クリスマスメニュー 2021

CHRISTMAS MENU 2021

コラム「味と技」第102回

イタリアンで楽しむクリスマス

美食の国、イタリアのクリスマスメニューは意外と素朴。家族が集まり、家庭料理が中心になるからです。

伝統的で素朴、そして、ちょっと贅沢。そんなイタリア流の「クリスマスメニュー」を、期間限定メニューと定番メニューから10品セレクトして、12月20日(月)〜12月26日(日)の期間おすすめします。

親しい人たちと、ワインを飲みながら和気あいあいと語るディナーに、ぴったりのメニューです。

ご注文はコースでなく、アラカルトで承ります。定番メニューとともに、お好みでお選びください。

監修/料理長・井上裕基 副料理長・ 露詰まみ

写真・文/ライター 織田城司
Food Direction by Yuuki Inoue & Mami Tsuyuzume
Photo・Text by George Oda

⚫︎前菜

1.クリスマスカラーの前菜4種のプレート

クリスマスカラーの前菜4種のプレート

メニューについて

冬の味覚を集めて、クリスマスカラーで彩りました。

クリスマス気分が盛り上がる、前菜の盛り合わせです。

撮影調理:料理長・井上裕基(左)、副料理長・露詰まみ(右)

クリスマスカラーの前菜4種のプレート ①ブラータチーズのカプレーゼ

①ブラータチーズのカプレーゼ

赤、緑、白、イタリア国旗の色で、クリスマスカラーでもある3色のサラダ、カプレーゼです。

白いチーズに、ミルキーな風味と甘みが濃厚なブラータチーズを合わせました。

フレッシュでひと味ちがうカプレーゼをお楽しみください。

ブラータチーズは、イタリア南部プーリア州のチーズ職人が、アメリカ・カリフォルニア州でつくる「ディ・ステファノ」社製を使用。放牧牛のミルクを使い、濃厚な風味と舌ざわりがある

クリスマスカラーの前菜4種のプレート ②焼き野菜のマリネ

②焼き野菜のマリネ

野菜を加熱してからマリネして、自然の甘みや酸味を凝縮したサラダです。

下ごしらえの火入れは、野菜の素材感に合わせ、パプリカは炭火焼き、ズッキーニは網焼き、ブロッコリーは茹で、とろける食感や美味しさを引き出しました。

クリスマスカラーの前菜4種のプレート ③鮮魚のカルパッチョ

③鮮魚のカルパッチョ

オリーブオイルでマリネした鮮魚の前菜です。

ツルッ、トロッとした食感とともに、旨みがきわだちます。

クリスマスカラーで彩る薬味が、スパイシーなアクセントです。

カルパッチョに使う鮮魚は、九州北西部の玄界灘でとれるヒラスズキ(左)やマダイを使用

クリスマスカラーの前菜4種のプレート ④クラテッロと柿

④クラテッロと柿

イタリアで最高級の生ハムと評されるクラテッロに、旬のフルーツ、柿を合わせました。

生ハムの塩気や旨み、柿の甘みがお互いに引き立て合います。

クラテッロは単品でのご用意もあります。詳しくは、すぐ次のメニューで紹介します。

柿は和歌山県産の種のない柿の品種「ひらたねなしがき」を使用

2.クラテッロ

クラテッロ

メニューについて

◆クラテッロとは

クラテッロは、生ハムの材料になる豚モモ肉のなかでも、もっとも柔らかく美味しいとされる尻部の肉のみを熟成させた加工食品です。それゆえ、「最高級の生ハム」などと評されています。

クラテッロの産地は、イタリアでもっとも長い川、ポー川のイタリア北部エミリア・ロマーニャ州パルマ県の流域にある、ジベッロ地域周辺の8村のみです。希少な材料を限られた産地で加工するため、イタリア国内でもクラテッロの流通量は少なく「幻の生ハム」ともいわれています。

