りにする

トマトとエキストラヴァージン・オリーブオイル、オレガノ(ドライ)を合わせてソースにする。盛り付けは、ソースの上にバジルの細切りとマイクロハーブをトッピングする

お召し上がり

寒サワラの炙りカルパッチョ トマトと香草のソース

寒サワラの食感はもっちりして、脂がのった重みがありながら、旨みは繊細です。

炭火で炙った香ばしさと、ソースの爽やかさがアクセントです。

寒サワラの炙りカルパッチョ トマトと香草のソース

寒サワラの炙りカルパッチョ トマトと香草のソース

ラ・ビスボッチャ店内

4.アンコウとカリフラワーのフリット アンチョビソース

アンコウとカリフラワーのフリット アンチョビソース

メニューについて

衣が薄くて、カラッと軽い、イタリア式の揚げ物フリット。

11月は、冬にかけて美味しくなる、アンコウとカリフラワーを合わせておすすめします。

調理

メニュー提案 撮影調理 料理人・村澤大

アンコウは北海道産を使用。一尾で仕入れ、自店でさばく

カリフラワーは国産を使用

カリフラワーをカットし、小麦粉にまぶす

氷水にくぐらせる

サラダ油で揚げる。水と油の反発で大量の泡が出る。この効果で、軽めの衣に仕上がる

余分な油を落とし、カラッと仕上げ、塩をふりかけて味をつける

アンコウの身も同様に揚げる。アンチョビソースを添えて盛り付ける。アンチョビソースは、アンチョビとニンニク、赤玉ネギ、加熱したナスをミキサーで混ぜたもの

お召し上がり

アンコウとカリフラワーのフリット アンチョビソース

アンコウの身は、プリッとした食感で、旨みは繊細です。

カリフラワーは、サックリした食感で、味わいは淡白ながら、揚げることで、香ばしさがきわだちます。

合わせるアンチョビソースは、野菜のベースが効いて、まろやかな味わい。繊細なフリットを引き立てます。

アンコウとカリフラワーのフリット アンチョビソース

アンコウとカリフラワーのフリット アンチョビソース

ラ・ビスボッチャ店内

5.秋刀魚のコンフィ カブのピューレ添え

秋刀魚のコンフィ カブのピューレ添え

メニューについて

秋の味覚、秋刀魚の美味しさをイタリアンで引き立てました。

白ワインによく合う味わいです。

調理

メニュー提案 撮影調理 料理人・横田達也

◆秋刀魚のコンフィをつくる

秋刀魚は北海道産を使用

秋刀魚をバットに入れ、オリーブオイルを加え、ニンニクや白コショウ、赤唐辛子、タイム、ローリエなどで味と香りをつける。オーブンで低温長時間加熱し、柔らかく焼き上げる

