熊野地鶏のピリ辛オーブン焼き、ンドゥイヤ風

SPICY OVEN BAKED KUMANO LOCAL CHIKEN NDUJA STYLE

コラム『味と技』第64回

熊野地鶏のパッケージを開封する料理長・井上裕基

監修/料理長・井上裕基

写真・文/ライター 織田城司
Food Direction by Yuuki Inoue 
Photo・Text  by George Oda

熊野地鶏のピリ辛オーブン焼き、ンドゥイヤ風

メニューについて

三重県熊野市の丸山千枚田と熊野地鶏(公式写真より)

◆三重県の「熊野地鶏」をイタリアンで食す

紀伊半島南部は、古くから熊野と呼ばれ、豊かな自然に神々が宿るといわれてきました。多くの巡礼者が歩いた「熊野古道」は、世界遺産に登録されています。

そんな土壌を背景に、三重県が生み出した高級ブランド地鶏が「熊野地鶏」です。

のびのびとした環境で、健やかに育てられた地鶏の肉質は、

赤みが強く、弾力性に富み、旨み成分を多く含み、鶏肉本来のコクと風味があります。

イタリアの辛味ペースト「ンドゥイヤ」との出会いを、ご堪能ください。

調理に使う熊野地鶏

調理

熊野地鶏をさばき、モモ肉を切り出す

モモ肉をコンフィにするため、バットに入れ、オリーブオイル、ローズマリー、ニンニクを加える

コンフィはオイルで肉を煮て柔らかくする調理法で、オーブンで100℃ 約2時間かける

コンフィで柔らかくしたモモ肉をフライパンで焼く

側面も焼く

反転させて焼く

重りを乗せ、皮をフライパンの底にしっかりつけて焼く

焼き上がったモモ肉に「ンドゥイヤ」のペーストを塗る

「ンドゥイヤ」はイタリア南部カラブリア州が発祥。豚肉と唐辛子でつくる辛味ペースト。MADEO社のものを使用

オーブンで3分ほど加熱する

焼き上がった状態

盛り付けたモモ肉に溶けた「ンドゥイヤ」の汁をふりかけて仕上げる

お召し上がり

熊野地鶏のピリ辛オーブン焼き、ンドゥイヤ風

◆豪快な歯ごたえとマイルドな辛さ

長時間かけてあらゆる角度から火入れした熊野地鶏は柔らかく、ブルンとした弾力に富み、程よい噛みごたえに迫力があります。

味わいは旨みや甘み、コクを豊かに感じます。

熊野地鶏のピリ辛オーブン焼き、ンドゥイヤ風

トッピングされたイタリアの辛味ペースト「ンドゥイヤ」は、マイルドな辛さ。

激辛ではなく、鶏肉の美味しさを促進する程よい辛さです。

その下から出てくる、鶏皮の香ばしさが特に美味しく感じます。

辛いものが美味しく感じる夏場におすすめの鶏料理です。

熊野地鶏のピリ辛オーブン焼き、ンドゥイヤ風

今宵も、「ラ・ビスボッチャ」のディナーで、

素敵なひとときをお過ごしください。