ポー川流域の湿気が熟成の味の深め、肉質をしっとり仕上げ、コクが濃い、独自の味をつくります。

同じパルマ県でも、標高が高い地域で、乾燥した空気にさらして熟成する一般的な生ハムとは味がちがいます。

このため、「ジベッロのクラテッロ」と呼びながら特徴を主張し、イタリアの原産地名称保護制度の対象になっています。

バターを添えるのがジベッロ流の食べ方です。

クラテッロの塊のハーフカット。「ジベッロのクラテッロ」と表記されたイタリアの原産地名称保護制度の認定証が付く

クラテッロはジベッロ地域の「テッレ・ヴァーディアネ」社のハーフカットタイプを使用

電動スライサーの上にセットしたクラテッロの塊。注文をいただいてからスライスし、香りが高く、しっとりと柔らかい状態で提供

お召し上がり

クラテッロ

◆熟成された深いコク

クラテッロの熟成香は芳醇で、シャープな香りや重めの香りが豊かに広がります。

味わいも幅広く、赤身の濃淡やテクスチャーのちがいにより、旨みやコクが複雑に現われ、奥ゆきがあります。

クラテッロ

白い脂身の甘みが、バランスよく絡みます。

凝縮された味の広がりに飽きない魅力があり、合わせるワインやパンが美味しくすすみます。

クラテッロ

ラ・ビスボッチャ店内 クリスマス・ディスプレイ

3.ホタテ貝とあおさ海苔のグラタン

ホタテ貝とあおさ海苔のグラタン

メニューについて

夏と冬に2回旬を迎えるホタテ貝。その美味しさを、アツアツのグラタンでいただきます。

ソースにあおさ海苔を入れ、磯の香りを高めました。

調理

撮影調理:料理人・高部孝太

ホタテ貝は岩手県産を使用

フライパンにホタテ貝を入れ、白ワインを加え、蒸し焼きにして開く。貝柱のみを分離して使用

ベシャメルソースにあおさ海苔を混ぜる。あおさ海苔は静岡県産

ホタテの貝殻にベシャメルソースを敷き、下茹でしたオカヒジキをのせる

オカヒジキは海辺の砂浜などに自生する。歯ごたえが海藻のヒジキに似ていることから、陸のヒジキが名称の由来。千葉県産を使用

ホタテの貝柱をのせ、ベシャメルソースで覆い、大きめに挽いたパルメザンチーズを振りかけ、オーブンで焼いて完成

お召し上がり

ホタテ貝とあおさ海苔のグラタン

◆磯の香りのノスタルジー

ホタテの貝柱は、ソースに包まれ、ほどよく加熱され、ふっくらとした仕上がりです。

貝柱の歯ごたえは柔らかく、噛みしめると繊維がサクサクほどけ、魚介の香ばしさやクリーミーな甘み、まろやかな旨みをたっぷり味わいます。

ホタテ貝とあおさ海苔のグラタン

ソースに混ぜたあおさ海苔は、イタリアンでありながら、和風の磯の香りが濃厚。日本の海辺を思い出す香りに、郷愁を感じます。

グラタンの焼き目の香ばしさ、オカヒジキのシャキシャキした食感がアクセントです。

ホタテ貝とあおさ海苔のグラタン

ラ・ビスボッチャ店内 クリスマス・ディスプレイ

⚫︎パスタ&リゾット

4.黒トリュフと生ハムのタヤリン

黒トリュフと生ハムのタヤリン

メニューについて

黒トリュフは、12月から翌年の2月頃までが旬で、クリスマスの時期に香りが高くなります。

そんな黒トリュフの香りを、相性がよい極細麺、タヤリンとバターソースで高めたパスタです。

ソースに生ハムを入れ、熟成香と塩味を加え、味わいを深めました。

調理

撮影調理:料理長・井上裕基

◆ソースをつくる

生ハムはパルマ産の原木をスライスして使用