コンフィにした秋刀魚は、表面をフライパンで焼き、香ばしく仕上げる

◆カブのピューレをつくる

カブは千葉県産を使用

カブはオーブンで加熱し、フードプロセッサーで撹拌し、ピューレをつくる

鍋でカブのピューレを加熱し、バターと合わせる。秋刀魚のコンフィに添え、黒コショウを振りかけて仕上げる

お召し上がり

秋刀魚のコンフィ カブのピューレ添え

秋刀魚のコンフィは、骨まで食べられる柔らかさ。オリーブオイルや香草の香りがしっかり染みています。

カブのピューレは、バターが程よく効いてクリーミーな食感で、秋刀魚を引き立てます。

イタリアンの秋刀魚の、新鮮な味わいをお楽しみください。

秋刀魚のコンフィ カブのピューレ添え

秋刀魚のコンフィ カブのピューレ添え

ラ・ビスボッチャ店内

⚫︎パスタ&リゾット

6.桜エビと山芋のスパゲッティ カラスミかけ

桜エビと山芋のスパゲッティ カラスミかけ

メニューについて

桜エビの猟期は、春と秋の2回。

秋の桜エビに、秋にとれる山芋を合わせた、秋味のスパゲッティです。

調理

メニュー提案 撮影調理 料理人・石川凌

◆山芋の下ごしらえ

山芋は群馬県産を使用

山芋の皮をむき、半分にカットし、炭火で焼く

炭火で焼いた山芋を薄くカットする

◆ソースをつくる

フライパンにオリーブオイルを入れ、ニンニクと赤唐辛子、桜エビを加熱しながら、味と香りをつける。桜エビは台湾産を使用

自家製魚介の出汁とパスタの茹で汁、山芋、イタリアンパセリのみじん切りを加え、煮詰めてソースにする

◆仕上げる

スパゲッティを茹でる

スパゲッティはイタリア南部の乾麺の特産地、カンパニア州で1912年に創業した「ディ・マルティーノ」社製を使用。イタリア産小麦を100%使い、低温で長時間乾燥させた麺は小麦の風味が濃厚。直径は1.8㎜。太めで食べごたえがある

茹で上げたスパゲッティをソースのフライパンに投入

エキストラヴァージン・オリーブオイルで味と香り、とろみをつける

オイルをスパゲッティと混ぜ合わせ、皿に盛り付け、カラスミを振りかけて仕上げる

カラスミは、ボラの卵巣を塩漬けにしたもの。イタリアの特産地サルデーニャ島産を使用。中身の細かい卵をパウダー状にして振りかける

お召し上がり

桜エビと山芋のスパゲッティ カラスミかけ

素材から出る出汁をメインにした、シンプルなソースのなかに、桜エビのフレッシュな香ばしさや、甘み、旨みがきわだちます。

山芋の甘み、カラスミの塩気がアクセントです。

桜エビと山芋のスパゲッティ カラスミかけ

桜エビと山芋のスパゲッティ カラスミかけ

ラ・ビスボッチャ店内

7.マダコとラディッキオのリングイーネ

マダコとラディッキオのリングイーネ

メニューについて

冬にかけて美味しくなるマダコとイタリアの冬野菜、ラディッキオのソースをつくり、コシの強いリングイーネに合わせました。

調理

メニュー提案 撮影調理 料理人・横田達也

◆マダコのラグーをつくる

マダコは千葉県産を使用

マダコの足をミンチマシーンで粗挽きにして、鍋で加熱。マダコの肝を入れ、コクをつける

赤ワインを入れ、味と香りをつける

自家製魚介の出汁とトマトソース、タイムを入れ、煮込んでマダコのラグーの出来あがり

◆ラディッキオの下ごしらえ

ラディッキオは、イタリア北部ヴェネト州トレヴィーゾ県特産の冬野菜。鮮やかな紫と白のコントラストが美しく、イタリアでは「冬の花」とも呼ばれている。そのなかでも、プレコーチェという早生の種類