スライスした生ハムを細切りにする

フライパンに生ハム、無塩バター、黒トリュフのみじん切りを入れ、加熱する

黒トリュフはイタリア産を使用

自家製野菜のダシ汁を加えてソースの出来上がり

自家製野菜のダシ汁は、ニンジンやセロリ、タマネギ、ズッキーニ、エリンギ、イタリアンパセリの茎などを約3時間煮込んでつくる

タヤリンを茹でる。茹で時間1分30秒

タヤリンは自家製生パスタでつくる。材料は卵黄、小麦粉、セモリナ粉、オリーブオイル、塩を混ぜる

茹で上がったタヤリンをソースと和える

パルメザンチーズを加え、味と香り、とろみをつける

スライスしたての黒トリュフを振りかけて完成

お召し上がり

◆森を感じる香りが濃厚

黒トリュフの香りは、ヒノキやスギ、木の実、枯葉など、森を感じる芳香が広がります。

黒トリュフそのものに味はほとんどありませんが、わずかに感じる、ほろ苦いような、複雑なコクが料理の味を深めます。

黒トリュフと生ハムのタヤリン

生ハムのとろける舌ざわりは、バターソースと一体になります。

生ハムの熟成香や塩味、旨みでコクが増したバターソースは、黒トリュフの香りとよく合います。

黒トリュフと生ハムのタヤリン

黒トリュフと生ハムのタヤリン

ラ・ビスボッチャ店内 クリスマス・ディスプレイ

5.ワタリガニのパッケリ

ワタリガニのパッケリ

メニューについて

日本の冬の味覚、ワタリガニを贅沢に丸ごと一匹使ったパスタです。

ソースはカニ味噌の風味とコクが濃厚で、大きな筒型パスタ、パッケリで豪快に味わいます。

調理

撮影調理:副料理長・露詰まみ

パッケリは大きな筒状のパスタ。ソースを絡めるため表面はザラザラした仕上げになっている

パッケリは、パスタの特産地、イタリア南部のカンパニア州で1812年に創業した「ヴィチドーミニ」社製を使用。有機栽培したイタリア産デュラムセモリナ粉を100%使用。昔ながらの低温長時間乾燥で豊かな小麦の風味がある。茹で時間は約17分

ワタリガニは身が締まっていることにこだわり、海水が冷たい青森県産を使用

下処理したワタリガニをフライパンで加熱し、香りを出す

ブランデーを注いで香りをつける

自家製トマトソースとカニミソを加える

ズッキーニのスライスを加える

茹で上がったパッケリをソースと和える。エキストラヴァージン・オリーブオイルとイタリアンパセリのみじん切りを加え、爽やかな香りをつけて仕上げる

お召し上がり

ワタリガニのパッケリ

◆冬の贅沢を丸ごと一匹

出来上がったパッケリから、カニの香ばしさが濃厚に漂います。

パッケリはモッチリした歯ごたえで、ワタリガニのソースの香ばしさや甘み、旨み、コクがたっぷり染みこんでいます。

ワタリガニのパッケリ

一緒に盛り付けたワタリガニのハサミや足のなかの身も食べられ、繊細な甘みや旨みが凝縮しています。

ズッキーニの青々しさが、爽やかなアクセントです。

ワタリガニのパッケリ

ラ・ビスボッチャ店内 クリスマス・ディスプレイ

6.和牛と和栗のパッパルデッレ

和牛と和栗のパッパルデッレ

メニューについて

和牛のまろやかな旨みを、具だくさんのパスタでたっぷり味わいます。

アクセントに和栗の甘みを加えました。

パスタは、濃いソースと相性がよい幅広麺、パッパルデッレを合わせました。

調理

撮影調理:料理長・井上裕基(左)、副料理長・露詰まみ(右)

◆ソースをつくる

パスタの具材にする和牛をカットする

和牛は鹿児島県産のブランド和牛「薩摩牛」のヒモ肉を使用

⚫︎「薩摩牛」とは

「薩摩牛」は、鹿児島県産の黒毛和牛のなかから、国内の和牛等級5段階の4級以上の肉質で構成する高級ブランド牛です。

そのなかでも、今回使用する牛ヒモ肉は、牛ネックに付随するヒモ状の細長い部位です。

赤身が中心で、肉質は柔らかく、ほどよい噛みごたえがあり、肉そのものの味を濃く感じます。

鍋底にオリーブオイルを広げ、香味野菜(ニンジン、タマネギ、セロリ)の細切れを入れ、塩を振って下味をつけながら炒める

大きなフライパンで和牛を炒める

フライパンを傾け、余分な脂を取り除く

赤ワインを入れ、アルコール分をとばし、味と香りをつける

フライパンの底についた和牛の焦げつきを木ベラではがし、ダシ汁として加える

炒めた和牛と野菜を鍋に投入

自家製トマトソースを加える、酸味と旨みをつける

黒コショウを加え、スパイシーな香りと辛みをつける

隠し味でチョコレートを加え、甘苦さをつける

チョコレートは、カカオの特産地コロンビアで1906年に創業した製菓用チョコレートのトップメーカー、カサルカ社のカカオ分61%のタイプを使用

注文が入ると、一人前のソースをフライパンに取り分ける

和栗を炭火の中で焼く。破裂しないように、あらかじめ包丁で切り込みを入れておく

焼いた和栗を冷まし、皮をむいた実をソースに加え、ソースの出来上がり

和栗は、古来より美味しい栗が実る産地として名高い丹波地方(現在の京都府、兵庫県、大阪府の一部にあたる地域)産を使用

◆仕上げる

パッパルデッレを茹でる。茹で時間3分30秒

パッパルデッレはモッチリした食感にこだわった自家製生パスタ。卵黄を増した卵、強力粉、セモリナ粉、オリーブオイル、塩をまぜてつくる

茹で上がったパッパルデッレをソースのフライパンに投入

パッパルデッレをソースと和え、イタリアンパセリのみじん切り、パルメザンチーズ、エキストラヴァージン・オリーブオイルを加え、味と香り、とろみをつけて仕上げる

お召し上がり

和牛と和栗のパッパルデッレ

◆まろやかな旨みをたっぷり

具材の和牛は、柔らかさのなかに弾力があり、ほどよい歯ごたえです。

噛みしめると、牛肉の風味と、まろやかな旨みをたっぷり感じます。

和牛と和栗のパッパルデッレ

和栗のホクホクした食感と甘みが、ほっこりするアクセントです。

和牛のダシが出た濃厚なソースは、幅広のパッパルデッレにしっかりしみて、頬張ると小麦とトマトの風味が、和牛の美味しさを引き立てます。

和牛と和栗のパッパルデッレ

ラ・ビスボッチャ店内 クリスマス・ディスプレイ

7.パルメザンチーズのリゾット

パルメザンチーズのリゾット

メニューについて

クリスマスメニューの食べ合わせとして、年間定番メニューからおすすめすするのが、パルメザンチーズのリゾットです。

イタリアらしさを象徴しながら、普遍的な味わいがあり、ディナーの流れに欠かせない一品です。

調理

撮影調理:料理長・井上裕基

米を自家製鶏のダシ汁で炊く

米は、煮崩れしにくいイタリア産のリゾット用品種を使用。イタリア北部ピエモンテ州の米処ヴェルチェッリ県で1935年からリゾット用の米をつくり続ける「ロンドリーノ」社のブランド米「アクエレッロ」

自家製鶏のダシ汁は、鶏がら、ひね鶏の肉、トマト、タマネギ、ニンジン、セロリ、ローリエなどを約6時間煮込んでつくる

無塩バターを入れ、溶かし、風味ととろみをつける

パルメザンチーズを加え、味と香り、とろみをつける

パルメザンチーズは、1877年に創業したイタリアの乳製品メーカーの老舗「アウリッキオ」社製。一年中干草のみを与えた牛の濃いミルクからつくるチーズは甘みと熟成感のバランスがよい。塊で仕入れ、自店で粉に挽く

お召し上がり

パルメザンチーズのリゾット

◆イタリア流に味わう米の美味しさ

リゾットに使うイタリア米は、日本の米に比べると大粒です。

煮込んでも型崩れしにくいイタリア米の特性が生き、歯ごたえに弾力があり、粒感がきわだちます。

パルメザンチーズのリゾット

イタリア米の味わいは、香ばしさや旨みが広がり、甘みは上品です。

パルメザンチーズの熟成香や塩味、ミルキーなとろみは、イタリア米と相性抜群で、飽きない味わいがあり、ワインやパンとよく合います。

パルメザンチーズのリゾット

ラ・ビスボッチャ店内 クリスマス・ディスプレイ

⚫︎メイン

8.牛ホホ肉の赤ワインとバルサミコ酢煮込み

牛ホホ肉の赤ワインとバルサミコ酢煮込み

メニューについて

牛ホホ肉を、赤ワインとバルサミコ酢で贅沢に煮込んだ一品です。

牛ホホ肉は、赤ワインとバルサミコ酢、香味野菜で約1日かけてマリネした後、ソテーして旨みをギュッと封じ込め、マリネに使った液で煮込み、味を深めました。

調理

撮影調理:料理長・井上裕基

◆牛ホホ肉をマリネする

牛ホホ肉は国産を使用。牛ホホ肉は、牛の頭からアゴまでのよく動かす部位で味が濃厚。柔らかく、程よく脂がのり、煮込みに最適とされる。牛1頭から約1〜2kgほどしかとれない希少な部位