ラディッキオにオリーブオイルと塩で下味をつけ、炭火で焼く

ラディッキオをひっくり返し、反対側からも焼く

小さくカットする

◆仕上げる

フライパンにオリーブオイルを入れ、ニンニクと赤唐辛子を加熱しながら、味と香りをつける

マダコのラグーとラディッキオを加え、パスタのソースにする

茹で上げたリングイーネをソースのフライパンに投入

リングイーネはイタリア中部アブルッツォ州で1886年に創業した老舗「ディ・チェコ」社製を使用

リングイーネをソースと和え、イタリアンパセリのみじん切りを加える

イタリアンパセリを混ぜ合わせて盛り付ける

お召し上がり

マダコとラディッキオのリングイーネ

ソースに使われているワインやトマトソースは、味わいを深め、マダコの香ばしい風味を濃くしてします。

マダコの粒は、弾力のある食感が生き、噛むほどにソースの味が染み出します。

ラディッキオのシャキシャキした食感がアクセントになり、リングイーネの強いコシが、バランスよくなじみます。

マダコとラディッキオのリングイーネ

マダコとラディッキオのリングイーネ

ラ・ビスボッチャ店内

8.伊勢海老のリゾット

伊勢海老のリゾット

メニューについて

10月から12月にかけて、大きく、美味しくなる、三重県産の伊勢海老の美味しさを、リゾットで引き立てました。

調理

メニュー提案 撮影調理 料理長・井上裕基

伊勢海老は三重県産を使用。背中が曲がった姿は長寿を思わせ、飛び出た目はめでたいとされ、古くから縁起物として珍重されてきた

◆伊勢海老を煮込む

伊勢海老を半分にカットし、殻から加熱。ニンニクオイルで香りをつける

ブランデーで香りをつける

自家製魚介の出汁とトマトソースを加えて煮込む。伊勢海老のみそを煮汁に加え、コクを深める

◆リゾットをつくる

煮込んだ伊勢海老を取り除き、煮汁でリゾット米を煮込む

リゾット米は、大粒で煮崩れしにくいイタリア産のリゾット用品種を使用。イタリア北部ピエモンテ州の米処ヴェルチェッリ県で1935年からリゾット用の米をつくり続ける「ロンドリーノ」社のブランド米「アクエレッロ」

自家製鶏の出汁と、炒めたズッキーニ、バターを加え、味と香り、とろみをつける

パルミジャーノ・レッジャーノを加え、味と香り、とろみをつける

パルミジャーノ・レッジャーノは、イタリア北部エミリア・ロマーニャ州で1877年に創業した乳製品メーカーの老舗「アウリッキオ」社製。一年中干草のみを与えた牛の濃いミルクからつくるチーズは甘みと熟成感のバランスがよい。側面の認証刻印の2042のナンバリングはハイグレードの証。塊で仕入れ、自店で粉に挽く

煮込んだ伊勢海老の表面を焼き、香ばしくパリッと仕上げ、リゾットと盛り付ける

お召し上がり

伊勢海老のリゾット

伊勢海老は、殻の際まで身がぎっしり詰まり、食べごたえがあります。尾の身は、旨みが甘みへと広がり、頭の身は、旨みがコクへと広がり、部位ごとの食べくらべを楽しみます。

合わせるリゾットは、伊勢海老の香ばしさと旨みが煮汁にしっかり染み、濃厚な味わい。バターやチーズと合わさり、コクはまろやか。ズッキーニの甘みがアクセントです。

伊勢海老のリゾット

伊勢海老のリゾット

ラ・ビスボッチャ店内

⚫︎メイン

9.太刀魚の炭火焼き コラトゥーラソース

太刀魚の炭火焼き コラトゥーラソース

メニューについて

夏から秋にかけて、脂がのって美味しくなる太刀魚を、炭火で焼きました。

コラトゥーラというイタリア産の魚醤からつくるソースを塗りながら焼き、香草と塩気を効かせています。

調理

メニュー提案 撮影調理 副料理長・高部孝太

◆コラトゥーラソースをつくる

鍋にオリーブオイルを入れ、ニンニク、赤唐辛子、セージ、タイムを加熱しながら味と香りをつける

コラトゥーラを入れる

コラトゥーラは魚醤のことで、イタリア南部カンパニア州アマルフィ海岸のチェターラ産を使用。魚醤の起源は古代ギリシャからローマに伝来したとされる。いまはチェターラが特産地として伝統を継承。「チェターラ産の魚醤」という名で親しまれている