牛ホホ肉をカットし、塩コショウで下味をつける

牛ホホ肉をバットに入れ、香味野菜(ニンジン、タマネギ、セロリ)や赤ワイン、バルサミコ酢を加え、約1日かけてマリネし、肉を柔らかくしながら香りをつける

バルサミコ酢は強い酸味のキレにこだわり、イタリア北部エミリア・ロマーニャ州の酢の特産地、モデナで1891年に創業した「アドリアーノ・グロソリ」社製を使用

◆煮込む

マリネした牛ホホ肉をザルに移し、表面の汁気を落とす

牛ホホ肉の表面に小麦粉をまぶす

フライパンにオリーブオイルを広げ、牛ホホ肉の表面を焼き、旨みを封じ込める

表面を焼いた牛ホホ肉をフライパンから鍋に移し、空いたフライパンにマリネに使った香味野菜と液を入れる

マリネ液でライパンに残った牛ホホ肉の焦げ目をこそげ落とし、ダシに加える。その後、鍋に移し、煮汁にする

蓋をして約60分間煮込む

◆仕上げる

煮込んだ牛ホホ肉をバットに取り出す

牛ホホ肉を煮込んだ汁や香味野菜をシノアで越し、ソースのベースにする

ソースのベースにバルサミコ酢を加え、煮詰めてソースにする

仕上げに黒コショウとバルサミコ酢を振りかけて完成

仕上げに振りかけるバルサミコ酢は、イタリア北部エミリア・ロマーニャ州の酢の特産地、モデナで1871年に創業した老舗「レオナルディ」社製を使用。ドロッとして甘辛い味が特徴。煮込みに使うバルサミコ酢とちがう味わいで、味の奥ゆきを広げる

お召し上がり

牛ホホ肉の赤ワインとバルサミコ酢煮込み

◆まろやかさとコクが深まるリッチな味わい

煮込んだ牛ホホ肉は、ホロホロほどける柔らかさです。

煮汁のコクがしっかりしみて、噛みしめると繊維の奥に牛肉らしい風味と旨みを感じます。

牛ホホ肉の赤ワインとバルサミコ酢煮込み

煮汁は牛ホホ肉からしみ出た脂と野菜のまろやかさに、赤ワインとバルサミコ酢の熟成した味がダブルで重なり、リッチなコクが深まります。

琥珀色の脂身はぷるんと柔らかく、甘みがアクセントです。

牛ホホ肉の赤ワインとバルサミコ酢煮込み

おすすめのワイン

ワイン監修:ソムリエ・酒見喜亮

赤ワイン「ルーチェ」

エレガントな辛口赤ワイン

銘柄/ルーチェ
ワイナリー/テヌータ・ルーチェ
生産地/イタリア中部トスカーナ州
ぶどう種/サンジョヴェーゼ、メルロー
生産年/2017年

こちらの赤ワインは、2種のぶどう、サンジョヴェーゼのしっかり感とメルローの柔らかさが見事に融合しています。

炭火焼きの肉に合わせるような、強い辛口赤ワインが多いトスカーナ州のワインのなかでも、エレガントでインターナショナルな感覚の赤ワインです。

それゆえ、牛ホホ肉の煮込みの、まろやかさとコクによく合います。

牛ホホ肉の赤ワインとバルサミコ酢煮込みに赤ワイン「ルーチェ」を合わせて

ラ・ビスボッチャ店内 クリスマス・ディスプレイ

9.キングアイランド牛リブロースの炭火焼き

キングアイランド牛リブロースの炭火焼き

メニューについて

キングアイランド牛リブロースの塊肉

◆キングアイランド牛を味わう

クリスマス用の炭火焼きの肉は、柔らかくて美味しく、赤身好きから注目されている、オーストラリアの高級ブランド牛「キングアイランド牛」のリブロースをおすすめします。

キングアイランド牛とキングアイランドの地図(公式写真より)