沸騰させ、コラトゥーラとオイルを混ぜ合わせてソースの出来あがり

◆太刀魚を炭火で焼く

太刀魚は鹿児島県産を使用

小分けにカットした太刀魚に塩とオリーブオイルで下味をつけ、炭火で焼く

太刀魚をひっくり返し、反対側からも焼く

コラトゥーラソースを塗りながら、両面から何度か焼き、香ばしさと味を増して仕上げる

お召し上がり

太刀魚の炭火焼き コラトゥーラソース

脂がのった太刀魚の身は、柔らかく、とろみが心地よい。味わいは、繊細な旨みが奥深く広がります。

香ばしく、パリッとした皮がコントラストで、ソースのニンニクの香りと、塩気がアクセントです。

太刀魚の炭火焼き コラトゥーラソース

太刀魚の炭火焼き コラトゥーラソース

ラ・ビスボッチャ店内

10.牛タンとラディッキオの炭火焼き ゴルゴンゾーラソース

牛タンとラディッキオの炭火焼き ゴルゴンゾーラソース

メニューについて

牛タンを低温調理で柔らかく仕上げ、分厚くカットし、炭火で焼きました。

イタリアの冬野菜、ラディッキオの炭火焼きと、ゴルゴンゾーラのソースを合わせました。

調理

メニュー提案 撮影調理 副料理長・高部孝太

◆ゴルゴンゾーラソースをつくる

ゴルゴンゾーラチーズは、イタリア北部ピエモンテ州のセミハード系チーズの専門メーカー「スィ・インヴェルニッツィ」社の青カビと塩味が強い「ピカンテ」タイプを使用

生クリームを加熱し、ゴルゴンゾーラチーズを混ぜる

バターを加え、味と香り、とろみをつけて仕上げる

◆ラディッキオを炭火で焼く

カットしたラディッキオに塩とオリーブオイルで下味をつけ、炭火で焼く

ラディッキオをひっくり返し、反対側からも焼く

小さくカットして、牛タンと盛り付ける

◆牛タンを炭火で焼く

低温調理で柔らかくなった牛タンを厚切りにする

低温調理中の牛タン。食材を仕込んだビニールパックと水を鍋に入れ、低温調理器を差し込み、セットした温度と時間で水温を一定に制御しながら加熱する

◆低温調理とは

肉を構成するタンパク質の要素のひとつ「アクチン」は、66℃より高温になると変容し、肉汁が流失し、肉質が硬くなることが、1980年頃に発見されました。

このため、肉を66℃以下の低温で長時間加熱すると、ジューシーで柔らかい仕上がりになることがわかりました。

また、肉をビニールパックに入れて加熱すると、旨みや栄養の流失を軽減することができます。さらに、調味料や食材を入れると、味の浸透が高まります。

こうした低温調理は、それまでの焼く、蒸す、煮る、漬けるに次ぐ、新しい調理法として注目され、1990年代からホテルやレストランなどで導入がはじまりました。

カットした牛タンに塩とオリーブオイルで下味をつけ、炭火で焼く

牛タンをひっくり返し、反対側からも焼き、ラディッキオやゴルゴンゾーラソースと盛り付ける

お召し上がり

牛タンとラディッキオの炭火焼き ゴルゴンゾーラソース

牛タンは、低温調理で柔らかくなり、迫力ある厚切りで味わう新食感に、よろこびを感じます。

コク深い味わいは、炭火の燻製香が加わり、さらに極まります。

香ばしく焼き上がったラディッキオと、牛由来の素材でつくるゴルゴンゾーラソースと、よくなじみます。

牛タンとラディッキオの炭火焼き ゴルゴンゾーラソース