◆キングアイランド牛とは

キングアイランド牛は、オーストラリアの南にある小さな島、キングアイランドで育った牛の牛肉です。

◆キングアイランド牛の特徴

キングアイランドは、年間を通じて温暖な気候で、雨量が多く、牧草の生育に適した環境です。

キングアイランド牛はこの島で放牧され、パスチャーフェッドという、栄養価の高い牧草のみを食べさせる飼育管理により、肉質の高い牛肉に仕上げられています。

広い草原を自由に歩き回り、適度な運動をすることで、脂肪が少なく、赤身が多い肉ができます。

ストレスの少ない環境で育つことで、肉質がとても柔らかくなります。

栄養価の高い牧草を食べることで、牛肉の風味や旨みが濃くなります。

そんなキングアイランド牛の極上の美味しさを、炭火焼きで高めます。

調理

リブロースは塊肉で仕入れ、注文が入ると切り分ける

今回撮影用に切り分けたリブロースは400g。大人二人前の標準的な量

塩を振って下味をつける

塩はシチリア産自然海塩「エガディ」の細粒を使用。旨みがたっぷりして、マイルドな辛みがある

黒コショウを削りおろして下味をつける

黒コショウは世界最高峰の産地、カンボジアで日本人が手がける「クラタペッパー」社製。柑橘系や木材系などのリラックス感ある香りが高く、爽やかな辛みがある

オリーブオイルを振りかけて下味をつける

オリーブオイルはイタリア南部の特産地、プーリア州にある「ディサンティ」社製。青々しい香りが高い

炭はオガ炭を使用。製材するときにできるオガ屑を再利用し、圧縮して中空の棒状に固めて焼いた成形炭。特徴は、火付けがよく、火持ちがよく、灰が少なく、煙も少ない。形が一定しているから隙間なく積みやすい。国産木材のみを使う宮崎県の「ひむかのオガ炭」を使用

炭火焼きグリルの焼き網の上でリブロースを焼く

反対側からも焼く

肉から滴り落ちる肉汁が炭火で燃え、立ちのぼる煙が燻製効果となり、肉の表面に香ばしい香りをつける

焼き上がった肉は、すぐカットすると肉汁が出過ぎるため、しばらくまな板の上で休ませる

肉をカットして盛り付け、仕上げにエキストラヴァージン・オリーブオイルを振りかけ、香りをつけて完成

お召し上がり

キングアイランド牛リブロースの炭火焼き

◆牛肉の多彩な美味しさの醍醐味を堪能

焼き上がったキングアイランド牛は、炭火香と牛肉の香りが豊かに香ります。

肉質は柔らかく、噛みしめると、繊維がサクサク切れる歯ごたえが小気味よく、肉汁はしっとりしています。

キングアイランド牛リブロースの炭火焼き

味わいは、赤身の強い旨みとコクが中心です。脂身のとろける甘みと、焼き目の香ばしさや塩味などがアクセントです。

多彩な味をバランスよく楽しむ美味しさに、牛肉の醍醐味を堪能した充実感があります。

キングアイランド牛リブロースの炭火焼き

ラ・ビスボッチャ店内 クリスマス・ディスプレイ

⚫︎ドルチェ

10.パネトーネ

パネトーネ

メニューについて

パネトーネは、イタリアで歳末に食べる菓子パンです。

歳末に食べる由来のひとつに、開運があります。

パネトーネが生まれた伝説の背景にある恋愛成就や、パン生地のゴールドが金運につながる説もあり、翌年の開運につながる縁起物とされています。

もうひとつの由来に日持ちがあります。

イタリア北部のみでとれる特殊な天然酵母の働きで、日持ちする利便性があります。商店が閉まる年末年始にロングランで食べられる食品として重宝されています。

日本での再現が困難なため、本場ミラノから取り寄せたパネトーネを提供します。

調理

撮影調理:副料理長・露詰まみ

イタリア製のパネトーネをカットして盛り付け、生クリームとマスカルポーネチーズ、粉糖を混ぜたクリームを添え、ピスタチオのみじん切りを振りかけて仕上げる

マスカルポーネチーズは、生クリームからつくるクリーム状のフレッシュチーズ。濃厚なミルクの風味と、粘りのある舌ざわりにこだわり、イタリア産を使用。イタリア北部ロンバルディア州で1900年に創業した乳製品メーカー「ザネッティ」社製

ピスタチオは世界有数の産地、イタリアのシチリア島産を使用

お召し上がり

パネトーネ

◆年越し菓子に思う開運

パネトーネのパン生地は、ふんわり見えながら、歯ごたえはモッチリした弾力があり、ほかのパンにない食感に美味しさがあります。

パン生地に混ぜたドライフルーツのフルーティな香りと、レーズンの甘酸っぱさがアクセントです。

パネトーネ

一緒に添えたクリームやピスタチオと合わせると、よりいっそう美味しくお召し上がりいただけます。

癖になる味わいは、歳末になると食べたくなり、翌年の開運を祈願します。

パネトーネ

クリスマスシーズンのディナーは、

ラ・ビスボッチャの「クリスマスメニュー」で、

思い出に残るひとときをお過ごしください。