牛タンとラディッキオの炭火焼き ゴルゴンゾーラソース

ラ・ビスボッチャ店内

11.牛テールとセロリの煮込み

牛テールとセロリの煮込み

メニューについて

ローマの食肉加工場の職人が、牛の尻尾を家に持ち帰り、美味しい食べ方の試行錯誤を繰り返し、たどり着いたのが、この煮込み料理のルーツです。

調理

メニュー提案 撮影調理 料理人・村澤大

牛テールはオーストラリア産を使用

牛テールを輪切りにする

塩をふりかけて下味をつける

小麦粉をまぶす

フライパンでオリーブオイルを加熱し、牛テールを投入

牛テールの向きを変えながら、表面全体に焼き色をつけ、旨みを封じ込める

牛テールを鍋に移し、ココアパウダーでコクをつける

ココアパウダーはオランダで1828年に世界で初めてココアパウダーの製造法を発明した「バン・ホーテン」社製を使用

牛テールを焼いたフライパンに残る肉汁を、白ワインで取り込み、出汁として加える

自家製鶏の出汁とトマトソース、香味野菜(ニンジン、タマネギ、セロリ)のみじん切り炒めを入れ、煮込む

時間差でセロリを加え、さらに煮込んで仕上げる

お召し上がり

牛テールとセロリの煮込み

牛テールは、煮込んで柔らかくなり、骨からポロリと外れます。柔らかくなった繊維は、旨みとコクがまろやかです。

肉は小片のため、煮汁と混ぜ合わせ、一緒に食べると、より美味しい。

煮込んだセロリはトロトロになり、煮汁の味がしっかり染みながら、ほのかな甘みがアクセントになります。

牛テールとセロリの煮込み

牛テールとセロリの煮込み

ラ・ビスボッチャ店内

⚫︎つけ合わせ

12.プンタレッラのサラダ

プンタレッラのサラダ

メニューについて

「永遠の都」ローマを州都にするラツィオ州の冬野菜、プンタレッラのサラダです。

ローマの定番的な食べ方、アンチョビドレッシングと和えておすすめします。

調理

メニュー提案 撮影調理 料理長・井上裕基

◆プンタレッラをカットする

プンタレッラはイタリア産を使用

プンタレッラは塊から太い茎を手でばらし、洗い、縦方向に薄くカットする

水に浸してアク抜きをする

◆アンチョビドレッシングと和える

アンチョビフィレは、イタリア南部シチリア産の「スカーリア」ブランドを使用。シチリア沖でとれたカタクチイワシを、漁港近くの工場で加工。ひまわり油と、シチリア産の旨みたっぷり自然塩を使い、約8ヶ月間熟成させてつくる

アンチョビフィレをみじん切りにする

アンチョビを、エキストラヴァージン・オリーブオイル、ニンニクオイル、赤ワイン酢と混ぜてドレッシングの出来あがり

エキストラヴァージン・オリーブオイルは、フルーティーな香りと辛みが豊かなシチリア島のテッラリーヴァ社の「ケルビーノ」ブランドを使用。欧州のオーガニックとDOPの認定を受けている。DOPは原産地名称保護制度のことで、風通しのよい丘陵地帯でオリーブオイルの特産地であるモンティ・イブレイ(イブレイ山地)が対象

赤ワイン酢は、酢の特産地、イタリア北部エミリア・ロマーニャ州モデナ県で、1891年に創業した老舗メーカー「アドリアーノ・グロソリ」社の「グロソリ・リゼルヴァ」ブランドを使用。ワインを木樽でゆっくり酢酸発酵させる伝統的な製法を用い、発酵後も木樽でじっくり熟成させたリゼルヴァタイプ。豊かな香りと、まろやかな味わいがある

プンタレッラをアンチョビドレッシングと和えて仕上げる

お召し上がり

プンタレッラのサラダ

プンタレッラの食感は、部位によってポリポリ、サクサクと多彩です。味わいは、甘みや旨み、ほろ苦さが広がり、飽きない味わいです。

ドレッシングの酸味とアンチョビが程よく効いて、後味はさっぱり、軽やかです。

プンタレッラのサラダ

プンタレッラのサラダ

ラ・ビスボッチャ店内

13.海洋深海水使用 極みえのきの炭火焼き

海洋深層水使用 極みえのきの炭火焼き

メニューについて

海洋深層水からつくる水で栽培され、旨みや甘みが豊かなえのきの美味しさを、炭火で引き立てました。

調理

メニュー提案 撮影調理 料理長・井上裕基

えのきは、高知県高知市で1980年に設立した横田きのこ有限会社が海洋深海水を水源にする水で栽培した「極みえのき」を使用

◆海洋深層水とは

海洋深層水とは、太陽光が届かない深海の海水のことです。表層の海水に比べて汚染が少なく、ミネラルや植物の成長に役立つ栄養素を多く含みます。

この海水を、地上から深海に伸ばした取水管から、ポンプで汲み上げ、地上で汚れや塩分を取り除いて加工した水が、化粧品や飲料、食品などに利用されています。

「極みえのき」は、横田きのこ有限会社が、地元高知県の室戸岬沖の海洋深層水を加工した水を、えのきの栽培に利用して誕生した商品です。

えのきの石づきを切り落とす

えのきを小分けにほぐし、炭火で焼く

えのきをひっくり返し、反対側からも焼く。皿に盛り付けてから塩とエキストラヴァージン・オリーブオイルを振りかけ、味と香りをつけて仕上げる

お召し上がり

海洋深層水使用 極みえのきの炭火焼き

海洋深層水を加工した水で栽培されたえのきは、甘みや旨みが豊かです。その美味しさは、炭火で凝縮し、香ばしさが加わり、奥深く広がります。

ひと味ちがう、えのきの美味を、ぜひご賞味ください。

海洋深層水使用 極みえのきの炭火焼き

海洋深層水使用 極みえのきの炭火焼き

ラ・ビスボッチャ店内

⚫︎ドルチェ

14.ゴールデンキウイのメリンガータ

ゴールデンキウイのメリンガータ

メニューについて

ビスボッチャが創業以来30年間続けている人気の定番ドルチェ、メリンガータ。

11月は、ゴールデンキウイを合わせた季節限定版でおすすめします。

調理

メニュー提案 撮影調理 料理人・萩原大揮

オレンジからつくるお酒、コアントローと砂糖、水を混ぜた液をスポンジ生地に振りかけ、味と香りをつける

コアントローはフランスで1849年に創業したコアントロー家の蒸溜所が開発したオレンジリキュール。オレンジの皮を使い、オレンジの香りとまろやかな甘さが特徴。カクテルや製菓などで愛用されている

スポンジの上に、カスタードクリームとホイップクリームを混ぜたクリームを重ね、カットしたゴールデンキウイを重ねる

ゴールデンキウイはニュージーランド産を使用

同じ要領で3層重ねる

スポンジの屋根を重ね、表面をメレンゲで装飾する。メレンゲは卵白と砂糖、バニラエッセンスとレモン汁で香りをつけてつくる

トップはクリームを立てるように飾る

バーナーで焼き色をつけて仕上げる

お召し上がり

ゴールデンキウイのメリンガータ

メリンガータは、濃厚なクリームがたっぷり。

そのなかに香る、レモンやオレンジの風味が絶妙です。

キウイの果肉の甘酸っぱさがアクセントになり、美味しさを引き立てます。

ゴールデンキウイのメリンガータ

ゴールデンキウイのメリンガータ

ラ・ビスボッチャ店内

15.ヘーゼルナッツとコーヒーのロールケーキ

ヘーゼルナッツとコーヒーのロールケーキ

メニューについて

ナッツ系の美味しさを合わせたお菓子です。

実りの秋を感じる味わいをお楽しみください。

調理

メニュー提案 撮影調理 料理人・江川智香

◆生地を焼く

生地の材料を混ぜ合わせる。材料は小麦粉とヘーゼルナッツプードル、コーヒーの粉、卵、溶かしバター、砂糖

バットにクッキングシートを敷く

バットに生地を広げる

生地をオーブンで焼く

◆クリームをつくる

生地に合わせるクリームは、ヘーゼルナッツペーストとカスタードクリーム、ホイップクリームを混ぜ合わせてつくる

ヘーゼルナッツペーストはイタリア「バビ」社製を使用。同社は1952年にイタリア北部エミリア・ロマーニャ州でジェラート用のコーンやウエハースを生産するメーカーとして創業。閑散期の冬用にスイーツを開発したことから製菓用食材の生産も手がけるようになった

◆ロールケーキを組み立てる

焼き上げた生地に、エスプレッソとヘーゼルナッツからつくるお酒、フランジェリコを混ぜた液を塗る

フランジェリコは、1978年にイタリアのバルベロ社によって発売されたヘーゼルナッツ・リキュール。イタリア北部ピエモンテ州産のヘーゼルナッツを主材料とし、ナッツの香ばしい香りがあり、カクテルや製菓によく使われる

生地の上にクリームを重ね、巻く

ロールの表面をクリームで覆う

砕いたヘーゼルナッツの小片をトッピングして仕上げる。ヘーゼルナッツは砂糖水で煮込み、表面に砂糖がついている

お召し上がり

へーゼルナッツとコーヒーのロールケーキ

材料に使われるコーヒーは、同じ豆系のヘーゼルナッツと好相性で、コク深い香ばしさが極まります。

しっとりしたスポンジがお好みの方には、たまらない一皿です。

ヘーゼルナッツとコーヒーのロールケーキ

ヘーゼルナッツとコーヒーのロールケーキ

秋が深まる、11月のディナーは、

ラ・ビスボッチャの、

「季節のおすすめメニュー」で、お楽しみください。